○屋久島町議会基本条例
平成25年6月21日
条例第37号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会・議員の活動原則(第2条・第3条)
第3章 町民と議会の関係(第4条・第5条)
第4章 町長と議会の関係(第6条―第9条)
第5章 自由討議の活性(第10条・第11条)
第6章 議会及び議会事務局の体制整備(第12条・第13条)
第7章 議員の身分・待遇・政治倫理(第14条―第16条)
第8章 最高規範性と見直し手続(第17条―第19条)
附則
前文
屋久島町議会は、多様化する町民の意思を的確に反映し、町民全体の福祉の向上の責任を有する。
議会は、二元代表制の下町長とともに屋久島町の代表機関を構成し、町民の負託に応えるために、政策決定及び監視機関であるという権能を十分に駆使して、自由闊達な討議を通して、政策等の論点・争点を発見し、最良の意思決定をすることが使命である。
この使命を達成するために、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)の規定を遵守し、町民に対して積極的な情報の公開と共有、政策活動への多様な町民参加の推進、議員間の自由闊達な討議の展開、町長等の行政機関との持続的な緊張関係の保持、議員の自己研鑽と資質の向上、公正性と透明性の確保、議会活動を支える体制の整備等について、この条例に定め、議会としての独自の議会運営のルールを遵守し、実践することにより、町民に信頼され、責務を果たす議会を築くため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、議会及び議員の活動の活性化と充実、資質の向上のために必要な事項と、町民から身近で信頼される議会を基本に、屋久島町町民として暮らす全ての人たちの福祉が向上し、安全で安心な生活ができる豊かな町づくりの実現に寄与することを目的とする。
第2章 議会・議員の活動原則
(議会の活動原則)
第2条 議会は、町政の監視及び評価並びに政策立案及び政策提言を行う機能が十分発揮できるよう、円滑かつ効率的な運営に努めなければならない。
2 議会は、公正性及び透明性を確保し、町民に開かれた運営に努めなければならない。
3 議会は、町民の多様な意見を的確に把握し、町政に反映させるための運営に努めなければならない。
4 議会は、議会活動について、町民に対して説明する責務を有する。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分認識し、議員間の自由な討議を重んじ、議員活動を通じて町民の負託に応えなければならない。
2 議員は、地域の課題のみならず、町政の課題について町民の意見を的確に把握するとともに、日常の調査及び研修活動を通じて、自らの資質の向上に努めなければならない。
3 議員は、個別的な事案の解決だけでなく、町民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない。
4 議員は、議員間における討議を通じて合意形成を図り、政策立案、政策提言等を積極的に行うものとする。
5 議員は、議会活動について、町民に対して説明する責務を有する。
第3章 町民と議会の関係
(町民参加及び町民との連携)
第4条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は、本会議、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会、全員協議会等全ての会議を原則公開するとともに、町民が議会の活動に関心を持ちいつでも参加できるような運営に努める。
3 議会は、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会等」という。)の運営に当たり、参考人制度・公聴会制度を十分に活用して、町民や学識経験者等の専門的・政策的識見等を議会の討議に反映させる。
4 議会は、請願・陳情を町民自治の視点から町民提案と位置づけ、審議においては必要に応じ提案者の意見を聴く機会を設ける。
5 議会は、町民、町民団体等との意見交換の場を多様に設けて、議会及び議員の政策能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るものとする。
6 議会は、前各項の規定に関する実効性を高める方策として、町民に対する議会報告会等を年1回以上開催して、議会の説明責任を果たすとともに、これらの事項に関して町民の意見を聴取して議会運営の改善を図るよう努めなければならない。
(議会広報の充実)
第5条 議会は、町政に係る重要な情報を議会独自の視点から、常に町民に対して公表するとともに、町民からの意見、要望等を取り上げ、その内容及び対応について定期的に町民に周知するため議会報を発行する。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。
第4章 町長と議会の関係
(町長等と議会及び議員の関係)
第6条 議会は、町長その他の執行機関及びその職員(以下「町長等」という。)とは常に緊張ある関係を構築し、事務の執行を監視し、その評価を行うとともに、政策立案及び政策提言を通じて、町政の発展に取り組むものとする。
2 議会は、町長等との立場及び権能の違いを踏まえ、議会活動を行うものとする。
3 議会審議における議員と町長等の質疑応答は、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うものとする。
4 議長から本会議及び委員会等への出席を要請された町長等は、議長又は委員長の許可を得て議員の質問に対して反問することができるものとする。
