○つくば市議会議員政治倫理条例
平成12年11月2日
条例第59号
(目的)
第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その担い手たる市議会議員(以下「議員」という。)が、市民全体の奉仕者として、人格と倫理の向上に努め、その地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応え、公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(議員及び市民の責務)
第2条 議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、市民に対し自らすすんでその高潔性を明らかにしなければならない。
2 市民は、主権者として自らも市政を担い、公共の利益を実現する自覚を持ち、議員に対し、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。
(政治倫理基準)
第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 市民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(2) 市民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。
(3) 市及び市が関係する団体が行う工事の請負契約、下請工事、業務委託契約及び物品納入契約に関して特定業者を推薦し、又は紹介するなど有利な取り計らいをしないこと。
(4) 市職員の公正な職務執行を妨げ、又はその権限若しくはその地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。
(5) 市職員(臨時職員及び非常勤職員を含む。)の採用に関して推薦し、又は紹介をしないこと。
(6) 市職員の昇格又は異動に関して推薦又は紹介をしないこと。
(7) 政治活動に関し、道義的批判を受けるおそれのある寄附を受けないこと。その後援団体も同様とする。
(8) 特定の新聞、雑誌若しくは機関誌の購読又はパーティー券の購入を強要しないこと。
2 議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、疑惑の解明に努めるとともに、その責任を明らかにしなければならない。
(平18条例60・一部改正)
(資産等報告書の提出義務)
第4条 議員は、毎年1月1日現在の資産、地位、肩書、前年1年間の収入、贈与及び税等の納付状況について資産等報告書を作成し、毎年5月15日から同月31日までに、市議会議長(以下「議長」という。)に提出しなければならない。
2 議員の配偶者、扶養親族又は同居の親族は、つくば市政治倫理審査会条例(平成13年つくば市条例第10号)第7条の規定により、つくば市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)から必要な資料として資産等報告書の提出を求められたときは、指定された期限までに提出しなければならない。議員が未提出の資産等報告書の提出を求められたときも、同様とする。
(平13条例18・平14条例89・一部改正)
(資産等報告書の記載事項)
第5条 資産等報告書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 資産
ア 土地 所在、地目、面積、取得の時期及び価格並びに相続により取得した場合は、その旨
イ 建物 所在、種類、構造、床面積、取得の時期及び価格並びに相続により取得した場合は、その旨
ウ 不動産に関する権利 権利の種類、契約期日及び契約価格並びに相続により取得した場合は、その旨
エ 預貯金(金額50万円未満のものを除く。) 預け入れ金融機関名及び金額
オ 動産(価格が50万円未満のもの及び生活に通常必要なものを除く。) 種類、数量、価格及び取得の時期
カ 信託(総額50万円未満のものを除く。) 信託に関する権利の種類及び受託者並びに信託財産の種類、数量、価格並びに信託の時期
キ 有価証券(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第1項及び第2項に規定する有価証券に限る。) 種類及び種類ごとの額面金額の総額(株券(株券が発行されていない場合にあっては、株券が発行されていたとすれば当該株券に表示されるべき権利を含む。)にあっては、株式の銘柄及び株数)
ク ゴルフ会員権 ゴルフ場の名称及び口数
ケ 貸付金及び借入金(1件50万円未満のもの及び生計を一にする親族に係るものを除く。) 明細、契約期日及び金額
コ 削除
(2) 地位及び肩書等
ア 企業その他の団体(宗教的、社交的及び政治団体を除く。)の地位及び肩書
イ 議員を退いた後の雇用に関する契約及びその他の取り決めについての相手方並びに条件
(3) 収入及び贈与等
ア 収入(1出所当たり3万円未満のものを除く。) 給与、報酬、事業収入、配当金、利子、賃貸料、謝礼金、年金その他これらに類する収入の明細、出所及び金額
イ 贈与及びもてなし(1出所当たり3万円未満のものを除く。) 出所、内容及び価格又は金額
(4) 市税等の納付状況
ア 前年度分の市県民税、固定資産税、軽自動車税及び国民健康保険税
イ 削除
(平13条例18・平14条例82・平18条例60・平29条例36・一部改正)
第6条及び第7条 削除
(平13条例18)
(資産等報告書の審査等)
第8条 議長は、資産等報告書の写しを市長に送付し、市長は、これを毎年6月15日までに審査会に提出し、審査を求めなければならない。
2 審査会は、前項の規定により審査を求められたときは、審査を求められた日から90日以内に意見書を作成し、市長に提出しなければならない。
3 市長は、意見書の写しを議長に送付しなければならない。
(資産等報告書及び意見書の閲覧)
第9条 議長は、資産等報告書及び前条第2項の意見書を提出期限の日から15日以内に閲覧に供しなければならない。
