○東京都公立大学法人知的財産取扱規則
平成17年4月1日
平成17年度法人規則第47号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 発明等(第3条―第9条)
第3章 植物の新品種及び半導体集積回路の回路配置(第10条)
第4章 著作物(第11条―第14条)
第5章 ノウハウ(第15条―第17条)
第6章 成果有体物(第18条―第25条)
第7章 知的財産の管理(第26条)
第8章 知的財産の利用・活用(第27条―第30条)
第9章 教職員等の守秘義務(第31条―第33条)
第10章 知的財産の取扱い等に関する異議申立て(第34条)
第11章 雑則(第35条―第38条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規則は、東京都公立大学法人教職員就業規則(平成17年度法人規則第21号)第64条及び東京都公立大学法人非常勤教職員就業規則(平成17年度法人規則第36号)第51条の規定に基づき、東京都公立大学法人(以下「法人」という。)の教職員等が創出等した知的財産の取扱いについて定め、教職員等の知的財産に係る権利を保障し、教職員等の知的財産の創出及び研究の意欲向上を促すとともに、当該知的財産の活用を図り社会に貢献していくことを目的とする。
(1) 教職員等 法人の教員及び職員(客員教員、非常勤教職員を含む。)をいう。
(2) 学生等 法人との間で研究成果又は知的財産に関する契約を締結している学生、大学院生、専攻科生、研究生及び研究員その他法人において教育・研究に携わる者をいう。
(3) 発明等 特許法(昭和34年法律第121号)第2条第1項に規定する発明、実用新案法(昭和34年法律第123号)第2条第1項に規定する考案、意匠法(昭和34年法律第125号)第2条第1項に規定する意匠及び商標法(昭和34年法律第127号)第2条第1項に規定する商標をいう。
(4) 知的財産 発明等、植物の新品種、半導体集積回路の回路配置、著作物、ノウハウ及び研究開発成果としての成果有体物のうち教職員等が職務として法人の管理する研究資金又は研究施設、設備、装置その他の資源を使用して行った研究及び創作活動で得られたものをいう。
(5) 著作物 著作権法(昭和45年法律第48号)第2条第1項第10号の2に規定するプログラムの著作物、同号の3に規定するデータベースの著作物、第15条第1項に規定する法人著作物ならびに教職員等が法人に著作権を譲渡することを希望する著作物をいう。
(6) ノウハウ 発明等として保護しない情報のうち、秘匿することが可能な情報で、秘密管理性、有用性、非公知性を満たす財産的価値を有するものをいう。
(7) 発明者 当該発明の創作行為に直接的及び主体的に携わった者をいう。
(8) 創作者 意匠、著作物及びノウハウを創作した者をいう。
(9) 成果有体物 教職員等が職務として法人の管理する研究資金又は研究施設、設備、装置その他の資源を使用して行った研究及び創作活動で得られた試薬、試料、実験動物、菌株、細胞株、試作品等で、財産的価値を有するものをいう。また、増殖及び繁殖が可能な成果有体物の場合は、その子孫及び増殖物も成果有体物とみなす。
(10) 知的財産権 特許法に規定する特許権、実用新案法に規定する実用新案権、意匠法に規定する意匠権、種苗法(平成10年法律第83号)に規定する育成者権、半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する回路配置利用権、著作権法に規定する著作物の著作権として権利化されたもの(権利化されるものを含む。)及び不正競争防止法(平成5年法律第47号)の下に保護されるノウハウに係る権利並びに成果有体物に係る権利をいう。
(平23規則59・一部改正)
第2章 発明等
(帰属)
第3条 職務上の発明等に係る特許等を受ける権利(外国において特許等を受ける権利を含む。)は、法人に帰属するものとする。
2 学生等が教員の指導の下で行った発明等は、契約により発明等に係る特許等を受ける権利を法人に帰属することができるものとする。
3 法人が受け入れた研究員等が行った発明等に係る特許等を受ける権利の帰属の取扱いは、受入れの際に契約書等で定めるものとする。
4 教職員等が第三者と共同で研究を行った結果生じた発明等に係る特許等を受ける権利は、研究の貢献度により按分し、教職員等の持分については、法人に帰属するものとする。
5 教職員等が法人を退職後に完成させた発明等であっても、当該発明等の完成に、法人の管理する研究資金又は研究施設、設備、装置その他の資源の使用が相当程度の役割を果たしている場合は、法人は、当該発明等に係る特許について相当な持分を有するものとする。
(発明等の届出)
第4条 教職員等は、発明等については、学会発表、論文発表又は研究成果の公表等の前に、別に定める様式の届出書によって、速やかに産学公連携センター(以下「センター」という。)に届け出るものとする。ただし、商標については、教職員等が法人にその権利を譲渡することを希望するものに限る。
(帰属の決定)
第5条 センター長は、前条の規定により届出のあった発明等について、法人の機関帰属にするか否かに関する決定を行うものとする。
2 前項の決定を行うに際しては、別に定める評価基準に基づき評価を行う。
