○豊中市環境基本条例

平成7年10月11日

条例第29号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 基本政策(第7条)

第3章 総合的かつ計画的推進(第8条―第10条)

第4章 推進施策(第11条―第20条)

第5章 推進及び調整体制等(第21条―第25条)

附則

私たち豊中市民は,これまで緑豊かな生活文化創造都市の実現を目指して,快適で利便性のある生活環境を築くためにたゆまない努力を積み重ねてきました。

しかし,近年の社会経済の飛躍的な発展と都市化の急激な進展は,都市活動や私たちの生活様式を大きく変化させ,都市・生活型公害の増加や身近な自然の減少をもたらすとともに,資源・エネルギーの大量消費等による環境への負荷の増大は,市域を越え,世代間を越え,国境を越えて地球規模で深刻さを増しています。

地球環境は,資源・エネルギーの循環と生態系の微妙な均衡の上に成り立っており,その恵みは人類の生存の基盤であり,すべての生命を育む源であります。

私たちは,地域の環境が地球全体の環境を構成していることを深く認識し,良好な地域の環境を築くとともに,環境への負荷を低減し,自然と共存する持続的発展の可能な社会の実現を目指すという,新しい価値観に支えられた文化を築いていかなければなりません。

いま私たちは,安全で健康かつ快適な文化的生活を営むことができる良好な都市の環境を享受することは,すべての市民が共有する権利であるとともに,かけがえのない,限りある環境を将来の世代に引き継いでいくことは,すべての市民の責務であることを改めて確認するものです。

ここに私たちは,「住民,企業,自治体が一体となり,地球環境の保全と環境にやさしいまちづくり,地域づくりに取り組む」とした豊中市自治体環境宣言を踏まえ,市民の総意として,この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,環境の保全及び創造について基本理念を定め,豊中市(以下「市」という。),事業者及び市民の責務を明らかにするとともに,環境の保全及び創造に関する施策の基本的事項を定めることにより,これらの施策を総合的かつ計画的に推進し,もって現在及び将来の市民が安全で健康かつ快適な文化的生活を営むことができる良好な環境の実現に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって,環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(2) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行,海洋の汚染,野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって,人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(3) 公害 環境の保全上の支障のうち,事業活動その他の人の活動に伴って生じる生活環境の侵害であって,大気の汚染,水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。),土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下,悪臭及び日照阻害・電波障害等によって,人の健康が損なわれ,又は人の快適な生活が阻害されることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全及び創造は,すべての市民が安全で健康かつ快適な文化的生活を営むことができる良好な環境を維持し,これを将来の世代へ継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全及び創造は,公害の防止並びに環境資源の適正な管理及び循環的な利用を図り,環境への負荷の少ない持続的発展の可能な社会を構築することを目的として行われなければならない。

3 環境の保全及び創造は,生態系及び市域の自然的条件に配慮し,自然と共存する都市の実現を目的として行われなければならない。

4 地球環境の保全は,人類共通の課題であり,市,事業者及び市民のすべての活動において,積極的に推進されなければならない。

(市の役割と責務)

第4条 市は,環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し,実施する責務を有する。

2 市は,環境への影響に関わる施策の策定及び実施に当たっては,環境の保全及び創造を優先し,環境への負荷の低減その他必要な措置を講じる責務を有する。

3 市は,事業者及び市民の自主的な環境の保全及び創造に関する活動への取組を支援するとともに,自ら率先して各種の施策を推進する責務を有する。

(事業者の役割と責務)

第5条 事業者は,自らの事業活動に伴って生じる公害を防止し,環境資源の活用その他事業活動が環境に配慮されたものとなるよう,必要な措置を講じるものとする。

2 事業者は,その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合に適正な処理が図られるよう必要な措置を講じる責務を有するとともに,廃棄物の発生の抑制,再生利用の促進等を図り,及び製品その他の物が使用され,又は廃棄されることその他事業活動による環境への負荷の低減に資するよう努めるものとする。

