○飛島村文化財保護条例
昭和63年12月21日
条例第15号
目次
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 村指定有形文化財(第4条~第16条)
第3章 村指定無形文化財(第17条~第22条)
第4章 村指定民俗文化財(第23条~第28条)
第5章 村指定史跡名勝天然記念物(第29条~第34条)
第6章 飛島村文化財保護審議会(第35条~第40条)
第7章 補則(第41条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、村の区域内に存する文化財のうち重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって村民の文化的向上に資するとともに、わが国文化の進歩に貢献することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で、「文化財」とは、次の各号に掲げるものをいう。
(1) 法第2条第1項第1号に掲げる有形文化財のうち村の区域内にあり、かつ、法により重要文化財の指定を受けていないもの及び愛知県文化財保護条例(昭和30年愛知県条例第6号。以下「県条例」という。)により県指定有形文化財の指定を受けていないもの(以下「有形文化財」という。)
(2) 法第2条第1項第2号に掲げる無形文化財のうち村の区域内にあり、かつ、法により重要無形文化財の指定を受けていないもの及び県条例により、県指定無形文化財の指定を受けていないもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 法第2条第1項第3号に掲げる民俗文化財のうち村の区域内にあり、かつ、法により重要有形民俗文化財及び重要無形民俗文化財の指定を受けていないもの及び県条例により、県指定有形民俗文化財又は県指定無形民俗文化財の指定を受けていないもの(以下「民俗文化財」という。)
(4) 法第2条第1項第4号に掲げる記念物のうち村の区域内にあり、かつ、法により史跡名勝天然記念物の指定を受けていないもの及び県条例により、県指定史跡名勝天然記念物の指定を受けていないもの(以下「記念物」という。)
(財産権の尊重及び他の公益との調整)
第3条 飛島村教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の施行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 村指定有形文化財
(指定)
第4条 教育委員会は、有形文化財のうち村にとって重要なものを飛島村指定有形文化財(以下「村指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 前項の規定による指定をしようとするときは、教育委員会は、あらかじめ、指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しないときは、この限りでない。
3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知して行う。
5 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該村指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第5条 村指定有形文化財が村指定有形文化財としての価値を失った場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
3 村指定有形文化財について、法第27条第1項の規定による重要文化財の指定があったとき、又は県条例第4条第1項の規定による県指定有形文化財の指定があったときは、当該村指定有形文化財の指定は解除されたものとする。
4 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに当該村指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第6条 村指定有形文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、村指定有形文化財を管理しなければならない。
2 村指定有形文化財の所有者は、特別の事情があるときは、所有者に代わる当該村指定有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。
4 管理責任者については、第1項の規定を準用する。
(所有者の変更等)
第7条 村指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 村指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第8条 村指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第9条 村指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(管理又は修理の補助)
第10条 村指定有形文化財の管理又は修理に要する経費は、所有者の負担とする。ただし、多額な経費を要し、所有者がその負担に堪えないときは、その経費の一部に充てさせるため、村は、所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
(管理又は修理に関する勧告)
第11条 村指定有形文化財の管理が適当でないため、当該村指定有形文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 村指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、教育委員会は、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を村の負担とすることができる。
(現状変更等の制限)
第12条 村指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
2 村指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し、技術的な指導と助言を与えることができる。
(公開)
第14条 教育委員会は、村指定有形文化財の所有者に対し、教育委員会の行う公開の用に供するため当該村指定有形文化財を出品することを勧告することができる。
2 前項の規定による出品のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を村の負担とする。
3 第1項の規定により出品し、又は公開したことに起因して当該村指定有形文化財が滅失し、又はき損したときは、村は、所有者に対し、その通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者又は管理責任者の責に帰すべき理由によって滅失し、又はき損した場合は、この限りでない。
(調査)
第15条 教育委員会は、必要があると認めるときは、村指定有形文化財の所有者又は管理責任者に対し、当該村指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(所有者変更に伴う権利義務の承継)
第16条 村指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該村指定有形文化財に関し、この条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 前項の場合には、旧所有者は、当該村指定有形文化財の引渡と同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
第3章 村指定無形文化財
(指定)
第17条 教育委員会は、無形文化財のうち村にとって重要なものを飛島村指定無形文化財(以下「村指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による指定をしようとするときは、当該村指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該村指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあってはその代表者)に通知して行う。
4 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該村指定無形文化財の保持者又は保持者団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(解除)
