○新城市福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができるまちづくり条例

令和3年9月17日

条例第20号

私たちは、誰もが元気に住み続けられ、世代のリレーができるまちをめざして、共につながり、共に支え合う活動を何よりも大切にしています。

人は誰でも生涯の中で様々な困難に出会います。いかなる困難な時であっても、人間の尊厳が守られ、誰もが個人として尊重され、それぞれの幸福を追求する権利が保障されるためには、社会福祉の事業が不可欠です。

社会福祉の事業は、先人たちの不断の努力により、多方面にわたって目覚ましい発展を遂げてきました。今日では福祉サービスが、生涯にわたるセーフティネットの役割を果たしています。

このため、福祉サービスの担い手は、国・地方自治体をはじめとする公共機関はもとより、社会福祉法人、民間企業体、市民活動団体、地域住民団体、そして家族・親族や近隣関係に至るまで、多方面に広がっています。

同時に、福祉サービスが所期の目的を果たし、利用者の暮らしの質を保てるようになるためには、対象領域ごとに専門的な知識や技能を身につけ、目的意識を持って仕事や活動にあたる人々を必要とします。事業経営、職業、ボランティア活動等の別なく、これらに関わりを持つ人々のことです。さらには、福祉の仕事を志す人や社会福祉の経験等を持ち、潜在している人々を含め福祉人材と言うことができます。

しかし、少子化と人口減少、「人生100年時代」と言われる超高齢社会に入る中で、福祉人材の育成と確保が各地で困難になっています。

この現状を克服して、福祉サービスを持続的に供給し、社会の変化に対応して発展させるためには、人に寄り添い、人生の伴走者として共に生きる福祉従事者の仕事や活動が、それにふさわしい敬意と社会的評価を受けられるようにすることが不可欠です。

私たちは、誰もが支え手・提供者であり受け手・受益者であるという社会福祉の事業の本質と、それが高い水準を保って持続するためには、福祉従事者の仕事や活動を正当に評価し、福祉従事者自身もそれに応えて常にその力を高めていくことが求められるという社会福祉の事業の今日的課題を自覚し、市民共通の理解としたいと考えます。

以上の趣旨に基づき、福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができる地域社会の実現と、そこに向けて、福祉従事者、事業者、市民、及び市が力を合わせて、共につながり、共に支え合う地域共生社会の構築を図るために、本条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができる地域社会を実現するため、福祉従事者の支援に関し、基本理念を定め、福祉従事者、事業者、市民及び市の責務を明らかにするとともに、これらの者の連携その他の基本的な事項を定めることにより、福祉従事者の支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 福祉従事者 市内で福祉サービスに従事する者をいう。

(2) 事業者 市内で社会福祉を目的とする事業を営む者をいう。

(3) 市民 新城市自治基本条例(平成24年新城市条例第31号。以下「自治基本条例」という。)第2条第2号に規定する市民(前2号のいずれかに該当する者を除く。)をいう。

(4) 市 自治基本条例第2条第3号に規定する市をいう。

(基本理念)

第3条 福祉従事者の支援は、福祉従事者、事業者、市民及び市が、地域における社会福祉及び地域共生社会の重要性を十分に認識するとともに、互いに助け合い、理解を深めながら、相互に連携し、及び協力し、福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができる地域社会の実現を目指すことを基本理念として行うものとする。

(福祉従事者の責務)

第4条 福祉従事者は、相互に人格と個性を尊重し、並びに福祉従事者としての資質及び福祉サービスの質の向上に努めるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、福祉従事者の労働環境の向上及び人材の育成並びに事業者間の連携及び協力に努めるものとする。

(市民の責務)

第6条 市民は、自らが社会福祉を享受し、かつ、提供する者であることを踏まえ、福祉従事者の人格と個性を尊重し、市民、福祉従事者及び事業者間の相互の支え合いに積極的に取り組むよう努めるものとする。

(市の責務)

第7条 市は、福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができる地域社会の実現のために必要な支援に努めるものとする。

(推進施策)

第8条 福祉従事者、事業者、市民及び市は、福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができる地域社会を実現するため、相互に連携し、及び協力し、次に掲げる施策を行うものとする。

(1) 福祉従事者の資質及び福祉サービスの質の向上を図ること。

(2) 福祉サービスに従事しようとする者及び社会福祉を目的とする事業を始めようとする者を支援すること。

(3) 社会福祉を目的とする仕事及び活動について、知り、及び学ぶ機会を創出すること。

(4) 福祉従事者及び事業者並びに福祉に関する団体の相互の連携及び協力の関係を構築すること。

(5) 福祉従事者及び事業者並びに福祉に関する団体を支援し、及びこれらのものの社会的評価の向上を図ること。

(新城市福祉従事者支援施策推進会議)

第9条 福祉従事者、事業者、市民及び市は、前条の施策の推進を図るため、新城市福祉従事者支援施策推進会議を置く。

2 新城市福祉従事者支援施策推進会議の組織及び運営については、会議に諮って別に定める。

(委任)

第10条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

新城市福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができるまちづくり条例

令和3年9月17日 条例第20号

(令和3年9月17日施行)