○東京都台東区住宅宿泊事業の運営に関する条例

平成30年2月17日

条例第1号

(目的)

第1条 この条例は、住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号。以下「法」という。)の規定に基づき、住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関し必要な事項を定めることにより、宿泊者の安全・安心の確保及び台東区民(以下「区民」という。)の安全で快適な生活環境を維持することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で使用する用語の意義は、法(法第2条第4項を除く。)で使用する用語の例による。

2 この条例において「住宅宿泊事業者」とは、法第2条第4項に規定する住宅宿泊事業者であって、台東区(以下「区」という。)の区域内(以下「区内」という。)において住宅宿泊事業を営むものをいう。

(区長の責務)

第3条 東京都台東区長(以下「区長」という。)は、この条例の目的を達成するため、次に掲げる事項を行わなければならない。

(1) 住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する施策の策定、実施及び周知

(2) 警察署若しくは消防署又はその他の関係機関との連携

(3) 届出住宅の状況等に関し台東区規則(以下「規則」という。)で定める事項の確認

(4) 住宅宿泊事業者に対する講習会の実施

(区民の責務)

第4条 区民は、区が実施する前条第1号の施策に協力するよう努めるものとする。

(住宅宿泊事業者の責務)

第5条 住宅宿泊事業者は、住宅宿泊事業の実施に際して宿泊者の安全の確保を図るとともに、届出住宅の周辺地域の生活環境に悪影響を及ぼさないようにしなければならない。

(宿泊者の責務)

第6条 宿泊者は、届出住宅の利用に当たっては、届出住宅の周辺地域の生活環境に悪影響を及ぼさないようにしなければならない。

(建物又は土地の提供者等の責務)

第7条 区内に存する建物(その一部を含む。)又は土地を他人に提供する者は、当該提供に係る契約(その更新の契約を含む。)の締結に際して、当該建物又は当該土地に建築する建物における住宅宿泊事業の実施の可否を当該契約書に記載するよう努めなければならない。

2 区内に存する建物の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)第2条第2項に規定する区分所有者をいう。)は、当該建物における住宅宿泊事業の実施の可否を規約等(同法第30条第1項に規定する規約及び当該規約に基づき定める細則等をいう。)に定めるよう努めなければならない。

(周辺地域の住民等に対する周知)

第8条 住宅宿泊事業を営もうとする者は、当該事業を営む旨及び次に掲げる事項について、当該事業を営もうとする住宅ごとに、法第3条第1項の届出(以下「届出」という。)をしようとする日の15日前までに、当該住宅の周辺地域の住民及び学校等その他規則で定めるもの(以下これらを「周辺地域の住民等」という。)に対し、書面により周知しなければならない。

(1) 商号、名称又は氏名及び連絡先

(2) 住宅の所在地

(3) 住宅宿泊事業を開始しようとする日

(4) 法第9条第1項(法第36条において準用する場合を含む。)の規定により宿泊者に対して説明すべき同項に規定する事項

(5) 法第11条第1項の規定による住宅宿泊管理業務の委託(以下「住宅宿泊管理業務の委託」という。)をする場合においては、受託者である住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名、連絡先及び管理方法

2 住宅宿泊事業者は、前項第1号第4号又は第5号に掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の15日前までに、その旨を届出住宅の周辺地域の住民等に対し、書面により周知しなければならない。

(区長への報告)

第9条 住宅宿泊事業を営もうとする者は、届出の際に、前条第1項の規定による周知を行った旨及びその内容を規則で定めるところにより区長に報告しなければならない。

2 住宅宿泊事業者は、前条第2項の規定による周知を行ったときは、速やかに、その旨及び内容を規則で定めるところにより区長に報告しなければならない。

(周辺地域の住民等に対する説明)

第10条 住宅宿泊事業を営もうとする者及び住宅宿泊事業者は、周辺地域の住民等から第8条に掲げる事項について説明を求められた場合、適切な説明を行わなければならない。

(標識の掲示)