5 議員は、会期中又は閉会中にかかわらず、議長を経由して町長等に対し文書質問を行うことができるものとする。この場合において、町長等に文書により回答を求めるものとする。
6 議会は、議員が行う町長等への口頭による要請に対して、両者の関係の透明性を図るため、日時、要請内容、対応、経過等を記録した文書を作成するよう町長等に求めるものとする。
(町長の政策等の経過過程の説明)
第7条 議会は、町長の計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)の提案に対して、政策等の水準を高めるため及び町民への公開のため、次に掲げる事項を説明するよう求めるものとする。
(1) 政策等の発生源
(2) 検討した他の政策答案の内容と比較
(3) 総合振興計画における根拠及び位置づけ
(4) 関係する法令、条例等
(5) 政策等の実施に関わる財源措置
(6) 将来にわたる政策等の維持管理を含めた財政計画
2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たっては、立案、執行における論点、争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。
(予算・決算における政策説明資料の作成)
第8条 議会は、予算案及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、施策別又は事業別の分かりやすい政策説明資料を作成するよう町長に求めるものとする。
(法第96条第2項の議決事項)
第9条 法第96条第2項の議会の議決事項については、代表機関である議会が町政における重要な計画等の決定に参画する観点と同じく、代表機関である町長の政策執行上の必要性を比較考量のうえ、次のとおり定めるものとする。
(1) 基本構想に基づく基本計画の策定又は変更
(2) 友好都市及び姉妹都市の提携又はこれらに類するもの
第5章 自由討議の活性
(徹底した討論による合意形成)
第10条 議会は、本会議において議員提出議案、町民提案等に関して審議し、結論を出す場合、議員相互間において十分な討論、議論を尽くして合意形成に努めるとともに、その結果について町民へ説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は、議員による討論の場であることを認識し、委員会等においては、議員相互間の討議を中心に運営しなければならない。
(政策の討論)
第11条 議長は、町政に関する重要な施策及び課題に対して、議会としての共通認識の醸成及び合意形成を図るため、協議等の場を設けることができるものとする。
第6章 議会及び議会事務局の体制整備
(議員研修の強化)
第12条 議会は、議員の政策立案能力向上のため、議員研修の充実強化を図り、この条例の理念を議員相互間で共有しなければならない。
2 議会は、議員研修の強化に当たり、幅広い分野からの専門家、町民等の参加による議員研修会を積極的に開催するものとする。
3 議員は、幅広い知識を吸収するため、積極的に研修に参加し、自己啓発をしなければならない。
4 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書の充実に努めるものとする。
(議会事務局の体制整備)
第13条 議長は、議員の政策立案能力を支援するため、事務局の調査・法制機能を始めとした組織の強化を図らなければならない。
第7章 議員の身分・待遇・政治倫理
(議員定数及び議員報酬)
第14条 議員定数(以下「定数」という。)及び議員報酬(以下「報酬」という。)は、別に条例で定める。
2 定数及び報酬の改正に当たっては、行財政改革の視点だけではなく、町政の現状と課題及び将来の予想と展望を十分に考慮する。
3 定数の条例改正案は、法第74条第1項の規定による町民の請求があった場合を除くほか、改正理由の説明を付して議員が自ら提案する。
(議員の政治倫理)
第15条 議員は、町民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく町民や地域への影響力を不正に行使することによって、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。
(議長志願者の所信表明)
第16条 議会は、議長の選出に当たり、議会活動の方向性を明確にし、議会の透明性をより一層強めるため、その職を志願する者に所信を表明する機会を設けるものとする。
第8章 最高規範性と見直し手続
(最高規範性)
第17条 この条例は、議会運営における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する議会の条例、規則、規程等を制定してはならない。
2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例の研修を行わなければならない。
(議会及び議員の責務)
第18条 議会及び議員は、この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。
2 議会及び議員は、町の発展及び議会活性化のため自ら議会改革を推進していくものとする。
(見直し手続)
第19条 議会は、年度ごとにこの条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検証するものとする。
2 議会は、前項による検証の結果に基づいて、この条例の改正を含む適切な措置を講じるものとする。
3 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であっても、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。
附則
この条例は、平成25年10月1日から施行する。