○酒々井町文化財保護に関する条例
昭和42年12月25日
条例第15号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 町指定文化財(第4条―第18条)
第3章 町登録有形文化財(第19条―第30条)
第3章の2 町地域文化財(第30条の2―第30条の4)
第4章 町選定保存技術(第31条―第35条)
第5章 町文化財審議会(第36条―第39条)
第6章 補則(第40条)
第7章 罰則(第41条・第42条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)及び千葉県文化財保護条例(昭和30年千葉県条例第8号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で町区域内に存するもののうち重要なものについて、その保存及び活用のために必要な措置を定めるものとする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。
(財産権等の尊重)
第3条 酒々井町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。
第2章 町指定文化財
(指定)
第4条 教育委員会は、町の区域に存する文化財のうち重要なものを酒々井町指定文化財に指定することができる。
2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ指定しようとする文化財の所有者、保持者又は権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、当該文化財の所有者等が判明しない場合は、この限りでない。
4 第1項の規定による指定は、その旨町報で告示するとともに、当該文化財の所有者等に通知して行う。
6 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該町指定文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第5条 指定文化財が指定文化財としての価値を著しく失った場合、その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
3 指定文化財については、法第27条第1項、第71条第1項、第78条第1項若しくは第109条第1項の規定による国指定文化財又は県条例第4条第1項、第20条第1項、第26条第1項若しくは第34条第1項の規定による県指定文化財として指定があったときは、当該指定文化財の指定は解除されたものとする。
4 前項の場合には、教育委員会は、速やかにその旨を町報で告示するとともに、当該指定文化財の所有者等に通知しなければならない。
(所有者等の管理義務及び管理責任者)
第6条 指定文化財の所有者等は、この条例及びこれに基づく酒々井町教育委員会規則(以下「教育委員会規則」という。)並びに教育委員会の指示に従い、指定文化財を管理しなければならない。
2 指定文化財の所有者等は、特別な事情があるときは、専ら自己に代わり当該指定文化財の管理の責めに任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者等は10日以内にその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様である。
4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。
(所有者等の変更)
第7条 指定文化財の所有者等が変更したときは、新所有者等は、10日以内にその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 指定文化財の所有者等又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、10日以内にその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第8条 指定文化財の全部又は一部が滅失し若しくはき損し、又はこれを亡失若しくは盗み取られたときは、所有者等(管理責任者がある場合は、その者)は、10日以内にその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第9条 指定文化財所在の場所を変更しようとするときは、所有者等(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(管理又は修理の補助)
第10条 指定文化財の管理又は修理等に要する経費は、所有者等の負担とする。ただし、多額の費用を要し所有者等がその負担に堪えない場合、その他特別の事由がある場合は、町は、当該所有者等に対し予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理等に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理等について指揮監督することができる。
3 教育委員会は前項に定めるもののほか、補助金の交付を達成するために必要な事項について条件を付することができる。
(1) 管理又は修理等に関し条例、規則又は教育委員会規則に違反したとき
(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき
(3) 第2項の補助の条件に従わなかったとき
(管理又は修理等に関する勧告)
第11条 指定文化財の管理が適当でないため指定文化財が滅失し、き損し又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者等又は管理責任者に対し、管理方法の改善、記録の作成、伝承者の養成、修理保存、その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 指定文化財がき損している場合において、その保存のために必要があると認めるときは、教育委員会は、所有者等に対しその修理について必要な勧告をすることができる。
3 前項の規定による勧告に基づいてする措置に要する費用は、予算の範囲でその全部又は一部を町の負担とすることができる。
2 指定文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言を与えることができる。
(現状変更等の制限)
第13条 指定文化財に関しその現状を変更し又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については、維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。
