○坂井市環境保全条例
平成18年3月20日
条例第76号
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全に関し必要な事項を定めることにより、市民の健康で安全かつ快適な生活環境を保全することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「公害」とは、坂井市環境基本条例(平成18年坂井市条例第75号。以下「基本条例」という。)第2条第3号に規定するものをいう。
2 この条例において「特定工場」とは、工場又は事業場(以下「工場等」という。)のうち、ばい煙、粉じん、汚水、廃液、騒音、振動、悪臭物質その他人の健康又は安全かつ快適な生活環境を阻害する物質(以下「公害原因物質等」という。)を発生し、排出し、又は飛散するおそれのある工場等であって規則で定めるものをいう。
3 この条例において「規制基準」とは、特定工場から発生又は排出されるばい煙、汚水、廃液、騒音、振動及び悪臭物質の量、濃度又は程度の許容限度に関する基準をいう。
(市等の責務)
第3条 市、市民、事業者は、基本条例第3条の基本理念のもと、それぞれの役割において積極的に環境の保全に努めなければならない。
第2章 公害防止に関する施策
(公害の防止に関する施策の推進)
第4条 市は、公害の防止を図るため、公害原因物質等の発生の規制並びに市民の日常生活及び事業者の事業活動に伴う公害の防止に関する施策を推進するものとする。
(監視及び測定)
第5条 市長は、公害の発生状況及び環境の汚染の状況を把握し、公害の防止のための措置を適正に実施するため必要な監視及び測定を行わなければならない。
2 市長は、前項の規定による監視及び測定の結果明らかになった公害の発生状況及び環境の汚染の状況を市民に公表しなければならない。
(公害苦情等の処理)
第6条 市長は、公害に関する苦情、陳情等があったときは、実情を調査し、迅速かつ適切な処理に努めなければならない。
第3章 公害発生源の規制
第1節 規制基準
(規制基準の設定)
第7条 特定工場に係る規制基準は、規則で定める。
2 市長は、前項の規定により規制基準を定めようとするときは、坂井市環境審議会(以下「環境審議会」という。)の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも同様とする。
(規制基準の遵守義務)
第8条 特定工場を設置している者は、当該特定工場から規制基準に適合しない公害原因物質等を発生させ、排出させ、又は飛散させてはならない。
(規制基準の定めがない公害の措置)
第9条 市長は、規制基準の定めがない公害原因物質等により若しくは規制基準が適用されないことにより、公害が現に発生し、又は発生するおそれがあると認めるときは、当該公害に係る公害原因物質等を発生し、排出し、飛散させる者に対し、公害を防止させるために必要な措置を講ずることを勧告することができる。
第2節 特定工場に関する規制
(特定工場の設置の届出)
第10条 特定工場を設置しようとする者は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
(2) 特定工場の名称及び所在地
(3) 特定工場の業種及び作業内容
(4) 建物及び施設の構造並びにその配置状況
(5) 公害の防止の方法
(6) 使用する原材料及び廃棄物の処理方法
(7) その他規則で定める事項
(経過措置)
第11条 一の工場等が特定工場となった際、現にその工場等を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)は、当該工場等が特定工場となった日から30日以内に、規則で定めるところにより、前条各号に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が、その勧告に従わないときは、その者に対し期限を定めて当該勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
(改善命令)
第19条 市長は、前条第1項の規定による勧告を受けた者が、その勧告に従わないときは、その者に対し期限を定めて当該勧告に係る措置を採るべきことを命ずることができる。
(事故時の措置)
第21条 特定工場を設置している者は、当該特定工場について故障、破損その他の事故が発生し、当該特定工場から発生し、排出し、又は飛散する公害原因物質等が規則で定める基準に適合しないものとなったとき、又はそのおそれがあるときは、直ちに応急の措置を講ずるとともに、規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。この場合において、その事故を速やかに復旧するように努めなければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事故について復旧工事を完了したときは速やかに規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。
3 市長は、特定工場を設置している者が、第1項の応急の措置を講じていないと認めるときは、この者に対し、当該措置を講ずべきことを命ずることができる。
第3節 地域環境を阻害する行為の制限
(拡声機の使用制限)
第22条 地域の静穏を保持するため必要と認めて市長が指定した区域内においては、規則で定める場合を除き、商業宣伝を目的として拡声機を使用してはならない。
2 前項に規定する場合のほか、商業宣伝を目的として拡声機を使用する者は、拡声機の使用方法、使用時間等に関し、規則で定める事項を遵守しなければならない。
(夜間の静穏の保持)
第23条 何人も夜間(午後10時から翌日の午前6時までの間をいう。)においては、道路その他の公共の場所において、みだりに付近の静穏を害する行為をしてはならない。
(深夜の作業の禁止)
第24条 市長が指定する区域内で建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音又は振動を発生する作業を行う者は、規則で定める場合を除き、深夜(午後11時から翌日の午前6時までの間をいう。)において、当該作業を行ってはならない。
