○宇部・山陽小野田消防組合情報公開条例

平成24年3月1日

条例第3号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 公文書の公開(第5条―第13条)

第3章 審査請求(第14条―第18条)

第4章 雑則(第19条―第23条)

附則

様々な時代の潮流が押し寄せ、地方自治体を取り巻く環境の変化の進展が一層加速している中で、公正で開かれた組合行政を推進することにより、真に民主的な地方自治が確立されることが求められている。

このような情勢の中では、組合行政の透明性の向上を図り、住民の的確な監視の下に、住民のための組合行政を展開していくことがますます重要となっている。

したがって、日本国憲法の理念に基づく住民の「知る権利」を具現化するため、公文書の公開を請求する権利を明らかにするとともに、組合の諸活動を住民に説明する責務を積極的に果たすことにより、住民と組合の情報の共有化を図っていく必要がある。

このような考え方に立ち、この条例を制定するものである。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、公文書の公開について必要な事項を定めることにより、組合行政に対する住民の理解と信頼を深め、住民の組合行政への参加を促進し、もって住民と組合が協力して、よりよいまちづくりを進めることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「実施機関」とは、管理者、消防長、監査委員及び議会をいう。

2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図面、写真及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、決裁若しくは供覧又は記録管理の意思決定の手続が終了し、当該実施機関が保有しているもの(電磁的記録については、実施機関が現に保有するプログラム又は手段により紙媒体に印刷可能なもの)をいう。ただし、次に掲げるものを除く。

(1) 法令、条例その他の規程(以下「法令等」という。)により公文書の閲覧若しくは縦覧又は謄本、抄本等の交付の手続が定められている場合における当該公文書

(2) 図書館その他の組合の機関が一般の利用に供することを目的として管理している図書、資料、刊行物その他の公文書

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、この条例の運用に当たっては、公文書の公開を請求するものの権利を十分に尊重し、原則として公文書を公開するとともに、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

(利用者の責務)

第4条 この条例の定めるところにより公文書の公開を請求しようとするものは、この条例の目的に従い、その権利を濫用することなく、適正な請求に努めるとともに、公文書の公開を受けたときは、これによって得た情報を適正に使用しなければならない。

第2章 公文書の公開

(公文書の公開を請求できるもの)

第5条 住民に限り、この条例の定めるところにより、実施機関に対して、公文書の公開を請求することができる。

2 前項の規定にかかわらず、住民以外のもので実施機関が行う事務事業に利害関係を有するものは、第1条に規定する目的によると認められるときは、住民とみなす。

(公文書の公開の請求方法)

第6条 前条の規定による公開の請求(以下「公開請求」という。)をしようとするものは、次に掲げる事項を記載した請求書(以下「公開請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。

(1) 公開請求をする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)

(2) 公開請求をしようとする公文書を特定するために必要な事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項

2 実施機関は、公開請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求をしたもの(以下「公開請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、公開請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

(公文書の公開義務)

第7条 実施機関は、公開請求があったときは、公開請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報(以下「非公開情報」という。)が記録されている場合を除き、公開請求者に対し、当該公文書を公開しなければならない。

(1) 法令等の定めるところ又は実施機関が法律上従う義務を有する主務大臣その他国の機関の指示により、公にすることができないと認められる情報

(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報

 公表することを目的として実施機関の職員が作成し、又は取得した情報

 人の生命、健康、生活若しくは財産又は自然環境を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報

 当該個人が公務員等(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)第5条第1号ハに規定する公務員等をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職又は氏名及び当該職務遂行の内容に係る部分

(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)、地方公共団体及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの又は公にしないとの条件で任意に提供されたもののうち、当該条件を付することが合理的であると認められるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法人等又は個人の事業活動により生ずる危害から人の生命、身体又は健康を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報

 法人等又は個人の違法又は不当な事業活動により生ずる支障から人の生活若しくは財産又は自然環境を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報

 又はに掲げる情報に準ずる情報であって、公にすることが公益上必要であると認められるもの

(4) 公にすることにより、人の生命、身体又は財産の保護、犯罪の予防その他公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれのある情報

(5) 組合の機関又は国、独立行政法人等、他の地方公共団体若しくは地方独立行政法人(以下「国等」という。)の機関の事務事業の意思形成の過程において行われる組合の機関(組合の執行機関の附属機関、専門委員その他これらに類するものを含む。)内部若しくは相互間又は組合の機関と国等の機関との間における審議、検討、調査、研究等に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に住民に誤解を与え、若しくは混乱を招くおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの

(6) 組合の機関又は国等の機関が行う検査、監査、取締り、試験、契約(入札を含む。)、争訟、交渉、人事その他の事務事業に関する情報であって、公にすることにより、当該事務事業又は将来の同種の事務事業の目的が損なわれるおそれ又は当該事務事業の円滑かつ適正な執行に著しい支障を及ぼすおそれがあるもの

