○東海村ペット霊園の設置の許可等に関する条例

平成21年6月18日

条例第18号

(目的)

第1条 この条例は,ペット霊園の設置及び管理が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障なく行われるための措置を講じ,もって村民の快適な生活環境の確保に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) ペット霊園 焼却施設,墳墓若しくは納骨堂又はこれらを併せ持つ施設(専ら自己の利用に供する目的で設置するものを除く。)をいう。

(2) 動物 人に飼養されていた犬,猫その他の動物(化製場等に関する法律(昭和23年法律第140号)第1条第1項に規定する獣畜並びに食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成2年法律第70号)第2条第1号に規定する食鳥を除く。)をいう。

(3) 焼却施設 動物の死体を焼却する設備を有する施設をいう。

(4) 墳墓 動物の死体を埋葬し,又は焼骨を埋蔵する施設をいう。

(5) 納骨堂 動物の焼骨を収蔵する施設をいう。

(6) 近隣住民等 ペット霊園の区域に隣接する土地の所有者及び当該区域の境界(以下「区域境界」という。)から200メートル以内に建物がある場合における当該建物の所有者,管理者又は占有者をいう。

(設置又は管理に関する責務)

第3条 ペット霊園を設置し,又は管理する者は,当該ペット霊園の設置又は管理に際しては,地域の生活環境に配慮するとともに,近隣住民等との良好な関係を保持するよう努めなければならない。

(設置等の許可)

第4条 ペット霊園を設置しようとする者は,あらかじめ,村長の許可を受けなければならない。設置の許可を受けたペット霊園(以下この条において「許可ペット霊園」という。)の区域内における新たな焼却施設の設置(焼却施設の増設を含む。以下「焼却施設の新増設」という。)又は許可ペット霊園についてその区域の変更(区域の縮小に係るものを除く。以下「区域変更」という。)をしようとする者も,同様とする。

2 村長は,前項の許可をする場合において,公衆衛生の維持及び地域の生活環境の保全のため必要があると認めるときは,その必要とする措置の限度において,その許可に条件を付することができる。

(事前協議)

第5条 第9条第1項の規定によりペット霊園の設置又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の許可の申請をしようとする者(以下「申請予定者」という。)は,あらかじめ,当該ペット霊園の設置又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の計画について,村長と協議しなければならない。

2 申請予定者は,前項の規定による協議を行うときは,次に掲げる事項を記載した協議書を村長に提出しなければならない。

(1) 申請予定者の氏名,住所及び連絡先(申請予定者が法人その他の団体(以下「法人等」という。)である場合にあっては,当該法人等の名称,所在地及び連絡先並びに代表者の氏名)

(2) ペット霊園の名称,所在地及び地目

(3) 申請予定年月日,工事着手予定年月日及び工事完了予定年月日

(4) ペット霊園の概要

3 前項の協議書には,次に掲げる書類及び図面(焼却施設の新増設に係る協議の場合にあっては第1号から第3号までに掲げる書類及び図面を,区域変更に係る協議の場合にあっては第1号に掲げる書類を除く。)を添付しなければならない。

(1) 法人の登記事項証明書(申請予定者が法人である場合に限る。)

(2) ペット霊園を設置しようとする土地に係る登記事項証明書(既存建物の一部又は全部を使用して納骨堂のみのペット霊園を設置する場合にあっては,当該建物に係る登記事項証明書)

(3) ペット霊園を設置しようとする土地及び当該土地の隣接地に係る不動産登記法(平成16年法律第123号)第14条第1項に規定する地図の写し又は同条第4項に規定する地図に準ずる図面の写し

(4) ペット霊園の計画平面図

(5) 焼却施設の構造,処理能力等の事項を記載した書類(焼却施設を設置する場合に限る。以下「焼却施設の設計仕様書」という。)

(6) 区域境界から200メートル以内に存する住宅,病院,公共施設等(以下「住宅等」という。)の敷地とペット霊園との距離を示した図面

(7) 近隣住民等の住所及び名前を記載した書類

(標識の設置等)

