○須恵町国民健康保険一部負担金の保険者徴収事務取扱要綱

平成30年3月30日

須恵町要綱第6号

(趣旨)

第1条 この要綱は、国民健康保険法(昭和33年法律第192号。以下「法」という。)第42条第2項の規定による一部負担金の取扱いに関し、必要な事項を定めるものとする。

(保険医療機関等の義務)

第2条 保険医療機関又は保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)は、法第42条第2項の規定による保険者の処分(以下「保険者徴収」という。)を請求しようとするときは、同項の善良な管理者と同一の注意(保険医療機関等の開設者という地位にある者に対し一般的に要求される相当程度の注意義務をいい、以下「善管注意義務」という。)をもって被保険者から一部負担金の支払を受けることに努めたことを証明しなければならない。

(善管注意義務の一般的原則)

第3条 善管注意義務をもって被保険者から一部負担金の支払を受けたものに該当するかの認定は、その記録及び挙証資料等により判明した客観的事実に基づき行うものとする。この場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、善管注意義務に努めているとは認められないものとする。

(1) 療養の給付が行われた際に一部負担金を支払うべきことを告げたのみであるとき。

(2) 各月分の診療報酬の請求前に行う催促が口頭のみであるとき。

(3) 再診の際に、催促をしていないとき。

2 前項の規定にかかわらず、被保険者が入院療養を受けていたときは、保険医療機関等において、次の各号に掲げる全ての対応が行われていないときは、善管注意義務に努めているとは認められないものとする。

(1) 被保険者又は1以上の被保険者以外の者(家族、身元保証人、代理人等をいい、以下「家族等」という。)に対し、一連の療養が終了し一部負担金の支払を求めたとき(以下「療養終了後」という。)から、少なくとも1月に1回、電話等で支払を催促し、その記録を残していること。

(2) 療養終了後に一部負担金の支払を求めたときから3月以内及び6月経過後に、内容証明による一部負担金の支払の督促状を被保険者又は家族等に送付し、その記録を残していること。

(3) 療養終了後に一部負担金の支払を求めたときから6月経過後に、少なくとも1回は一部負担金の支払の催促のため被保険者の自宅を訪問していること。ただし、保険医療機関等の所在地から被保険者の自宅まで通常の移動手段でおおむね30分以上を要する場合は、近隣の家族等の自宅を訪問し、若しくは被保険者又は家族等との直接面会により一部負担金の支払の催促を行い、その記録を残していること。

(4) 被保険者から徴収する一部負担金の連帯保証人が定められ、かつ、当該連帯保証人に対しても前3号に掲げる催促等の対応をしていること。

(保険者徴収の請求)

第4条 保険医療機関等は、善管注意義務をもって被保険者又は家族等に一部負担金の支払を求めたにもかかわらず、当該被保険者がその支払をしないときは、次に掲げる事項を順次に行うことにより、保険者徴収を請求することができるものとする。ただし、当該未払一部負担金に係る診療内容及び金額について争いがないものに限る。

(1) 当該一部負担金の支払義務が発生した日から起算しておおむね3月を経過した後に、町長に対する文書による催促の協力の要請

(2) 当該一部負担金の支払義務が発生した日から起算しておおむね6月を経過した後に、町長に対する文書による保険者徴収の請求

2 保険医療機関等は、前項第2号の要請をするときは、次の事項を記載した請求書を町長に提出しなければならない。

(1) 保険医療機関等の名称及び所在地並びに開設者の職氏名

(2) 被保険者の氏名及び住所並びに被保険者証の記号番号

(3) 当該請求の原因たる一部負担金に係る療養の給付が行われた年月日及び入院の場合はその期間並びに当該一部負担金の額及びその内訳

3 前項の請求書には、前条に定める事実を示す書類を添付しなければならない。

(保険者徴収の一部負担金額)

第5条 保険者徴収に係る一部負担金の額は、当該保険者徴収の請求額と診療報酬明細書に基づく一部負担金の額を比較し、いずれか低い方の額とする。

2 診療報酬明細書に過誤があるとき、又は再審査となるときは、診療報酬の額の確定をまって保険者徴収に係る一部負担金の額を確定するものとする。

(保険者徴収の開始)

第6条 町長は、保険医療機関等から保険者徴収の請求を受けたときは、その内容を審査し、保険医療機関等が善管注意義務をもって被保険者から一部負担金の支払を受けることに努めていることが確認でき、かつ、当該被保険者が次の各号のすべてに該当する場合に限り、保険者徴収を開始するものとする。

(1) 保険者徴収に係る一部負担金の額が確定し、その未払金額が60万円を超えているとき。

(2) 被保険者の属する世帯が、地方税法(昭和25年法律第226号)第728条第1項に規定する国民健康保険税の滞納処分を実施する状態にあるとき。

(3) 前号に係る国民健康保険税についての納付誓約を履行していないとき。

2 町長は、前項の請求を受けた場合において、保険医療機関等が善管注意義務を怠り、又は前項各号のいずれかに該当しないと認めるときは、保険者徴収をしないことを決定することができる。この場合において、町長は保険医療機関等に対し遅滞なくその旨を通知しなければならない。

(保険者徴収の方法)

第7条 町長は、保険者徴収を開始したときは、その旨を被保険者に通知しなければならない。この場合において、通知書に定める納期限は、当該通知書を発する日から2月を超えない範囲内において定めるものとする。

2 町長は、前項に規定する納期限までにその納付すべき金額を納付しない者があるときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。

3 町長は、前項の規定による督促を受けた者が当該督促状を発した日から10日を経過した日までにその納付すべき金額を納付しないときは、地方自治法(昭和22年法律第67号)第231条の3第3項の規定に基づき、地方税の滞納処分の例により処分するものとする。

(徴収金の交付)

第8条 町長は、保険医療機関等に対して当該滞納処分に係る徴収金のうちから保険者徴収に係る一部負担金に相当する額を交付するものとする。この場合において、徴収金から滞納国民健康保険税及び延滞金を差し引いた額が保険者徴収に係る一部負担金に相当する額に満たない場合は、その差し引いた額の範囲で保険医療機関等に交付するものとする。

(保険者徴収の期間)

第9条 町長が第7条の規定による処分を実施する期間は、第6条の規定により保険者徴収を開始してから6月以内とする。ただし、町長が特に必要があると認めるときは、これを延長することができる。

2 町長は未払一部負担金の全部を徴収したとき、又は前項に規定する期間内に未払一部負担金の全部又は一部を徴収できなかったときは、保険医療機関等に報告し、保険者徴収を終了する。

(補則)

第10条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。

この要綱は、公布の日から施行する。

須恵町国民健康保険一部負担金の保険者徴収事務取扱要綱

平成30年3月30日 要綱第6号

(平成30年3月30日施行)