○鳥取県環境の保全及び創造に関する基本条例

平成8年10月8日

鳥取県条例第19号

鳥取県環境の保全及び創造に関する基本条例をここに公布する。

鳥取県環境の保全及び創造に関する基本条例

目次

前文

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策(第9条―第25条)

第3章 地球環境保全への取組(第26条)

第4章 鳥取県環境審議会(第27条―第36条)

附則

私たち鳥取県民は、名峰大山に連なる緑の山並みと白砂青松の変化に富む山陰海岸に囲まれ、四季の彩り豊かな美しい県土で生活を営み、個性ある産業や文化をはぐくんできた。

しかしながら、今日の大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済活動の拡大は、自然の生態系や身近な生活環境へ大きな影響を及ぼし、人類の生存基盤である地球環境を損なうまでになっている。

すべての県民は、健全で恵み豊かな環境の中で健康で文化的な生活を営む権利を有するとともに、この環境を保全し、より快適な環境を創造しながら、将来の世代に継承していく責務を有している。

このため、私たち鳥取県民は、人間の営みである社会経済活動が環境に様々な影響を与えていることを認識し、地方公共団体・事業者・県民が一体となって、鳥取県の環境を保全し、より快適な環境を創造していくことに積極的に取り組まなければならない。

ここに、私たちは、現在及び将来の鳥取県民が、健全で恵み豊かな環境の恵沢を亨受し、健康で文化的な生活を営むことができるよう、人と自然が共生する鳥取県を目指して、県民生活の基盤となるより良い環境を保全し、創造するとともに、将来の世代へ継承することを決意して、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全及び快適な環境の創造(以下「環境の保全及び創造」という。)について、基本理念を定め、並びに県、市町村、事業者及び県民の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに県民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

3 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全及び創造は、県民が健全で恵み豊かな環境の恵沢を亨受するとともに、この環境を将来の世代に継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全及び創造は、人と自然とが共生し、持続的な発展が可能な社会が実現されるように、環境を保全する行動及びより快適な環境を創造する行動がすべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われなければならない。

3 地球環境保全は、地域における事業活動及び日常生活が地球環境に影響を及ぼしていることにかんがみ、すべての者の事業活動及び日常生活における着実な取組と国際協力により積極的に推進されなければならない。

(県の責務)

第4条 県は、前条に定める環境の保全及び創造についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全及び創造に関し、次に掲げる事項を確保するための基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(1) 人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

(2) 森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。

(3) 野生生物の種の保存及び多様な生態系の保護が図られること。

(4) 人と自然との豊かな触れ合いが保たれるとともに、地域の歴史的文化的特性を生かした快適な環境が創造されること。

(5) 地域の優れた景観が保持され、及び形成されること。

(6) 資源の循環的利用、エネルギーの有効利用並びに廃棄物の減量化及び適正処理が促進されること。

(7) 地球環境保全への取組が推進されること。

(8) その他環境の保全及び創造に関し知事が必要と認める事項

2 県は、環境の保全及び創造を図る上で、地域住民に最もかかわりのある市町村の果たす役割の重要性にかんがみ、市町村が行う環境の保全及び創造のための施策について、助言、情報の提供その他の支援を行うように努めるものとする。

(市町村の責務)

第5条 市町村は、基本理念にのっとり、環境の保全及び創造に関し、県の施策と相まって、その市町村の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動を行うに当たって、製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。

3 前2項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動を行うに当たって、製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

4 前3項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、県又は市町村が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(県民の責務)

第7条 県民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、県民は、基本理念にのっとり、環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、県又は市町村が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(環境白書の作成)

第8条 知事は、毎年、環境の状況並びに環境の保全及び創造に関して講じた施策及び講じようとする施策を明らかにした環境白書を作成し、これを県議会に報告しなければならない。

2 知事は、前項の環境白書を、毎年、公表しなければならない。

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策

(環境基本計画の策定)

