○高齢者、障害者等の移動等の円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例
平成25年3月5日
条例第9号
(趣旨)
第1条 この条例は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。以下「法」という。)第13条第1項の規定に基づき、高齢者、障害者等の移動等の円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定めるものとする。
(定義)
第2条 この条例における用語の意義は、法の例による。
(園路及び広場)
第3条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(平成18年政令第379号。以下「政令」という。)第3条第1号に規定する園路及び広場を設ける場合には、そのうち1以上は、次に掲げるものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げるものであること。
ア 幅は、1.2メートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、90センチメートル以上とすることができる。
イ 車止めを設ける場合には、当該車止めの相互間の間隔のうち1以上は、90センチメートル以上とすること。
ウ 出入口からの水平距離が1.5メートル以上の水平面を確保すること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。
エ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合において、当該段差が2センチメートル以内であるとき、又は傾斜路(その踊場を含む。以下同じ。)を併設するときは、この限りでない。
(2) 通路は、次に掲げるものであること。
ア 幅は、1.8メートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合において、通路の末端付近の広さを車椅子の転回に支障のないものとし、かつ、車椅子が転回することができる場所を50メートル以内ごとに設けるときは、1.2メートル以上とすることができる。
イ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合において、傾斜路を併設するときは、この限りでない。
ウ 縦断勾配は、5パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、8パーセント以下とすることができる。
エ 横断勾配は、1パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、2パーセント以下とすることができる。
オ 路面は、滑りにくい仕上げとすること。
(3) 階段(その踊場を含む。以下同じ。)は、次に掲げるものであること。
ア 階段の両側には、手すりを設けること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。
イ 手すりの端部付近には、階段の通ずる場所を示す点字を貼り付けること。
ウ 回り段としないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。
エ 踏面は、滑りにくい仕上げとすること。
オ 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けない構造とすること。
カ 階段の両側には、立ち上がり部を設けること。ただし、側面が壁面である場合においては、この限りでない。
(4) 階段を設ける場合には、傾斜路を併設すること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合において、エレベーター、エスカレーターその他の昇降機であって高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものを設けるときは、この限りでない。
(5) 傾斜路(階段又は段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)は、次に掲げるものであること。
ア 幅は、1.2メートル以上とすること。ただし、階段又は段に併設する場合においては、1メートル以上とすることができる。
イ 縦断勾配は、8パーセント以下とすること。
ウ 横断勾配は、設けないこと。
エ 路面は、滑りにくい仕上げとすること。
オ 高さが75センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅1.5メートル以上の踊場を設けること。
カ 傾斜路の両側には、手すりを設けること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。
キ 傾斜路の両側には、立ち上がり部を設けること。ただし、側面が壁面である場合においては、この限りでない。
(6) 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、柵、政令第11条第2号に規定する点状ブロック等及び政令第21条第2項第1号に規定する線状ブロック等を適切に組み合わせて床面に敷設したもの(以下「視覚障害者誘導用ブロック」という。)その他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備を設けること。
(屋根付広場)
第4条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する屋根付広場を設ける場合には、そのうち1以上は、次に掲げるものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げるものであること。
ア 幅は、1.2メートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、80センチメートル以上とすることができる。
イ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合において、傾斜路を併設するときは、この限りでない。
(2) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さを確保すること。
(休憩所及び管理事務所)
第5条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する休憩所を設ける場合には、そのうち1以上は、次に掲げるものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げるものであること。
ア 幅は、1.2メートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、80センチメートル以上とすることができる。
イ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合において、傾斜路を併設するときは、この限りでない。
ウ 戸を設ける場合には、当該戸は、次に掲げるものであること。
