○豊島区中高層集合住宅建築物の建築に関する条例
平成16年6月28日
条例第35号
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 標識の設置及び事前協議等(第6条―第9条)
第3章 良質な集合住宅の確保(第10条―第13条)
第4章 良好な近隣関係の維持向上(第14条―第22条)
第5章 高齢社会への対応(第23条・第24条)
第6章 雑則(第25条―第29条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、中高層集合住宅建築物の建築に関する基本的事項を定めることにより、良質な集合住宅の確保、良好な近隣関係の維持向上及び高齢社会の進展に対応した居住環境の整備を図り、もって快適な住環境及び生活環境の形成に資することを目的とする。
(1) 中高層集合住宅建築物 地階を除く階数が3以上で、かつ、住戸数が15以上の共同住宅(その他の用途を併用する場合を含む。)の用途に供する建築物をいう。
(2) ワンルーム住戸 規則で定める基準により算出した1住戸(寄宿舎又は下宿等の住室を含む。)の専用面積が30平方メートル未満の住戸をいう。
(3) 建築 建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第2条第13号に規定する建築又は法第87条第1項において準用する法第6条第1項及び第6条の2第1項に規定する確認を必要とする用途の変更をいう。
(4) 建築主 中高層集合住宅建築物の建築に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。
(5) 所有者等 中高層集合住宅建築物の所有者(建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)第2条第2項に規定する区分所有者は除く。以下同じ。)及び所有者から委託を受けて中高層集合住宅建築物の管理を行う者をいう。
(6) 工事施工者 中高層集合住宅建築物の建築に関する工事の請負人をいう。
(7) 宅地建物取引業者 建築主又は所有者等から中高層集合住宅建築物の売買又は貸借の代理若しくは媒介を委託された宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第3条第1項の免許を受けて宅地建物取引業を営む者をいう。
(8) 入居者等 建築主、所有者等又は宅地建物取引業者より、中高層集合住宅建築物の住戸、店舗、事務所その他これらに類するものの用に供される部分を取得した者(取得しようとする者を含む。)又は借り受けた者(借り受けようとする者を含む。)をいう。
(9) 近隣関係住民 次のいずれかに掲げる者をいう。
ア 中高層集合住宅建築物の敷地境界線から当該中高層集合住宅建築物の高さの2倍の水平距離の範囲内にある土地又は建築物に関して権利を有する者及び当該範囲内に居住する者
イ 中高層集合住宅建築物によるテレビ電波受信障害の影響を著しく受けると認められる者
(10) 隣接住民 前号アに規定する者のうち、次のいずれかに掲げる者をいう。
ア 中高層集合住宅建築物の敷地境界線から当該中高層集合住宅建築物の高さと等しい水平距離の範囲内に居住する者
イ 中高層集合住宅建築物による冬至日の午前8時から午後4時まで日影が及ぶ範囲内に居住する者
(平21条例40・一部改正)
(適用範囲)
第3条 この条例は、区内に建築される中高層集合住宅建築物について適用する。
(区長の責務)
第4条 区長は、この条例の目的を達成するため、建築主及び所有者等の理解と協力の下に、建築主及び所有者等に対し、中高層集合住宅建築物の建築に関する基本的事項について適切な指導及び助言を行うよう努めなければならない。
(建築主及び所有者等の責務)
第5条 建築主及び所有者等は、良質な集合住宅の確保、良好な近隣関係の維持向上及び高齢社会の進展に対応した居住環境の整備を図り、快適な住環境及び生活環境の形成に努めなければならない。
2 建築主及び所有者等は、中高層集合住宅建築物を建築することにより近隣との紛争が生じた場合は、誠意を持ってその解決に当たるものとする。
第2章 標識の設置及び事前協議等
(標識の設置)
第6条 建築主は、中高層集合住宅建築物を建築しようとするときは、当該建築敷地内の見やすい場所に、規則で定めるところにより、標識を設置しなければならない。