3 センター長は、第1項の決定を行うに当たって必要があるときは、別途構成される知的財産審査会(以下「審査会」という。)の意見を聴くものとする。
(発明者への通知)
第6条 センター長は、前条の決定について、届出を受理した日から30日(稼働日)以内に当該発明者に理由を付して通知するものとする。
(譲渡証書等の提出)
第7条 当該発明者は、提出した発明等に係る特許等を受ける権利を法人が承継すると決定した旨の通知を受けたときは、速やかに、譲渡証書及び特許出願に要する書類をセンターに提出するものとする。
(発明補償)
第8条 当該特許等を受ける権利の法人への譲渡対価として、当該発明者に対し、出願時補償及び実施時補償(以下「発明補償」という。)を次のとおり行うものとする。
(1) 出願時補償金は、下記のとおりとする。
イ 当該特許出願1件につき10,000円とする(発明者が複数いる場合は、発明の貢献度により按分する。)。
ロ 実用新案登録出願1件につき5,000円とする(考案者が複数いる場合は、考案の貢献度により按分する。)。
ハ 意匠登録出願1件につき5,000円とする(創作者が複数いる場合は、創作の貢献度により按分する。)。
(2) 実施時補償金は、当該知的財産権について、実施料収入及び譲渡収入等として法人が受け入れた金額の50%とする(発明者等が複数いる場合は、発明等の貢献度により按分する。)。
2 発明者が退職、転職、卒業、修了、退学等をした場合においても、在職中又は在学中に行った発明等については、発明補償を行うものとする。ただし、発明者が連絡先をセンターに届け出ないなど、法人側からの連絡が不能の状態で1年を経過した場合は、発明者として実施料の配分を受ける権利を喪失する。
3 発明者が死亡した場合には、相続人に発明補償を受ける権利を付与するものとする。
(平23規則59・令2規則14・一部改正)
(実施料収入等の法人への分配)
第9条 実施料収入及び譲渡収入等として法人が受け入れた金額の50%を法人に分配することとする。
(平23規則59・一部改正)
第3章 植物の新品種及び半導体集積回路の回路配置
第4章 著作物
(著作物の届出)
第11条 教職員等は、著作物について、収益事業のため産業利用を図る場合には、別に定める様式の届出書によって、速やかにセンターに届け出るものとする。
(著作物の帰属)
第12条 前条により届出のあった著作物は、次のとおり取り扱うものとする。
(1) プログラムの著作物の著作権は、法人に帰属するものとする。
(2) データベースの著作物の著作権は、創作者と協議の上、契約により著作権を法人に帰属させることができるものとする。
(3) 法人著作物に該当するものは、当然に法人に帰属する。
(4) 教職員等が法人に譲渡することを希望する著作物の著作権は、創作者と協議のうえ、契約により法人に帰属させることができるものとする。
2 学生等が創作した著作物の著作権については、契約により法人に帰属させることができるものとする。
(令2規則14・一部改正)
第5章 ノウハウ
(ノウハウの届出)
第15条 教職員等は、ノウハウについて、収益事業のため産業利用を図る場合には、別に定める様式の届出書によって、速やかにセンターに届け出るものとする。
(ノウハウの帰属)
第16条 前条の規定により届出のあったノウハウに係る権利は、法人に帰属するものとする。
(令2規則14・一部改正)
第6章 成果有体物
(成果有体物の帰属)
第18条 成果有体物に係る権利は、法人に帰属するものとする。
2 学生等が創出した成果有体物の所有権については、契約により法人に帰属させることができるものとする。
(成果有体物の移転の届出)
第19条 教職員等は、産業利用を図る目的として成果有体物を第三者に移転する場合は、別に定める様式の届出書によって、事前にセンターに届け出るものとする。
2 教職員等は、学術目的の研究活動に利用するものとして成果有体物を第三者に移転した場合は、部局にて締結した契約書等の写しをセンターに届け出るものとする。
(1) センター長が提供を禁止した場合
(2) 法令及び法人の規則等に違反する場合
(3) 国及び法人の定める倫理指針に違反する場合
(4) 特許出願等の予定があるが未だ出願手続等が行われていない場合
(5) 特許出願に関連し生物の寄託をしている場合
(6) 届出に係るもの以外のものの権利に抵触しているおそれがある場合
(7) 外部機関の研究者が作成したもので提供が禁止されている場合
(8) 臨床由来のヒト試料の場合
(9) 個人の情報が特定され得る場合
(10) 複製が実際上困難であり、提供することにより研究・教育又は研究開発に支障を生じる場合
(11) 研究上の加工、改良又は工夫を加えていない場合
(成果有体物の受入の届出)
第20条 教職員等が、法人における教育及び研究のために第三者から、当該第三者の研究開発成果としての成果有体物を受け入れた場合には、部局にて締結した契約書等の写しをセンターに届け出るものとする。
2 教職員等は、第三者からの成果有体物の受入に際し、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 成果有体物の提供を受け入れることについて、研究に関わる者から同意を得ること。
(2) 成果有体物の提供を受け入れることが法令及び法人の規則等に違反しないこと。
