○六戸町職員の懲戒処分の基準に関する要綱

令和六年二月二十八日

訓令甲第五号

(趣旨)

第一条 この要綱は、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号。以下「法」という。)第二十九条第一項に規定する職員の懲戒処分について、委員会(六戸町職員懲戒処分等審査委員会規程(令和二年訓令甲第五号)第一条の規定による委員会をいう。)における検討が厳正かつ適正に行われるよう基準を定めるものとする。

(懲戒処分の基準)

第二条 別表に掲げる非違行為(法第二十九条第一項各号のいずれかに該当する行為であって、町職員の交通事故等の懲戒処分等に関する基準(昭和五十一年訓令甲第二号)第三条に規定する自動車等の事故を除く。以下単に「非違行為」という。)をした職員に対する標準的な懲戒処分の種類は、同表に定めるとおりとする。

(別表に掲げられていない行為の取扱い)

第三条 職員が行った行為が法第二十九条第一項各号に該当する場合であって、別表に掲げる非違行為に該当しないときは、同表に掲げる非違行為に対する懲戒処分の取扱いに準じて当該行為に対する懲戒処分を決定するものとする。

(考慮すべき事項)

第四条 前二条の規定により懲戒処分を行う場合においては、次の各号に掲げる事項を考慮して懲戒処分の要否及び処分の内容を決定するものとする。

 非違行為の動機、態様及び結果

 故意又は過失の度合い

 非違行為を行った職員の職責及び当該非違行為との関係

 他の職員及び社会に与える影響

 非違行為を行った職員の過去における非違行為の有無

 非違行為を行った職員の日頃の勤務態度

(懲戒処分の量定の加重)

第五条 非違行為を行った職員が、次の各号のいずれかに該当するときは、第二条及び第三条の規定による懲戒処分(以下単に「懲戒処分」という。)を行う場合において、当該懲戒処分より重い懲戒処分を行うことができる。

 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき

 非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき

 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき

 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがあるとき

 処分の対象となり得る複数の非違行為を行っていたとき

(懲戒処分の量定の軽減)

第六条 非違行為を行った職員が、次の各号のいずれかに該当するときは、懲戒処分を行う場合において、当該懲戒処分より軽い懲戒処分を行うことができる。

 職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき

 非違行為を行うに至った経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められるとき

(管理監督責任)

第七条 部下職員が懲戒処分を受ける等した場合において、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員は、減給又は戒告の懲戒処分を行うものとする。

2 前項の規定にかかわらず、部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員は、停職又は減給の懲戒処分を行うものとする。

3 前二項の規定は、部下職員が退職した後における当該部下職員の在職期間中における行為が懲戒処分の対象となる非違行為に該当する場合において、当該部下職員に対する管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員について準用する。

(内部通報者の保護)

第八条 非違行為の事実を内部機関に通報した職員は、通報したことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

2 前項に定めるもののほか職員の内部通報の取扱いは、六戸町職員公益通報取扱規程(令和六年訓令甲第六号)の定めるところによる。

この訓令は、令和六年三月一日から施行する。

別表(第二条、第三条関係)

1 一般服務関係の非違行為及び標準的な懲戒処分の種類

(1) 学歴等詐称

学歴、職歴、資格、免許等を詐称して採用された場合

[免職又は停職]

(2) 欠勤

ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた場合

[減給又は戒告]

イ 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた場合

[停職又は減給]

ウ 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた場合

[免職又は停職]

(3) 遅刻・早退

勤務の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた場合

[戒告]

(4) 休暇の虚偽申請

病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした場合

[減給又は戒告]

(5) 勤務態度不良

勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、又は職務遂行にあたって上司の命令に従わない等により公務の運営に支障を生じさせた場合

[減給又は戒告]

(6) 職場内秩序を乱す行為

ア 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した場合

[停職又は減給]

イ 他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した場合

[減給又は戒告]

(7) 虚偽報告

事実をねつ造して虚偽の報告を行った場合

[減給又は戒告]

(8) 違法な職員団体活動

ア 地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は町の活動能率を低下させる怠業的行為をした場合

[減給又は戒告]

イ 地方公務員法第37条第1項後段の規定に違反してそれぞれの同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった場合

[免職又は停職]

(9) 秘密漏えい

ア 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合

[免職又は停職]

イ 自己の不正な利益を図る目的で職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合

[免職]

ウ 具体的に命令され、又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏えいし、公務の運営に重大な支障が生じた場合

[停職、減給又は戒告]

(10) 政治的目的を有する文書の配布

政治的目的を有する文書を配布した場合

[戒告]

(11) 兼業の承認等を得る手続のけ怠

営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業を行った場合

[減給又は戒告]

(12) 入札談合等に関与する行為

町が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に違反し、事業者その他の者に談合をそそのかした場合、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示した場合又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った場合

[免職又は停職]

(13) 個人の秘密情報の目的外収集

職権を濫用して、専らその職務の用の以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した場合

[減給又は戒告]

(14) セクシュアル・ハラスメント

ア 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした場合

[免職又は停職]

