○平群町太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例

令和4年3月2日

条例第11号

(目的)

第1条 この条例は、太陽光発電設備の設置が災害発生の防止及び生活環境の保全に及ぼす影響を鑑み、太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関し必要な事項を定めることにより、町民の安全な生活と本町の良好な環境に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 太陽光発電設備 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第3項に規定する再生可能エネルギー発電設備のうち、同条第4項第1号に規定する太陽光を再生可能エネルギー源とする設備(送電に係る電柱等を除く。)をいう。

(2) 設置事業 太陽光発電設備を設置する事業(木竹の伐採、切土、盛土、埋土等の造成工事を含む。)をいう。

(3) 事業区域 事業を行う土地(太陽光発電設備に付属する管理施設、変電設備、緩衝帯等に係る土地を含む。)であって、柵等の工作物の設置その他の方法により当該土地以外の土地と区別された区域をいう。

(4) 設置事業者 設置事業を計画し、これを実施する者をいう。

(5) 土地所有者等 事業区域に係る土地の所有者、占有者又は管理者をいう。

(6) 工事施工者 設置事業に関する工事を請け負った者又は請負契約によらないで自らその工事を行う者をいう。

(7) 地域住民等 事業区域が所在する大字又は自治会をいう。

(8) 周辺住民等 事業区域が所在する大字又は自治会に隣接する大字又は自治会をいう。

(町の責務)

第3条 町は、第1条の目的に則り、この条例の適正かつ円滑な運用に必要な措置を講じるものとする。

(土地所有者等の責務)

第4条 土地所有者等は、設置事業者と連帯してその責務を負い、設置事業により、災害又は生活環境への被害等が発生することのないよう、事業区域を適正に管理しなければならない。

(設置事業者の責務)

第5条 設置事業者は、関係法令及びこの条例を遵守し、災害又は生活環境への被害等が発生することのないよう十分配慮し、並びに地域住民等及び周辺住民等との良好な関係を保たなければならない。

(設置事業の許可及び適用範囲等)

第6条 設置事業者は、事業区域が1,000平方メートル以上又は発電出力が50キロワット以上(実質的に同一と認められる設置事業者が同時期又は近接した時期に、実質的に同一と認められる場所で、複数の太陽光発電設備を設置する事業であって、当該総事業区域が1,000平方メートル以上又は当該総発電出力が50キロワット以上となるもの又は既に施工が完了している事業又は施工中の事業の太陽光発電設備の変更等を行う事業であって、当該変更後の事業区域が1,000平方メートル以上又は発電出力が50キロワット以上となるものを含む。)の太陽光発電設備の設置事業を行おうとするときは町長の許可(以下「設置許可」という。)を受けなければならない。ただし、次に掲げる設置事業については、この限りでない。

(1) 国又は地方公共団体等が行う設置事業

(2) 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋根又は屋上に設置する設置事業

(3) 工場立地法(昭和34年法律第24号)第4条第1項第1号に規定する環境施設として太陽光発電施設を設置する設置事業

2 設置許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、町長に申請しなければならない。

(事業禁止区域)

第7条 何人も、次の各号に掲げる区域(当該区域に事業区域の一部が含まれる場合における当該事業区域の全部を含む。)において、前条第1項に規定する設置事業を実施してはならない。ただし、当該各号に規定する法律の規定に基づき太陽光発電設備の設置が許可されている場合は、この限りでない。

(1) 砂防法(明治30年法律第29号)第2条の規定により指定された土地の区域

(2) 森林法(昭和26年法律第249号)第25条第1項の規定により指定された保安林

(3) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項に規定する地すべり防止区域

(4) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項に規定する急傾斜地崩壊危険区域

(5) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第9条第1項に規定する土砂災害特別警戒区域

(抑制区域)

第8条 町長は、災害の防止又は良好な生活環境の保全のため、第6条第1項に規定する設置事業の実施に配慮が必要と認められる区域(以下「抑制区域」という。)を指定することができる。

