○塩谷町議会基本条例

令和4年6月3日

条例第20号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条・第3条)

第3章 町民と議会との関係(第4条―第8条)

第4章 議会と行政との関係(第9条―第16条)

第5章 議会の機能強化(第17条―第20条)

第6章 議会の災害対応(第21条)

第7章 議会事務局の体制整備(第22条)

第8章 議員の政治倫理及び適正な議会機能(第23条―第25条)

第9章 最高規範性と条例の見直し等(第26条―第28条)

第10章 補則(第29条)

附則

我が国の地方自治は、日本国憲法で保障されており、議会は、地方公共団体の議事機関として位置づけられている。町民から選挙で選ばれた議員により構成される議会は、町の意思決定機関及び代表機関としての役割を担っている。

町民が自らの意思と責任で地域のことを決定することが地方自治の本旨であり、議事機関である議会は、二元代表制の一翼を担う存在として町長の町政運営に対し監視と評価を行うとともに多様な町民の意思を町政へ的確に反映させるための政策提言等を行い、公平で公正かつ透明な議会運営を推進し、町民に信頼され、品格と存在感のある健全な議会を目指すため、ここに塩谷町議会基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、二元代表制の一翼を担う議会について、議会に関する基本的な事項を定める事により、町民の負託と信頼に応えられる開かれた議会を実現し、もって、町民福祉の向上に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会の権限は、地方自治法(昭和22年4月17日法律第67号)第96条から第100条の2に規定されているが、その権限を行使するに当たっては、次の原則に基づき活動しなければならない。

(1) 町政全体を把握分析し、町長等に対し町民本位の適切な財政運営がされているか監視及び評価すること。

(2) 公正性及び透明性を重視するとともに、町民に開かれた議会を目指すこと。

(3) 町の政策水準の向上を図るため、町民の多様な意見、要望の把握に努め、政策立案、提言、条例提案等積極的に進めること。

2 議長は、議会を代表し、中立公正な職務執行に努めるとともに民主的かつ効率的な議会運営を行われなければならない。議長の職務を代行する場合の副議長についても同様とする。

(議員の活動原則)

第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 自己の能力を高める日常の研さんによって、議員としての資質向上に努めること。

(2) 議会の構成員として、町勢の発展と町民の福祉の向上を目指すこと。

(3) 議会における意思の表明に当たっては、独自の調査研究と町民意見の聴取に努めること。

(4) 町民の意見及び要望並びに町政全般の課題を的確に把握するとともに、町民の代表に相応しい活動をすること。

(5) 町民に対し、議会活動の説明に努めること。

第3章 町民と議会との関係

(町民参加)

第4条 議会は、その活動に関する情報公開を徹底するとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、常任委員会、特別委員会及び議会運営委員会の運営に当たり、広聴会制度及び参考人制度を十分に活用して、町民の専門的意見又は政策的識見を審議に反映させるとともに、必要に応じて請願及び陳情提出者の意見を聴く機会を設けることができる。

(広報広聴の充実)

第5条 議会は、町政に係る重要な情報を、議会独自の視点から、常に町民に対して周知するよう努めるものとする。

2 議会は、多様な手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会の広報広聴活動の充実に努めること。

3 議会は、議会広報モニター制度等により、住民の意見等を議会広報の編集に活かすとともに、議会、町政への多様な意見、批判、提案等を受け、議会活動に反映させるよう努めなければならない。

4 議会は、重要な議案に対する各議員の意思を議会広報で公表する等、情報の提供とともに広聴にも努めるものとする。

(町民公聴会)

第6条 町行政の現在と将来にとって重要な問題の議決に当たっては、「町民公聴会」を開催し、広く町民の意見を聴取するよう努めること。

(議会報告会)

第7条 議会は、町政の諸課題に対処するため、町民に対し、議会活動及び町政に対する情報を提供するとともに、町民及び議会が自由に意見を交換する場として、議会報告会を開催するものとする。

2 議会報告会の運営に関し必要な事項は、別に定める。

(議会白書の作成)

第8条 議会は、議会及び議員の多様な活動内容並びに議会活動の評価等を1年ごとに作成し、議会白書として町民に公表する。

第4章 議会と行政との関係

(緊張関係の保持)

第9条 議会は、二元代表制における町長等との立場及び機能の違いを踏まえ、町長等と常に緊張関係を保ちながら、議事機関としての役割を果たしていくものとする。

(一問一答方式)

第10条 本会議における議員と町長等の質疑応答は、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うことができる。

(反問権の付与)

第11条 本会議等において、町長は、議員の質問の内容、趣旨、根拠等が理解できないときは、質問を行った議員に対して、答弁に必要な範囲内で当該内容及び趣旨等について確認することができる。