イ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した場合

[停職又は減給]

ウ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合

[免職又は停職]

エ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った場合

[減給又は戒告]

オ セクシュアル・ハラスメントについて、指導、注意等を受けたにもかかわらず、セクシュアル・ハラスメントを繰り返した場合

[停職又は減給]

(15) パワーハラスメント

ア 職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景に、特定の職員に対して、人格と尊厳を侵害する言動を繰り返し、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合

[免職、停職又は減給]

イ 職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景に、特定の職員に対して、人格と尊厳を侵害する言動を繰り返した場合

[停職、減給又は戒告]

ウ パワー・ハラスメントについて、指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワー・ハラスメントを繰り返した場合

[停職又は減給]

(16) その他のハラスメント(妊娠、出産、育児又は介護に関する否定的な言動及びその他本人の意図にかからず人格と尊厳を傷つける言動で、他の職員に不利益や不快感を繰り返し与えるもの等)

ア その他のハラスメントを行った若しくは繰り返した職員

[停職、減給又は戒告]

イ その他のハラスメントを行った若しくは執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合

[免職又は停職]

(17) 収賄

職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をした場合

[免職]

(18) 職務怠慢

職務の遂行に関しその遂行を著しく長期間放置し、若しくは上司に報告義務があるにもかかわらずそれを怠り、町民等に損害、不利益を与えた場合

[減給又は戒告]

(19) 内部通報

ア 非違行為の事実を内部機関に通報した職員を詮索し、又は不利益を及ぼし、若しくは及ぼそうとした場合

[停職又は減給]

イ 事実を捏造して非違行為を内部機関に通報した場合

[停職、減給又は戒告]

(20) 他人の個人印の不正使用

公文書作成や決裁の事務処理等において、他人の個人印を無断使用又は購入するなどして不正使用した場合

[停職、減給又は戒告]

(21) 公文書の不適正な取扱い

ア 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、公文書を毀棄(文書及び署名の抹消のほか、隠匿など効用を害する一切の行為をいう。)した場合

[免職又は停職]

イ 決裁文書を改ざんした場合

[免職又は停職]

ウ 公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合

[停職、減給又は戒告]

(22) 公印の偽造及び不正使用

公印を偽造及び不正使用した場合

[停職、減給又は戒告]

(23) 法令等違反・不適正事務処理等

法令等に違反し、又は不適正な事務処理等を行うことにより、公務の運営に重大な支障を与え、又は町民等に重大な損害を与えた場合

[免職、停職、減給又は戒告]

2 公金物品取扱い関係の非違行為及び標準的な懲戒処分の種類

(1) 横領

公金又は公物を横領した場合

[免職]

(2) 窃取

公金又は公物を窃取した場合

[免職]

(3) 詐取

人を欺いて公金又は公物を交付させた場合

[免職]

(4) 紛失

公金又は公物を紛失した場合

[戒告]

(5) 盗難

重大な過失により公金又は公物の盗難にあった場合

[戒告]

(6) 公物損壊

故意に職場において公物を損壊した場合

[減給又は戒告]

(7) 失火

過失により職場において公物の出火を引き起こした場合

[戒告]

(8) 諸給与の違法支払及び不適正受給

故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した場合及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した場合

[減給又は戒告]

(9) 公金公物処理不適正

自己保管中の公金の流用等公金又は公物の不適正な処理をした場合

[減給又は戒告]

(10) コンピュータの不適正使用

職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた場合

[減給又は戒告]

3 公務外非行関係の非違行為及び標準的な懲戒処分の種類

(1) 放火

放火をした場合

[免職]

(2) 殺人

人を殺した場合

[免職]

(3) 傷害

人の身体を傷害した場合

[停職又は減給]

(4) 暴行・けんか

暴行を加え、又はけんかをした職員が人を傷害するに至らなかった場合

[減給又は戒告]

(5) 器物損壊

故意に他人の物を損壊した場合

[減給又は戒告]

(6) 横領

ア 自己の保有する他人の物を横領した場合

[免職又は停職]

イ 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した場合

[減給又は戒告]

(7) 窃盗又は強盗

ア 他人の財物を窃取した場合

[免職又は停職]

イ 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合

[免職]

(8) 詐取又は恐喝

人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた場合

[免職又は停職]

(9) 賭博

ア 賭博をした場合

[減給又は戒告]

イ 常習として賭博をした場合

[停職]

(10) 麻薬等の所持等

麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラック等の所持、使用、譲渡等をした場合

[免職]

(11) 酩酊による粗暴な言動等

酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした場合

[減給又は戒告]

(12) 淫行

18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対象として供与し、又は供与することを約束して淫行をした場合

[免職又は停職]

(13) 痴漢行為

公共の場所又は乗物において痴漢行為をした場合

[停職又は減給]

(14) 盗撮行為

公共の場所若しくは乗物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした場合

[停職又は減給]

六戸町職員の懲戒処分の基準に関する要綱

令和6年2月28日 訓令甲第5号

(令和6年3月1日施行)