○酒々井町妊婦等健康診査等事業実施要綱
令和7年4月1日
告示第47号
(趣旨)
第1条 この要綱は、母子保健法(昭和40年法律第141号。以下「法」という。)第13条の規定に基づき、妊婦、乳児、新生児及び産婦に対して行う妊婦一般健康診査、乳児一般健康診査、新生児聴覚スクリーニング検査、産婦健康診査及び1か月児健康診査に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱において「妊婦」とは、妊娠中の女性をいう。
2 この要綱において「乳児」とは、1歳に満たない者をいう。
3 この要綱において「新生児」とは、生後50日以内の乳児をいう。
4 この要綱において「保護者」とは、親権を行う者、未成年後見人その他の者で、乳児又は新生児を現に監護するものをいう。
5 この要綱において「産婦」とは、出産後2か月以内の女性をいう。
6 この要綱において「1か月児」とは、生後56日未満の乳児をいう。
7 この要綱において「妊婦一般健康診査」(以下「妊婦健診」という。)とは、法第13条に規定する健康診査であって妊婦を対象とするものをいう。
8 この要綱において「乳児一般健康診査」(以下「乳児健診」という。)とは、法第13条に規定する健康診査であって乳児を対象とするものをいう。
9 この要綱において「新生児聴覚スクリーニング検査」(以下「新生児聴覚検査」という。)とは、新生児の聴覚障害を早期に発見し、できる限り早い段階で適切な措置を講じられるようにすることを目的に実施する新生児聴覚検査をいう。
10 この要綱において「産婦健康診査」(以下「産婦健診」という。)とは、出産後間もない時期の産婦に対し、母体の身的機能の回復や精神状態を把握するために実施する健康診査をいう。
11 この要綱において「1か月児健康診査」(以下「1か月児健診」という。)とは、1か月児に対し、疾病及び異常を早期に発見し、適切な支援を行うために実施する健康診査であって、乳児健診を除くものをいう。
(対象者)
第3条 妊婦健診を受けることができる者(以下「妊婦健診対象者」という。)は、妊婦健診実施日に酒々井町に住所(住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)に基づき住民基本台帳に記録される住所をいう。以下同じ。)を有する妊婦とする。
2 乳児健診を受けることができる者(以下「乳児健診対象者」という。)は、乳児健診実施日に酒々井町に住所を有する乳児とする。
3 新生児聴覚検査を受けることができる者(以下「新生児聴覚検査対象者」という。)は、新生児聴覚検査実施日に酒々井町に住所を有する妊婦が出産した新生児又は酒々井町に住所を有する新生児とする。
4 産婦健診を受けることができる者(以下「産婦健診対象者」という。)は、産婦健診実施日に酒々井町に住所を有する産婦とする。
5 1か月児健診を受けることができる者(以下「1か月児健診対象者」という。)は、1か月児健診実施日に酒々井町に住所を有する1か月児とする。
6 前各項に掲げる対象者以外に、町内に居住している場合であって、やむを得ない理由により町の住民基本台帳に記録されることが困難であると町長が認めるときは、この限りではない。
(健康診査等の内容等)
第4条 妊婦健診、乳児健診、新生児聴覚検査、産婦健診及び1か月児健診(以下これらを「健康診査等」という。)の実施回数、受診の時期及び内容は、別表第1に定めるとおりとする。
(受診票等の交付)
第5条 町長は、法第15条の規定による妊娠の届出をした者に対して、健康診査等に係る受診票及び質問票(以下「受診票等」という。)を交付するものとする。
2 前項に定めるもののほか、町長は、町外からの転入者から受診票等の交付申請があった場合は、健康診査等の対象者であることを確認し、その内容を審査の上、適当と認めたときは、必要な回数分の受診票等を交付するものとする。
3 妊婦健診、乳児健診、新生児聴覚検査の受診票の再交付は、原則行わない。ただし、やむを得ない事情があると町長が認めたときは、この限りでない。
4 産婦健診及び1か月児健診においては、再交付申請書を提出し、受診票等の再交付を受けることができる。
5 前項の規定による申請は、法第16条第1項の規定により交付されている母子健康手帳(以下「母子健康手帳」という。)を提示してしなければならない。
6 町長は、第4項の規定による申請があったときは、その内容を審査し、当該申請をした者に対し、必要と認める範囲内で、受診票等を交付するものとする。
(健康診査等の実施)
第6条 健康診査等は、町長が適当と認める医療機関及び助産所(以下「委託医療機関等」という。)に委託して行うものとする。
2 妊婦健診対象者若しくは産婦健診対象者又は乳児健診対象者、新生児聴覚検査対象者若しくは1か月児健診対象者の保護者(以下これらを「健康診査等対象者等」という。)は、健康診査等を受診するときは、委託医療機関等に対し、受診票等及び母子健康手帳を提出しなければならない。
(健康診査等費用の公費負担)
第7条 健康診査等に要する費用は、前条第1項の規定による委託に関する契約により定める診査料の額を限度として、酒々井町が負担する。
2 妊婦健診若しくは産婦健診を受診した者又は乳児健診、新生児聴覚検査若しくは1か月児健診を受診した者の保護者は、当該健康診査等に要した費用の額が前項の診査料の額を超える場合には、その超える額を健康診査等対象者等が自己負担するものとする。
