○新宿区みどりの条例
平成2年11月30日
条例第43号
目次
第1章 総則(第1条―第10条)
第2章 みどりの保護(第11条―第19条)
第3章 みどりの育成(第20条―第25条)
第4章 みどりの協力員(第26条)
第5章 みどりの推進審議会(第27条―第28条の2)
第6章 助成(第29条)
第7章 雑則(第30条―第33条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、新宿区(以下「区」という。)をみどり豊かなうるおいと安らぎのあるまちにするため、区、区民及び事業者が協力して、今あるみどりを保護し、新しいみどりを育成することにより、景観に配慮した良好な都市環境の形成を図り、もって健康で快適な都市生活を確保することを目的とする。
(1) みどり 樹木、樹林、生垣、草花及び草地等をいう。
(2) 事業者 区内で事業活動を行うものをいう。
(3) 建築行為等 新宿区規則(以下「規則」という。)で定める建築行為等をいう。
(区長の責務)
第3条 区長は、この条例の目的を達成するため、みどりの保護と育成に必要な施策を実施しなければならない。
2 区長は、都市環境におけるみどりの役割及び都市緑化技術等についての情報の収集に努めるとともに、みどりの保護と育成に関する知識の普及及び意識の啓発を図り、並びに区民の提案を尊重するように努めなければならない。
(区民及び事業者の責務)
第4条 区民は、みどりの保護と育成に努めるとともに、区が実施する施策に協力しなければならない。
2 事業者は、事業活動を行うに当たっては、みどりの保護と育成に努めるとともに、区が実施する施策に協力しなければならない。
(みどりの実態調査等)
第5条 区長は、規則で定める期間ごとに、みどりの実態調査及び自然環境調査を行い、その調査結果を公表しなければならない。
(計画の策定)
第6条 区長は、みどりの保護と育成に関する計画を策定しなければならない。
(区の木・区の花)
第7条 区の木はけやきとし、区の花はつつじとする。
2 区長、区民及び事業者は、区のみどりの象徴として、区の木及び区の花の保護と育成に努めなければならない。
(維持管理等の義務)
第8条 みどりを所有し、又は管理する者(以下「所有者等」という。)は、そのみどりを良好に管理するよう努めなければならない。
2 区民は、ひとしくみどりの効用を享受する者として、隣地からの落葉等については、相互理解のもとに適切な処理をしなければならない。
(団体の育成)
第9条 区長は、みどりの保護と育成の運動等を推進する区民の自主的団体に対し、情報の提供、技術指導その他その活動に必要な援助を行うものとする。
(自然環境の保全)
第10条 区長、区民及び事業者は、みどりの生育に必要な大気、水、土壌、昆虫及び野鳥等の自然環境を良好に保全するように努めなければならない。
第2章 みどりの保護
(樹木等の保護及び回復)
第11条 土地の所有者又は管理者は、今ある樹木及び樹林の保護に努めなければならない。やむを得ず除去するときは、相応の樹木及び樹林の回復を図るよう努めなければならない。
(保護樹木等の指定)
第12条 区長は、樹木、樹林及び生垣のうち、特にみどりの文化財として保護する必要があると認めるもの(以下「保護樹木等」という。)を規則で定める基準により指定することができる。
2 区長は、保護樹木等の指定をしようとするときは、あらかじめその所有者等の同意を得なければならない。
3 区長は、保護樹木等を指定したときは、その旨を所有者等に通知し、及び公表する。
4 区長は、保護樹木等を指定したときは、台帳を作成し、及び当該保護樹木等にその旨を表示する標識を設置しなければならない。
5 何人も、前項の規定により設置された標識を汚損し、若しくは破壊し、又は区長の承認を得ないで移転し、若しくは除去してはならない。
(保護樹木等の所有者等の責務)
第13条 保護樹木等の所有者等は、当該保護樹木等が貴重な自然の財産であり、良好な生活環境の保持に必要なものであることを認識し、保護樹木等の維持管理に努めなければならない。
(維持管理費の助成等)
第14条 区長は、保護樹木等の所有者等に対して、当該保護樹木等の維持管理に必要な費用を助成することができる。
2 区長は、保護樹木等を良好な状態に保つために必要な技術上の指導を行うように努めなければならない。
(届出義務)
第15条 保護樹木等の所有者等は、次の各号の一に該当するときは、速やかに区長に届け出なければならない。