第6条 申請予定者は,ペット霊園の設置又は焼却施設の新増設若しくは区域変更を計画する土地に,規則で定める標識を村民等が見やすいよう設置しなければならない。

2 前項の標識は,規則で定める日までに設置しなければならない。

3 申請予定者は,第1項の規定により標識を設置したときは,速やかに,その旨を村長に届け出なければならない。

4 第1項の標識は,第13条の規定による届出の日まで設置しておかなければならない。

5 申請予定者は,標識が破損し,汚損し,若しくは倒壊し,又は標識の記載事項に変更が生じたときは,速やかに標識を修復し,新たに設置し,又は当該変更後の記載事項を標識に記載しなければならない。

(説明会の開催等)

第7条 申請予定者は,規則で定めるところにより,近隣住民等に対し,ペット霊園の設置又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の計画について説明会を開催し,第9条第1項の規定による申請の際に,近隣住民等説明会経過等報告書により,その経過等を村長に報告しなければならない。

2 前項の説明会は,規則で定める日までに開催しなければならない。

3 申請予定者は,ペット霊園の設置又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の計画について,近隣住民等から次に掲げる事項について意見の申出があった場合は,当該申出をした者と協議しなければならない。

(1) 生活環境の観点から考慮すべきこと。

(2) ペット霊園の構造又は設備に関すること。

(同意)

第8条 申請予定者は,ペット霊園の設置又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の計画について,当該計画を予定する土地の近隣住民等に対し,書面(以下「同意書」という。)により,すべての同意を得るよう努めなければならない。

(許可の申請)

第9条 第4条の許可を受けようとする者(以下「許可申請者」という。)は,次に掲げる事項を記載した申請書を村長に提出しなければならない。

(1) 許可申請者の氏名及び住所(許可申請者が法人等である場合にあっては,当該法人等の名称及び所在地並びに代表者の氏名)

(2) ペット霊園の名称,所在地及び地目

(3) 焼却施設の数(焼却施設を設置する場合に限る。)

(4) ペット霊園の概要

2 前項の申請書には,次に掲げる書類及び図面(焼却施設の新増設又は区域変更の許可の申請の場合は,第1号に掲げる書類及び図面を除く。)を添付しなければならない。ただし,第5条第3項の規定により添付した書類に変更がないときは,第1号及び第2号に掲げる書類を省略することができる。

(1) 法人の登記事項証明書(許可申請者が法人である場合に限る。)

(2) 第5条第3項第2号から第4号までに掲げる書類又は図面

(3) 同意書

(4) 近隣住民等説明会経過等報告書

(5) 近隣住民等申出協議経過等報告書(第7条第3項の規定による申出による協議を行った場合に限る。)

(6) 焼却施設の設計仕様書(焼却施設を設置する場合に限る。)

(7) 維持管理計画書

(8) 資金計画書その他の許可申請者の資力信用に係る書類

(許可の基準)

第10条 ペット霊園の設置場所は,次に掲げる基準に適合するものでなければならない。

(1) ペット霊園を設置しようとする者が所有する土地であること。

(2) 住宅等の敷地の境界から区域境界までの距離が100メートル以上ある土地であること(ペット霊園が納骨堂のみの施設であるときを除く。)

(3) 高燥で,かつ,飲料水を汚染するおそれのない土地その他公衆衛生上支障がない土地であること(ペット霊園が納骨堂のみの施設であるときを除く。)

2 ペット霊園の構造,設備等は,次に掲げる基準に適合するものでなければならない。

(1) 焼却施設は,次に掲げる基準に適合するものであること。

 移動できない焼却炉であること。

 空気取入口及び煙突の先端以外の部分において燃焼室内と外気とが接することがないこと。

 燃焼室内において発生するガス(以下「燃焼ガス」という。)の温度が摂氏800度以上の状態で動物の死体を焼却できるものであること。

 燃焼に必要な量の空気の通風が行われるものであること。

 燃焼室内において動物の死体が燃焼しているときに,燃焼室内に動物の死体を追加して投入する場合には,外気と遮断された状態で,定量ずつ動物の死体を燃焼室に投入することができるものであること。

