(目的等)

第1条　この条例は、行政手続法(平成5年法律第88号。以下「法」という。)第3条第3項において同法第2章から第6章までの規定が適用されないこととされた処分、行政指導及び届出に関する手続等に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及び過程が県民にとって明らかであることをいう。)の向上を図り、もって県民の権利利益の保護に資することを目的とする。

(定義)

第2条　この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(適用除外)

第3条　次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第4章の2までの規定は、適用しない。

(国の機関等に対する処分等の適用除外)

第4条　国の機関又は地方公共団体(市町村を除く。)若しくはその機関(市町村の機関を除く。)に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この条例の規定は、適用しない。

(審査基準)

第5条　知事等は、申請により求められた許認可等をするかどうかをその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(以下「審査基準」という。)を定めるものとする。

(標準処理期間)

第6条　知事等は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(条例等により当該知事等と異なる機関が当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該知事等の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間。以下「標準処理期間」という。)を定めるとともに、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にするものとする。

(標準処理期間等の教示)

第6条の2　知事等又は条例等により当該知事等と異なる県の機関が申請の提出先とされている場合における当該機関(以下「提出先機関」という。)は、申請をしようとする者が当該申請に係る書類の用紙の交付を受けるためその事務所を来訪したとき、又は申請をしようとする者から当該申請に係る相談、照会等があったときは申請をしようとする者に対し、申請が提出されたときは当該申請をした者に対し、次に掲げる事項を教示するものとする。ただし、申請が郵送その他の持参によらない方法により提出された場合であって教示をするために別に費用を要するとき、又は知事等が申請が提出されたその場で当該申請に対する処分を行うときは、この限りでない。

(申請に対する審査、応答)

第7条　知事等は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始するものとし、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の条例等に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否するものとする。

(理由の提示)

第8条　知事等は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示すものとする。ただし、条例等に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示すものとする。

(情報の提供)

第9条　知事等は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すものとする。

(公聴会の開催等)

第10条　知事等は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該条例等において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるものとする。

(複数の行政庁が関与する処分等)

第11条　知事等は、申請の処理をするに当たり、他の行政庁において同一の申請者からされた関連する法第2条第3号に規定する申請が審査中であることをもって自らすべき許認可等をするかどうかについての審査又は判断を殊更に遅延させないものとする。

(処分の基準)

第12条　知事等は、不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(以下「処分基準」という。)を定め、かつ、これを公にするものとする。

(不利益処分をしようとする場合の手続)

第13条　知事等は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執るものとする。

(不利益処分の理由の提示)

第14条　知事等は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示すものとする。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。

(聴聞の通知の方式)

第15条　知事等は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知するものとする。

(代理人)

第16条　前条第1項の通知を受けた者(同条第3項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる者を含む。以下「当事者」という。)は、代理人を選任することができる。

(参加人)

第17条　第19条の規定により聴聞を主宰する者(以下「主宰者」という。)は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる条例等に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者(以下「関係人」という。)に対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、又は当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。

(文書等の閲覧)

第18条　当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(以下「当事者等」という。)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、知事等に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。この場合において、知事等は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

(聴聞の主宰)

第19条　聴聞は、知事等が指名する職員が主宰する。

(聴聞の期日における審理の方式)

第20条　主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、知事等の職員に、予定される不利益処分の内容及び根拠となる条例等の条項並びにその原因となる事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。

(陳述書等の提出)

第21条　当事者又は参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。

(続行期日の指定)

第22条　主宰者は、聴聞の期日における審理の結果、なお聴聞を続行する必要があると認めるときは、更に新たな期日を定めることができる。

(当事者の不出頭等の場合における聴聞の終結)

第23条　主宰者は、当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ、第21条第1項に規定する陳述書若しくは証拠書類等を提出しない場合、又は参加人の全部若しくは一部が聴聞の期日に出頭しない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができる。

(聴聞調書及び報告書)

第24条　主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。

(聴聞の再開)

第25条　知事等は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、主宰者に対し、前条第3項の規定により提出された報告書を返戻して聴聞の再開を命ずることができる。第22条第2項本文及び第3項の規定は、この場合について準用する。

(聴聞を経てされる不利益処分の決定)

第26条　知事等は、不利益処分の決定をするときは、第24条第1項の調書の内容及び同条第3項の報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌してこれをするものとする。

(役員等の解任等を命ずる不利益処分をしようとする場合の聴聞等の特例)

第27条　第13条第1項第1号ウに該当する不利益処分に係る聴聞において第15条第1項の通知があった場合におけるこの節の規定の適用については、名あて人である法人の役員、名あて人の業務に従事する者又は名あて人の会員である者(当該処分において解任し、又は除名すべきこととされている者に限る。)は、同項の通知を受けた者とみなす。

(弁明の機会の付与の方式)

第28条　弁明は、知事等が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。

(弁明の機会の付与の通知の方式)

第29条　知事等は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知するものとする。

(聴聞に関する手続の準用)