(1) 保護樹木等を伐採しようとするとき。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行うときは、伐採後遅滞なく届け出るものとする。
(2) 保護樹木等が、滅失し、又は枯死したとき。
(3) 保護樹木等又はその生育する土地を他に譲渡等をしようとするとき。
(4) 氏名又は住所を変更したとき。
(5) 前各号に掲げるもののほか、保護樹木等に大きな変動があったとき。
(保護樹木等の指定解除)
第16条 区長は、次の各号の一に該当するときは、保護樹木等の指定を解除するものとする。
(2) 保護樹木等の所有者等から、土地の利用に支障が生じる等の理由により指定の解除の申出があったとき。
(3) 保護樹木等として相当でなくなったとき。
(保護樹木等の譲渡の申出)
第17条 保護樹木等の所有者等は、保護樹木等の保護及び保全を図るため、これを立木として、区へ譲渡する旨区長に申し出ることができる。
2 区長は、前項の規定により譲り受けた保護樹木等を、明認方法を施す等により、区民のために保護し、及び保全しなければならない。
(保護樹木の利用)
第19条 区長は、第12条第1項の規定により指定した保護樹林のうち、所有者等の同意を得たものを、区民の利用に供することができる。
第3章 みどりの育成
(公共施設の緑化)
第20条 区長は、区が設置し、又は管理する道路、河川、公園、学校、庁舎その他の公共施設について、規則で定める基準により緑化を行わなければならない。
2 国又は他の地方公共団体若しくはこれに準じる法人(以下「国又は地方公共団体等」という。)は、その設置し、又は管理する施設について、前項に定める基準に準じて緑化を行わなければならない。
(民間施設の緑化等)
第21条 土地の所有者又は管理者は、規則で定める基準により緑化を行わなければならない。
2 区長は、前項の規定に基づき、緑化を行う者に対して、緑化に関する相談、技術指導、苗木等のあっせん及び供給等みどりの保護と育成に必要な措置をとることができる。
(区民等とのみどりの協定の締結)
第22条 区民が、区域を定めて、その区域内に所有し、又は管理する土地等に関して、樹木若しくは草花等の植栽、生垣の造成又は接道部の緑化等の推進及び管理について合意したときは、区長とみどりの保護と育成に関する協定(以下「みどりの協定」という。)を締結することができる。
2 前項の規定は、共同住宅の居住者等が、その所有し、又は管理する敷地若しくは壁面若しくは屋上若しくはベランダ等(以下「ベランダ等」という。)に関して、樹木、草花等の植栽の推進及び管理をするときに準用する。
3 前2項の規定によりみどりの協定を締結したものは、その協定の定めるところに従って、その所有し、又は管理する土地等若しくはベランダ等の緑化を行わなければならない。
4 区長は、みどりの協定を締結したものに対して、緑化に関する相談、技術指導、苗木等のあっせん及び供給等みどりの保護と育成に必要な措置を講じるものとする。
(事業者等とのみどりの協定の締結)
第23条 区長は、規則で定める面積以上の敷地を有する工場、事業所等の緑化について、その事業者又は管理者(以下「事業者等」という。)とみどりの協定を締結することができる。
(モデル地区の指定)
第24条 区長は、みどりの保護と育成に関する施策を推進するため、特に必要があると認めるときは、規則で定めるところによりみどりのモデル地区(以下「モデル地区」という。)を指定することができる。
2 区長は、前項に規定するモデル地区を指定しようとするときは、あらかじめ当該区域内の区民の意見を聞くものとする。
3 区長は、モデル地区を指定したときは、その旨を公表する。
4 区長は、モデル地区を指定したときは、特にみどりの保護と育成に必要な措置を講じることができる。
5 第3項の規定は、モデル地区の指定の解除について準用する。
(建築行為等と緑化)
第25条 規則により定める規模以上の敷地等について建築行為等を行おうとする者は、事前にその行為に係る敷地等の緑化に関する計画書(以下「緑化計画書」という。)を区長に提出し、認定を受けなければならない。
2 国又は地方公共団体等が、規則で定める規模以上の敷地等について、建築行為等を行う場合は、事前に緑化計画書を区長に提出し、協議を行わなければならない。
4 建築行為等のうち、特に区長が重要と認めるものについては、前項で定める基準以上の緑化を推進し、地域の自然環境の向上に努めなければならない。
