○那須町ケアラー支援条例
令和4年3月14日
条例第17号
(目的)
第1条 この条例は、社会全体でケアラーを支援するための基本理念を定め、町の責務及び町民、事業者、関係機関等の役割を明らかにするとともに、ケアラー支援に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図ることにより、全てのケアラーが自分らしく、健康で文化的な生活を営むことができる社会を実現することを目的とする。
(1) ケアラー 高齢、身体上又は精神上の障害、疾病等により援助を必要とする親族、友人その他の身近な人に対して、無償で介護、看護、日常生活上の世話その他の援助を提供する者
(2) ヤングケアラー ケアラーのうち、18歳未満の者
(3) 関係機関 介護、障害者及び障害児の支援、医療、教育、児童の福祉等に関する業務を行い、当該業務においてケアラーに関わる可能性がある機関
(4) 事業者 町内で事業活動を行うもの
(5) 民間支援団体 ケアラーの支援を行うことを目的とする民間の団体
(基本理念)
第3条 ケアラー支援は、全てのケアラーが個人として尊重され、健康で文化的な生活を営むことができるように行われなければならない。
2 ケアラー支援は、町、町民、事業者、関係機関、民間支援団体等の多様な主体が相互に連携を図りながら、ケアラーが孤立することがないよう社会全体で支えるように行われなければならない。
3 ヤングケアラーの支援は、子どもがその発達段階に応じて、自立的に生きる基礎を培い、人間としての基本的な資質を養うことの重要性に鑑み、適切な教育の機会を確保し、心身の健やかな成長及び発達等が図られるように行われなければならない。
(町の責務)
第4条 町は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、ケアラー支援に関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。
2 町は、前項の施策の推進に当たっては、支援を必要とするケアラーの把握に努め、ケアラーと認められるときは、ケアラーの意向を尊重するとともに、町民、事業者、関係機関、民間支援団体等と相互に連携を図ることでケアラー支援に関する施策を実施するものとする。
(町民の役割)
第5条 町民は、基本理念にのっとり、ケアラーが置かれている状況及びケアラー支援の必要性について理解を深め、ケアラーが孤立することのないように十分配慮するとともに、町が実施するケアラー支援に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、ケアラー支援の必要性についての理解を深め、事業活動を行うにあたっては、町が実施するケアラー支援に関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は、従業員のケアラーとしての状況把握に努め、ケアラーと認められるときは、当該ケアラーの意向を尊重しつつ、勤務への配慮、情報の提供等必要な支援を行うよう努めるものとする。
(関係機関の役割)
第7条 関係機関は、基本理念にのっとり、町が実施するケアラー支援に関する施策に積極的に協力するよう努めるものとする。
2 関係機関は、支援を必要とするケアラーの把握に努め、ケアラーと認められるときは、ケアラーの意向を尊重しつつ、その健康状態、生活環境等を確認し、ケアラー支援の必要性の把握に努めるものとする。
3 関係機関は、支援を必要とするケアラーに対し、情報の提供、適切な他の関係機関への案内又は取次ぎその他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
4 学校その他教育に関する業務を行うもの(以下「学校等」という。)は、業務を通じて関わりのある者がヤングケアラーとしての状況把握に努め、関わりのある者がヤングケアラーであると認められるときは、当該ヤングケアラーの意向を尊重しつつ、教育の機会の確保の状況、健康状態、生活環境等を確認し、支援の必要性の把握に努めるものとする。
5 学校等は、支援を必要とするヤングケアラーからの教育に関する相談に応じるとともに、ヤングケアラーに対し、情報の提供、適切な他の関係機関への案内又は取次ぎその他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
(推進計画)
第8条 町は、ケアラー支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための計画(以下「推進計画」という。)を策定するものとする。
2 推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) ケアラー及びヤングケアラーの支援に関する基本方針
(2) ケアラー及びヤングケアラーの支援に関する具体的施策
(3) 前2号に掲げるもののほか、ケアラー及びヤングケアラーの支援に関する施策を推進するために必要な事項
(広報及び啓発)
第9条 町は、町民、事業者及び関係機関が、ケアラーが置かれている状況、支援方法等のケアラー支援等に関する知識を深め、社会全体としてケアラー支援が推進されるよう、広報活動や啓発活動等を通じて、必要な施策を講ずるものとする。
(人材の育成)
第10条 町は、ケアラー支援の充実を図るため、相談、助言、日常生活の支援等のケアラー支援を担う人材を育成するための研修の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。
(民間支援団体等による支援の推進)
第11条 町は、民間支援団体その他のケアラーを支援している者が適切かつ効果的にケアラー支援を推進することができるよう情報の提供、助言その他の必要な施策を講ずるものとする。
(体制の整備)
第12条 町は、ケアラー支援を適切に実施するため、ケアラー支援に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な体制及び町、関係機関、民間支援団体等の相互間の緊密な連携協力体制を整備するものとする。
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。