第30条　第15条第3項及び第16条の規定は、弁明の機会の付与について準用する。この場合において、第15条第3項中「第1項」とあるのは「第29条」と、「同項第3号及び第4号」とあるのは「同条第3号」と、第16条第1項中「前条第1項」とあるのは「第29条」と、「同条第3項後段」とあるのは「第30条において準用する第15条第3項後段」と読み替えるものとする。

(行政指導の一般原則)

第31条　行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

(申請に関連する行政指導)

第32条　法第2条第3号に規定する申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該申請をした者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請をした者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。

(許認可等の権限に関連する行政指導)

第33条　法第2条第3号に規定する許認可等をする権限又は同号に規定する許認可等に基づく同条第2号に規定する処分をする権限を有する行政機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。

(行政指導の方式)

第34条　行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。

(事前協議に係る協議期間)

第34条の2　行政機関は、事前協議がその事務所に到達してから当該事前協議に対する適否の応答をするまでに通常要すべき標準的な期間(専ら申請予定者が処理すべき期間を除く。以下「協議期間」という。)を定めるとともに、これらの当該事前協議に携わる行政機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にするものとする。

(事前協議の処理に関する異議)

第34条の3　事前協議の申入れをした者は、当該事前協議の処理に関し異議があるときは、行政機関に対し、その旨を申し出て、当該事前協議に対する適否の応答その他必要な措置を講ずることを求めることができる。

(複数の者を対象とする行政指導)

第35条　同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じ、これらの行政指導に共通してその内容となるべき事項(以下「行政指導指針」という。)を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表するものとする。

(行政指導の中止等の求め)

第35条の2　法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法令に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法令に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置を講ずることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。

第35条の3　何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法令に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する知事等又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。

(届出)

第36条　届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の条例等に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が条例等により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。

(写しの交付)

第37条　審査基準、標準処理期間若しくは処分基準又は行政指導指針を記載した書面の写しの交付を必要とする者は、当該写しの交付を求めることができる。

(県民の意見の聴取)

第38条　知事等は、審査基準、標準処理期間及び処分基準を定め、又はこれらを変更し、若しくは廃止しようとするときは、あらかじめ、県民の意見を聴くよう努めるものとする。

(書類の提出者への教示等)

第39条　知事等又は提出先機関若しくは条例等により届出の提出先とされている県の機関(知事等を除く。以下「届出先機関」という。)は、当該知事等又は提出先機関若しくは届出先機関に申請又は届出に必要な書類の提出をしようとする者又は提出をした者(以下「提出者」という。)に対し、提出された書類は、鳥取県情報公開条例(平成12年鳥取県条例第2号)第2条第2項又は鳥取県議会情報公開条例(平成12年鳥取県条例第59号)第2条に規定する公文書としてこれらの条例による開示の請求の対象となることを教示するものとする。ただし、書類が郵送その他の持参によらない方法により提出された場合であって教示をするために別に費用を要するときは、この限りでない。

(条例の教示)

第40条　知事等、提出先機関、届出先機関、主宰者又は行政指導に携わる者は、必要に応じ、申請をしようとする者、申請者、不利益処分の名宛人となるべき者、名宛人若しくは関係人、行政指導の相手方又は届出をしようとする者に対しこの条例の内容を教示するよう努めるものとする。

(補助金等へのこの条例の適用)

第41条　条例等に基づく補助金、交付金その他の給付金(相当の反対給付を受けないものに限る。)又は貸付金(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)第2条第1項に規定する補助金等をその財源の全部又は一部とし、かつ、当該補助金等の目的に従って交付するものを除く。以下この条において「補助金等」という。)に係る次に掲げる行為は、処分とみなして、この条例の規定を適用する。

(法律等に基づく処分等に関する措置)

第42条　知事等、法令により当該知事等と異なる県の機関が法第2条第3号に規定する申請の提出先とされている場合における当該機関、同号に規定する許認可等に携わる者、法第17条第1項に規定する主宰者又は法令により法第2条第7号に規定する届出の提出先とされている県の機関(知事等を除く。)は、同条第2号に規定する処分又は同条第7号に規定する届出(法令の規定により法の規定の全部又は一部が適用されないこととされたものを除く。)について、第6条の2、第9条第3項、第39条又は第40条に定める措置に準じた措置を講ずるよう努めるものとする。

(県民からの依頼に対する対応)

第43条　行政機関は、県民(県民を構成員とする団体等を含む。)から行われた県の後援名義の使用の依頼、講師等の派遣の依頼、物品等の借用の依頼その他これらに類する依頼(法第2条第3号に規定する申請又は同条第7号に規定する届出に該当するものを除く。)に対して、当該依頼に応じないときは、当該依頼を行った者に対し、次に掲げる事項を教示するものとする。

(委任)

第44条　この条例の施行に関し必要な事項は、知事等が別に定める。

(施行期日)

第1条　この条例は、平成12年4月1日から施行する。

(施行期日)

第1条　この条例は、平成12年4月1日から施行する。