第18条 村指定無形文化財が村指定無形文化財としての価値を失った場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。
4 村指定無形文化財について法第71条第1項の規定による重要無形文化財の指定があったとき、又は県条例第18条第1項の規定により県指定無形文化財の指定があったときは、当該村指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。
5 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該村指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。
6 保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この条及び次条において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき、又は保持団体のすべてが解散したときは、村指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合には、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。
(保持者の氏名変更等)
第19条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)について、同様とする。
(保存)
第20条 教育委員会は、村指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、村指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができる。
2 村は、村指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(公開)
第21条 教育委員会は、村指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し村指定無形文化財の公開を、村指定無形文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。
2 村は、前項の規定による村指定無形文化財及びその記録の公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(保存に関する助言又は勧告)
第22条 教育委員会は、村指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第4章 村指定民俗文化財
(指定)
第23条 教育委員会は、有形の民俗文化財のうち村にとって重要なものを飛島村指定有形民俗文化財(以下「村指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財のうち村にとって重要なものを飛島村指定無形民俗文化財(以下「村指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
3 第1項の規定による村指定無形民俗文化財の指定は、その旨を告示して行う。
(解除)
第24条 村指定有形民俗文化財又は村指定無形民俗文化財が村指定有形民俗文化財又は村指定無形民俗文化財としての価値を失った場合、その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
3 第1項の規定による村指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を告示して行う。
4 村指定有形民俗文化財又は村指定無形民俗文化財について、法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財の指定があったとき、又は県条例第24条第1項の規定による県指定有形民俗文化財又は県指定無形民俗文化財の指定があったときは、当該村指定有形民俗文化財又は村指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。
6 第4項の場合の村指定無形民俗文化財の指定の解除については、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。
(村指定有形民俗文化財の保護)
第25条 村指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 村指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
(村指定無形民俗文化財の保存)
第27条 教育委員会は、村指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、村指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執ることができる。
2 村は、村指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(村指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)
第28条 教育委員会は、村指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第5章 村指定史跡名勝天然記念物
(指定)
第29条 教育委員会は、記念物のうち村にとって重要なものを飛島村指定史跡、飛島村指定名勝又は飛島村指定天然記念物(以下「村指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(解除)
第30条 村指定史跡名勝天然記念物が村指定史跡名勝天然記念物としての価値を失った場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会はその指定を解除することができる。
2 村指定史跡名勝天然記念物について法第109条第1項の規定による史跡、名勝又は天然記念物の指定があったとき、又は県条例第29条第1項の規定による県指定史跡名勝天然記念物の指定があったときは、当該村指定史跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。
(標識等の設置)
第31条 村指定史跡名勝天然記念物の所有者は、村指定史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。
(現状変更等の制限)
第33条 村指定史跡名勝天然記念物に関し、その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
第6章 飛島村文化財保護審議会
(設置)
第35条 教育委員会に飛島村文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、教育委員会の諮問に応じ、文化財の保護及び活用に関する重要事項について調査し、及びこれらの事項に関して教育委員会に建議する。
(審議会への諮問)
第36条 教育委員会は、次に掲げる事項については、あらかじめ、審議会に諮問しなければならない。
(1) 村指定有形文化財の指定及びその指定の解除
(2) 村指定無形文化財の指定及びその指定の解除
(3) 村指定無形文化財の保持者又は保持団体の認定及びその認定の解除
(4) 村指定有形民俗文化財又は村指定無形民俗文化財の指定及びその指定の解除
(5) 村指定史跡名勝天然記念物の指定及びその指定の解除
(組織)
第37条 審議会は、文化財に関し学識経験を有する者のうちから、教育委員会が任命する7人以内の委員で組織する。
2 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
3 委員に欠員を生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長)
第38条 審議会に会長を置き、委員の互選により定める。
2 会長は、会務を総理する。
3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
(会議)
第39条 審議会は、会長が招集する。
2 審議会は、半数以上の委員が出席しなければ開くことができない。
3 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(雑則)
第40条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。
第7章 補則
(委任)
第41条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
附則
この条例は、昭和64年4月1日から施行する。
附則(令和元年条例第17号)
この条例は、公布の日から施行する。