○藤里町環境基本条例

平成10年3月6日

条例第10号

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 環境の保全に関する基本的施策(第7条―第19条)

第3章 藤里町環境審議会(第20条―第24条)

第4章 雑則(第25条)

附則

前文

地球と人類の至宝である白神山地は、出羽山地の北部に雄大な原生的ブナ林を有し、清らかな空気と豊富な水をかもし出して大地に恵みをもたらし、人々にうるおいと安らぎを与えてくれた森厳な大自然である。

藤里町の人々は、はるかな昔から世界遺産に登録された白神山地の4季折々の色彩あふれる豊かな森からの自然の恵みのなかで、感謝と畏敬の念を抱きながら脈々と生きつづけ、また、大切に見守ってきたのである。

しかしながら、近年は、資源やエネルギーの大量消費などを伴う都市化の進展や生活様式の変化によって、生活の利便性が高まる一方で環境への負荷を増大させ、その結果、地域の環境のみならず地球全体の環境そのものに影響を及んでいる状況である。

もとより、環境は人間の営みと不可分なものであって、環境の保全は自然と人為との調和なくして実現し得ないものであり、私たちは、良好な環境のもとで、健康で文化的な生活を営む権利を有するとともに、その環境を守り、より質の高いものとして将来の世代に継承していく義務を有する。

白神山地のふもとに住む私たちは、自らの日常生活や経済活動のあり方を見つめ直し、互いに協力しながら不断の努力により、自主的かつ積極的に環境の保全に取り組む必要がある。

ここに、私たちは、環境を守ることが幸福につながることを深く認識し、町民全ての参加の下に自然と共存する豊かでうるおいのある環境を保全するため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、藤里町における環境の保全について、基本理念を定め、町、事業者及び町民等の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定め、総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の町民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(2) 事業者 町内において事業活動を行うものをいう。

(3) 町民等 町民及び旅行者その他の滞在者をいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全は、広く町民が健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに、その環境が将来の町民に継承されるように適切に行われなければならない。

2 環境の保全は、全ての者が環境の保全に関する行動を自主的かつ積極的に行うことによって、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されるように行わなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、本町にわたる自然的社会的条件に応じた環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、この条例の精神を尊重し、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水及び廃棄物等の処理その他の環境への影響に深い注意を払い、自ら進んで環境の保全に努めるとともに、町の実施する環境施策に協力する責務を有する。

(町民等の責務)

第6条 町民等は、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、町民等は、環境の保全に自ら努めるとともに、町の実施する環境施策に協力する責務を有する。

第2章 環境の保全に関する基本的施策

(施策の基本方針)

第7条 町は、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない。

(1) 人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

(2) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。

(3) 人と自然との豊かなふれあいが保たれること。

(環境基本計画)

第8条 町長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全に関する総合的かつ長期的な目標及び施策の方向

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 町長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、町民の意見を反映させるため、藤里町環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 町長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(情報の提供)

第9条 町は、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。

(環境の保全に関する教育及び学習の振興等)

第10条 町は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに環境の保全に関する広報活動の充実により、事業者及び町民等が環境の保全についての理解を深めるよう意識の啓発を促すとともに、これらの者の環境の保全に関する行動が積極的に行われるように、必要な措置を講ずるものとする。

(資源の循環的な利用等の促進)

第11条 町は、資源の循環的な利用、エネルギーの有効な利用並びに廃棄物の減量及び適正な処理が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(自発的な活動の促進)

第12条 町は、事業者、町民又はこれらの者の組織する民間の団体が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な指導、助言その他の支援を行うものとする。

2 町は、環境の保全に係る活動に顕著な功績のあった団体又は個人の表彰に努めるものとする。

(指導・勧告等)

第13条 町は、自然環境の保全を図るため、自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な指導や勧告等の措置を講じなければならない。

(環境の保全に関する施設の整備等の推進)

第14条 町は、環境の保全上の支障を防止するための公共的施設の整備、絶滅のおそれのある野生動植物の保護増殖、下水道、廃棄物処理施設、公園、緑地等の事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(地域の特性を生かした快適な環境の保全)

第15条 町は、水と緑に親しむことができる生活空間、良好な景観、歴史的文化的な環境その他の地域の特性を生かした快適な環境を保全するため、必要な措置を講ずるものとする。

(調査の実施及び監視等の体制の整備)

第16条 町は、環境の保全に関する施策の策定に必要な調査を実施するものとする。

2 町は、環境の状況を把握し、環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視等の体制を整備するものとする。

3 町は、前2項の実施に当たっては、国、県及び他の地方公共団体(以下「国等」という。)並びに民間の研究機関との連携の強化に努めるものとする。

(国等との連携)

第17条 町は、広域的な取組が必要とされる環境の保全に関する施策については、国等と連携してその施策を推進するとともに、国等に対して必要な措置を講ずるよう要請するものとする。

(世界遺産保全の取組)

第18条 町は、世界遺産登録地域の保全のための施策を積極的かつ長期的に推進するものとする。

2 町は、国等及び国際機関と協力し、人材及び技術等を活用して世界遺産登録地域の保全に関する施策の推進に貢献するよう努めるものとする。

(地球環境問題への取組)

第19条 町は、地球環境のあり方を自らの問題としてとらえ、地球環境の保全に関する施策を積極的かつ長期的に推進するものとする。

2 町は、国等と連携して、地球環境の保全に関する情報及び技術の提供等に努めるものとする。

第3章 藤里町環境審議会

(設置及び所掌事務)

第20条 町は、町域における環境の保全に関して、基本的事項を調査審議させる等のため、環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、藤里町環境審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

2 審議会は、環境の保全に関する基本的事項及び重要事項について、町長に意見を述べることができる。

(組織等)

第21条 審議会は、委員10人以内で組織する。

2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に若干名の特別委員を置くことができる。

3 審議会の委員及び特別委員は、環境保全に関し知識経験のある者等のうちから町長が任命又は委嘱する。

4 審議会の委員及び特別委員は、非常勤とする。

5 審議会の委員の任期は2年とする。ただし、補欠の委員の任期は前任者の残任期間とする。

6 審議会の委員は、再任されることを妨げない。

(会長)

第22条 審議会に、会長を置く。

2 会長は、委員の互選によって定める。

3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

4 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

(会議)

第23条 審議会は、会長が招集する。

2 会長は、審議会の議長となる。

3 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。

4 審議会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(委任規定)

第24条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

第4章 雑則

(委任事項)

第25条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、平成10年4月1日から施行する。

藤里町環境基本条例

平成10年3月6日 条例第10号

(平成10年4月1日施行)