○不利益処分についての審査請求に関する規則
昭和三十九年十二月二十五日
公平委規則第二号
第一節 総則
(この規則の目的)
第一条 この規則は、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号。以下「法」という。)第八条第七項及び第五十一条の規定に基づき、職員の懲戒その他その意に反する不利益処分(以下「処分」という。)についての審査請求の手続及び審査の結果執るべき措置に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(当事者)
第二条 当事者とは、審査請求人及び処分者をいう。
2 処分について審査請求をする者を審査請求人と、処分を行った者を処分者という。ただし、処分者が当該処分を行った後においてその職を離れた場合には、その職又はこれに相当する職にある者を処分者とみなす。
(代理人)
第三条 当事者は、必要があるときは、代理人を選任し、及び解任することができる。
2 公平委員会は、審理の円滑迅速な進行と公正な運営を期するため特に必要があると認めるときは、代理人の数を制限することができる。
3 当事者は、代理人を選任し、又は解任した場合においては、その者の氏名、住所又は居所及び職業を公平委員会に届け出なければならない。
(代理人の権限)
第三条の二 代理人は、当事者のために、その事案の審査に関し必要な行為をすることができる。ただし、審査請求の全部又は一部を取り下げることはできない。
2 代理人の行った行為は、当事者が直ちに取り消し、又は訂正したときは、その効力を生じない。
第二節 審査請求
(審査請求)
第四条 処分についての法第四十九条の二第一項の規定による審査請求は、審査請求書正副各一通を公平委員会に提出しなければならない。
2 審査請求書には、次の各号に掲げる事項を記載し、審査請求人が記名押印しなければならない。
一 処分を受けた者の氏名及び住所又は居所及び生年月日
二 処分を受けた者の処分を受けた当時の職
三 処分を行った者の職及び氏名
四 処分の内容及び処分を受けた年月日
五 処分があったことを知った年月日
六 処分に対する審査請求の理由
七 口頭審理を請求する場合は、その旨及び公開又は非公開の別
八 法第四十九条第一項又は第二項に規定する処分説明書(以下「処分説明書」という。)の交付を受けた年月日。ただし、処分説明書が交付されなかったときは、その経緯
九 審査請求の年月日
3 審査請求書には、正副ともに処分説明書の写し各一通を添付しなければならない。ただし、処分説明書が交付されなかったときは、この限りでない。
4 審査請求書に記載した事項に変更を生じた場合には、審査請求人は、そのつど、その旨をすみやかに公平委員会に届け出なければならない。
(審査請求の受理及び却下)
第五条 審査請求書が提出されたときは、公平委員会は、その記載事項及び添付書類並びに処分の内容、審査請求人の資格及び審査請求の期限等について調査し、審査請求を受理すべきかどうかを決定しなければならない。
2 前項に規定する調査の結果、審査請求書に不備の点があると認められるときは、公平委員会は、相当の期間を定めて、審査請求人にその補正を命ずることができる。ただし、不備の点が軽微であって事案の内容に影響がないものと認められるときは、公平委員会は、職権でこれを補正することができる。
3 審査請求人が前項の補正命令に従わなかった場合には、公平委員会は、審査請求を却下することができる。
4 公平委員会は、審査請求を受理すべきものと決定したときは、その旨を当事者に通知するとともに、処分者に審査請求書の副本を送付しなければならない。審査請求を却下すべきものと決定したときは、その旨を審査請求人に通知しなければならない。
第三節 審査の手続
(審査の併合)
第六条 公平委員会は、当事者の申請又は職権により、同一又は相関連する事案に係る数個の審査請求を併合して審査することを適当と認めるときは、これを併合して審査することができる。公平委員会は、必要があると認めるときは、併合した審査を分離することができる。
2 前項の規定による審査を併合し、及び分離する場合においては、公平委員会は、その旨を当事者に通知しなければならない。
(代表者)
第六条の二 審査の併合に係る事案の審査請求人は、それらのうちから代表者一名を選任し、及び解任することができる。
2 審査請求人が代表者を選任し、又は解任したときは、その者の氏名を公平委員会に届け出なければならない。
3 代表者は、審査請求人のために、その事案の審査に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の全部又は一部を取り下げることはできない。
4 代表者が選任されている場合には、審査請求人に対する通知その他の行為は、代表者にすれば足りるものとする。
(書面審理)
