○鳥取県犯罪のないまちづくり推進条例
平成20年6月24日
鳥取県条例第44号
鳥取県犯罪のないまちづくり推進条例をここに公布する。
鳥取県犯罪のないまちづくり推進条例
目次
第1章 総則(第1条―第9条)
第2章 自主防犯活動等(第10条―第14条)
第3章 防犯環境整備(第15条―第22条)
第4章 優良防犯施設の認定(第23条)
第5章 犯罪被害者等の支援(第24条―第27条)
第6章 鳥取県犯罪のないまちづくり協議会(第28条―第33条)
第7章 雑則(第34条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、犯罪のないまちづくりの推進について、基本理念を定め、県、市町村、県民、防犯団体等、犯罪被害者等支援団体及び事業者の責務を明らかにするとともに、その基本となる事項を定めること等により、犯罪のないまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって犯罪のないまちづくりに寄与することを目的とする。
(令2条例18・一部改正)
(1) 犯罪のないまちづくり 犯罪が防止され、及び犯罪により被害を受けた者に十分な支援がなされることで、県民が犯罪におびえることなく安心して暮らすことができる地域社会を実現していくことをいう。
(2) 防犯団体等 自主防犯活動を行うことを目的として設立された団体、自主防犯活動を行う地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する地縁による団体その他犯罪の防止に資する活動を行う団体をいう。
(3) 犯罪被害者等 犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)第2条第2項に規定する犯罪被害者等をいう。
(4) 犯罪被害者等支援団体 犯罪被害者等の支援を行うことを目的とする民間の団体をいう。
(5) 自主防犯活動 犯罪を防止するために、県民、防犯団体等又は事業者が行う自主的な活動をいう。
(6) 防犯カメラ 画像を記録媒体に保存する機能を備えたビデオカメラその他の撮影機器であって、犯罪を防止する目的で設置されるものをいう。
(7) 防犯環境整備 犯罪を防止するために、県、市町村、県民、防犯団体等又は事業者が行う生活環境の整備に係る取組をいう。
(平28条例47・令2条例18・一部改正)
(基本理念)
第3条 犯罪のないまちづくりは、日常生活において自らの安全(犯罪に対するものとする。以下同じ。)は自らが守るという意識の下に行われる、県民一人一人の自主的な取組を基本として推進されなければならない。
2 犯罪のないまちづくりは、県民、防犯団体等、犯罪被害者等支援団体又は事業者(以下「県民等」という。)が互いの自主性を尊重しつつ、協力して取り組むことにより推進されなければならない。
3 犯罪のないまちづくりは、県、市町村及び県民等の適切な役割分担及び協働の下で推進されなければならない。
4 犯罪のないまちづくりは、犯罪被害者等の権利利益の保護が図られるよう推進されなければならない。
(令2条例18・一部改正)
(県の責務)
第4条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、広域的な見地から総合的な犯罪のないまちづくりに関する施策を策定し、市町村及び県民等と協働してこれを実施しなければならない。
(令2条例18・一部改正)
(市町村の責務)
第5条 市町村は、基本理念にのっとり、地域の特性、実情等に即して犯罪のないまちづくりに関する施策を策定し、及び実施するものとし、県及び県民等との連携に努めるものとする。
(令2条例18・一部改正)
(県民の責務)
第6条 県民は、基本理念にのっとり、犯罪のないまちづくりに関する理解を深め、日常生活における自らの安全の確保と地域における自主防犯活動への積極的な参加に努めるものとする。
2 県民は、犯罪のないまちづくりを進める上で各人の規範意識が重要な役割を有していることを認識し、協力して家庭や地域において規範意識を醸成するよう努めるものとする。
3 県民は、犯罪のないまちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
4 県民は、基本理念にのっとり、犯罪のないまちづくりに関する理解を深め、犯罪被害者等が不当に差別を受けることがないようその権利を擁護するとともに、犯罪被害者等の名誉及び生活の平穏を害することがないよう十分配慮するものとする。
(令2条例18・一部改正)
(防犯団体等の責務)
第7条 防犯団体等は、基本理念にのっとり、地域における自主防犯活動を主体的に企画し、これを実施するよう努めるものとする。
2 防犯団体等は、前項の自主防犯活動を実施するに当たっては、県、市町村及び他の防犯団体等との連携を図ることにより、その効果的な推進に努めるものとする。
3 防犯団体等は、地域において犯罪のないまちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
