○新宿区自治基本条例

平成22年10月14日

条例第43号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 区民(第5条・第6条)

第3章 議会等(第7条―第9条)

第4章 区長等(第10条―第13条)

第5章 区政運営の原則(第14条)

第6章 情報公開及び個人情報保護(第15条・第16条)

第7章 住民投票(第17条―第20条)

第8章 地域自治(第21条)

第9章 子どもの権利等(第22条)

第10章 国、他の自治体及び関係機関との連携及び協力等(第23条・第24条)

第11章 条例の見直し等(第25条)

附則

私たちにつながる先人たちは、かつて、みどり深き武蔵野大地の一角で集落を形成しました。以来、この地では数限りない人々が、連綿としたいのちの営みを続け、幾星霜の歴史を刻みながら多彩な文化を育んできました。

昭和22(1947)年に牛込、四谷、淀橋の3区が合併して誕生した新宿区は、江戸時代から計画的に市街地として発展した地域、新宿駅を中心にした新興商業地域、丘陵地の高台に位置した純農村地域など、それぞれ地域によって異なる風情を見せ、多様性に富んだまちとして都市化しながら今日に至っています。

私たちの新宿区は、首都東京の中心に位置し、この地には、国内外の人々がともに暮らし、様々な目的を持った多くの人が集い、日々変ぼうを遂げながら活力のある国際的な都市として重要な存在感を示しています。

私たちの新宿区は、人々が営営として築いてきた価値ある歴史や文化が随所に息づくまちであり、日本を代表する文豪夏目漱石をはじめ幾多の貴重な人材を輩出しています。

私たちの新宿区は、また、時代の先端を切りひらく新しい文化の発信源として、進取の気風に富み、エネルギーに満ちたまちです。

こうした歴史的文化的遺産や地域の風土は、新宿区が持つ優れた特性として、私たちが誇りとするものです。

今、地域自治の時代を迎えようとしています。

新宿区が持つ特性を生かしながら、安全で安心な社会、持続可能な社会の実現をめざし、情報の共有化や区政参加の促進を図り、成熟した地域自治をこの地新宿に花開かせることは、私たちに課せられた大きな使命です。

私たちは、新たな時代の流れを深く自覚し、世界の恒久平和や地球環境の保全を希求し、互いの人権や個性を尊重し合いながら、市民主権の下、この地に最もふさわしい私たちが主役の自治を創造します。

私たちは、世界からこの地に集う人々とともに互いの持つ多様性を認め合う多文化共生社会の実現をめざすとともに、新宿区の優れた歴史や文化を世代を超えて継承し、一人ひとりの思いをしっかりと基盤に据えた地方政府を創り上げる決意を込め、ここに新宿区の最高規範としてこの条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、自治の基本理念を明らかにするとともに、これに基づく区政運営の原則並びに区民、新宿区議会(以下「議会」という。)及び新宿区長(以下「区長」という。)の責務等について定め、もって新宿区(以下「区」という。)の更なる自治の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 区民 区の区域内(以下「区内」という。)に住所を有する者並びに区内で働く者、学ぶ者、活動する者及び活動する団体をいう。

(2) 公共サービス 公共サービス基本法(平成21年法律第40号)第2条に規定する公共サービスをいう。

(3) 区の行政機関 区長、新宿区教育委員会、新宿区選挙管理委員会及び新宿区監査委員をいう。

(4) 職員 次に掲げる者をいう。

 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職にある者及び同条第3項に規定する特別職にある者(議員を除く。)で区に勤務するもの

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第37条第1項に規定する県費負担教職員で区に勤務するもの

(基本理念)

第3条 区は、人権を尊重し、一人ひとりを大切にする区政を行う。

2 区は、区民が主役の自治の実現を図り、区民は、自治の担い手として地域の課題を解決するものとする。

3 区は、地方自治の本旨に基づく基礎自治体であり、確立した自治権をもち、区民自治を基本とした区政を推進する。

(条例の位置付け)

第4条 区は、この条例を区における最高規範とし、他の条例等を制定し、又は改廃するに当たっては、この条例との整合性を図るものとする。

第2章 区民

(区民の権利)

第5条 区民は、区政に関する情報を知る権利を有する。

2 区民は、公共サービスを受ける権利を有する。

3 区民は、区政に参加する権利を有する。

4 区民は、区の自治の担い手として、生涯にわたり学ぶ権利を有する。

(区民の責務)

第6条 区民は、区内にともに生きるものとして、互いの自由及び人格を尊重し、良好な地域社会の創出に努めるものとする。

第3章 議会等

(議会の設置)

第7条 区に区民の代表機関として、議会を置く。

(議会の責務)

第8条 議会は、区民の代表機関として、区民の意思が的確に区政に反映されるよう議決権を行使するとともに、適正な行政運営が行われるよう調査し、監視するものとする。

2 議会は、自治体の立法機関として、積極的に政策立案、政策提言を行い、議会活動の活性化に努めるものとする。

3 議会は、議会活動に関する情報を区民と共有し、その説明責任を果たすものとする。

(議員の責務)

