○つくば市男女共同参画社会基本条例

平成16年3月26日

条例第25号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 基本計画(第7条―第9条)

第3章 基本的施策(第10条―第17条)

第4章 性別による人権侵害の禁止(第18条・第19条)

第5章 苦情等の処理(第20条・第21条)

第6章 審議会(第22条)

第7章 委任(第23条)

附則

男女共同参画社会は、男女が家庭生活においても、社会生活においても、互いに尊重し合い、共に責任を分担し、柔軟に役割を考え、あらゆる分野の活動に性別にかかわりなく個性と能力に応じて対等に参画して、固有な人格の自由な発展を育む社会である。

21世紀をむかえ、社会は少子高齢化の進行、経済活動の成熟化、情報通信をはじめとする科学技術の進歩など、急速な変化を遂げている。こうした中で、生きがいをもって自分らしく生き生きとした生活を送るためには、なお一層の男女共同参画社会の進展が図られなければならない。このことは、つくば市が掲げる人間性の尊重というまちづくりの理念にも合致するものである。

つくば市が、国際都市にふさわしく、他の都市の模範となるような活力あるまちづくりをするためには、男女共同参画社会の実現を市政の最重要課題の一つとして位置付け、総合的な施策を展開することが必要である。

よって、ここに男女共同参画社会を推進する取組を明らかにし、目指す社会の実現を図るため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画社会の形成に関し基本理念を定め、つくば市(以下「市」という。)、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会を実現することを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画社会 男女平等の実現を目指し、男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会をいう。

(2) 市民 市内に居住し、又は勤務し、若しくは通学する者をいう。

(3) 事業者 市内で事業を営むための事務所又は事業所を有する個人又は法人その他の団体をいう。

(4) 積極的改善措置 社会のあらゆる分野における活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(5) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動又は不必要な身体への接触により、他の者を不快にさせ、当該者の社会生活のあらゆる場面においてその環境を害すること及び当該性的言動への対応を理由として、当該者に不利益を与えることをいう。

(6) ドメスティック・バイオレンス 配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)又はかつて配偶者であった者に対する暴力的な行為(身体的又は精神的な苦痛を与える行為をいう。以下同じ。)及び当該暴力的行為に付随して生じる子への暴力的な行為をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画社会の実現は、次に掲げる基本理念に基づき推進されなければならない。

(1) 男女が一人の人間として性別により差別されることなく、その人権が尊重されること。

(2) 男女が社会的文化的に形成された性差による固定的な役割を強制されることなく、自立した個人としてその能力を十分に発揮し、自己の意思と責任により多様な生き方を選択することができるように配慮されること。

(3) 政策又は方針の立案、決定等意思決定の過程への女性の参画を促進するため、女性が自らの意識及び能力を高め、主体的に思考し、かつ、行動できるように配慮されること。

(4) 社会のさまざまな構成員が、あらゆる機会や場面において、必要な情報及び意思の交換が円滑にできるように配慮されること。

(5) 国際的協調の下に行われること。

(市の責務)

第4条 市は、男女共同参画社会の形成を施策の主要な方針として位置付け、前条に定める基本理念に基づき、男女共同参画の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 市は、男女共同参画の推進に当たり、市民、事業者、国及び他の地方公共団体と連携し、及び協力するものとする。

3 市は、第1項に定める施策を企画し、調整し、及び実施するために必要な体制を整備しなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、男女共同参画社会の形成に関する理解を深め、男女共同参画の推進に努めるとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、その事業活動に関し、第3条に定める基本理念に基づき、男女共同参画社会の形成の促進に努めなければならない。

2 事業者は、男女共同参画社会の推進を阻害するセクシュアル・ハラスメント等の人権侵害が生じないよう職場環境の整備に努めなければならない。

3 事業者は、男女が仕事、育児及び介護を含めた家庭生活並びに地域内における活動について、両立できるような職場環境の整備に努めなければならない。

4 事業者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するとともに、必要に応じ積極的改善措置を講じるよう努めなければならない。

第2章 基本計画

(基本計画の策定)

第7条 市は、男女共同参画の総合的かつ計画的な推進を図るため、男女共同参画推進基本計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 男女共同参画の推進を図るための総合的かつ計画的な施策の大綱

(2) 男女共同参画の推進を図るための基本的施策の実施に必要な事項

3 市は、基本計画を策定するに当たっては、市民及び事業者の意見を聴取するとともに、つくば市男女共同参画審議会に諮問しなければならない。

4 市は、基本計画を策定したときは、これを公表するものとする。

5 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。

(施策実施等の評価)

第8条 市は、男女共同参画の推進を図るため、基本的施策の策定及び実施について合理的かつ適切に評価するための措置を講じなければならない。

(年次報告等)

第9条 市は、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況、今後の施策の実施予定等について、毎年、報告書を作成し、公表しなければならない。

第3章 基本的施策

(政策等決定過程における男女共同参画の推進)

第10条 市は、政策又は方針の決定過程への男女共同参画を推進するため、次に掲げる施策の実施に努めなければならない。

(1) 市の各種委員会、審議会等の委員その他の構成員に関する男女共同参画

(2) 女性職員の積極的な職域拡大、管理職等への登用及び能力開発

(雇用の分野における男女共同参画の推進)