(令2条例18・一部改正)
(事業者の責務)
第8条 事業者は、基本理念にのっとり、当該事業者が所有し、又は管理する施設(以下「事業用施設」という。)及びその事業活動における安全の確保と自主防犯活動への取組に努めるものとする。
2 事業者は、従業員が自主防犯活動に参加しやすい環境の整備に努めるものとする。
3 事業者は、犯罪のないまちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
4 事業者は、事業用施設に防犯カメラ、警察機関に通報することができる装置その他の犯罪の防止に配慮した設備等を備え、地域における防犯環境整備に協力するよう努めるものとする。
5 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、犯罪被害者等が不当に差別を受けることがないようその権利を擁護するとともに、犯罪被害者等の名誉及び生活の平穏を害することがないよう十分配慮するものとする。
(平28条例47・令2条例18・一部改正)
(推進計画)
第9条 知事は、県が犯罪のないまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するための計画(以下「推進計画」という。)を定めるものとする。
2 推進計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 犯罪のないまちづくりに関する施策の推進に関する基本的な方針
(2) 自主防犯活動の促進に関する事項
(3) 防犯環境整備の促進に関する事項
(4) 犯罪被害者等の支援に関する事項
(5) その他犯罪のないまちづくりを推進するために必要な事項
3 知事は、推進計画を定めようとするときは、あらかじめ、鳥取県犯罪のないまちづくり協議会の意見を聴くものとする。
4 知事は、推進計画を定めたときは、遅滞なく、これをインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
5 前2項の規定は、推進計画の変更について準用する。ただし、鳥取県犯罪のないまちづくり協議会があらかじめ定めた軽微な変更については、この限りでない。
(令2条例18・一部改正)
第2章 自主防犯活動等
(自主防犯活動の促進)
第10条 県は、県民等が犯罪のないまちづくりに関する理解を深め、自主防犯活動が活発に行われるよう、必要な広報その他の啓発活動を行うとともに、情報の提供、助言その他の措置を講ずるものとする。
2 県は、自主防犯活動を行う防犯団体等及びその指導者の育成のための支援を行うものとする。
(通報等)
第11条 人の生命、身体、財産等に危害を加え、又はそのおそれがある者(以下「不審者等」という。)を発見した者は、警察その他の関係機関に通報するよう努めるものとする。
2 前項の規定による通報を受けた警察その他の関係機関は、必要があると認めるときは、周辺住民等に対し、当該不審者等の情報を提供し、地域における犯罪の防止のために必要な措置を講ずるものとする。
(児童等の安全の確保)
第12条 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(大学を除く。)、同法第124条に規定する専修学校(同法第125条第1項に規定する高等課程に限る。)又は児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設(以下「学校等」という。)の設置者等(施設を設置し、又は管理する者をいう。以下同じ。)は、当該学校等における児童、生徒又は幼児(以下「児童等」という。)の安全を確保するために必要な措置を講ずるものとする。
2 知事及び教育委員会は、公安委員会と協議して、前項の措置の参考となるべき指針を定めるものとする。
3 知事及び教育委員会は、前項の指針を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これをインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
4 県は、学校等の設置者等に対し、第1項の措置について、必要な情報の提供、助言その他の措置を講ずるものとする。
第13条 学校等の設置者等、通学路等(学校等への通学、通園等の用に供される道路又は児童等が利用する公園、広場等をいう。以下同じ。)を管理する者及び通学路等に係る地域を管轄する警察署長は、児童等の保護者及び通学路等に係る地域の防犯団体等と連携して、当該通学路等における児童等の安全を確保するために必要な措置を講ずるものとする。
2 知事及び教育委員会は、公安委員会と協議して、前項の措置の参考となるべき指針を定めるものとする。
(高齢者等の安全の確保)