(健康診査等費用の支払)
第8条 町長は、妊婦健診、乳児健診及び新生児聴覚検査に係る委託料の支払に関する事務においては、公益財団法人ちば県民保健予防財団に委託するものとする。
2 前項の妊婦健診、乳児健診及び新生児聴覚検査を実施した委託医療機関等は、別に定める請求書に受診票を添えて、公益財団法人ちば県民保健予防財団を通じて町長に委託料を請求するものとする。
3 産婦健診及び1か月児健診を実施した委託医療機関等は、健康診査に要した費用の額の支払を受けようとするときは、1か月ごとに当該額をとりまとめた請求書に当該健康診査の結果を記入した受診票等を添えて、町長に請求するものとする。
4 町長は、前2項の規定により委託料の請求があった場合は、速やかにその内容を審査し、適正と認めたときは、当該請求に係る額を期日内に支払うものとする。
(費用の助成)
第9条 町長は、出産に伴う帰省その他やむを得ない理由により委託医療機関等以外の医療機関等(国外の医療機関等を除く。)において健康診査等を受診した健康診査等対象者等に対し、当該健康診査等に要した費用の全部又は一部について、助成金を支給することができる。
4 町長は、前項の規定による妊婦等健康診査等費用助成金交付申請書の提出があった場合は、その内容を審査し、助成金を支給することが適当と認めるときは、その旨の決定をし、当該提出をした者に助成金を支給するものとする。
(助成金の返還)
第10条 町長は、偽りその他不正な行為により助成を受けた者があるときは、その者から助成金の全部又は一部を返還させることができる。
(事後指導)
第11条 町長は、健康診査等(委託医療機関等外健康診査を含む。)の結果に基づき、当該妊婦等の健康状態に応じ、保健指導を要する者については、保健師その他の職員をして、その妊婦等を訪問させて必要な指導を行わせ、妊娠若しくは出産又は養育に支障を及ぼすおそれがある疾病にかかっている疑いのある者については、医師又は歯科医師の診療を受けることを勧奨するものとする。この場合において、法律の規定に基づき医療の給付を受けることができると認められるときは、併せて、その手続等を指導するものとする。
2 前項に規定するもののほか、産婦健診(委託医療機関等外健康診査を含む。)の結果に関し、町長が特に必要があると認めるときは、酒々井町産後ケア事業実施要綱(令和5年酒々井町告示第8号)に基づく産後ケア事業の勧奨、訪問指導の実施その他産婦に対する支援を行うものとする。
(台帳等の整備)
第12条 町長は、健康診査等に係る受診票の交付状況、健康診査等(委託医療機関等外健康診査を含む。)の実施状況等を明確にするため、台帳を備え、常に整備しておかなければならない。
(補則)
第13条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附則
(施行期日等)
1 この告示は、公示から施行し、施行日以後に法第15条の規定による妊娠の届出をした者及び健康診査等を利用したものに適用する。
(酒々井町新生児聴覚スクリーニング検査事業実施要綱の廃止)
2 酒々井町新生児聴覚スクリーニング検査事業実施要綱(令和3年酒々井町告示第32号)は、廃止する。
(酒々井町妊婦及び乳児一般健康診査実施要綱の廃止)
3 酒々井町妊婦及び乳児一般健康診査実施要綱(令和3年酒々井町告示第33号)は、廃止する。
別表第1(第4条関係)
1 妊婦健診
実施回数 | 実施の時期 | 内容 |
第1回 | 妊娠8週前後 | (1) 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 (2) 次の血液検査 血液型(ABO血液型・Rh血液型・赤血球不規則抗体)、血糖検査、貧血検査、B型肝炎抗原検査、C型肝炎抗体検査、HIV抗体検査、梅毒血清反応検査及び風疹ウイルス抗体検査 (3) 子宮頸がん検診(細胞診検査) |
第2回 | 妊娠12週前後 | (1) 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 (2) 超音波検査 |
第3回 | 妊娠16週前後 | 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 |
第4回 | 妊娠20週前後 | (1) 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 (2) 超音波検査 |
第5回 | 妊娠24週前後 | 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 |
第6回 | 妊娠26週前後 | (1) 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 (2) クラミジア検査 |
第7回 | 妊娠28週前後 | 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 |
第8回 | 妊娠30週前後 | (1) 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 (2) 次の血液検査 血糖検査、貧血検査及びHTLV―1抗体検査 |