2 前項に規定する抑制区域は、規則で定める。

(事前協議)

第9条 第6条第2項の申請をしようとする設置事業者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、町長に協議しなければならない。

2 町長は、前項の規定による協議があったときは、設置事業者に対し、当該設置事業に係る必要な指導又は助言をすることができる。

(説明会の開催等)

第10条 設置事業者は、前条の規定による事前協議を開始後、速やかに規則で定めるところにより、第6条第2項の規定による申請をする前に、当該事業区域の地域住民等及び周辺住民等に対し、事業全体の説明会を開催しなければならない。

(設置許可の基準等)

第11条 町長は、第6条第2項の規定による申請があった場合において、当該申請に係る設置事業が次の各号のいずれにも適合し、かつ、この条例及び規則で定める規定に適合していると認めるときは許可をするものとする。

(1) 事業区域からの土砂等の崩落、流出による災害等の防止、又は生活環境の保全について必要な措置がなされていること。

(2) 地域住民等又は周辺住民等に第10条の規定による説明会等を行い、その理解を得て、規則で定める設置事業への同意を得ていること。

2 町長は、第6条第2項の申請をした設置事業者又は当該申請に係る工事施工者が次の各号のいずれかに該当するときは、設置許可をしない。

(1) 設置事業を実施するために必要な資力及び信用を有すると認められないとき。

(2) 設置事業者又は工事施工者が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しないとき。

(3) 第14条の規定により設置許可又は変更許可を取り消された日から起算して5年を経過していないとき。

(4) その他町長が不適切と認めたとき。

3 町長は災害又は生活環境への被害等の発生防止のため、設置許可に必要な条件を付することができる。

(完了の届出等)

第12条 設置事業者は、設置事業を完了したときは、規則で定めるところにより、完了した日から起算して30日以内に、町長に届け出なければならない。設置事業を廃止した場合も、同様とする。

2 設置事業者は、前項の届け出を提出した後でなければ、当該設置事業に係る発電事業をしてはならない。

(設置事業の変更許可)

第13条 設置事業者は、第6条第2項に掲げる事項を変更しようとするときは、あらかじめ、町長の許可(以下「変更許可」という。)を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更については、この限りでない。

2 変更許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、町長に申請しなければならない。

3 設置事業者は、第1項ただし書の軽微な変更をしたときは、規則で定めるところにより、速やかに、町長に届け出なければならない。

4 第6条から前条までの規定は、変更許可について準用する。

(設置許可又は変更許可の取消し)

第14条 町長は、設置事業者又は変更許可を受けた設置事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。

(1) 偽りその他不正な手段により、設置許可又は変更許可を受けたとき。

(2) 第11条第1項(第13条第4項において準用する場合を含む。)に規定する要件を満たさない設置事業を行ったとき。

(3) 第11条第3項(第13条第4項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反したとき。

(4) 前条第1項の規定に違反して変更許可を受けないで設置事業を行ったとき。

(5) 第23条第1項又は第2項の規定による命令に従わないとき。

(地位の承継)

第15条 設置事業者から相続、売買、合併又は分割によりその地位を承継した者は、規則で定めるところにより、承継した日から起算して30日以内に町長へ届け出なければならない。併せて、そのことを地域住民等及び周辺住民等に周知しなければならない。

2 地位を承継した者は、前項の設置事業者に付された一切の許可条件を遵守するものとする。

(太陽光発電設備等の適正管理)

第16条 発電事業を行う設置事業者(以下「発電事業者」という。)は、当該発電事業を実施している間、災害又は生活環境への被害等が発生することのないよう事業区域及び使用する太陽光発電設備を適正に管理しなければならない。

(異常発生時の対応)