第11条 市は、雇用の分野における男女共同参画を推進するため、事業者に対して必要な情報の提供その他の支援を行うよう努めるとともに、男女共同参画の実施状況に関する報告及び適切な措置を講じるよう協力を求めることができる。

2 市は、前項に定める報告に基づき、男女共同参画に対する取組状況について公表することができるものとする。

3 市は、男女共同参画の推進に関し主体的かつ積極的に取り組んでいる事業者を表彰し、公表するものとする。

(自営の商工業及び農業分野における男女共同参画の推進)

第12条 市は、自営の商工業及び農業分野における男女共同参画の推進を図るため、次に掲げる措置を講じるよう努めるものとする。

(1) 経営に女性が主体的に参画することができるような環境を整備するとともに、能力の開発及びその能力が適正に評価されるような支援体制を整備する措置

(2) 経営者、その配偶者及びその他の家族の自由な意思に基づき、経営の目標、収益の分配、経営の移譲の計画、就業時間等について取り決める家族経営協定などの就業に関する条件を整備するための措置

(3) 前2号に掲げるもののほか、自営の商工業及び農業分野における男女共同参画の推進を図るために必要な措置

(高度情報社会における男女共同参画の推進)

第13条 市は、高度情報社会における男女共同参画の推進を図るため、男女があらゆる機会に必要な情報を得ること及び男女が平等にその能力を発揮することができるよう、情報技術及び知識の習得等の学習環境を整備するための措置を講じるよう努めるものとする。

(教育の場における男女共同参画の推進)

第14条 市は、市民が男女共同参画についての関心と理解を深めるため、学校教育及び生涯学習の場における男女共同参画に関する教育又は学習の振興を図るための必要な措置を講じるよう努めるものとする。

2 市は、学校教育及び生涯学習において、男女が性別により差別されることなく、個人の能力及びその個性に応じて学校教育又は生涯学習の場に参加できるような環境を整備するとともに、その活動を支援するよう努めるものとする。

(家庭生活と社会生活等の調和)

第15条 市は、家庭責任を有する男女が対等な立場で、家庭生活及び家庭生活以外の活動が両立することができるよう、支援その他の必要な措置を講じるものとする。

(健康の保持及び増進)

第16条 市は、男女が対等な立場において互いの性への理解を深めることにより、妊娠及び出産について女性の意思を尊重し、並びに性と生殖に係る健康保持を図るよう必要な措置を講じるものとする。

2 市は、男女がその生涯にわたる心身の健康を保持し、及び増進をするための教育、啓発、健康相談等の必要な措置を講じるものとする。

(施策の推進体制の整備)

第17条 市は、市民及び事業者の協力の下に施策を実施するため、必要な推進体制の整備に努めるものとする。

第4章 性別による人権侵害の禁止

(性別による人権侵害の禁止及び被害者保護等)

第18条 何人も、ドメスティック・バイオレンス、セクシュアル・ハラスメント等の性別による差別的取扱い及び人権の侵害を行ってはならない。

2 市は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する人権の侵害に関し、市民又は事業者から相談等の申出があったときは、当該相談等の申出に速やかに対処するとともに、関係機関又は団体と密接に連携して一時保護等の適切な措置を講じるよう努めるものとする。

(男女共同参画を阻害する情報等への対応)

第19条 何人も、広告、ポスター等の公衆に対して表示する情報において、異性に対する暴力的行為及び性の商品化を助長し、又はこれらを連想させる表現を行わないように努め、男女共同参画の推進を阻害しないようにしなければならない。

2 市は、前項の規定に反すると認めたときは、当該情報の表示にかかわった者に対して撤去勧告等の必要な措置を講じるものとする。

第5章 苦情等の処理

(苦情等の処理)

第20条 市民は、男女共同参画社会の形成の促進を阻害すると認められる事項に関する苦情その他の意見(以下「苦情等」という。)を市長に申し出ることができる。

2 市長は、前項の規定による申出を受けた場合において、必要と認めるときは、調査を行うことができる。

3 前項の規定に基づく調査の対象となる関係者は、当該調査に協力するよう努めなければならない。

4 前3項に定めるもののほか、苦情等の処理に関し必要な事項は、規則で定める。

(報告等)

第21条 市は、前条に規定する苦情等の処理に関し、つくば市男女共同参画審議会に報告するとともに、必要に応じ、当該関係者に対し是正のための助言、指導等を行うことができる。

第6章 審議会

(審議会の設置)

第22条 市長の諮問に応じ、男女共同参画の推進に関する基本的及び総合的施策並びに重要事項を調査審議し、答申するため、つくば市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長が任命する委員20人以内で組織する。この場合において、男女のいずれかの一方の委員の数は、委員の総数の4割未満であってはならない。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

4 委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第7章 委任

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

つくば市男女共同参画社会基本条例

平成16年3月26日 条例第25号

(平成16年3月26日施行)

体系情報
第7編 生/第5章 市民生活/第2節
沿革情報
平成16年3月26日 条例第25号