第9回 | 妊娠32週前後 | (1) 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 (2) 超音波検査 |
第10回 | 妊娠34週前後 | (1) 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 (2) B群溶血性レンサ球菌検査(GBS) |
第11回 | 妊娠36週前後 | (1) 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 (2) 次の血液検査 貧血検査 |
第12回 | 妊娠37週前後 | (1) 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 (2) 超音波検査 |
第13回 | 妊娠38週前後 | 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 |
第14回 | 妊娠39週前後 | 次の基本的な妊婦健康診査 問診、診察、計測(子宮底長・腹囲・浮腫)、血圧、尿化学検査(糖・蛋白)及び保健指導 |
2 乳児健診
実施回数 | 実施の時期 | 内容 |
第1回 | 生後3か月から6か月まで | 問診、診察、体重測定、計測(身長・頭囲・胸囲) |
第2回 | 生後9か月から11か月まで | 問診、診察、体重測定、計測(身長・頭囲・胸囲) |
備考
1 妊婦健診の第1回子宮頸がん検診(細胞診検査)、第6回クラミジア検査、第8回HTLV―1抗体検査並びに第2回、第4回、第9回及び第12回における超音波検査については、医師の判断により必要と認める者に対し実施するものとする。
2 妊婦健診において実施する保健指導は、妊娠中の食事、生活上の注意事項等について具体的な指導を行うとともに、妊婦の精神的な健康の保持に留意し、妊娠、出産、育児等に対する不安、悩み等の解消が図られるよう配慮するものとする。
3 新生児聴覚検査
実施回数 | 実施の時期 | 内容 |
第1回 | 生後50日まで | 自動聴性脳幹反応検査(自動ABR)、聴性脳幹反応検査(ABR)、耳音響放射検査(OAE)いずれかによる初回検査 |
4 産婦健診
実施回数 | 実施の時期 | 内容 |
第1回 | 産後おおむね2週間後 | 健康状態・育児環境の把握、体重・血圧測定、尿検査、産婦の精神状態に応じて、ツールを用いた客観的なアセスメントを行うこと。 |
第2回 | 産後おおむね1か月後 | 健康状態・育児環境の把握、体重・血圧測定、尿検査、産婦の精神状態に応じて、ツールを用いた客観的なアセスメントを行うこと。 |
5 1か月児健診
実施回数 | 実施の時期 | 内容 |
第1回 | 生後56日未満 | 身体発育状況、栄養状態、疾病及び異常の有無、先天性代謝異常検査の実施状況の確認、ビタミンK2投与の実施状況の確認及びその他育児上問題となる事項 |
別表第2(第9条関係)
1 妊婦乳児一般健康診査助成金交付申請
対象者 | 妊婦と乳児 |
助成期間 | 2年間 |
申請添付書類 | (1) 未使用の受診票 (2) 医療機関又は助産所が発行した当該健康診査に係る領収書及び明細書 (3) 母子健康手帳の写し (4) 請求者の振込先が分かる口座の写し (5) その他助成の決定を行う際に町長が必要と認めるもの |
2 新生児聴覚スクリーニング検査助成金交付申請
対象者 | 生後50日までの児 |
助成期間 | 2年間 |
申請添付書類 | (1) 未使用の受診票 (2) 医療機関又は助産所が発行した当該健康診査に係る領収書及び明細書 (3) 母子健康手帳の写し (4) 請求者の振込先が分かる口座の写し (5) その他助成の決定を行う際に町長が必要と認めるもの |
3 産婦健康診査助成金交付申請
対象者 | 産後2か月以内に受診した産後健診 |
助成期間 | 1年間 |
申請添付書類 | (1) 母子健康手帳の写し (2) 結果が記入されている産婦健康診査受診票 (3) 記入されている質問票(エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)、育児支援チェックリスト、赤ちゃんへの気持ち質問票) (4) 医療機関等が発行した産婦健康診査の費用に係る領収書及び明細書 (5) 請求者の振込先が分かる口座の写し (6) その他助成の決定を行う際に町長が必要と認めるもの ただし、(2)に関してやむを得ない理由により提出が困難であると町長が認めるときは、医療機関等が記入した母子健康手帳の健診結果の写しを代替えとすることができる。 |
4 1か月児健康診査助成金交付申請
対象者 | 生後56日未満の児 |
助成期間 | 1年間 |
申請添付書類 | (1) 1か月児健康診査の結果が記載された診査票 (2) 1か月児健康診査の結果が記載された質問票 (3) 1か月児健康診査の受診に係る委託外医療機関等の領収書及び明細書 (4) 母子健康手帳の写し (5) 請求者の振込先が分かる口座の写し (6) その他助成の決定を行う際に町長が必要と認めるもの ただし、(2)に関してやむを得ない理由により提出が困難であると町長が認めるときは、医療機関が記入した母子健康手帳の健診結果の写しを代替えとすることができる。 |

