○高根沢町環境基本条例

平成18年6月9日

条例第24号

私たちのまち「高根沢町」は、東部の緑豊かな丘陵地、中央に広がる田園地帯、鬼怒川、五行川、井沼川など自然が織りなす恵みを受け、多くの先人たちのたゆみない歴史と文化の積み重ねにより発展してきました。

しかし、近年、物質的豊かさや便利さを求める人々の生活や活動は、一方で、空気や水や大地など自然がつくったものを壊し、汚してきました。そして、いろいろな環境の問題が発生しています。

環境の問題を解決するためには、私たち一人ひとりが、私たちの生活や活動を見直し、自然と共生できる社会をつくるために行動することが必要です。

私たち人類を含むすべての生物は、互いにささえあい生きています。健全で恵み豊かな環境は、自然の仕組みにより成り立っています。その環境を将来にわたって守り、育み、引き継いでいくことがわたしたちの責任です。

いま、私たちは、強い意志をもって高根沢町環境基本条例を制定し、未来の「高根沢町」のために行動します。

(目的)

第1条 この条例は、私たち町民や事業者(この条例の中では「私たち」と表現します。)、そして町が、ふるさと高根沢町を守り、育み、子どもたちに引き継いでいくために必要な基本的考え方や方法などを定めています。また、それぞれの立場でどのように考え、行動していくこと(この条例の中では「ふるさとづくり」と表現します。)が必要なのかを明らかにしています。私たちが、生活のしかたを考え直し、自然を大切にし、いっそう豊かで思いやりにあふれるまちをつくることを目的にします。

(言葉の意味)

第2条 この条例の中で使われる言葉の意味は、次のとおりです。

(1) 「環境」:ふるさと高根沢町を形づくる自然、風物、地勢、歴史など私たちや動植物をとりまくすべての状況のことをいいます。

(2) 「環境への負荷」:人の活動によって「環境」に加えられる影響のうち、特に、現在のふるさと高根沢町の環境の維持を阻害する原因となるもののことをいいます。

(ふるさとづくりの基本的な考え方)

第3条 私たちと町は、次のとおりふるさとづくりを進めていきます。

(1) 環境を健全で恵み豊かなものとして維持していきます。

(2) 常に環境への負荷を軽くするための努力をします。

(3) 環境への負荷を発見したときは、その原因を調べ、改善するための努力をします。

(4) あらゆる分野でごみを資源として考え、できる限り出さないように努め、出したものについては循環させていきます。循環させることができないごみは、適正に処理を行います。

(5) 自ら考え、行動した結果を子どもたちに伝えていきます。

(町民の役割)

第4条 町民は、第3条の「ふるさとづくりの基本的な考え方」に基づいて、日々の生活の中で個人、地域など様々な単位でふるさとづくりを行うように努めていきます。また、町が進めるふるさとづくりに関する施策や事業に積極的に協力していきます。

(事業者の役割)

第5条 事業者は、第3条の「ふるさとづくりの基本的な考え方」に基づいて、物の製造や加工、販売などの事業活動を行うように努めていきます。また、町民のふるさとづくりや町の進めるふるさとづくりに関する施策や事業に積極的に協力していきます。

(町の役割)

第6条 町は、第3条の「ふるさとづくりの基本的な考え方」に基づいて、ふるさとづくりに責任を持って取り組みます。ふるさとづくりに関する施策や事業を行おうとするときは、私たちの意見を聴き、私たちに協力を求めて進めていきます。また、私たちが自ら考え、実施するふるさとづくりを積極的に支援していきます。

(環境を守る方法)

第7条 私たちと町は、次の方法によって、ふるさと高根沢町の環境を健全で恵み豊かなものとして守り、育んでいくための活動、そして、ふるさと高根沢町の環境への負荷を軽くするための活動を行います。

(1) ふるさと高根沢町の環境の現状を把握するために、定期的に調査を実施します。

(2) ふるさと高根沢町に生きるすべての動植物との共生を目指して、私たちの生活を工夫します。

(3) ふるさと高根沢町の景観が守られるように努力します。

(4) 環境への負荷を軽くするために、これまで以上に循環型まちづくりのための努力をします。

(環境について学ぶ方法)

第8条 私たちと町は、ふるさとづくりのために、ふるさと高根沢町や環境について学ぶ仕組みをつくります。また、次の方法によって、環境について学びます。

(1) 毎日の生活や事業活動の中で、個々人が環境について考えるとともに、環境について考え、行動する仲間づくりを進めます。

(2) 町は環境について総合的に学ぶ場を提供します。

(3) 私たちは、町が提供する学ぶ場を活用し、情報の収集と活動を行います。

(ふるさとづくりに関する情報の発信)

第9条 私たちと町は、次の方法によって、ふるさとづくりに関する情報を発信し、他の多くの人々や公共団体、民間組織と積極的な交流を進め、ふるさとづくりに活かしていきます。

(1) あらゆるメディア、情報機器を活用してふるさとづくりに関する情報を発信し、同時に情報の収集、交流を進めます。

(2) 様々な個人や団体との交流を深めます。

(環境基本計画)

第10条 町は、第3条の「ふるさとづくりの基本的な考え方」に基づいて、ふるさとづくりの具体的な活動内容や方法、目標などを盛り込んだ「環境基本計画」を策定します。計画の策定に当たっては、私たちの意見を聴き、計画に反映させていきます。

2 環境基本計画に沿って進めるふるさとづくりに関する施策や事業の取組み状況や成果については、毎年公表します。

(ふるさとづくり委員会)

第11条 町長は、ふるさとづくりに関する調査や研究を行うために「ふるさとづくり委員会」(この条例の中では「委員会」と表現します。)を設けます。

2 委員会の委員は、15名以内で構成します。

3 委員会の委員の任期は、2年とします。委員が欠けた場合、補充された委員の任期は、欠けた委員の残任期間とします。

4 委員は、環境基本計画づくりに参画します。

5 委員会には、委員長1名、副委員長1名を置きます。

(規則で定める内容)

第12条 この条例で定める内容の詳細については、別に定めます。

1 この条例は、公布の日から施行します。

2 この条例は、すべての町民のみなさんの理解と参加によって、条例の目的が達成されるとの観点から、分かりやすい表現で作成しました。

3 高根沢町環境審議会条例(昭和47年高根沢町条例第9号)は、廃止します。

〔次のよう〕略

高根沢町環境基本条例

平成18年6月9日 条例第24号

(平成18年6月9日施行)