第14条 県は、高齢者、障害者その他犯罪を防止する上で特別な配慮を必要とする者(以下「高齢者等」という。)及び高齢者等の日常生活の支援を行う者に対し、高齢者等が犯罪により害を被ることがないようにするために必要な情報の提供、助言その他の措置を講ずるものとする。
第3章 防犯環境整備
(防犯に配慮した住宅)
第15条 住宅の設計又は建築を業とする者(以下「住宅業者」という。)は、犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有する住宅(以下「防犯住宅」という。)の普及が進むよう努めるものとする。
2 共同住宅を所有し、又は管理する者(以下「共同住宅所有者等」という。)は、当該住宅を防犯住宅とするために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 知事及び公安委員会は、共同して、住宅を防犯住宅とする上で参考となるべき指針を定めるものとする。
5 県は、住宅業者、共同住宅所有者等、住宅を建築しようとする者又は住宅に居住する者に対し、防犯住宅の構造、設備等について必要な情報の提供、助言その他の措置を講ずるものとする。
(防犯に配慮した公園等)
第16条 公園又は道路(以下「公園等」という。)の設置者等は、当該公園等を犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有するものとするために必要な措置を講ずるものとする。
2 知事及び公安委員会は、共同して、前項の措置の参考となるべき指針を定めるものとする。
4 県は、公園等の設置者等に対し、犯罪の防止に配慮した公園等の構造、設備等について必要な情報の提供、助言その他の措置を講ずるものとする。
(防犯に配慮した自動車駐車場等)
第17条 自動車駐車場又は自転車駐輪場(以下「駐車場等」という。)の設置者等は、当該駐車場等を犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有するものとするために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 知事及び公安委員会は、共同して、前項の措置の参考となるべき指針を定めるものとする。
4 県は、駐車場等の設置者等に対し、犯罪の防止に配慮した駐車場等の構造、設備等について必要な情報の提供、助言その他の措置を講ずるものとする。
(深夜小売業者等の防犯措置)
第18条 深夜(午後10時から翌日の午前6時までの時間をいう。)において小売業を営む者並びに銀行その他の金融機関及び貸金業法(昭和58年法律第32号)第2条第2項に規定する貸金業者(以下「深夜小売業者等」という。)は、その営業のための施設を犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有するものとするために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 知事及び公安委員会は、共同して、前項の措置の参考となるべき指針を定めるものとする。
4 県は、深夜小売業者等に対し、第1項の措置について必要な情報の提供、助言その他の措置を講ずるものとする。
(空家の防犯措置)
第19条 空家を所有し、又は管理する者は、当該空家が犯罪に利用されることを防止するため、侵入の防止その他管理上必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(防犯に配慮した自動車等の普及)
第20条 自動車、原動機付自転車又は自転車(以下「自動車等」という。)の販売、貸出し又は整備を業とする者は、盗難の防止に配慮した構造又は設備を有する自動車等及びその盗難を防止するための装置の普及に努めるものとする。
(防犯に配慮した自動販売機の普及)
第21条 自動販売機の販売又は貸出しを業とする者は、盗難の防止に配慮した構造又は設備を有する自動販売機の普及に努めるものとする。
2 自動販売機の設置者等は、当該自動販売機からの盗難を防止するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(防犯カメラの適正な設置及び運用)
第22条 不特定多数の者が出入りする場所又は旅客施設若しくは車両等(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)第2条に規定する旅客施設又は車両等をいう。)に防犯カメラを設置し、又は運用する者(以下「防犯カメラ設置者等」という。)は、防犯カメラによって不当に人権が侵害されないようにするための措置を講ずるよう努めるものとする。
2 知事及び公安委員会は、共同して、前項の措置の参考となるべき指針を定めるものとする。
4 県は、防犯カメラ設置者等に対し、第1項の措置について必要な情報の提供、助言その他の措置を講ずるものとする。
(平28条例47・追加)
第4章 優良防犯施設の認定
第23条 知事は、規則で定めるところにより、防犯のための措置が講じられていると認める施設を、優良防犯施設として認定することができる。