第11条 住宅宿泊事業者は、共同住宅等において住宅宿泊事業を実施する場合、あらかじめ管理組合等の承諾を得た上で、当該事業を実施する住戸に住宅宿泊事業法施行規則(平成29年厚生労働省令・国土交通省令第2号。以下「省令」という。)第11条に規定する標識及び区が交付する標識を規則で定める場所に掲示しなければならない。

(廃棄物の適正処理)

第12条 住宅宿泊事業者は、住宅宿泊事業の実施に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。

(苦情及び問合せへの対応等)

第13条 住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺地域の住民等からの苦情及び問合せに迅速に対応するため、規則で定める体制を確保し、対応しなければならない。

2 住宅宿泊事業者は、前項の苦情及び問合せに対応した場合において、当該苦情及び問合せの内容等を記録し、当該記録を3年間保存しなければならない。

(宿泊者に対する重要事項の掲示)

第14条 住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺地域の生活環境への悪影響の防止並びに外国人観光客である宿泊者の快適性及び利便性の確保のため、省令第8条第2項第1号から第3号までに規定する事項、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則(平成29年国土交通省令第65号)第2条第1号から第3号までに規定する措置に係る事項及び次に掲げる事項について届出住宅内において掲示その他の適切な方法により、宿泊者が届出住宅に宿泊している間、確認できるようにしなければならない。

(1) 臭気の発生の防止に関すること。

(2) 喫煙方法の遵守に関すること。

(3) 外国人観光客である宿泊者を受け入れることが可能な医療機関について規則で定める事項

(本人確認)

第15条 住宅宿泊事業者は、宿泊者が届出住宅の使用を開始するまでに、当該宿泊者について本人確認を行わなければならない。

(住宅宿泊管理業者への準用)

第16条 第5条及び前5条の規定は、住宅宿泊管理業務の委託を受けた住宅宿泊管理業者について準用する。

(住宅宿泊事業の実施の制限)

第17条 法第11条第1項第2号に規定するときは、区内全域において、月曜日の正午から土曜日の正午まで(国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日の正午から翌日の正午まで及び12月30日正午から翌年1月4日正午までを除く。)の間は、住宅宿泊事業を実施することはできない。ただし、規則で定めるものが常駐する場合は、この限りでない。

(届出住宅の公表)

第18条 区長は、届出住宅に関する次に掲げる事項を公表しなければならない。

(1) 所在地

(2) 届出番号

(3) 届出日

2 区長は、住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業務の委託をする場合において、前項に掲げる事項に加え、住宅宿泊管理業者について次に掲げる事項を公表しなければならない。

(1) 商号、名称又は氏名及び連絡先

(2) 登録番号

(違反者の公表)

第19条 区長は、法第15条に規定する業務改善命令に従わなかった住宅宿泊事業者について、次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 商号、名称又は氏名

(2) 届出住宅の所在地

(3) 当該業務改善命令の内容

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成30年6月15日から施行する。ただし、第7条の規定は公布の日から、第8条第1項第9条第1項第10条並びに次項及び付則第3項の規定は同年3月15日から施行する。

(経過措置)

2 住宅宿泊事業を営もうとする者であって法附則第2条第1項前段の規定による届出をしようとする者又は届出をした者に対する第8条第1項の規定の適用については、同項中「法第3条第1項の届出(以下「届出」という。)をしようとする日」とあるのは、「この条例の施行の日」とし、第10条の規定の適用については、同条中「住宅宿泊事業を営もうとする者及び住宅宿泊事業者」とあるのは、「住宅宿泊事業を営もうとする者」とする。

3 前項に規定する者は、この条例の施行の日の前日までに、同項の規定により読み替えて適用する第10条の規定による説明を行った旨及びその内容を第9条第1項に規定するところにより区長に報告しなければならない。

(検討)

4 区長は、この条例の施行後3年以内に、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

東京都台東区住宅宿泊事業の運営に関する条例

平成30年2月17日 条例第1号

(平成30年6月15日施行)