○東京都台東区自転車安全利用促進条例

平成27年6月25日

条例第28号

(目的)

第1条 この条例は、自転車の安全利用を促進するため、東京都台東区(以下「区」という。)、自転車を利用する者(以下「自転車利用者」という。)及び関係団体等の責務を明らかにし、それぞれがその責務を果たすことにより、自転車に関する交通事故を防止し、交通安全の推進に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 自転車 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第11号の2に定める自転車をいう。

(2) 学校等 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校、同法第124条に規定する専修学校及び同法第134条第1項に規定する各種学校、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条第1項に規定する保育所並びに就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第2条第7項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。

(3) 自転車利用事業者 自転車の貸付け、物品輸送等を目的に自転車を事業に利用する者をいう。

(区の責務)

第3条 区は、次に掲げる事業の実施に努めるものとする。

(1) 安全教室、講習会等の自転車の安全利用に関する普及啓発

(2) 交通安全協会等による自転車の安全利用に関する活動の支援

(3) 自転車の点検整備の促進

(4) 自転車の利用によって生じた他人の生命、身体又は財産の損害を賠償することができるよう、当該損害を填補するための保険又は共済(以下「自転車損害賠償保険等」という。)への加入の促進

(5) 自転車の安全利用のための環境整備に資する事業

(6) 警察署及び交通安全協会等(以下「警察署等」という。)と連携して行う事業

(7) その他自転車の安全利用を促進するための事業

(自転車利用者の責務)

第4条 自転車利用者は、自転車が車両であることを認識して道路交通法その他の自転車の利用に関する法令及び条例(以下「法令等」という。)の規定を遵守し、自転車を安全に利用するために、特に次の各号に掲げる事項を守らなければならない。ただし、当該各号の事項について、他の法令等に特別の定めがある場合は、この限りでない。

(1) 歩道又は路側帯(以下「歩道等」という。)と車道の区別のある道路を通行する場合には、車道を通行すること。

(2) 車道を通行する場合には、左側端に寄って通行すること。

(3) 歩道等を通行することが認められている場合には、歩行者の通行を優先し、車道寄りの歩道等を徐行し、歩行を妨げるおそれがあるときは、停止し、又は自転車を押して歩くこと。

(4) 交差点を通行する場合は、信号機、一時停止の道路標識等に従い、安全を確認すること。

(5) 信号機、道路標識等が無い交差点において、見通しの悪い場所では、交通事故を避けるため、必ず一時停止し、安全を確認すること。

(6) 夜間は前照灯を点灯し運転すること。

(7) 酒気を帯びて運転しないこと。

(8) 2人乗り運転をしないこと(16歳以上の者が幼児用座席に幼児を乗せる場合を除く。)

(9) 他の自転車と並進しないこと。

(10) 傘を差す、物を持つ等、視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で運転しないこと。

(11) 携帯電話その他携帯機器を手で保持して通話、操作又は注視しながら運転しないこと。

(12) イヤホン等で音楽を聴くなど、安全な運転に必要な音声が聞こえないような状態で運転しないこと。

(13) 道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)第9条の3に規定する基準に適合するブレーキを備えていない自転車を運転しないこと。

(14) 自転車を道路及び広場に放置しないこと。

2 自転車利用者は、区及び警察署等が行う自転車の安全利用に関する事業に参加するよう努めなければならない。

3 自転車利用者は、その利用する自転車について、安全な利用を確保するため、点検整備を行わなければならない。

4 自転車利用者は、自転車を運転するときは、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。

5 自転車利用者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

(学校等の責務)

第5条 学校等は、幼児、児童、生徒又は学生に対し、自転車の安全利用に関する教育を実施するよう努めるものとする。

2 学校等は、幼児、児童、生徒又は学生を保護する責任のある者に対し、自転車の安全利用に関する意識の啓発に努めるものとする。

3 学校等は、区及び警察署等が実施する自転車の安全利用に関する事業に協力するよう努めるものとする。

(保護責任者の責務)

第6条 幼児、児童、生徒又は学生を保護する責任のある者(以下「保護責任者」という。)は、当該幼児、児童、生徒又は学生に対して、自転車の安全利用の家庭教育に努めるものとする。

2 幼児又は児童を保護する責任のある者は、当該幼児又は児童が自転車を運転するときは、乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

3 保護責任者は、区及び警察署等が実施する自転車の安全利用に関する事業に参加するよう努めるものとする。

(自転車小売業者の責務)

第7条 自転車小売業者は、事業活動を通じ、自転車利用者に対し自転車の安全利用、点検整備及び自転車損害賠償保険等について、適切な助言をするよう努めるものとする。

2 自転車小売事業者は、区及び警察署等が実施する自転車の安全利用に関する事業に協力するよう努めるものとする。

(自転車利用事業者の責務)

第8条 自転車利用事業者は、事業の利用者に対する自転車の安全利用に関する意識の啓発に努めなければならない。

2 自転車利用事業者は、事業の利用者の安全を確保するため、当該事業の用に供する自転車の点検整備を行わなければならない。

3 自転車利用事業者は、区及び警察署等が実施する自転車の安全利用に関する事業に協力するよう努めるものとする。

(運用)

第9条 区及び警察署等は、相互に情報の共有を図るとともに適宜事業内容の見直しを行い、自転車の安全利用の向上に努めなければならない。

(委任)

第10条 この条例の施行について必要な事項は、東京都台東区長が定める。

この条例は、平成27年10月1日から施行する。

(令和2年3月23日条例第12号)

この条例中第1条の規定は令和2年4月1日から、第2条の規定は同年10月1日から施行する。

(令和5年3月15日条例第15号)

この条例は、令和5年4月1日から施行する。

東京都台東区自転車安全利用促進条例

平成27年6月25日 条例第28号

(令和5年4月1日施行)