○豊島区環境基本条例

平成20年3月24日

条例第20号

豊島区は、首都東京に位置し、池袋副都心を中心として多くの人々が住み、働き、学び、集う高密都市です。また、江戸時代、園芸の里として名高い染井に代表される自然環境が多彩な文化、芸術を育んできた長い歴史があります。

私たちが先人から受け継いだ快適で恵み豊かな豊島区、そして地球環境は、未来に生きる区民とも分かち合う貴重な財産です。

一方、豊かで便利な生活の追求、経済成長に伴う都市化の進展は、自然環境を変え、大気汚染、ヒートアイランド現象など様々な環境問題を発生させてきています。さらに、温室効果ガスの急激な増加による温暖化は、地球規模での気候変動を引き起こし、人類の生存基盤である地球環境に深刻な影響を及ぼしています。

平成27年(2015年)には国際連合総会において持続可能な開発目標(SDGs)が採択され、環境・経済・社会の持続可能性が連環し、危機的な地球環境を変革する対策が求められています。

このような中、豊島区は、令和32年(2050年)までに脱炭素社会を実現するため、令和3年に、ゼロカーボンシティを目指すことを表明しました。

私たちは、直面する環境問題が、日々の生活や事業活動が原因となっていることを改めて自覚し、生活スタイルや事業活動のあり方を見直す必要があることを認識しなければなりません。また、地域社会のすべての人々が、相互に連携、協力しながら、一人ひとりの小さな力を結集して環境への負荷の低減、さらには温室効果ガス排出量実質ゼロの実現に向け積極的に行動しなければなりません。

私たちは、良好で快適な環境を享受する権利を有するとともに、知恵と工夫によって、環境に配慮された活力溢れる持続可能な都市、すなわち、環境都市をつくりあげ、これを子どもたちへ引き継いでいく責務を有しています。

そのため、健やかで美しく豊かな環境が身近な地域から地球規模までにわたって保全されるとともに、それらを通じて区民誰もが幸せを実感でき、未来の世代へも継承することができる、環境への負荷の少ない持続可能な地域社会を実現するため、この条例を制定します。

(令5条例9・一部改正)

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、豊島区(以下「区」という。)、事業者、区民等の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本的事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的、計画的に推進し、もって現在及び将来の区民が健康で安全であり、かつ、うるおいと安らぎのある環境を確保するとともに、地球環境及び広域的な環境の保全に貢献することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 環境の保全 良好な環境を維持し、回復し、及び創出することをいう。

(2) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に基づく生活環境の侵害であって、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下、悪臭等によって、人の生命若しくは健康が損なわれ、又は人の快適な生活が阻害されることをいう。

(4) 脱炭素社会 人の活動に伴って発生する温室効果ガスの排出量と吸収作用の保全及び強化により吸収される温室効果ガスの吸収量との間の均衡が保たれた社会をいう。

(5) ヒートアイランド現象 都市部にできる局地的な高温域のことで、周辺部に比べ気温が高くなる現象をいう。

(6) 事業者 区の区域内(以下「区内」という。)で事業活動(公益的な活動を含む。以下同じ。)を行う団体又は個人をいう。

(7) 区民 区内に住む人又は区内で働く人若しくは学ぶ人をいう。

(令5条例9・一部改正)

(基本理念)

第3条 環境の保全は、すべての区民が健康で安全であり、かつ、うるおいと安らぎのある環境を確保し、これを次の世代に継承していくことを目的として行わなければならない。

2 環境の保全は、人と自然が共生し、環境への負荷の少ない持続可能な社会を構築することを目的として行わなければならない。

3 環境の保全は、区、事業者及び区民が自らの課題として捉え、すべての事業活動及び日常生活において推進されなければならない。

4 区における令和32年(2050年)までの脱炭素社会の実現に向けた取組は、区、事業者及び区民が協働して行わなければならない。

(令5条例9・一部改正)

(区の責務)

第4条 区は、環境の保全を図るため、次に掲げる事項に関し、施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(1) 地球温暖化の防止に関すること。

(2) ヒートアイランド現象の対策に関すること。

(3) 公害の防止に関すること。

(4) 廃棄物の減量及び資源の循環的な利用に関すること。

(5) 緑の保護及び育成に関すること。

(6) 人と自然とのふれあいの確保に関すること。

(7) 地域環境の美化に関すること。

(8) 前各号に掲げるもののほか、環境の保全を図るために必要な事項に関すること。

2 区は、すべての施策の策定及び実施に当たって、率先して、環境への負荷の低減その他環境の保全のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