第9条 知事は、環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全及び創造に関する目標

(2) 環境の保全及び創造に関する施策の方向

(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 知事は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、鳥取県環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 知事は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(県の施策の策定等に当たっての配慮)

第10条 県は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全及び創造について配慮しなければならない。

(環境影響評価の推進)

第11条 県は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(規制の措置)

第12条 県は、公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。

2 前項に定めるもののほか、県は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるように努めるものとする。

(誘導的措置)

第13条 県は、環境の保全上の支障を防止するため、事業者又は県民が自らの行為に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとるように誘導することに努めるものとする。

(環境の保全に関する施設の整備その他の事業の推進)

第14条 県は、緩衝地帯その他の環境の保全のための公共的施設の整備及び河川、湖沼の水質の浄化その他の環境の保全のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 県は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設その他の環境の保全に資する公共的施設の整備及び森林の整備その他の環境の保全に資する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(人と自然とが触れ合う快適な環境の創造)

第15条 県は、人と自然とが触れ合う快適な環境を創造するため、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業の推進に必要な措置を講ずるものとする。

(地域の特性を生かした快適な環境の創造)

第16条 県は、前条に規定するもののほか、優れた景観、水と緑に親しむことができる生活空間、歴史的文化的資源を活用した環境その他の地域の特性を生かした快適な環境を創造するため、必要な措置を講ずるように努めるものとする。

(資源の循環的利用等)

第17条 県は、環境への負荷の低減を図るため、事業者及び県民による資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

2 県は、環境への負荷の低減を図るため、県の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たり、資源の循環的利用及びエネルギーの有効利用に努めるものとする。

(廃棄物対策の促進)

第18条 県は、環境への負荷の低減を図るため、県、市町村、事業者及び県民が協力して廃棄物の減量化及び適正な処理が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(環境教育及び環境学習の推進等)

第19条 県は、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の推進並びに広報活動の充実により事業者及び県民が環境の保全及び創造についての理解を深めるとともにこれらの者の環境の保全及び創造に関する活動の意欲を高めるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。

(民間団体等の自発的活動の促進)

第20条 県は、事業者、県民又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全及び創造に関する活動が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(情報の提供)

第21条 県は、第19条の環境教育及び環境学習の推進並びに前条の民間団体等の自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動の促進に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の保全及び創造に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。

(調査研究の実施)

第22条 県は、環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するため、公害の防止、自然環境の適正な保全、地球環境保全その他の環境の保全及び創造に関する事項について、情報の収集に努めるとともに、科学的な調査及び研究の実施並びに技術の開発及びその成果の普及に努めるものとする。

(監視等の体制の整備)

第23条 県は、環境の状況を的確に把握し、及び環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するために必要な監視、巡視、測定等の体制の整備に努めるものとする。

(推進体制の整備)

第24条 県は、市町村、事業者及び県民と連携し、環境の保全及び創造に関する施策を積極的に推進するための体制の整備に努めるものとする。

(国等との協力)

第25条 県は、環境の保全及び創造を図るため、広域的な取組を必要とする施策について、国及び他の地方公共団体(以下「国等」という。)と協力して、その推進に努めるものとする。

第3章 地球環境保全への取組

(地球環境保全への取組)

第26条 県は、県、市町村、事業者及び県民がそれぞれの役割に応じて地球環境保全に資するよう行動するための指針を定め、その普及及び啓発に努めるとともに、これに基づく行動を推進するものとする。

2 県は、国等及びその他の関係機関と連携し、地球環境保全に関する調査及び研究、情報の提供、技術の活用等により、地球環境保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。

第4章 鳥取県環境審議会

(設置)