(事前通告外の質問)

第12条 3月定例会においては、町長の所信表明及び予算項目について、事前通告がなくても一般質問で取り上げることができる。ただし、一般質問通告者に限る。

(議会審議における政策形成過程等の説明)

第13条 議会は、町長が提案する重要な政策、計画、事業等について、議会審議の水準を高めるために、町長に対し、次に掲げる資料の提出を求めることができる。

(1) 政策の発生源

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討

(4) 町民参加の実施の有無とその内容

(5) 総合計画との整合性

(6) 財源措置

(7) 将来にわたるコスト計算

(予算及び決算における政策説明)

第14条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、詳細な施策別の説明及び資料を町長等に求めることができる。

(議決事件の拡大)

第15条 地方自治法第96条第2項の議会の議決事項については、代表機関である議会が、町政における重要な計画等の決定に参画する観点から、総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想及び総合計画等の重要な計画についての制定、廃止又は改正を議決事項とする。ただし、軽微なものは除く。

2 前項の議会の議決すべきものについては、別に条例で定める。

(文書質問)

第16条 議員は、政策、施策等をより深く理解するために、会期中又は閉会中に係わらず、議長を経由して町長等に対して文書により質問することができる。この場合において、町長等は、文書により回答を行うものとする。

第5章 議会の機能強化

(議員間の討議)

第17条 議会は、言論の場であることを十分認識し、会議等において議案等を審議又は審査し、結論を出すに当たっては、議員相互の自由な討議を中心とした運営に努めるものとする。

2 議会は、委員会等において、議案審議等の結論を出す場合、議論を尽くして論点、争点の整理に努めなければならない。

(政策サポーター制度)

第18条 議会が政策提言活動に取り組む場合、町民目線での政策研究の一環として「政策サポーター制度」を創設することができる。

(議員研修の充実強化)

第19条 議会は、議員の資質の向上及び政策形成並びに立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図るものとする。

2 議会は、議員に対しこの条例の理念と実行方法を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかにこの条例に関する研修を行うものとする。

3 議会は、他公共団体の議会との交流を推進し、分権時代にふさわしい議会の在り方について調査研究を行うものとする。

4 議員は、研修を行ったときは、研修報告書を議長に提出するものとする。

(議会図書室の充実)

第20条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室を適正に管理し、運営するとともに、その図書及び資料の充実に努めるものとする。

第6章 議会の災害対応

(議会災害対策本部の設置)

第21条 議会は、大規模災害等が発生したときは、塩谷町議会災害対策本部を設置するものとする。

2 塩谷町議会災害対策本部の設置、組織、議員の対応等については、別に定める。

第7章 議会事務局の体制整備

(議会事務局の体制整備)

第22条 議会は、議会の政策立案及び政策提言等の能力を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の機能及び組織体制の充実に努めるものとする。

第8章 議員の政治倫理及び適正な議会機能

(議員の政治倫理)

第23条 議員は、町民全体の代表者として負託を受けた責務を正しく認識し、その論理性を常に自覚して、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

2 前項に掲げる議員の政治倫理に関する事項は、塩谷町政治倫理条例(平成30年3月8日条例第8号)で定める。

(議員定数)

第24条 議員の定数は、議会制民主主義における重要な要素であることから、町民の意見が町政に十分に反映され、住民自治を実現できる数とする。

2 委員会又は議員は、議員定数条例の改正議案を提出しようとするときは、議員定数の基準等明確な改正理由を付して提出するものとする。

3 議員の定数は、「塩谷町議会の議員の定数を定める条例」(平成14年12月12日条例第38号。以下「議員定数条例」という。)に定めるところによる。

(議員報酬)

第25条 議会は、議員報酬の改定に当たっては、塩谷町特別職等審議会条例(昭和42年12月26日条例第22号)第2条に規定する審議会の意見を尊重するものとする。

2 議員の議員報酬は、「議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例」(昭和33年12月26日条例第21号)に定めるところによる。

第9章 最高規範性と条例の見直し等

(最高規範性)

第26条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する条例、規則の制定又は改廃をしてはならない。

(条例の見直し)

第27条 議会は、この条例施行後、社会情勢の変化、町民の意見等を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づき、所要の措置を講ずるものとする。

(条例の検証)

第28条 議会は、この条例の目的達成について常に検証を行い、必要があると認められるときは、速やかに適切な措置を講ずるものとする。

第10章 補則

(委任)

第29条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

塩谷町議会基本条例

令和4年6月3日 条例第20号

(令和4年6月3日施行)