(3) 成果有体物の提供を受け入れることが国及び法人が定める倫理指針に違反しないこと。
(4) 学生等が成果有体物の提供を受けるときは、指導を受ける教職員の承認を得ること。
(成果有体物の授受)
第22条 教職員等は、成果有体物を産業利用を目的として第三者に移転する場合は、原則として有償とする。
2 教職員等は、成果有体物を学術目的の研究活動に利用するものとして第三者に移転する場合は、無償で授受することができる。
(成果有体物の持出しの禁止)
第23条 教職員等は、異動又は離職後も在職中に法人において職務上得た成果有体物を、センター長の承認を得ずに、持ち出してはならない。
2 学生等は、その身分を失った後も在学中に法人において得た成果有体物を、センター長の承認を得ずに、持ち出してはならない。
(令2規則14・一部改正)
(包括契約)
第25条 法人は、特定の大学、研究機関、企業等との間に包括的かつ相互的成果有体物提供契約を結ぶことができる。この場合において、成果有体物を授受するときは、その授受の内容を示した確認書を取りかわすものとする。
第7章 知的財産の管理
(管理)
第26条 法人に帰属された知的財産の管理は、センターが行う。ただし、植物の新品種、半導体集積回路の回路配置、著作物、ノウハウ及び成果有体物に関する管理は、創作者が行うものとする。
2 教職員等から植物の新品種、半導体集積回路の回路配置、著作物、ノウハウ及び成果有体物に関する届出のあったもののうち、収益事業のため産業利用を図るものについては、センターが契約等に係る業務を行うものとする。
第8章 知的財産の利用・活用
(特許等の出願・権利化)
第27条 法人に帰属された発明等の出願、権利化の要否については、審査会の審議に基づき、センター長が決定する。
2 センター長は、前項の決定を行うに当たって必要があるときは、知的財産委員会(以下「委員会」という。)の意見を聴くものとする。
(特許等出願の中止・発明者への返還)
第28条 法人に帰属された知的財産権を譲渡、放棄及び実施許諾等するときは、審査会の審議に基づき、センター長が決定する。
2 センター長は、前項の決定を行うに当たって必要があるときは、委員会の意見を聴くものとする。
3 第1項の規定により、審査会の審議に基づき、法人が知的財産権を放棄することを決定した場合、法人は、発明者が希望すればその権利を当該発明者に譲渡することができる。
(大学発ベンチャーに対する優遇措置)
第29条 法人は、教職員等が設立したベンチャー企業に対して、法人に帰属された知的財産権の実施許諾について、実施料の延払い及び減免等の優遇措置を講じるなど、支援を行うことができる。
(企業等への優遇措置)
第30条 法人は法人に帰属された知的財産権の企業等における利用や活用を円滑に行うため、専用実施権の設定等を行うことができるものとする。ただし、当該企業が適切な実施を行わない場合は、法人の公共性を考慮し、専用実施権の設定等を解消することができるものとする。
第9章 教職員等の守秘義務
(守秘義務)
第31条 知的財産の創出等に携わる教職員等は、知的財産の内容その他に関する事項について、秘密を守らなければならない。
(参加者の守秘義務の管理)
第32条 知的財産に係るプロジェクト等の研究代表者は、共同研究等又はプロジェクト研究を実施するに当たり、参加者の守秘義務について適切な管理を行うものとする。
(ノウハウの管理)
第33条 ノウハウの創作者は、指定されたノウハウについて、秘密が漏えいしないように適切な管理を行うものとする。
第10章 知的財産の取扱い等に関する異議申立て
(異議申立て)
第34条 発明等の届出をした教職員等は、第5条第1項の決定に対し不服のある場合は、決定の通知を受けた日から起算して10日(稼働日)以内に、センター長に対して、異議申立書により異議申立てを行うことができる。
2 センター長は、前項の異議申立てを受理したときは、委員会の審議を経て、異議申立てを受理した日から起算して30日(稼働日)以内に、特許等を受ける権利の帰属等について決定し、異議申立てを行った教職員等に通知するものとする。
3 異議申立てを行った教職員等は、前項の異議申立てに対する決定については、再び異議申立てを行うことはできないものとする。
第11章 雑則
(委員会と審査会との連携)
第35条 審査会は、知的財産の取扱について、委員会と連携を図るものとする。
(細則)
第36条 この規則の細則は、センター長が別に定める。
(書類の様式)
第37条 この規則の実施に必要な書類の様式は、センター長が別に定める。
(雑則)
第38条 この規則に定めるもののほか、知的財産に関する必要な事項は、センター長が別に定める。
附則
この規則は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成24年3月23日23法人規則第59号)
この規則は、平成24年4月1日から施行し、平成22年4月1日以降に法人が受け入れた金額から適用する。
附則(令和2年3月26日31法人規則第126号)
この規則、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和3年3月15日2法人規則第14号)
この規則は、令和3年4月1日から施行する。