○富加町空家等の適正管理に関する条例

平成30年6月19日

条例第15号

(目的)

第1条 この条例は、空家等の適正な管理に関し、空家等が放置され管理不全な状態となったとき、又はそのおそれがあるときの措置について必要な事項を定めることにより、地域の良好な景観の保全及び町民等の安全で安心な暮らしを確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 空家等 町内に所在する建築物その他の工作物で、現に人が居住せず、若しくは使用していないもの及びその敷地をいう。

(2) 管理不全な状態 次に掲げるいずれかの状態をいう。

 老朽化又は台風等の自然災害により、倒壊し、又は建築資材等が飛散し、人の生命、身体又は財産に損害を及ぼすおそれのある状態

 不特定の者が侵入し、火災、犯罪等を誘発するおそれのある状態

 樹木等の繁茂又はねずみ、害虫等の発生により、周辺の生活環境の保全に支障を及ぼすおそれのある状態

 からまでに掲げるもののほか、町長が管理不全な状態と認める状態

(3) 所有者等 空家等を所有し、又は管理する者をいう。

(4) 町民等 町内に居住し、若しくは滞在し、又は通勤し、若しくは通学する者をいう。

(所有者等の責務)

第3条 所有者等は、その管理すべき空家等が危険な状態にならないよう自らの責任において適正にこれを管理しなければならない。

(情報の提供)

第4条 町民等は、管理不全な状態の空家等を発見したときは、町に当該空家等の情報を提供することができる。

(実態調査)

第5条 町長は、前条の規定による情報の提供を受けたとき、又は空家等が管理不全な状態にあると認めるときは、この条例の施行に必要な限度において、当該空家等の所有者等の所在、管理不全な状態の程度等を調査するものとする。

2 町長は、前項の規定による調査を行う場合において必要があると認めるときは、職員に管理不全な状態にある空家等に立ち入らせ、調査させることができる。

3 前項の規定により立入調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者からの請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 第2項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(助言又は指導)

第6条 町長は、前条の実態調査により空家等が管理不全な状態にあると認めるときは、当該空家等の所有者等に対し、空家等の適正な管理のために必要な措置を講じるよう助言又は指導することができる。

(勧告)

第7条 町長は、前条の規定による助言又は指導を行った後において、なお当該空家等が管理不全な状態にあると認めるときは、当該空家等の所有者等に対し、期限を定めて、空家等の適正な管理のために必要な措置を講じるよう勧告することができる。

(命令)

第8条 町長は、前条の規定による勧告を履行しない当該空家等の所有者等に対し、期限を定めて、空家等の適正な管理のために必要な措置をとるよう命ずることができる。

2 町長は、前項の規定により命じようとするときは、当該命令に係る所有者等に意見を述べる機会を事前に与えなければならない。

(公表)

第9条 町長は、空家等の所有者等が前条第1項の規定による命令に基づく措置を期限までに講じないときは、次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 命令に従わない者の住所及び氏名(法人の場合にあっては、主たる事務所の所在地、名称及び代表者の氏名)

(2) 命令の対象となった空家等の所在地及び種別

(3) 命令の内容

(4) その他町長が必要と認める事項

2 町長は、前項の規定により公表しようとするときは、当該公表に係る所有者等に意見を述べる機会を事前に与えなければならない。

(代執行)

第10条 町長は、第8条の規定による命令を受けた者が、これを履行しない場合において、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところにより、自ら必要な措置を行い、又は第三者にこれを行わせ、その費用を当該命令を受けた者から徴収することができる。

(補助金)

第11条 町長は、管理不全な状態を解消するために必要な措置を講じる者に対し、当該措置に要する経費の一部を予算の範囲内において補助金として交付することができる。

(緊急安全措置)

第12条 町長は、空家等の管理不全な状態が切迫していると認められるときは、管理不全な状態を回避するために必要な最低限の措置(以下「緊急安全措置」という。)をとることができる。

2 町長は、緊急安全措置をとる場合は、当該所有者等の同意を得て実施するものとする。ただし、所有者等に対し同意を得ることが困難であると認められるときは、この限りでない。

3 町長は、緊急安全措置をとったときは、その費用を所有者等から徴収することができる。

(審議及び意見聴取)

第13条 空家等の状態及び周辺地域に及ぼす影響を総合的に勘案した対応方針について、町長の諮問に応じて富加町空家等対策協議会(以下「協議会」という。)で審議を行うものとする。

2 町長は、次に掲げる場合においては、協議会を開催し、意見を聴かなければならない。

(1) 第7条の規定による勧告をしようとするとき

(2) 第8条の規定による命令をしようとするとき

(3) 第9条の規定による公表をしようとするとき

(4) 第10条の規定による代執行をしようとするとき

(5) 前各号に掲げる場合のほか、町長が必要と認めるとき

(関係機関との連携)

第14条 町長は、必要があると認めるときは、管理不全な状態にある空家等が所在する地域を管轄する警察署その他関係機関に協力を要請することができる。

(委任)

第15条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第7条から第10条までの規定は、平成31年4月1日から施行する。

富加町空家等の適正管理に関する条例

平成30年6月19日 条例第15号

(平成31年4月1日施行)