第17条 発電事業者は、事業区域及び使用する太陽光発電設備に異常が生じたときは、速やかに現地を確認し、早急に必要な措置を講ずるとともに、当該異常について事業区域の周辺に居住する住民に周知し、及び町長に報告しなければならない。ただし、軽微な異常のときは、この限りではない。

2 町長は、発電事業者により、災害又は生活環境への被害等が発生する恐れがあると認めるときは、当該発電事業者に対し、当該事態が生ずることを防止するために必要な措置を講ずることを求めるものとする。

3 町長は、前項の事態が発電事業者以外の者の行為によるものであるときは、当該者に対し、同項の措置を講ずることを求めるものとする。

(発電事業終了時の適正処分等)

第18条 発電事業者は、発電事業を終了するときは、太陽光発電設備その他当該発電事業に用いた設備等を速やかに撤去し、及び適正に処分しなければならない。

2 発電事業者及び土地所有者等は、発電事業を終了するとき、当該事業区域から災害又は生活環境への被害等が発生することのないよう措置を講じなければならない。

(発電事業終了の届出)

第19条 発電事業者は、発電事業を終了するときは、終了した日から起算して30日以内に規則で定めるところにより、町長に届け出なければならない。

(報告)

第20条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、設置事業者、工事施工者、発電事業者又は土地所有者等に対し、報告を求めることができる。

(立入検査)

第21条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、当該職員に、設置事業者、工事施工者、発電事業者の事務所又は事業所又は事業区域に立ち入り、設置事業又は発電事業の状況又は施設、帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(勧告)

第22条 町長は、設置事業計画又は変更許可を受けた設置事業計画に従って事業を実施していないと認めるときは、設置事業者に対し、相当の期限を定めて、必要な措置を講ずることを勧告することができる。

2 町長は、この条例の規定に違反した設置事業者に対し、相当の期限を定めて、必要な措置を講ずることを勧告することができる。

3 町長が前項の規定による勧告をしようとする場合は、規則で定めるところにより、あらかじめ当該設置事業者から意見を聴取しなければならない。ただし、設置事業者が意見の聴取に応じない場合は、これを行わないで勧告をすることができる。

(命令)

第23条 町長は、設置事業者が、正当な理由なく、前条第1項の規定による勧告に従わないときは、設置事業者に対し、工事その他の行為の停止を命じ、又は相当の期限を定めて太陽光発電設備の除却、事業区域の原状回復その他の違反を是正するため必要な措置を講ずることを命ずることができる。

2 町長は、前条第2項の設置事業者が、正当な理由なく、同条第2項の規定による勧告に従わないときは、当該設置事業者に対し、設置事業の中止を命じ、又は相当の期限を定めて、太陽光発電設備の除却、事業区域の原状回復その他の違反を是正するため必要な措置を講ずることを命ずることができる。

3 町長が前項の規定による命令をしようとする場合は、規則で定めるところにより、あらかじめ当該設置事業者から意見を聴取しなければならない。ただし、設置事業者が意見の聴取に応じない場合は、これを行わないで命令をすることができる。

(公表及び通報)

第24条 町長は、第14条の規定による許可の取消しをしたとき、又は前条の規定による命令をしたときは、次の事項を公表し、国等に通報するものとする。

(1) 当該許可の取消し又は命令を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2) 当該許可の取消し又は命令の内容

2 町長は、設置事業者がこの条例に基づく届出、申請、報告等において、虚偽記載等の不正行為を行ったと認めるときは、次の事項を公表することができる。

(1) 当該設置事業者の氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2) 当該設置事業者が行った不正行為の内容

3 町長が前項の規定による公表及び通報をしようとする場合は、規則で定めるところにより、あらかじめ当該設置事業者から意見を聴取しなければならない。ただし、設置事業者が意見の聴取に応じない場合は、これを行わないで公表及び通報をすることができる。

(委任)

第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和4年7月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例は、施行の日以降に着手する事業から適用する。

平群町太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例

令和4年3月2日 条例第11号

(令和4年7月1日施行)