第9条 議会の議員(以下「議員」という。)は、区民の代表としてその権限及び責任を自覚して行動するものとする。

2 議員は、別に定める政治倫理基準その他法令等を遵守し、公正で公平な議会活動を行うものとする。

第4章 区長等

(区長の設置)

第10条 区に区の代表として、区長を置く。

(区長の責務)

第11条 区長は、区民の信託にこたえ、公正で公平な区政運営を行うものとする。

(区の行政機関の責務)

第12条 区の行政機関は、区民に最も身近な行政機関として区民ニーズの的確な把握に努め、自らの判断及び責任の下で職務を執行するものとする。

2 区の行政機関は、多様な方法により区政運営に関する情報を分かりやすく区民に提供する等、区民への説明責任を果たすものとする。

(職員の責務)

第13条 職員は、区を愛し、区民の視点に立って、区の自治の実現に努めるものとする。

2 職員は、区民に最も身近な地方政府の一員であることを自覚するとともに、別に定める公益保護及び職員の行動規準等に関する規程その他法令等を遵守し、公正かつ公平に職務を遂行するものとする。

3 職員は、職務の遂行に必要な知識の取得及び技能の向上に努めるものとする。

第5章 区政運営の原則

(区政運営の原則)

第14条 区長は、財政の健全化及び自立的な財政基盤の確立に努めるとともに、公正で公平な視点に立って、効果的かつ効率的な公共サービスの提供に努めるものとする。

2 区長は、公共サービスの提供に当たっては、区の基本構想に基づきその実現のための総合的な計画を定めるものとする。

3 区長は、適切な方法で区の財政状況を公表するものとする。

4 区の行政機関は、組織相互間の連携を図り、一体として行政機能を発揮するよう組織を整備するものとする。

5 区の行政機関は、多様な方法により区民の意見を把握するとともに、区民の区政への参加及び協働の機会を提供するものとする。

6 区の行政機関は、行政評価を実施するとともに、その結果について公表し、区政運営に適切に反映するものとする。

第6章 情報公開及び個人情報保護

(情報公開)

第15条 区の行政機関及び議会は、区民の区政に関する情報を知る権利を保障し、これを積極的に公開することにより、区民との共有を図るものとする。

(個人情報保護)

第16条 区の行政機関及び議会は、その保有する個人に関する情報を保護し、これを適切に管理するものとする。

第7章 住民投票

(住民投票)

第17条 区は、住民の生活及び区政に重大な影響を有する事項について直接住民の意思を問うための投票制度(以下「住民投票」という。)を設ける。

2 住民投票において投票権を有する者は、区内に住所を有する年齢満18年以上の者で別に条例で定めるものとする。

(住民投票の実施)

第18条 住民投票は、次に掲げる場合に、区長が実施するものとする。

(1) 前条第1項に規定する事項について、区内に住所を有する年齢満18年以上の者で別に条例で定めるものから、その総数の5分の1以上の者の連署をもって、住民投票を実施するよう請求があったとき。

(2) 前条第1項に規定する事項について、議員の定数の12分の1以上の者から住民投票の実施を求める旨の発議がなされ、議会がこれを議決したとき。

2 前項の規定にかかわらず、区長は、前条第1項に規定する事項について直接住民の意思を問う必要があると認めるときは、住民投票を実施することができる。

(住民投票の実施の結果の尊重)

第19条 区は、住民投票の実施の結果を尊重しなければならない。

(条例への委任)

第20条 前3条に定めるもののほか、住民投票の実施に関し必要な事項は、別に条例で定める。

第8章 地域自治

(地域自治)

第21条 区は、地域の特性を踏まえた住民の自治を尊重し、区民が個性豊かで魅力ある地域づくりを行えるよう、地域自治を推進する。

2 区の行政機関は、地域自治を推進するために必要な措置を講ずるものとする。

3 区民は、第1項の地域づくりを行うため、地域の区分ごとに地域自治組織を置くことができる。

4 地域の区分及び地域自治組織に関し必要な事項については、別に条例で定める。

第9章 子どもの権利等

(子どもの権利等)

第22条 子どもは、社会の一員として自らの意見を表明する権利を有するとともに、健やかに育つ環境を保障される。

第10章 国、他の自治体及び関係機関との連携及び協力等

(国、他の自治体及び関係機関との連携及び協力)

第23条 区は、広域的な課題又は共通の課題の解決に当たっては、国、東京都その他の自治体及び関係機関と対等な立場で連携を図り、相互に協力して取り組むものとする。

(国際社会との関係)

第24条 区は、国際都市として自覚を持って、国際社会との相互理解及び協調に努めるものとする。

第11章 条例の見直し等

(条例の見直し等)

第25条 区長は、4年を超えない期間ごとに、この条例及び関連する諸制度について、区民及び議会とともに検証を行い、この条例の趣旨を踏まえ、必要な措置を講ずるものとする。

附 則

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

新宿区自治基本条例

平成22年10月14日 条例第43号

(平成23年4月1日施行)

体系情報
第1編 区政の運営/第2章
沿革情報
平成22年10月14日 条例第43号