第27条 次に掲げる事務を行わせるため、鳥取県環境審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

(1) 環境基本計画に関し、第9条第3項に規定する事項を処理すること。

(2) 知事の諮問に応じ、環境の保全及び創造に関する基本的事項及び重要事項を調査審議すること。

(3) 環境基本法(平成5年法律第91号)第43条第1項及び自然環境保全法(昭和47年法律第85号)第51条第2項に規定する事項を調査審議すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、法令又は条例の規定によりその権限に属させられた事務

(平13条例44・一部改正)

(組織)

第28条 審議会は、委員30人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから、知事が任命する。

(1) 県議会議員

(2) 学識経験者

(3) 関係行政機関の職員

(平13条例44・一部改正)

(任期)

第29条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠又は増員により任命された委員の任期は、前任者又は現任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(平13条例44・一部改正)

(特別委員)

第30条 審議会に、特別の事項を調査審議させるため、必要に応じ特別委員を置くことができる。

2 特別委員は、学識経験者のうちから、知事が任命する。

3 特別委員は、当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。

(会長及び副会長)

第31条 審議会に、会長及び副会長それぞれ1人を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 会長は、会務を総理する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第32条 審議会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。

2 審議会は、在任委員及び議事に関係のある特別委員の半数以上が出席しなければ、会議を開くことができない。

3 会議の議事は、出席した委員及び議事に関係のある特別委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(部会)

第33条 審議会は、その定めるところにより、部会を置くことができる。

2 部会に属すべき委員及び特別委員は、会長が指名する。

3 審議会は、その定めるところにより、部会の議決をもって審議会の議決とすることができる。

4 前2条の規定は、部会の運営について準用する。

(平13条例44・一部改正)

(幹事)

第34条 審議会に、幹事を置く。

2 幹事は、県の職員のうちから、知事が任命する。

3 幹事は、会長の命を受け、審議会の所掌事務について委員を補佐する。

4 幹事は、審議会又は部会の会議に出席し、意見を述べることができる。

(庶務)

第35条 審議会の庶務は、生活環境部において処理する。

(雑則)

第36条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、審議会が定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(鳥取県環境審議会条例の廃止)

2 鳥取県環境審議会条例(平成6年7月鳥取県条例第19号)は、廃止する。

(審議会の委員に関する経過措置)

3 この条例の施行の際現に前項の規定による廃止前の鳥取県環境審議会条例第2条第2項又は第6条第2項の規定により審議会の委員又は特別委員に任命されている者は、第28条第2項又は第30条第2項の規定により審議会の委員又は特別委員に任命されたものとみなす。この場合において、当該委員の任期は、第29条の規定にかかわらず、平成9年2月7日までとする。

(鳥取県公害防止条例の一部改正)

4 鳥取県公害防止条例(昭和46年10月鳥取県条例第35号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(鳥取県自然環境保全条例の一部改正)

5 鳥取県自然環境保全条例(昭和49年10月鳥取県条例第41号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成13年条例第44号)

(施行期日)

1 この条例は、規則で定める日から施行する。

(平成13年規則第66号で平成13年10月1日から施行)

(鳥取県自然環境保全審議会条例の廃止)

2 鳥取県自然環境保全審議会条例(昭和47年鳥取県条例第41号)は、廃止する。

(審議会の委員の任期に関する経過措置)

3 この条例の施行の日以後に改正後の鳥取県環境の保全及び創造に関する基本条例第28条第2項の規定により最初に任命される委員の任期は、同条例第29条第1項の規定にかかわらず、2年とする。

(鳥取県立自然公園条例の一部改正)

4 鳥取県立自然公園条例(昭和38年鳥取県条例第2号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(鳥取県自然環境保全条例の一部改正)

5 鳥取県自然環境保全条例(昭和49年鳥取県条例第41号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

鳥取県環境の保全及び創造に関する基本条例

平成8年10月8日 条例第19号

(平成13年10月1日施行)

体系情報
第6編 生活環境/第1章 環境政策/第1節
沿革情報
平成8年10月8日 条例第19号
平成13年7月6日 条例第44号