5 区長は、第1項に規定する緑化計画書の認定を受けないで建築行為等を行おうとする者又は認定を受けた緑化計画書の内容に違反し、若しくはその履行をしない者に対して、緑化計画書の認定を受けるよう又は当該認定に適合する緑化を行うよう若しくは緑化計画書を履行するよう勧告することができる。
第4章 みどりの協力員
(みどりの協力員の委嘱等)
第26条 区長は、みどりの協力員(以下「協力員」という。)を委嘱することができる。
2 協力員は、区が実施するみどりの保護と育成に関する施策に協力するとともに、地域における緑化の推進及び緑化思想の普及に努めなければならない。
第5章 みどりの推進審議会
(審議会の設置)
第27条 区におけるみどりの保護と育成に関する重要な事項を調査審議するため、区長の附属機関として、新宿区みどりの推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、区長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。
(1) みどりの保護と育成に関する計画に関すること。
(2) 保護樹木等の指定及び解除に関すること。
(3) 保護樹木等の譲受等に関すること。
(4) モデル地区の指定及び解除に関すること。
(5) 第32条に定める違反行為の公表等に関すること。
(6) 新宿区みどり公園基金条例(平成21年新宿区条例第28号)第5条の規定による新宿区みどり公園基金の処分に関すること。
(7) その他みどりの保護と育成について、区長が必要と認める事項
3 審議会は、みどりの保護と育成に関する重要事項に関して、区長に意見を述べることができる。
(平17条例42・平21条例29・一部改正)
(審議会の組織)
第28条 審議会は、15人以内の委員で組織する。
2 審議会の委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 審議会の委員は、みどりの保護と育成について学識経験を有する者、区民及びみどりの保護と育成に関する団体の構成員のうちから、区長が委嘱する。
4 前3項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(平17条例42・一部改正)
(小委員会)
第28条の2 審議会の効率的な運営を図るため、審議会に小委員会を置くことができる。
3 前2項に定めるもののほか、小委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(平21条例29・追加)
第6章 助成
(助成)
第29条 区長は、みどりの保護と育成に関し必要があると認めるときは、予算の範囲内で当該費用の一部を助成することができる。
第7章 雑則
(実地調査)
第30条 区長は、みどりの保護と育成の状況等について、必要があると認めるときは、職員に実地調査をさせることができる。
2 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に、これを提示しなければならない。
(国又は地方公共団体等に対する要請)
第31条 区長は、この条例の目的を達成するため、必要があると認めるときは、国又は地方公共団体等に対して、その所有し、又は管理する土地若しくは施設等におけるみどりの保護と育成について、協力を要請することができる。
(違反行為の公表等)
第32条 区長は、次の各号の一に該当する者があるときは、審議会の調査審議を経て、文書で警告するとともに、その事実を公表することができる。
(1) 第15条第1項第1号に違反し、保護樹木等を届出なく伐採した者
(2) 第25条第1項に違反し、緑化計画書を提出しないで建築行為等を行った者
(3) 第25条第5項に規定する勧告に従わない者
(平21条例29・一部改正)
附則
1 この条例は、平成3年4月1日から施行する。
2 新宿区緑と花の条例(昭和48年新宿区条例第4号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。
附則(平成17年6月20日条例第42号)
この条例中第27条第2項の改正規定は新宿区みどりの基金条例の一部を改正する条例(平成17年新宿区条例第41号)の施行の日から、第28条第1項及び第3項の改正規定は平成17年8月1日から施行する。
附則(平成21年3月24日条例第29号)
この条例は、公布の日から施行する。ただし、第27条第2項第6号の改正規定は、平成21年3月31日から施行する。