(環境保全)
第14条 教育委員会は、指定文化財の保全のため必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し若しくは禁止し、又は必要な施設をすることを命ずることができる。
2 前項の規定による処分によって損失を受けた者に対しては、町は、その損失を予算の範囲内で補償することができる。
(公開及び出品の勧告)
第15条 教育委員会は、指定文化財の所有者等に対し6月以内の期間を限って、教育委員会の用に供するため指定文化財を公開することを勧告することができる。
2 教育委員会は、指定文化財の所有者等に対し3月以内の期間を限って、当該町指定文化財の公開を勧告することができる。
4 町は、第1項の規定により公開した所有者等に対し、給与金を支払うことができる。
5 教育委員会は、第1項の規定により指定文化財が公開されたときは、その職員のうちから指定文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。
6 教育委員会は、第2項の規定による公開及び当該公開に係る指定文化財の管理に関し、必要な指示をすることができる。
(調査)
第16条 教育委員会は、必要があると認めるときは、指定文化財の所有者等又は管理責任者に対し、当該指定文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(所有者変更に伴う権利義務の承継)
第17条 指定文化財の所有者等が変更したときは、新所有者等は、指定文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
(標識等の設置)
第18条 指定文化財の所有者等は、教育委員会の定める基準により特別のほか指定文化財の管理保存に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。
第3章 町登録有形文化財
(有形文化財の登録)
第19条 教育委員会は、町指定文化財以外の有形文化財で建造物であるもののうち、その文化財としての価値にかんがみ保存及び活用のための措置が必要とされるものを文化財登録原簿に登録することができる。
2 有形文化財の登録は、所有者等からの届出があった有形文化財のうちから行う。
3 有形文化財の登録の基準は、原則として建造後50年を経過し、かつ、次の各号のいずれかに該当するものとする。
(1) 歴史的景観に寄与しているもの
(2) 造形の規範となっているもの
(3) 再現することが容易でないもの
(告示、通知及び登録証の交付)
第20条 前条第1項の規定による登録をしたときは、速やかに、その旨を告示するとともに、当該登録をされた有形文化財(以下「町登録有形文化財」という。)の所有者等に通知する。
3 前条第1項の規定による登録をしたときは、教育委員会は、教育委員会規則で定めるところにより、当該登録有形文化財の所有者等に登録証を交付しなければならない。
(町登録有形文化財の登録の抹消)
第21条 教育委員会は、町登録有形文化財が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を抹消するものとする。
(1) 法第27条第1項の規定により重要文化財に指定されたとき。
(2) 法第57条の規定により登録有形文化財に登録されたとき。
(3) 県条例の規定により千葉県指定文化財に指定されたとき。
(4) 第4条の規定により町指定文化財に指定したとき。
2 教育委員会は、町登録有形文化財についてその保存及び活用のための措置を講ずる必要がなくなった場合その他特殊の事由があるときは、その登録を抹消することができる。
3 前2項の規定により登録の抹消をしたときは、速やかに、その旨を告示するとともに、当該町登録有形文化財の所有者等に通知する。
5 第3項の通知を受けたときは、所有者等は、速やかに登録証を教育委員会に返付しなければならない。
(町登録有形文化財の管理)
第22条 町登録有形文化財の所有者等は、この条例及びこれに基づく教育委員会規則に従い、町登録有形文化財を管理しなければならない。
2 登録有形文化財の所有者等は、特別の事情があるときは、適切な者を専ら自己に代わり当該登録有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)に選任することができる。
(町登録有形文化財の滅失又はき損)
第23条 町登録有形文化財の全部又は一部を滅失し又はき損したときは、所有者等(管理責任者がある場合は、その者)は、教育委員会規則で定める事項を記載した書面をもって、その事実を知った日から10日以内に教育委員会に届け出なければならない。
(町登録有形文化財の管理又は修理の補助)
第24条 町登録有形文化財の修理に要する費用は、所有者等の負担とする。ただし、修理に多額の経費を要し、所有者等がその負担に堪えないとき、その他特別の事情があるときは、町は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者等に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
(町登録有形文化財の現状変更の届出等)
第25条 町登録有形文化財に関しその現状を変更しようとする者は、現状を変更しようとする日の30日前までに、教育委員会規則で定めるところにより、教育委員会にその旨を届け出なければならない。ただし、維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合は、この限りでない。
2 前項ただし書きに規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。
3 町登録有形文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る町登録有形文化財の現状の変更に関し必要な指導、助言又は勧告をすることができる。
(町登録有形文化財の管理又は修理に関する技術的指導)
第26条 町登録有形文化財の所有者等又は管理責任者は、教育委員会に、町登録有形文化財の管理又は修理に関し技術的指導を求めることができる。
(町登録有形文化財の公開)
第27条 町登録有形文化財の公開は、所有者等(管理責任者がある場合は、その者)が行うものとする。
2 町登録有形文化財の活用上必要があると認めるときは、教育委員会は、町登録有形文化財の所有者等に対し、町登録有形文化財の公開及び当該公開に係る町登録有形文化財の管理に関し、必要な指導又は助言をすることができる。
(町登録有形文化財の現状等の報告)