3 事業者は,地域における環境の保全及び創造に資するよう自ら努めるとともに,市が行うこれらの施策に積極的に参加し,協力する責務を有する。

(市民の役割と責務)

第6条 市民は,その日常生活において,公害の防止その他環境の保全に努めるものとする。

2 市民は,その日常生活において,廃棄物の発生の抑制,再生利用その他環境への負荷の低減に資するよう努めるものとする。

3 市民は,地域における環境の保全及び創造に資するよう自ら努めるとともに,市が行うこれらの施策に積極的に参加し,協力する責務を有する。

第2章 基本政策

(基本政策)

第7条 市は,基本理念の実現を図るため,次に掲げる基本政策に基づき,環境の保全及び創造に関する施策を推進するものとする。

(1) 公害及び新たな環境汚染の防止

公害の防止及び新たな環境汚染物質による環境の保全上の支障の防止

(2) 都市・生活型公害の防止

航空機,自動車その他の都市活動に伴う騒音,環境の汚染等の都市・生活型公害対策

(3) 環境への配慮

自然環境の適正な保全及び管理並びに野生生物の生育環境,水の循環等の環境への配慮

(4) 快適環境の形成

緑化,都市景観及び歴史的・文化的環境の形成,福祉のまちづくりの推進等による快適環境の形成

(5) 資源・エネルギーの有効利用と廃棄物の減量

エネルギーの合理的かつ効率的な利用及び資源の循環的な利用の促進並びに廃棄物の発生の抑制及び適正処理

(6) 地球環境の保全

地球の温暖化の防止,オゾン層の保護等

第3章 総合的かつ計画的推進

(環境基本計画)

第8条 市長は,前条の基本政策を総合的かつ計画的に推進するため,環境基本計画を定めなければならない。

2 環境基本計画は,次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全及び創造に関する目標及び基本方針並びに総合的な施策の大綱

(2) その他環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は,環境基本計画を定めるに当たっては,あらかじめ市民の意見を反映することができるよう,必要な措置を講じなければならない。

4 市長は,環境基本計画を定めるに当たっては,あらかじめ第21条に定める豊中市環境審議会の意見を聴かなければならない。

5 市長は,環境基本計画を定めたときは,速やかにこれを公表しなければならない。

6 前3項の規定は,環境基本計画の変更について準用する。

(実施計画等)

第9条 市長は,前条の環境基本計画を推進するため,必要な実施計画又は指針等(以下「実施計画等」という。)を定めなければならない。

2 市は,環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し,実施するに当たっては,環境基本計画及び実施計画等との整合を図るものとする。

(年次報告)

第10条 市長は,環境基本計画の適正な進行管理を図るため,市域の環境の現状並びに環境の保全及び創造に関する施策の状況について年次報告書を作成し,これを公表するとともに,これに対する市民の意見を聴くため,必要な措置を講じなければならない。

第4章 推進施策

(規制措置)

第11条 市は,公害を防止するため,必要な規制の措置を講じるものとする。

2 前項に定めるもののほか,市は,環境の保全上の支障を防止するため,必要な規制の措置を講じるよう努めるものとする。

(経済的措置等)

第12条 市は,事業者,市民及びこれらの者で組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が行う環境への負荷の低減を図るための設備及び施設の整備その他環境の保全及び創造に資する自発的な活動が促進されるよう,助成,顕彰その他の必要な措置を講じるものとする。

2 市は,環境への負荷の低減を図るため,事業者及び市民に係る適正な経済的負担の措置について調査及び研究を行い,特に必要があるときは,その措置を講じるよう努めるものとする。

(監視体制の整備等)

第13条 市は,公害その他の環境の状況を適切に把握するため,監視,測定等に関する施設その他必要な監視体制の整備に努めるものとする。

(公害に係る被害救済等)

第14条 市は,公害に係る健康被害の救済及び紛争等への適切な対応を図るための必要な措置を講じるものとする。

(公共施設の整備等)