(7) 組合の機関と組合の機関以外のものとの間における協議、協力、依頼等により実施機関の職員が作成し、又は取得した情報であって、公にすることにより、組合の機関以外のものとの協力関係又は信頼関係が著しく損なわれるおそれがあるもの

(部分公開等)

第8条 実施機関は、公開請求に係る公文書の一部に非公開情報が記録されている場合において、非公開情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、公開請求者に対し、当該部分を除いた部分を公開しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。

2 実施機関は、公開請求に係る公文書の一部に非公開情報が記録されている場合であっても、期間の経過により非公開とする理由がなくなったときは、当該情報を公開しなければならない。

(公益上の理由による裁量的公開)

第9条 実施機関は、公開請求に係る公文書に非公開情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認められるときは、公開請求者に対し、当該公文書を公開することができる。

(公文書の存否に関する情報)

第10条 実施機関は、公開請求に対し、当該公開請求に係る公文書が存在しているか否かを明らかにするだけで、非公開情報を公開することとなるときは、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該公開請求を拒否することができる。

(公開請求に対する決定等)

第11条 実施機関は、公開請求に係る公文書の全部又は一部を公開するときは、その旨の決定をし、公開請求者に対し、その旨及び公文書の公開をする日時、場所その他必要な事項を書面により通知しなければならない。

2 実施機関は、公開請求に係る公文書の全部を公開しないとき(公開請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、公開しない旨の決定をし、公開請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。この場合において、期間の経過により公開しない旨の決定をした理由がなくなることが明らかであるときは、その時期を併せて通知しなければならない。

3 前2項の決定(以下「公開決定等」という。)は、公開請求書を受理した日から起算して14日以内にしなければならない。ただし、第6条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

4 前項の規定にかかわらず、実施機関は、やむを得ない理由があるときは、公開請求書を受理した日から起算して60日を限度として、同項に規定する期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、公開請求者に対し、速やかに延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

5 第1項又は第2項の規定により公開請求に係る公文書の全部又は一部を公開しないときは、公開請求者に対し、各該当規定の書面によりその理由を示さなければならない。

6 実施機関は、公開請求に係る公文書に当該実施機関以外のもの(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、当該第三者に対し、必要に応じ、意見を述べる機会を与えることができる。

7 実施機関は、前項の規定により意見を述べる機会を与えられた第三者が公文書の公開に反対の意思を表示した場合において、第1項の決定をするときは、当該決定後直ちに、反対の意思を表示した第三者に対し、当該決定をした旨及びその理由並びに公文書の公開をする日を書面により通知しなければならない。

(公文書の公開の方法)

第12条 公文書の公開は、公文書を閲覧に供し、又は写しを交付することにより行う。

2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、公文書を閲覧に供することにより、当該公文書が汚損し、又は破損するおそれがあるとき、第8条第1項の規定により公文書の一部を公開するときその他相当の理由があるときは、当該公文書を複写したものを閲覧に供し、又はその写しを交付することができる。

3 前項の規定により公文書を複写したものを閲覧に供し、又はその写しを交付することは、公文書の公開とみなす。

(費用の負担)

第13条 公文書の公開に係る手数料は、無料とする。

2 公文書の写しの交付又は送付を受ける公開請求者は、当該写しの交付又は送付に要する費用を負担するものとする。

第3章 審査請求

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第14条 第11条第3項の公開決定等、宇部・山陽小野田消防組合行政手続条例(平成24年条例第3号)第6条の規定による公開の拒否又は公開請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。

(1)及び(2) 削除

(審査請求に係る諮問)

第14条の2 第11条第3項の公開決定等、宇部・山陽小野田消防組合行政手続条例第6条の規定による公開の拒否又は公開請求に係る不作為に係る審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第16条に規定する宇部・山陽小野田消防組合情報公開審査会に諮問し、その議を経て当該審査請求に対する裁決をしなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下するとき。

(2) 裁決により、審査請求の全部を認容し、公開決定等(公開請求に係る公文書の全部を公開する旨の決定を除く。以下この号及び次条において同じ。)を取り消し、又は変更し、当該審査請求に係る公文書の全部を公開するとき(当該公開決定等について第11条第6項の規定により第三者が公文書の公開に反対の意見を表示しているときを除く。)

2 前項の規定による宇部・山陽小野田消防組合情報公開審査会への諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法29条第2項の弁明書及び同法第30条第1項に規定する反論書並びに同条第2項に規定する参加人の意見書の写し(反論書又は参加人の意見書の写しにあっては、提出があった場合に限る。)を添えてするものとする。

(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)