 燃焼室内の燃焼ガスの温度を測定するための装置が設けられていること。

 助燃装置(燃焼ガスの温度を維持する装置をいう。)が設けられていること。

 焼却施設の煙突から排出される排ガスに含まれるばいじんを除去する機能を有する排ガス処理設備が設けられていること。

(2) 墳墓は,動物の焼骨を埋蔵することとし,動物の死体を埋葬しないこと。

(3) 区域境界から墳墓が見えないように障壁,樹木の垣根等を設けること。

(4) ペット霊園の出入口は,施錠できる構造であること。

(5) ペット霊園の出入口及び駐車場は,アスファルト舗装,コンクリート舗装その他ぬかるみとならない構造とすること。

(6) ペット霊園の区域内の雨水又は汚水を適切に排除できる構造とすること。

(7) ペット霊園の区域内に管理事務所,便所,給水設備及び施設規模相当の自動車駐車場を設けること。

(8) ペット霊園の区域の面積に占める緑地の面積の割合は,5分の1以上とすること(ペット霊園が納骨堂のみの施設であるときを除く。)

3 ペット霊園を設置し,又は管理する者は,事業遂行に関して確実性及び安定性があると見込まれる者でなければならない。

(許可の決定)

第11条 村長は,第9条第1項の規定による申請があったときは,当該申請内容を審査の上,許可の可否を決定するものとする。

(工事着手届)

第12条 ペット霊園の設置の許可を受けた者(以下「設置者」という。)又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の許可を受けた者は,当該許可に係る工事に着手しようとするときは,あらかじめ,その旨を村長に届け出なければならない。

(工事完了届等)

第13条 設置者又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の許可を受けた者は,前条の工事が完了したときは,速やかに,その旨を村長に届け出なければならない。

(維持管理)

第14条 設置者又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の許可を受けた者は,ペット霊園が第9条第2項第7号の維持管理計画書に記載された計画に適合するよう維持管理を行い,村長にその内容を報告しなければならない。

(地位の承継)

第15条 設置者からペット霊園を譲り受けた者は,当該設置者の地位を承継するものとする。

2 前項の規定により設置者の地位を承継した者は,遅滞なく,その事実を証する書面を添付して,その旨を村長に届け出なければならない。

(中止,変更又は廃止の届出)

第16条 設置者又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の許可を受けた者は,ペット霊園の設置又は焼却施設の新増設若しくは区域変更に係る工事を中止したときは,速やかに,その旨を村長に届け出なければならない。

2 設置者は,第9条第1項各号に掲げる事項(同項第4号及び第5号に掲げる事項を除く。)に変更があったときは,速やかに,その旨を村長に届け出なければならない。

3 設置者は,ペット霊園を廃止するときは,速やかに,その旨を村長に届け出なければならない。この場合において,ペット霊園のうち,焼却施設と墳墓又は納骨堂を併せ持つもので,焼却施設のみを廃止する場合も,同様とする。

(報告及び検査)

第17条 村長は,この条例の施行に必要な限度において,設置者に対し,ペット霊園の状況等について必要な報告を求めることができる。

2 村長は,ペット霊園の設置の許可,維持管理状況の調査その他住民の生活環境の保全のためこの条例の施行に必要な限度において,その職員をペット霊園に立ち入らせ,敷地,施設,書類その他物件の検査をさせることができる。

3 前項の規定により立入検査を行う職員は,その身分を示す証明書を携帯し,かつ,関係人の請求があるときは,これを提示しなければならない。

4 第2項の規定による権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(改善勧告)

第18条 村長は,設置者又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の許可を受けた者が維持管理を適正に行っていないときは,その者に対し,期限を定め,必要な措置を行うよう勧告することができる。

(改善命令)

第19条 村長は,設置者又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の許可を受けた者が前条の勧告に従わないときは,期限を定め,必要な措置を行うよう命ずることができる。

(許可の取消し)

第20条 村長は,設置者又は焼却施設の新増設若しくは区域変更の許可を受けた者が偽りその他不正の手段により第4条の許可を受けたとき又はこの条例に違反したときは,その許可を取り消すことができる。

(使用禁止命令)

第21条 村長は,次の各号のいずれかに該当する者に対し,ペット霊園の使用の禁止を命ずることができる。

(1) 第4条の許可を受けないで,ペット霊園を設置し,若しくは焼却施設の新増設若しくは区域変更をし,又は使用した者

(2) 前条の規定により許可を取り消された者

(公表)

第22条 村長は,第19条又は前条の規定による命令を受けた者がその命令に従わないときは,その者の氏名並びにペット霊園の名称及び所在地並びにその経過を公表することができる。

(委任)

第23条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

この条例は,公布の日から施行する。

東海村ペット霊園の設置の許可等に関する条例

平成21年6月18日 条例第18号

(平成21年6月18日施行)