第15条 市は,環境の保全及び創造に資する施設の整備に当たっては,その計画的配置に努め,環境への負荷の低減を図り,並びに自然環境の適正な保全及びその健全な利用を図ることにより,快適な環境の形成に資することとなるよう,必要な措置を講じるものとする。

2 市は,公共施設の建設及び維持管理に当たっては,資源・エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量が促進されるよう,必要な措置を講じるものとする。

(開発事業等に係る環境への配慮)

第16条 市は,土地の形状の変更,工作物の新設その他これらに類する事業(以下「開発事業等」という。)を行おうとする者(以下「開発事業者等」という。)が策定する計画について,自らその計画が環境に適正に配慮されたものとなるよう,必要な措置を講じるものとする。

(環境影響評価等)

第17条 市は,開発事業等のうち,環境に著しい影響を与えるおそれのある事業を指定し,開発事業者等においてその事業に係る環境への影響を事前に調査し,予測し,又は評価し,その結果に基づきその事業が環境に配慮されたものとなるよう,必要な措置を講じるものとする。

2 市は,開発事業等のうち,環境への影響に関し特に必要があると認めるものについては,開発事業者等においてその計画に係る環境への影響を事前に調査し,その計画が環境に適正に配慮されたものとなるよう,必要な措置を講じるものとする。

(環境監査等の普及)

第18条 市は,環境への負荷の低減に資するため,事業者及び市民が自らその活動に係る環境に与える影響の評価,監査等を行えるよう,必要な措置を講じるよう努めるものとする。

(市民参加等)

第19条 市は,環境の保全及び創造に関する施策が,市民,事業者及び民間団体等の参加,協力等により効果的に推進されるよう,必要な措置を講じるよう努めるものとする。

2 市は,市,市民,事業者及び民間団体等が,地域の環境の保全及び創造並びに地球環境の保全に関して,相互の連携を深め,共同した行動等を推進するため,必要な措置を講じるものとする。

(環境学習,環境情報の整備等)

第20条 市は,環境への負荷の低減を図るため,市民,事業者及び民間団体等が環境への理解を深めることにより,環境に配慮した生活又は行動が促進されるよう,環境に関する教育及び学習の体系的推進並びにこれらに係る施設及び情報の整備,提供等に関し必要な施策を講じるものとする。

第5章 推進及び調整体制等

(環境審議会)

第21条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条に基づき,豊中市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は,市長の諮問に応じ,次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか,環境の保全及び創造に関する基本的事項

3 審議会は,環境の保全及び創造に関する基本的事項について,市長に意見を述べることができる。

4 委員は,学識経験者,市民,事業者,その他の者のうちから市長が委嘱する。

5 前各項に定めるもののほか,審議会の組織及び運営に関し必要な事項は,市規則で定める。

(推進及び調整体制の整備)

第22条 市は,前条に定めるもののほか,環境の保全及び創造に関する施策を総合的に推進し,調整するための必要な体制を整備するものとする。

(調査研究の充実等)

第23条 市は,環境の保全及び創造に関する施策を適正に推進するため,必要な科学技術情報の収集及び調査研究を行うとともに,これらの成果の普及に努めるものとする。

(基金の設置等)

第24条 市は,環境の保全及び創造に関する施策を効果的に推進するため,基金の設置その他必要な措置を講じるよう努めるものとする。

(国際間及び自治体間の協力等)

第25条 市は,地球環境の保全その他広域的な取組を必要とする施策の実施に当たっては,国際機関,国,他の地方公共団体等と協力して,その推進に努めるものとする。

附 則

この条例は,公布の日から施行する。ただし,第2章から第5章までの規定は,平成8年4月1日から施行する。

附 則(平成19年3月23日条例第1号)

この条例は,公布の日から施行する。

附 則(平成19年3月30日条例第21号)

この条例は,平成19年5月1日から施行する。

豊中市環境基本条例

平成7年10月11日 条例第29号

(平成19年5月1日施行)

体系情報
第5編 保健衛生/ 環境
沿革情報
平成7年10月11日 条例第29号
平成19年3月23日 条例第1号
平成19年3月30日 条例第21号