(燃焼不適物等の焼却禁止)
第25条 何人も住居が集合している地域においては、ゴム、廃油、ピッチ、タール、皮革、合成樹脂その他燃焼に伴って著しいばい煙、有毒ガス又は悪臭を発生するおそれのあるものを多量に屋外で燃焼させてはならない。ただし、燃焼炉の使用その他適切な処理の方法によって燃焼させる場合は、この限りでない。
第4章 自然環境等の保全
(自然を保護する地区の指定)
第27条 市長は、次の掲げる地区について生活環境を保全するため、自然を保護する地区として指定することができる。
(1) 湖沼、河川、丘陵等が所在する地区のうち、良好な自然の風景地として保護することが必要な地区
(2) 市街地及びその周辺の地域のうち、良好な生活環境を形成する緑地として保護することが必要な地区
(3) 道路の沿線又は緑地の少ない地区のうち、積極的に修景緑化を図ることが必要な地区
2 市長は、前項の地区を指定するときは、環境審議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、自然を保護する地区を指定する場合には、規則で定めるところにより告示しなければならない。
4 自然を保護する地区は、前項の告示によってその効力を生ずる。
(指定の解除及び区域の変更)
第28条 市長は、自然を保護する地区の指定を解除し、又は区域を変更することができる。
(行為の届出等)
第29条 自然を保護する地区の区域内において次の各号に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところによりあらかじめ市長に届け出なければならない。
(1) 建築物その他の工作物の新築、増築、改築又は移転
(2) 建築物その他の工作物の色彩の変更
(3) 宅地の造成、土地の開墾その他土地の形質の変更
(4) 木材の伐採
(5) 土石類の採取
(6) 水面の埋立て又は干拓
2 国及び地方公共団体並びに市長が別に定める公社、公団等の機関が行う行為については、前項の規定は適用しない。この場合において、これらの者は、その行為をしようとするときは、あらかじめ市長に通知しなければならない。
3 市長は、第1項の届出があった場合において、自然を保護する地区の指定を達成するため必要があると認めるときは、当該届出をした者に対して必要な助言又は勧告をすることができる。
(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であって規則で定めるもの
(2) 自然を保護する地区が指定され、又は拡張された際、既に着手していた行為
(3) 非常災害のために必要な応急措置として行う行為
(修景緑化の助言又は勧告)
第31条 市長は、第27条第1項第3号の地区に係る自然を保護する地区において、特に積極的に修景緑化を図る必要があると認めるときは、当該地区内の関係者に対して必要な助言又は勧告をすることができる。
第5章 雑則
(立入検査等)
第32条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、公害原因物質を発生させ、排出させ、又は飛散させる者若しくはおそれのある者に対し、必要な報告を求め、又はその職員に当該工場等及び建設の作業場所等に立入り、施設その他の物件を調査させ、又は関係人に対する指示若しくは指導を行わせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときはこれを提示しなければならない。
4 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(公害防止担当者の設置)
第33条 工場等を設置している者は、公害防止担当者を選任し、作業の方法、施設の維持等について監督を行わせ、当該工場等から公害を発生させないようにしなければならない。
(公害防止協定)
第34条 事業者は、市が市民の健康と安全かつ快適な生活環境を確保するため、公害の防止に関する協定の締結を求めたときは、これに応じなければならない。
2 事業者は、前項の協定を締結したときは、誠実にこれを遵守しなければならない。
3 協定には、住民の立入調査を認める項目を入れるよう努めなければならない。
(違反者の公表)
第35条 市長は、この条例の規定に違反して著しく公害を発生させている者があると認めるときは、必要に応じ、その者を明らかにしなければならない。
第6章 罰則
第38条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
(1) 第10条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(2) 第21条第3項の規定による命令に違反した者
第39条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
(1) 第11条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(2) 第12条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(3) 第26条の規定による命令に違反した者
第40条 次の各号のいずれかに該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
(1) 第14条第1項の規定に違反して工場等を設置し、又は変更した者
第41条 次の各号のいずれかに該当する者は、1万円以下の罰金に処する。
(1) 第15条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(2) 第16条第3項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年3月20日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
4 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。