3 区は、事業者及び区民による環境の保全に関する取組に対し、積極的な支援に努めなければならない。

(令5条例9・一部改正)

(事業者の責務)

第5条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、資源及びエネルギーの有効利用、廃棄物の減量等、環境への負荷の低減に努めるとともに、その事業活動に伴って生ずる公害を防止するため、その責任において必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 事業者は、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たっては、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

3 事業者は、地域における環境の保全に関する取組へ積極的に協力するよう努めなければならない。

4 事業者は、その事業活動に関し、環境の保全に自ら努めるとともに、区が実施する環境の保全に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(令5条例9・一部改正)

(区民の責務)

第6条 区民は、日常生活において資源及びエネルギーの有効利用、廃棄物の減量等、環境への負荷の低減に努めるとともに、公害の防止に努めなければならない。

2 区民は、地域における環境の保全に関する活動に取り組むよう努めなければならない。

3 前2項に定めるもののほか、区民は、環境の保全に自ら努めるとともに、区が実施する環境の保全に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(令5条例9・一部改正)

(一時的滞在者の責務)

第7条 区内への訪問その他の理由で区内に一時的に滞在する者(以下「一時的滞在者」という。)は、環境への配慮に努め、区が実施する環境の保全に関する施策並びに事業者及び区民が行う環境の保全に関する取組に協力するよう努めなければならない。

(区、事業者及び区民の連携・協働)

第8条 区、事業者及び区民は、地球的な視野をもって地域から環境の保全に取り組む大切さを共有するよう努めなければならない。

2 区、事業者及び区民は、地域社会を構成する多様な主体として、それぞれの役割分担のもとに、相互に連携・協働し、環境の保全に関する施策又は取組を推進するよう努めなければならない。

(環境基本計画の策定)

第9条 区長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境基本計画を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全に関する目標

(2) 環境の保全に関する施策の方向

(3) 環境の保全に関する施策の推進方法

(4) 環境の保全に関する配慮の指針

(5) 前各号に掲げるもののほか、環境の保全に関する重要事項

3 区長は、環境基本計画を定めるに当たっては、区民の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。

4 区長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ豊島区環境審議会の意見を聴かなければならない。

5 区長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

6 前3項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(施策の総合調整等)

第10条 区は、すべての施策の策定及び実施に当たって、環境基本計画との整合を図るものとする。

2 区は、区が設置する公共施設の建設、改修、改築又は管理に際して、当該公共施設の種類、利用方法等を勘案しながら、環境への配慮のための必要な措置を講ずるものとする。

(誘導的措置)

第11条 区は、事業者及び区民が、環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることができるよう必要な助成その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

(施策への意見の反映)

第12条 区は、事業者及び区民の意見を環境の保全に関する施策に反映させるため、必要な措置を講ずるものとする。

(情報の収集及び提供)

第13条 区は、環境の保全に資するため、環境の保全に関する必要な情報を収集し、これを適切に事業者、区民及び一時的滞在者に対し提供するよう努めるものとする。

(年次報告)

第14条 区長は、環境の状況及び環境の保全に関する施策の実施状況に関し、定期的に報告書を作成し、公表するものとする。

(環境教育・学習)

第15条 区は、事業者及び区民が環境の保全についての理解を深められるよう地域との適切な連携を図りつつ、環境の保全に関する教育及び学習の推進に必要な措置を講ずるものとする。

(環境活動の支援)

第16条 区は、事業者及び区民による自発的な環境の保全に関する活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(環境に関する調査)

第17条 区は、環境の保全に関する施策の実施並びに事業者、区民及び一時的滞在者への情報の提供を的確に行うため、必要な調査に努めるものとする。

(環境の監視及び測定)

第18条 区は、環境の状況を的確に把握するために、必要な監視及び測定を実施し、その結果を公表するものとする。

(国及び東京都その他の地方公共団体との協力)

第19条 区は、環境の保全を図るために、広域的な取組を必要とする場合は、国及び東京都その他の地方公共団体と協力して環境の保全に関する施策を推進するものとする。

(環境審議会)

第20条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、区長の附属機関として、豊島区環境審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

2 審議会は、区長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査・審議する。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する基本的事項

3 審議会は、前項各号に掲げる事項に関し、区長に意見を述べることができる。

4 審議会は、環境の保全について学識経験を有する者、区民及び事業者のうちから、区長が委嘱し、又は任命する委員25人以内をもって組織する。

5 審議会の委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成20年4月1日から施行する。

(令和5年3月22日条例第9号)

この条例は、令和5年4月1日から施行する。

豊島区環境基本条例

平成20年3月24日 条例第20号

(令和5年4月1日施行)