○新城市環境基本条例

平成18年3月27日

条例第53号

近年、環境問題に対する不安感がいままで以上に高まっています。それは、廃棄物の増大や大気汚染、騒音、生活排水による水質汚濁など身近な問題から温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨など地球規模の問題が極めて深刻になっているという認識に基づくものです。この状況を放置すると、生活環境の悪化にとどまらず地球全体の存続が危うくなります。

こうしたことから、これまでの物質的豊かさの追求に重点を置く考え方や大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済活動とライフスタイルを見直そうという動きが始まっています。かけがえのない自然環境を保全するとともに、それと調和した持続可能な循環型社会を築いていこうとするものです。これは、地球上の全人類に課せられた使命です。

したがって、わたしたちは毎日の事業活動と日常生活における環境への負荷を軽減するとともに、良好な地球環境を将来の世代に引き継いでいく施策を策定し、すべての市民の参加と協働により環境の保全と創出を進めます。その指針として、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全と創出についての基本的な考え方を定め、市、市民および事業者の責任と義務を明らかにするとともに、環境の保全と創出に関する基本的事項を定めることを目的とします。

(定義)

第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響で、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいいます。

2 この条例において「地球環境の保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化やオゾン層の破壊の進行、大気・海洋の汚染、野生生物の種の減少、その他の地球全体または広範な部分の環境に影響をおよぼす事態に対する環境保全で、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保になることをいいます。

3 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生じる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、悪臭、地盤の沈下によって、人の健康や生活環境に被害が生じることをいいます。

(基本的な考え方)

第3条 環境の保全と創出は、自然生態系を維持し充実しながら、環境への負荷の少ない持続可能な循環型社会を築くことをめざして行わなければなりません。

2 環境の保全と創出は、地球規模で考え、地域に根ざした活動を確実に進めることにより、わたしたちをとりまく環境が良好な状態で将来の世代に引き継いでいくよう行わなければなりません。

3 環境の保全と創出は、すべての事業活動と日常活動において、またすべての主体の公平な役割分担のもとに、自主的に、しかも積極的に取り組むことによって行わなければなりません。

(市の責任と義務)

第4条 市は、次に掲げる事項の施策を総合的、計画的に進める責任と義務があります。

(1) 公害の防止、廃棄物の削減・再利用と適正処分、適切な排水処理、省資源と省エネルギー、歴史的文化的資源の保全、景観の保全、快適な居住環境の整備など生活環境に関係すること。

(2) 森林の保全と活用、河川・湿地など水辺環境の保全と整備、緑化、野生動植物の生態とその多様性に配慮した自然保護など自然環境に関係すること。

(3) 地球温暖化の防止、酸性雨の防止、オゾン層の保護など地球環境の保全に関係すること。

2 市は、事業計画を立案したり事業を実施するときは、この条例の基本的な考え方に従って行います。

(市民の責任と義務)

第5条 市民は、日常生活において環境の保全と創出に努力するとともに、環境への負荷を少なくするよう努力しなければなりません。

2 市民は、日常生活から排出される廃棄物の徹底した減量と分別、生活排水の改善に努力するとともに、省エネルギーとリサイクルを進めることにより、資源の有効利用に努力しなければなりません。

3 前2項のほか、市民は市その他の機関が実施する環境の保全と創出に関係する施策に協力する責任と義務があります。

(事業者の責任と義務)

第6条 事業者は、事業活動により公害を発生させないようにするとともに、自然生態系の維持に配慮しつつ環境を適正に保全するため、自らの負担において必要な措置をとる責任と義務があります。

2 事業者は、事業活動に関係する製品、原材料その他のものを使用したり、廃棄したりすることによる環境への負荷を少なくするよう努力するとともに、省エネルギーとリサイクルを進めることにより、資源の有効利用に努力しなければなりません。

3 事業者は、事業活動により公害を発生させ自然生態系を破壊したりしたときは、自らの責任と負担においてこれを補償するとともに原状回復しなければなりません。

4 前3項のほか、事業者は市その他の機関が実施する環境の保全と創出に関係する施策に協力する責任と義務があります。

(環境基本計画)

第7条 市は、環境の保全と創出に関係する施策を総合的、計画的に進めるため新城市環境基本計画(以下「環境基本計画」といいます。)を定めます。

2 環境基本計画には、将来の望ましい環境像を明らかにするとともに、それを実現する事項を定めます。

3 環境基本計画を定めるとき、また変更するときは、市民と事業者などの意見を聞くとともに、その参加を求めます。

4 環境基本計画を定めたとき、また変更したときは、できる限りはやく公表します。

5 環境基本計画を定めるとき、また変更するときは、他の計画との整合を図ります。

6 他の計画を定めるとき、また変更するときは、環境基本計画との整合を図ります。

(年次報告)

第8条 市は、市の環境の現状や環境の保全と創出に関係する施策などについて年次報告を作成し、これを全市民はじめ市内外の利害関係者に公表します。

2 年次報告を公表した場合、それに対する市民及び事業者の意見を聞くこととします。

(環境教育)

第9条 市は、市民が環境の保全と創出の大切さについての理解を深めるために、それぞれの立場、年齢に応じて適切な環境教育が受けられるよう必要な準備をするとともに、環境学習を自発的に行うことができるような措置をとります。

(環境情報の提供)

第10条 市は、市民や事業所の環境保全と創出に関係する活動が積極的に行われるよう、地球環境の保全に関係する情報やその他の環境の保全と創出に関係する情報を市の広報等により適切に提供します。

(環境施策への市民意見などの反映)

第11条 市は、環境施策を策定するときは、積極的に市民および事業者などの意見をきき、その取組内容に反映することとします。

(市民活動などの支援)

第12条 市は、市民、事業者およびこれらで組織する団体が行う環境の保全と創出の自発的活動に対し、積極的に支援します。

(市民などの参加)

第13条 市は、環境の保全と創出の施策を進めるため、市民や事業者などの参加を求めるとともに、その他の必要な措置をとります。

(環境審議会)

第14条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定により、新城市環境審議会(以下「審議会」といいます。)を設置します。

2 審議会は、市長の相談に応じ、次の事項を調査審議し、意見を述べます。

(1) 環境の保全と創出に関係する基本的事項や重要事項

(2) 環境基本計画を定めるときと変更するときの意見に関する事項

(3) その他環境の保全と創出に関係して市長から意見を求められた事項

3 審議会は、10人以内の委員で組織します。

4 委員は、生活環境、自然環境、地球環境の問題について知識や意見を持っている方の中から、市長が委嘱します。

5 委員の任期は2年で、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とします。ただし、再任をさまたげるものではありません。

6 審議会には、会長と副会長を置き、委員の中から互選します。

7 会長は、審議会をまとめ、会議の議長となります。

8 副会長は、会長を補佐し、会長が欠けたときは、その職務を代理します。

(推進と調整体制の整備)

第15条 市は、環境の保全と創出に関係する施策を総合的に進めるため、環境問題を調整する会議を設置するなど必要な体制を整備します。

(広域的連携)

第16条 市は、地球環境の保全その他の広域的な取り組みを必要とする施策を実施するときは、国際機関、国、県や他の市町村及び民間団体などと協力して、その推進に努力します。

(委任)

第17条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定めます。

この条例は、公布の日から施行します。

新城市環境基本条例

平成18年3月27日 条例第53号

(平成18年3月27日施行)