2 前項の場合において、中高層集合住宅建築物が豊島区中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例(昭和53年豊島区条例第26号。以下「紛争予防条例」という。)又は東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(昭和53年東京都条例第64号。以下「都紛争予防条例」という。)の適用を受けるときは、紛争予防条例第5条第1項又は都紛争予防条例第5条第1項の規定による標識の設置を前項の規定による標識の設置に代えることができる。
3 建築主は、中高層集合住宅建築物にワンルーム住戸が存する場合は、前2項の標識にその旨及びその戸数を明示しなければならない。
(平21条例21・一部改正)
(隣接住民への戸別訪問による説明等)
第7条 建築主は、前条第1項の標識を設置したときは、隣接住民に対し、速やかに中高層集合住宅建築物に係る建築計画のうち規則で定める事項について戸別訪問の方法により、説明を行わなければならない。ただし、長期間の不在等により説明を行うことができず、かつ、説明に代え規則で定める事項について文書により周知をした隣接住民については、この限りでない。
3 建築主は、隣接住民から前2項の説明又は周知の内容に関し説明会の開催を求められたときは、速やかに説明会を開催しなければならない。
4 建築主は、近隣関係住民から規則で定める事項に関し説明を求められたときは、速やかに説明会の開催その他の方法により、説明を行わなければならない。
5 前2項の規定により建築主が説明会を開催するに当たっては、建築主(建築主が法人の場合にあっては、その代表者又は当該中高層集合住宅建築物に係る計画若しくは工事に携わる当該法人の従業者)は、区長が特にやむを得ない事情があると認める場合を除き、その説明会に出席しなければならない。
6 建築主及び所有者等は、近隣関係住民との間で工事協定又は一般協定等(以下「協定等」という。)を締結するよう努めるとともに、締結した協定等を遵守しなければならない。
7 建築主及び所有者等は、当該建築物の所有権を承継した者がいる場合は、その者に対し、協定等の内容について文書により周知しなければならない。
(平21条例21・一部改正)
(事前協議書等の届出)
第8条 建築主は、第6条第1項の標識を設置したときは、速やかに規則で定める事前協議書を区長に届け出て、協議しなければならない。
2 建築主は、前項に規定する協議の成立後に中高層集合住宅建築物の所有権を第三者に譲渡するときは、当該協議の内容を当該第三者に承継させなければならない。
第3章 良質な集合住宅の確保
(住戸の規模)
第10条 建築主は、中高層集合住宅建築物の住戸の専用面積を25平方メートル以上としなければならない。
(平26条例8・一部改正)
(駐車施設の設置)
第11条 建築主は、中高層集合住宅建築物又はその敷地内に、規則で定める基準に従い、自動車、自転車及び原動機付自転車のための駐車施設を設置するよう努めなければならない。
(ごみ及び再生資源の保管施設の設置)
第12条 建築主は、中高層集合住宅建築物又はその敷地内に、規則で定める構造のごみ及び再生資源の保管施設を設けなければならない。
(防犯安全対策)
第13条 建築主及び所有者等は、中高層集合住宅建築物の安全な環境を確保するため、防犯対策上効果的な設備の設置等に関して、当該管轄の警察署と協議するものとする。
第4章 良好な近隣関係の維持向上
(外壁後退)
第14条 建築主は、中高層集合住宅建築物の外壁面又はこれに代わる柱の面から隣地境界線までの距離を50センチメートル以上確保するよう努めなければならない。
(工事中の騒音の低減等の措置)
第15条 建築主、所有者等及び工事施工者は、中高層集合住宅建築物の建築に際し、工事中の騒音の低減、隣接家屋のプライバシーの確保その他規則で定める必要な措置を講じるよう努めなくてはならない。
(管理人室の設置等)
第16条 建築主及び所有者等は、規則で定める基準に従い、中高層集合住宅建築物に管理人室を設置しなければならない。
2 建築主及び所有者等は、規則で定めるところにより、中高層集合住宅建築物を適正に管理しなければならない。
3 建築主及び所有者等は、規則で定める入居者等に対する管理上の遵守事項を管理規約又は使用細則に規定するものとする。
(落下物による危害防止措置)
第17条 建築主は、中高層集合住宅建築物の道路に面する側に窓その他規則で定めるものを設けるときは、震災時における落下物による危害防止のため、規則で定める措置を講じなければならない。ただし、避難階についてはこの限りでない。
(防火用貯水槽の設置)
第18条 建築主は、中高層集合住宅建築物の延べ面積が3,000平方メートル以上となるときは、当該管轄の消防署と協議し、必要に応じて防火用貯水槽を設置するものとする。
(防災備蓄倉庫等の設置)