第15条 第11条第7項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。

(1) 第11条第1項の決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決

(2) 審査請求に係る公開決定等を変更し、当該公開決定等に係る公文書を公開する旨の裁決(第三者である参加人が当該公文書の公開に反対の意思を表示している場合に限る。)

(宇部・山陽小野田消防組合情報公開審査会)

第16条 第14条の2第1項の規定による諮問に応じ審査請求について調査審議するため、宇部・山陽小野田消防組合情報公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、前項に定めるもののほか、本組合の情報公開制度の運営に関する事項について、実施機関に対し意見を述べることができる。

3 審査会は、委員4人以内をもって組織する。

4 委員は、優れた識見を有する者のうちから、管理者が任命する。

5 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

7 審査会の会議は、これを公開しない。

(審査会の調査権限)

第17条 審査会は、必要があると認めるときは、審査会に諮問した実施機関(以下「諮問実施機関」という。)に対し、審査請求のあった公開決定等に係る公文書の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、審査会に対し、その提示された公文書の公開を求めることはできない。

2 諮問実施機関は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んではならない。

3 審査会は、必要があると認めるときは、諮問実施機関に対し、審査請求のあった公開決定等に係る公文書に記録されている情報の内容を審査会の指定する方法により分類し、又は整理した資料を作成し、審査会に提出するよう求めることができる。

4 第1項及び前項に定めるもののほか、審査会は、必要があると認めるときは、審査請求人、参加人及び諮問実施機関(以下「審査請求人等」という。)に意見若しくは説明又は意見書若しくは資料の提出を求めること、適当と認める者に事実を陳述させること、その他必要な調査をすることができる。

(意見の陳述等)

第17条の2 審査会は、審査請求人等から申出があったときは、当該審査請求人等に、口頭で意見を述べる機会を与え、又は意見書若しくは資料の提出を認めることができる。

(提出資料の写しの送付等)

第17条の3 審査会は、第17条第3項若しくは前条の規定により提出された意見書又は第17条第3項若しくは第4項若しくは前条の規定により提出された資料の写し(電磁的記録にあっては、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面)を当該意見書又は資料を提出した審査請求人等以外の審査請求人等に送付するものとする。ただし、第三者の利益を害するおそれがあると認められるとき、その他正当な理由があるときは、この限りでない。

2 審査会は、前項の規定による送付をするときは、当該送付に係る意見書又は資料を提出した審査請求人等の意見を聴かなければならない。ただし、審査会がその必要がないと認めるときは、この限りでない。

3 審査請求人及び参加人は、諮問実施機関に対し、諮問実施機関が審査会に提出した意見書又は資料の閲覧を求めることができる。この場合において、諮問実施機関は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるときは、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

4 諮問実施機関は、前項の規定による閲覧について、その日時及び場所を指定することができる。

(規則への委任)

第18条 第16条から前条までに定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、組合規則で定める。

第4章 雑則

(公文書の公開状況の公表)

第19条 管理者は、この条例の規定による公文書の公開の状況を毎年度公表しなければならない。

(出資法人等の情報公開)

第20条 管理者は、組合が出資している法人のうち組合規則で定めるものに対し、この条例の趣旨にのっとり情報の公開を行うための必要な措置を講ずるようその指導に努めるものとする。

2 管理者は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の規定により組合が公の施設の管理を行わせている法人その他の団体に対し、この条例の趣旨にのっとり当該公の施設の管理に関する業務に係る情報の公開を行うための必要な措置を講ずるよう、その指導に努めるものとする。

(公文書の管理)

第21条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、組合規則及び実施機関(管理者及び消防長を除く。)の規則その他の規程(第23条において「組合規則等」という。)の定めるところに従い、公文書の適切な管理に努めるものとする。

(情報公開の総合的な推進)

第22条 実施機関は、公文書の公開のほか、情報の提供その他の情報公開に関する施策の充実を図り、組合行政に関する情報を住民が容易に得られるよう情報公開の総合的な推進に努めるものとする。

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、組合規則等で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(適用)

2 この条例の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に実施機関の職員が作成し、又は取得した公文書について適用する。

(経過措置)

3 施行日の前日までに、宇部市情報公開条例(平成12年宇部市条例第3号)(宇部市消防本部に関する部分に限る。)又は山陽小野田市情報公開条例(平成17年山陽小野田市条例第8号)(山陽小野田市消防本部に関する部分に限る。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(任意的公開)

4 実施機関は、施行日前に作成し、又は取得した公文書の開示の請求があった場合は、これに応ずるよう努めるものとする。

(平成28年2月17日条例第1号)

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

宇部・山陽小野田消防組合情報公開条例

平成24年3月1日 条例第3号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第4編 組織・処務
沿革情報
平成24年3月1日 条例第3号
平成28年2月17日 条例第1号