(平28条例47・旧第22条繰下)
第5章 犯罪被害者等の支援
(国等との連携)
第24条 県は、犯罪被害者等の支援に関し、県下各地域の状況に応じた施策を策定し、国、市町村及び犯罪被害者等支援団体と連携して、これを実施するものとする。
(平28条例47・旧第23条繰下、令2条例18・一部改正)
(理解の増進)
第25条 県は、教育活動、広報活動等を通じて、犯罪被害者等が不当に差別を受けることがないようその権利を擁護するとともに、犯罪被害者等の名誉及び生活の平穏を害することがないよう十分配慮することの重要性等について県民及び事業者の理解を深めるよう必要な施策を講ずるものとする。
(令2条例18・追加)
(犯罪被害者等支援団体の責務)
第26条 犯罪被害者等支援団体は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等の支援に関する専門的な知識及び経験を活用し、地域における犯罪被害者等の支援を主体的に企画し、これを実施するよう努めるものとする。
2 犯罪被害者等支援団体は、犯罪被害者等の支援を実施するに当たっては、県、市町村、他の犯罪被害者等支援団体等との連携を図ることにより、その効果的な推進に努めるものとする。
3 犯罪被害者等支援団体は、犯罪のないまちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
(令2条例18・追加)
(犯罪被害者等支援団体に対する支援)
第27条 県は、犯罪被害者等の支援に犯罪被害者等支援団体が果たす役割の重要性に鑑み、その活動の促進を図るため、犯罪被害者等支援団体への情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。
(令2条例18・追加)
第6章 鳥取県犯罪のないまちづくり協議会
(設置)
第28条 推進計画の策定、推進計画に基づく犯罪のないまちづくりに関する施策の実施状況その他犯罪のないまちづくりに関する重要事項を調査審議させるため、附属機関として、鳥取県犯罪のないまちづくり協議会(以下「協議会」という。)を設置する。
(平28条例47・旧第24条繰下、令2条例18・旧第25条繰下・一部改正)
(組織)
第29条 協議会は、委員10人以内で組織する。
(平28条例47・旧第25条繰下、令2条例18・旧第26条繰下)
(委員)
第30条 委員は、犯罪のないまちづくりに関し識見を有する者のうちから、知事が任命する。
2 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 委員は、再任されることができる。
(平28条例47・旧第26条繰下、令2条例18・旧第27条繰下)
(会長)
第31条 協議会に会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、協議会を代表する。
3 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、あらかじめ会長が指名する委員がその職務を代理する。
(平28条例47・旧第27条繰下、令2条例18・旧第28条繰下)
(会議)
第32条 協議会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。
2 協議会は、委員の半数以上が出席しなければ会議を開くことができない。
3 協議会の会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(平28条例47・旧第28条繰下、令2条例18・旧第29条繰下)
(運営に関する細則)
第33条 この章に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
(平28条例47・旧第29条繰下、令2条例18・旧第30条繰下)
第7章 雑則
第34条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(平28条例47・旧第30条繰下、令2条例18・旧第31条繰下)
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成28年条例第47号)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(鳥取県附属機関条例の一部改正)
2 鳥取県附属機関条例(平成25年鳥取県条例第53号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(令和2年条例第18号)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(鳥取県附属機関条例の一部改正)
2 鳥取県附属機関条例(平成25年鳥取県条例第53号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略