○秋田県多様性に満ちた社会づくり基本条例
令和四年三月二十五日
秋田県条例第六号
秋田県多様性に満ちた社会づくり基本条例をここに公布する。
秋田県多様性に満ちた社会づくり基本条例
(目的)
第一条 この条例は、多様性に満ちた社会づくり(あらゆる差別の解消を図り、全ての県民が、個性を尊重し合いながら、多様な文化及び価値観を受け入れ、並びに互いに支え合う社会の形成を図ることをいう。以下同じ。)について、基本理念を定め、並びに県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、多様性に満ちた社会づくりに関する施策の基本的な事項を定めることにより、多様性に満ちた社会づくりに関する施策を総合的に推進し、もって県民が安心して暮らすことができ、かつ、持続的に発展することができる社会の実現に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第二条 多様性に満ちた社会づくりは、全ての県民が、個人として尊重され、及びその良好かつ平穏な生活を確保され、並びに地域社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参画することができる権利を尊重されることを基本理念として行われなければならない。
(差別等の禁止)
第三条 何人も、他人に対して、人種、信条、性別、性的指向(恋愛又は性的な関心の対象となる性別についての指向をいう。)、性自認(自己の性別についての認識をいう。)、社会的身分、門地、職業、年齢、心身の機能の障害、病歴その他の事由を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。
2 何人も、他人に対して、優越的な関係を背景として、不当な要求をすることその他の不当な行為をしてはならない。
(県の責務)
第四条 県は、第二条に定める基本理念にのっとり、多様性に満ちた社会づくりに関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(県民及び事業者の責務)
第五条 県民及び事業者は、第二条に定める基本理念にのっとり、多様性に満ちた社会づくりについての理解を深めるとともに、県が実施する多様性に満ちた社会づくりに関する施策に協力するよう努めなければならない。
(基本的施策)
第六条 県は、県民及び事業者の多様性に満ちた社会づくりについての理解を深めるため、学習の機会の提供、広報活動の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、第三条に規定する行為に関する相談に応ずるため、必要な体制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
(推進体制の整備)
第七条 県は、多様性に満ちた社会づくりに関する施策を総合的に推進するため、県、市町村、県民、事業者及び関係団体が意見を交換し、及び相互に協力することができるようにするための体制の整備について、必要な措置を講ずるものとする。
(市町村に対する協力)
第八条 県は、市町村が多様性に満ちた社会づくりに関する施策を策定し、及び実施しようとするときは、情報の提供、助言その他の必要な協力を行うものとする。
(指針)
第九条 知事は、多様性に満ちた社会づくりに関する施策の総合的な推進を図るため、多様性に満ちた社会づくりに関する指針(以下「指針」という。)を定めなければならない。
2 指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 多様性に満ちた社会づくりに関する施策の方向
二 前号に掲げるもののほか、多様性に満ちた社会づくりに関する施策を総合的に推進するために必要な事項
3 知事は、指針を定めようとするときは、あらかじめ、県民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
附則
この条例は、令和四年四月一日から施行する。