第28条 教育委員会は、必要があると認めるときは、町登録有形文化財の所有者等又は管理責任者に対し、町登録有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(所有者等の変更に伴う登録証の引渡し)
第29条 町登録有形文化財の所有者等が変更したときは、第7条の規定を準用し、旧所有者等は、当該町登録有形文化財の引渡しと同時にその登録証を新所有者等に引渡さなければならない。
(環境保全)
第30条 教育委員会は、町登録有形文化財の保全のため必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し若しくは禁止し、又は必要な施設をすることを命ずることができる。
2 前項の規定による処分によって損失を受けた者に対しては、町は、その損失を予算の範囲内で補償することができる。
3 教育委員会は、町登録有形文化財周辺の良好な環境を保全するため、所有者等の同意を得て環境整備を行うことができる。
第3章の2 町地域文化財
(地域文化財の登録)
第30条の2 教育委員会は、町指定文化財と町登録有形文化財以外の文化財のうち、その文化財としての価値にかんがみ保存及び活用のための措置が必要とされるものを酒々井町地域文化財(以下「地域文化財」という。)として登録することができる。
2 地域文化財の登録は、所有者等からの届出があった文化財のうち次の各号に掲げるものについて、地域文化財台帳に記載して行うものとする。
(1) 地域有形文化財
(2) 地域無形文化財
(3) 地域有形民俗文化財及び地域無形民俗文化財
(4) 地域史跡、地域名勝及び地域天然記念物
3 地域文化財の登録の基準は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
(1) 本町の一定の区域にとって歴史上、学術上、芸術上又は観賞上価値の高い文化財
(2) 本町の一定の区域における生活の推移の理解のために欠くことのできない文化財
(3) 前2号に規定するもののほか、町指定文化財に準じた価値を有する文化財
4 地域文化財の登録をしようとするときは、あらかじめ、当該地域文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。
(地域文化財の登録の抹消)
第30条の3 教育委員会は、地域文化財が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を抹消するものとする。
(1) 法第27条第1項の規定により重要文化財に指定されたとき。
(2) 法第57条の規定により登録有形文化財に登録されたとき。
(3) 県条例の規定により千葉県指定文化財に指定されたとき。
(4) 第4条の規定により町指定文化財に指定したとき。
(5) 第19条の規定により町登録有形文化財に登録されたとき。
第4章 町選定保存技術
(選定)
第31条 教育委員会は、町内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもの(法第147条第1項の規定により選定保存技術に選定されたもの及び県条例第40条第1項の規定により千葉県選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち町として保存の措置を講ずる必要があるものを酒々井町選定保存技術(以下「選定保存技術」という。)として選定することができる。
(解除)
第32条 教育委員会は、選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなった場合その他特殊な事由があるときは、その選定を解除することができる。
3 選定保存技術について法第147条第1項の規定による選定保存技術、又は県条例第40条第1項の規定による千葉県選定保存技術としての選定があったときは、当該選定保存技術の選定は、解除されたものとする。
(保存)
第34条 教育委員会は、選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、選定保存技術について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、町は、保持者又はその保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(保存に関する指導又は助言)
第35条 教育委員会は、選定保存技術の保持者又はその保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な指導又は助言をすることができる。
第5章 町文化財審議会
(設置)
第36条 文化財の保存及び活用に関し教育委員会の諮問に答え又は意見を具申し、及びこれらに必要な調査研究を行うため酒々井町文化財審議会を置く。
(組織)
第37条 審議会は委員10名以内で組織する。
2 委員は、学識経験のある者のうちから、教育委員会が委嘱する。
3 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長等)
第38条 審議会に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員が互選する。
3 会長は、審議会を代表し、その会務を総理する。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を行う。
(議事)
第39条 審議会の会議は、会長が招集する。
2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。
3 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
第6章 補則
(補則)
第40条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
第7章 罰則
(刑罰)
第41条 指定文化財を故意に損壊し、き損し、又は隠匿、滅失、衰亡するに至らしめた者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。
附則
この条例は、昭和43年1月1日から施行する。
附則(昭和51年条例第17号)
この条例は、昭和51年4月1日から施行する。
附則(平成22年条例第1号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成24年条例第9号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成25年条例第18号)
この条例は、公布の日から施行する。