(ア) 幅は、80センチメートル以上とすること。
(イ) 自動的に開閉する構造又は車椅子使用者が円滑に開閉して通過できる構造とすること。
(2) カウンターを設ける場合には、そのうち1以上は、車椅子使用者の円滑な利用に適した構造のものであること。ただし、常時勤務する者が容易にカウンターの前に出て対応できる構造である場合においては、この限りでない。
(3) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さを確保すること。
(野外劇場及び野外音楽堂)
第6条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外劇場は、次に掲げるものでなければならない。
(1) 出入口は、第4条第1号の基準に適合するものであること。
ア 幅は、1.2メートル以上とすること。
イ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合において、傾斜路を併設するときは、この限りでない。
ウ 縦断勾配は、5パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、8パーセント以下とすることができる。
エ 横断勾配は、1パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、2パーセント以下とすることができる。
オ 路面は、滑りにくい仕上げとすること。
カ 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備を設けること。
(3) 当該野外劇場の収容定員が200以下の場合は当該収容定員に50分の1を乗じて得た数以上、当該野外劇場の収容定員が200を超える場合は当該収容定員に100分の1を乗じて得た数に2を加えた数以上の車椅子使用者が円滑に利用することができる観覧スペース(以下「車椅子使用者用観覧スペース」という。)を設けること。
2 車椅子使用者用観覧スペースは、次に掲げるものでなければならない。
(1) 幅は90センチメートル以上とし、奥行きは1.2メートル以上とすること。
(2) 車椅子使用者が利用する際に支障となる段を設けないこと。
(3) 車椅子使用者が転落するおそれのある場所には、柵その他の車椅子使用者の転落を防止するための設備を設けること。
3 前2項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外音楽堂について準用する。
(駐車場)
第7条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する駐車場を設ける場合には、そのうち1以上に、当該駐車場の全駐車台数が200以下の場合は当該駐車台数に50分の1を乗じて得た数以上、当該駐車場の全駐車台数が200を超える場合は当該駐車台数に100分の1を乗じて得た数に2を加えた数以上の車椅子使用者が円滑に利用することができる駐車施設(以下「車椅子使用者用駐車施設」という。)を設けなければならない。ただし、専ら大型自動二輪車及び普通自動二輪車(いずれも側車付きのものを除く。)の駐車のための駐車場である場合については、この限りでない。
2 車椅子使用者用駐車施設は、次に掲げるものでなければならない。
(1) 幅は、3.5メートル以上とすること。
(2) 車椅子使用者用駐車施設又はその付近に車椅子使用者用駐車施設の表示をすること。
(便所)
第8条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所は、次に掲げるものでなければならない。
(1) 床の表面は、滑りにくい仕上げとすること。
(2) 男子用小便器を設ける場合には、床置式小便器、壁掛式小便器(受け口の高さが35センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器を1以上設けること。
(3) 前号の規定により設けられる小便器には、手すりを設けること。
(1) 便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていること。
(2) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所であること。
第9条 前条第2項第1号の便房が設けられた便所は、次に掲げるものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げるものであること。
ア 幅は、80センチメートル以上とすること。
イ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合において、傾斜路を併設するときは、この限りでない。
ウ 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示する標識を設けること。
エ 戸を設ける場合には、当該戸は、次に掲げるものであること。
(ア) 幅は、80センチメートル以上とすること。
(イ) 高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とすること。
(2) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さを確保すること。
2 前条第2項第1号の便房は、次に掲げるものでなければならない。
(1) 出入口には、車椅子使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。
(2) 出入口には、当該便房が高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであることを表示する標識を設けること。
(3) 腰掛便座及び手すりが設けられていること。
(4) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具を設けること。
(水飲場及び手洗場)
第11条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する水飲場を設ける場合には、そのうち1以上は、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものでなければならない。
2 前項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する手洗場について準用する。
(掲示板及び標識)
第12条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する掲示板は、次に掲げるものでなければならない。
(1) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであること。
(2) 当該掲示板に表示された内容が容易に識別できるものであること。
2 前項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する標識について準用する。
(一時使用目的の特定公園施設)
第14条 災害等のため一時使用する特定公園施設の設置については、この条例の規定によらないことができる。
附則
この条例は、平成25年4月1日から施行する。