(平18条例50・全改)
(市民の調査請求権)
第10条 市民(調査を請求する日の直近の市の選挙人名簿に登録されている者に限る。第12条第2項において同じ。)は、次に掲げる事由があるときは、これを証する資料を添え、その10人以上の署名をもって議長に調査を請求することができる。
(1) 政治倫理基準に反する疑いがあるとき。
(2) 資産等報告書に疑義があるとき。
(3) 市工事等に関する遵守事項に反する疑いがあるとき。
2 前項の規定により調査の請求がなされたときは、議長は調査請求書と添付資料の写しを市長に送付し、市長は調査請求書と添付資料の写しを送付された日から7日以内に審査会に提出し、調査を求めなければならない。
3 審査会は、第1項の規定により調査を求められたときは、請求を受けた日から90日以内に、その調査結果を市長に文書で回答しなければならない。
4 市長は、前項の規定による回答文書の写しを議長に送付しなければならない。
5 議長は、前項の回答文書の写しの送付があった日から7日以内に、その写しを請求者に送付しなければならない。
(平13条例18・一部改正)
(虚偽報告等の公表)
第11条 議長は、審査会の意見書に資産等報告書の提出の遅滞、虚偽の報告、議員が調査に協力しなかった等の指摘があったときは、その旨をつくば市議会だより(以下「議会報」という。)で公表しなければならない。
(平18条例50・一部改正)
(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)
第12条 議員が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める贈収賄罪その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)による起訴後、引き続きその職にとどまろうとするときは、議長に、市民に対する説明会の開催を求めなければならない。この場合、当該議員は、説明会に出席し釈明しなければならない。
2 市民は、前項の規定による説明会が開催されないときは、その50人以上の署名をもって、起訴の日から50日以内に議長に説明会の開催を求めることができる。
3 市民は、説明会において、当該議員に対して質問することができる。
4 説明会の開催及び運営についての手続きは、あらかじめ議長が定める。
(平13条例18・一部改正)
(職務関連犯罪による第一審有罪判決後における説明会)
第13条 議員が職務関連犯罪により有罪判決を受け、なお引き続きその職にとどまろうとするときの説明会の開催については、前条の規定を準用する。ただし、開催請求の期間は、判決の日から30日を経過した日以後20日以内とする。
(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)
第14条 議員が職務関連犯罪により有罪判決を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、議員は、市民全体の代表者としての品位と名誉を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、辞職手続きをとるものとする。
(市工事等に関する遵守事項)
第15条 議員若しくはその配偶者、1親等の親族若しくは同居の親族(以下「議員関係者」という。)又は議員が役員をしている企業若しくは実質的に経営に携わる企業(以下「議員関係企業」という。)は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定を尊重し、市及び市が関係する団体が行う工事の請負契約(当該工事の請負契約の下請工事を含む。)、業務委託契約及び物品納入契約を辞退し、市民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。
2 議員、議員関係者又は議員関係企業が前項の規定による辞退をするときは、議長に辞退届を提出するものとする。この場合において、議員関係者又は議員関係企業は、関係する議員を通じて辞退届を提出するものとする。
3 第1項の議員が実質的に経営に携わる企業とは、次に掲げるものをいう。
(1) 議員及び議員関係者の出資金の合計が資本金その他これに準ずるものの3分の1以上の企業
(2) 議員が年間300万円以上の報酬その他の給付を受けている企業
(3) 議員及び議員関係者がその経営方針の決定に関与している企業
(1) 議員の任期開始日において、現に第1項に規定する契約に係る事業を開始している議員、議会関係者及び議員関係企業 議員の任期開始日から30日を経過する日
(2) 議員の任期開始日後において、第1項に規定する契約に係る事業を開始することとなった議員、議員関係者及び議員関係企業 当該事業開始の日から30日を経過する日
5 議長は、辞退届の写しを市長及び市が関係する団体の長に送付しなければならない。
6 議長は、辞退届の提出状況を議会報で速やかに公表しなければならない。
(平13条例18・全改)
(委任)
第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、議会規程で定める。
附則
この条例は、平成12年11月30日から施行する。
附則(平成13年条例第18号)
この条例は、平成13年4月1日から施行する。
附則(平成14年条例第82号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成14年条例第89号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成18年条例第50号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成18年条例第60号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成29年条例第36号)
この条例は、公布の日から施行する。