○高岡市産業の振興及び小規模企業の持続的発展に関する基本条例

平成28年3月23日

条例第19号

高岡は、17世紀初頭の加賀藩政時代の銅器、漆器といった伝統産業を起源とした「ものづくりのまち」である。その精神は、アルミをはじめとした金属関連産業や化学・薬品、紙・パルプ、機械などの近代産業に受け継がれ、こうしたものづくり産業を中心に商業・サービス業、農林水産業など様々な産業が集積する日本海側有数の産業都市として、発展を遂げてきた。これらの活発な経済活動は、雇用機会や労働意欲を創出し、市の活力を生み出すとともに、市民の豊かな生活を支える大きな役割を担っている。

市民生活の向上のため、産業の振興を図っていくには、高岡が有するものづくりの技、文化遺産、伝統工芸及び高速交通網の結節点であることの地理的な優位性などの地域資源を最大限に活用するとともに、個々の事業者にあっては、経済的、社会的な環境の変化に柔軟に対応し、新たな事業活動に取り組んでいくことが必要である。併せて、地域に密着して本市の産業と市民の生活を支えている小規模企業の持続的な発展が重要である。

こうした認識を地域全体で共有し、一体となって本市の産業振興と小規模企業の持続的発展を図り、安定的で豊かな地域社会を実現するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、本市において産業の振興が、地域社会に果たす役割の重要性と、中でも地域に密着して事業を営む小規模企業の重要性に鑑み、産業の振興と小規模企業の持続的な発展(以下「産業振興等」という。)に関し、その基本理念を定め、市の責務及び事業者その他産業関係者の役割を明らかにすることにより、本市の産業振興等を総合的かつ一体的に推進し、もって地域経済の循環、地域経済の健全な発展及び市民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 事業者 事業を営む者で市内に事務所又は事業所を有する個人又は法人その他の団体をいう。

(2) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項に規定する中小企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(3) 小規模企業者 中小企業基本法第2条第5項に規定する小規模企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(4) 大企業者 中小企業者以外の事業者をいう。

(5) 産業関係団体 商工会議所、商工会、観光協会、農業協同組合その他の産業の振興を目的とする団体をいう。

(6) 地域金融機関 市内に本店又は支店を有する銀行、信用金庫その他の金融機関をいう。

(基本理念)

第3条 産業振興等は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。

(1) 事業者の自主的な努力のもと、その創造的な活動を活かすとともにその経営の向上、改善又は安定化を促進すること。

(2) 創業及び事業承継を促進し、地域の多様な産業の維持を図ること。

(3) ものづくりの技その他の本市が有する地域資源を活用し、又は発信すること。

(4) 小規模企業者について、その自主的な努力のもと、多様な主体との連携と経営資源の有効な活用により事業の持続的発展を図ること。

(5) 市、国、県、周辺自治体、事業者、産業関係団体、地域金融機関、研究機関、教育機関及び市民が相互に連携し、及び協力すること。

(産業振興等の指針)

第4条 市は、産業振興等に関する指針(以下「指針」という。)を定めなければならない。

2 前項の指針においては、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 産業振興等に関する基本的な方向

(2) 産業振興等のために講ずる施策

(3) 前2号に掲げるもののほか、産業振興等のために必要な事項

3 市は、新たに指針を定めたとき又は前項第1号若しくは第2号の事項について変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

(市の責務)

第5条 市は、産業振興等のための施策を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。

2 市は、産業振興等のための施策の実施に当たっては、国、県、周辺自治体、事業者、産業関係団体、地域金融機関、研究機関、教育機関及び市民と連携して取り組むものとする。

3 市は、地域産業において重要な役割を担う小規模企業者に対し、主に産業関係団体及び地域金融機関と連携しながら、その持続的発展が図られるよう必要な施策を講ずるものとする。

(中小企業者及び小規模企業者の役割)

第6条 中小企業者及び小規模企業者は、経済社会情勢の変化に対応するため、自らの経営資源を有効に活用し、経営の向上、改善又は安定化を図るよう努めるものとする。

2 中小企業者及び小規模企業者は、自らの事業活動を通じてものづくりの技その他の本市が有する地域資源の活用及び発信に努めるものとする。

3 中小企業者及び小規模企業者は、事業活動、人材の育成及び事業の承継を通じて地域産業の持続的な形成及び発展に寄与するよう努めるものとする。

(大企業者の役割)

第7条 大企業者は、積極的に中小企業者及び小規模企業者と連携し、及び協力して事業活動を行うことを通じて地域産業の発展に寄与するよう努めるものとする。

2 大企業者は、中小企業者及び小規模企業者と相互に技術、製品及びサービスの活用を図るよう努めるものとする。

(産業関係団体及び地域金融機関の役割)

第8条 産業関係団体及び地域金融機関は、事業者の創造的な活動、経営の向上、改善又は安定化を図る取組みを積極的に支援するよう努めるものとする。

2 産業関係団体及び地域金融機関は、創業及び事業承継を支援するよう努めるものとする。

3 地域金融機関は、事業者の経営の改善及び安定化を図るため、資金の円滑な供給と経営相談を通じて事業者を支援するよう努めるものとする。

(研究機関及び教育機関の役割)

第9条 研究機関及び教育機関は、研究成果の地域産業への還元、技術支援による事業者との連携及び教育活動等を通じた産業振興等に資する人材育成により、産業振興等に協力するよう努めるものとする。

(市民の理解と協力)

第10条 市民は、産業振興等が豊かで活力ある地域社会の形成及び持続並びに市民生活の向上に寄与することについて理解を深め、産業振興等に協力するよう努めるものとする。

2 市民は、ものづくりの技その他の本市が有する地域資源及び地域産業の理解を深め、地域の魅力の発信に努めるものとする。

(産業振興委員会の設置)

第11条 第3条の基本理念の実現及び産業振興等に関し、調査審議するため、高岡市産業振興委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

(委員)

第12条 委員会は、委員23人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 学識経験を有する者

(2) 市議会の議員

(3) 関係団体の役職員

(4) 前3号に掲げる者のほか、市長が必要と認める者

(委員の任期)

第13条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員のうち団体又は法人等の役職員であることによって委嘱された委員が当該役職員の職を離れたときは、委員の職を失うものとする。

(組織及び運営)

第14条 前2条に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(財政上の措置)

第15条 市は、産業振興等に関する施策を実施するための必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(委任)

第16条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 第11条の規定により設置された委員会は、高岡市附属機関に関する条例の一部を改正する条例(平成28年高岡市条例第1号)の規定による改正前の高岡市附属機関に関する条例(平成17年高岡市条例第19号)第2条の規定により設置された高岡市商工業振興委員会(以下「旧委員会」という。)の事務を承継し、旧委員会と同一性をもつものとする。

3 この条例の施行後最初に委嘱される委員会の委員の任期は、平成29年10月31日までとする。

4 この条例の施行の際現に旧委員会の委員である者は、この条例の施行の日に、第11条の規定により設置された委員会の委員として委嘱されたものとみなす。

高岡市産業の振興及び小規模企業の持続的発展に関する基本条例

平成28年3月23日 条例第19号

(平成28年4月1日施行)