○おいらせ町公契約条例

令和3年9月13日

条例第24号

(目的)

第1条 この条例は、公契約に係る基本的な事項を定めることにより、町及び受注者等の責務を明らかにするとともに、労働者の適正な労働環境等の確保を図り、もって公共サービスの品質の確保及び地域経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 公契約 町が発注する工事又は労働者が専ら役務等の提供のために従事する業務及び地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者と町が締結する公の施設の管理に関する協定をいう。

(2) 受注者 町と公契約を締結する者又は締結しようとする者をいう。

(3) 下請契約等 次に掲げる契約をいう。

 下請、再委託その他いかなる名称によるかを問わず、町以外の者から公契約に係る業務の一部を請け負う契約

 公契約に係る業務に従事させるため、受注者等に対して労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)に規定する労働者派遣をすることを約する契約

(4) 受注者等 受注者及び当該受注者が締結する公契約に係る下請契約等を締結する者をいう。

(5) 労働者等 次に掲げる者をいう。

 受注者等に雇用され、公契約に係る業務に従事する労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者を除く。)

 自らが提供する労働の対価を得るため、受注者等との請負の契約により公契約に係る業務に従事する者

(6) 町内事業者 町内に本店又は営業所等を有する者をいう。

(基本方針)

第3条 公契約に係る基本方針は、次に掲げるとおりとする。

(1) 公正性及び透明性を確保すること。

(2) 契約内容の適正な履行及び品質を確保すること。

(3) 労働者等の適正な労働環境等を確保すること。

(4) 町内事業者の育成及び活用に資すること。

(町の責務)

第4条 町は、前条の基本方針に則り、公契約の適正化を図るための施策を総合的に推進するものとする。

2 町は、公契約を締結するにあたっては、次に掲げる事項に留意しなければならない。

(1) 公正な競争を確保するとともに、契約の性質及び目的を踏まえた適正な入札及び契約の方法を選択すること。

(2) 労務及び資材等の取引価格等を的確に反映した積算に基づき、予定価格を適正に定めるとともに、契約の規模、履行の難易、地域の実情等を踏まえた適切な履行期間を設定すること。

(3) 公契約の締結後、やむを得ない事由により設計図書を見直す必要が生じた場合で、契約金額又は履行期間に変動が生じると認めるときは、契約の相手方と当該契約金額又は履行期間を変更する契約を締結すること。

(4) 地域経済の健全な発展に配慮し、町内事業者の受注機会の確保に努めること。

(受注者等の責務)

第5条 受注者等は、労働基準法その他労働に関する法令(以下「労働関係法令」という。)を遵守し、労働者等の適正な労働環境の確保に努めなければならない。

2 受注者等は、公契約及び下請契約等を締結するにあたっては、次に掲げる事項に留意しなければならない。

(1) 受注者等は、適正な価格による契約を締結すること。

(2) 受注者等は、下請契約等を締結しようとするときは、その相手方に対し本条例を説明し、理解を得たうえで下請契約等の相手方と対等な立場における合意に基づいた公正な契約を締結すること。

(3) 受注者等は、下請契約等の履行において、町内事業者の積極的な活用を図ること。

3 受注者等は、前条第1項の規定により、町が実施する公契約の適正化を図るための施策に協力するよう努めるものとする。

(誓約)

第6条 受注者等は、町長に対し、労働者の適正な労働環境の確保に関し規則で定める事項(以下「誓約事項」という。)について誓約しなければならない。

(報告及び立ち入り調査)

第7条 受注者等は、自らが締結した公契約が規則に定める範囲の契約(以下「特定公契約」という。)に該当するときは、町長に対し、当該公契約の労働環境について必要な報告を行わなければならない。

2 町長は公契約について、この条例の規定又は誓約事項の遵守状況を確認するために必要があると認めるときは、受注者等に必要な報告を求め、又は町の職員に当該受注者等の事務所、事業所等に立ち入り、関係書類その他の物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

3 前項の規定により立ち入り調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(是正措置)

第8条 町長は、受注者等がこの条例の規定又は誓約事項に違反していると認めるときは、当該違反を速やかに是正するために必要な措置を講ずることを命じなければならない。

2 受注者等は、前項の規定により違反を是正するために必要な措置を講ずることを命じられたときは、速やかに是正の措置を講じ、町長に当該措置の内容を報告しなければならない。

(労働者の申出等)

第9条 特定公契約に係る労働者は、受注者等がこの条例の規定又は誓約事項に違反している疑いがあると思料するときは、町長にその旨を申し出ることができる。

2 町長は前項の規定による申し出(以下「違反申出」という。)の内容が、関係法令に関する違反情報であるときは、必要に応じて関係機関へ通報するものとする。

(不利益取扱いの禁止)

第10条 受注者等は、労働者が違反申出をしたことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取り扱いをしてはならない。

(労働者への周知)

第11条 受注者等は、特定公契約に係る労働者に対し、次に掲げる事項を業務等が実施される現場の見やすい場所に掲示し、又は書面を交付する方法により周知しなければならない。

(1) 当該特定公契約の名称

(2) 受注者等の責務及び誓約事項

(3) 違反申出に係る制度の概要

(公契約の解除等)

第12条 町長は、受注者等が次の各号のいずれかに該当するときは、当該公契約の解除、受注者等の指名停止等必要な措置を行うことができる。

(1) 第7条第1項の規定による報告を怠り、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立ち入り検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して応答せず、若しくは虚偽の回答をしたとき。

(2) 第8条第1項の規定による命令に従わないとき。

(3) 第8条第2項の規定による報告を怠り、又は虚偽の報告をしたとき。

(4) 前3号に掲げるもののほか、この条例の規定に違反したとき。

(5) 誓約事項に違反したとき。

2 前項の規定により公契約を解除した場合において、受注者等に損害が生じても、当町はその損害を賠償する責任を負わない。

(損害賠償)

第13条 受注者等は、前条第1項の規定による公契約の解除によって、当町に損害が生じたときは、その損害を賠償しなければならない。ただし、町長がやむを得ない事由があると認めるときは、この限りではない。

(委任)

第14条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、令和4年4月1日から施行する。

おいらせ町公契約条例

令和3年9月13日 条例第24号

(令和4年4月1日施行)