第19条 建築主は、中高層集合住宅建築物の延べ面積が3,000平方メートル以上で、かつ、地階を除く階数が6以上となるときは、当該建築物に規則で定める基準に従い、防災備蓄倉庫等(入居者等が利用するものをいう。)を設置しなければならない。
(平21条例21・追加)
(地域貢献としての災害対策施設の設置)
第20条 建築主は、中高層集合住宅建築物の延べ面積が3,000平方メートル以上で、かつ、地階を除く階数が6以上となるときは、当該建築物又はその敷地内における地域貢献災害対策施設(地域住民が利用可能な防災用資器材庫、災害用仮設便所設備等の災害対策施設をいう。)の設置について、入居者等の居住する区域に属する町会又は自治会(以下「町会等」という。)と協議を行わなければならない。
(平21条例21・追加)
(地域コミュニティの形成)
第21条 建築主は、地域コミュニティの形成のため、入居者等(建築主を含む。)の町会等への加入に関して、町会等と協議を行わなければならない。
(平21条例21・追加)
(商店街の振興)
第22条 建築主は、商店街が形成されている地域に中高層集合住宅建築物を建築しようとするときは、当該商店街に存する商店会組織と協議し、商店街の振興に配慮するよう努めるものとする。
(平21条例21・旧第19条繰下)
第5章 高齢社会への対応
(高齢者の入居への配慮)
第23条 建築主は、高齢者の入居への配慮として、当該敷地に接する道路から住戸に至る主要な経路を規則に定める事項に適合させるよう努めなければならない。
(平21条例21・旧第20条繰下)
(高齢者の居住に配慮した住戸の設置)
第24条 建築主は、建築計画に係る中高層集合住宅建築物の住戸の総戸数の10分の1以上を規則で定める高齢者の居住に配慮した住戸としなければならない。
(平21条例21・旧第21条繰下)
第6章 雑則
(工事の完了の届出等)
第25条 建築主は、中高層集合住宅建築物の工事が完了したときは、規則で定めるところにより、速やかに区長に届け出なければならない。
3 前項の規定により調査を行う職員は、規則で定めるところにより、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(平21条例21・旧第22条繰下)
(平21条例21・旧第23条繰下)
(建築主及び所有者等に対する要請)
第27条 区長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、建築主及び所有者等に対し、必要な措置を講じるよう要請を行うことができる。
(平21条例21・旧第24条繰下・一部改正)
(勧告及び公表)
第28条 区長は、次の各号のいずれかに掲げる建築主及び所有者等に対し、特に必要があると認めるときは、その行為を是正させるための勧告を行うことができる。
(1) 第6条第1項の標識を設置しない者
(4) 第25条第1項の規定による届出をしない者
(5) 第27条の規定による要請に応じない者
2 区長は、前項の規定による勧告に従わない者に対し、特に必要があると認めるときは、その旨及び氏名(法人の場合は名称及びその代表者名)の公表を行うことができる。
(平21条例21・旧第25条繰下・一部改正)
(委任)
第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(平21条例21・旧第26条繰下)
附則
1 この条例は、平成17年1月1日から施行する。
附則(平成21年3月30日条例第21号)
1 この条例は、平成22年1月1日から施行する。
2 この条例による改正後の豊島区中高層集合住宅建築物の建築に関する条例(以下「新条例」という。)の規定は、この条例の施行の日以後に新条例第8条第1項の規定により事前協議書の届出を行う建築主について適用し、同日前に事前協議書の届出を行った建築主については、なお従前の例による。
附則(平成21年6月26日条例第40号)
1 この条例は、平成22年1月1日から施行する。
2 この条例による改正後の豊島区中高層集合住宅建築物の建築に関する条例(以下「新条例」という。)の規定は、この条例の施行の日以後に新条例第8条第1項の規定により事前協議書の届出を行う建築主について適用し、同日前に事前協議書の届出を行った建築主については、なお従前の例による。
附則(平成26年3月25日条例第8号)
1 この条例は、平成26年10月1日から施行する。
2 この条例による改正後の豊島区中高層集合住宅建築物の建築に関する条例(以下「新条例」という。)の規定は、この条例の施行の日以後に新条例第8条第1項の規定により事前協議書の届出を行う建築主について適用し、同日前に事前協議書の届出を行った建築主については、なお従前の例による。