第七条 公平委員会は、書面審理を行う場合においては、期限を定めて、審査請求人に対し証拠の提出を求めるとともに、期限を定めて処分者から答弁書及び証拠の提出を求めるものとする。
2 公平委員会は、答弁書が提出された場合には、審査請求人にその写しを送付し、必要があると認めるときは、期限を定めて、反論書の提出を求めることができる。
3 公平委員会は、反論書が提出された場合には、処分者にその写しを送付しなければならない。
4 公平委員会は、必要があると認めるときは、当事者に質問し、又は立証を求めることができる。
5 当事者は、審査が終了するまでは、公平委員会に対し、口頭で意見を述べる機会を与えられるよう申し出ることができる。
6 公平委員会は、必要があると認めるときは、職権で証拠調べをすることができる。
7 当事者は、審査が終了するまでは、何時でも公平委員会に対し証拠の申出をすることができる。ただし、公平委員会が必要がないと認めるときは、これを取調べないことができる。
8 公平委員会による証人の喚問は、次の各号に掲げる事項を記載した呼出状により行わなければならない。
一 証人として指名された者の氏名、住所及び職業
二 出頭すべき日時及び場所
三 陳述を求めようとする事項
9 公平委員会は、証人に対して陳述を求めようとする場合においては、あらかじめ宣誓を行わせなければならない。
10 公平委員会は、証人に対し、口頭による陳述にかえて、次の各号に掲げる事項を記載した書面で、口述書の提出を求めることができる。
一 口述書を提出すべき証人の氏名、住所及び職業
二 口述書を提出すべき日時及び場所
三 口述書により陳述を求めようとする事項
11 公平委員会は、必要があると認めるときは、証人相互の対質を求めることができる。
12 公平委員会は、書証を所持する者に対して書類又はその写しの提出を求める場合においては、次の各号に掲げる事項を記載した書面で、これを行わなければならない。
一 書類又はその写しを提出すべき者の氏名、住所及び職業
二 書類又はその写しを提出すべき日時及び場所
三 提出すべき書類又はその写し
13 公平委員会は、書面審理の都度、その要領を記載した審理調書を公平委員会の事務職員に作成させなければならない。審理調書には、審理を担当した公平委員会の委員及び審理調書を作成した事務職員が記名押印しなければならない。
(口頭審理)
第八条 公平委員会は、口頭審理を行う場合においては、そのつど書面で口頭審理の日時及び場所を当事者に通知しなければならない。
4 公平委員会は、必要があると認めるときは、当事者相互、当事者と証人又は証人相互の対質を求めることができる。
5 公平委員会は、口頭審理において、発言を許し、若しくはその指揮に従わない者の発言を禁止し、又は公平委員会の職務の執行を妨げる者若しくは不当な行状をする者を退席させ、その他口頭審理における秩序を維持するために必要な措置をとることができる。
6 当事者の一方、その代理人及び代表者がともに口頭審理の期日に正当な理由がなくて出席しなかったとき、又は出席しても相手方の主張した事実について争わなかったときは、その主張した事実を承認したものとみなすことができる。
7 公平委員会は、口頭審理を終了するに先き立って、当事者に対して、最終陳述をし、かつ、必要な証拠を提出することができる機会を与えなければならない。
(準備手続)
第八条の二 公平委員会は、必要があると認めるときは、公平委員会の委員又は事務職員に口頭審理の準備手続を行わせることができる。
2 準備手続においては、当事者は、次に掲げる事項を協議しなければならない。
一 口頭審理の期日に関する事項
二 事実の整理に関する事項
三 証拠の整理に関する事項
四 その他必要な事項
3 公平委員会は、準備手続における協議のつど準備手続調書を公平委員会の事務職員に作成させなければならない。この場合においては、第七条第十三項後段の規定を準用する。
(文書の送付)
第八条の三 文書の送付は、使送又は書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして町長が定めるものによって行う。
2 文書の送付は、これを受けるべき者の所在が知れないとき、その他文書を送付することができないときは、公示の方法によってすることができる。
3 公示の方法による送付は、公平委員会が当該文書を保管し、いつでもその送付を受けるべき者に交付する旨、又はその内容の要旨を役場掲示場に掲示してするものとする。この場合においては、掲示された日から十四日を経過したときに当該文書の送付があったものとみなす。
(審査請求の取下)
第九条 審査請求人は、公平委員会が事案について裁決又は決定(以下「裁決」という。)を行うまでの間は、何時でも審査請求の全部又は一部を取り下げることができる。
2 審査請求の取下は、書面でその旨を公平委員会に申し出て行わなければならない。
3 取下のあった審査請求の部分については、初めから係属しなかったものとみなす。
(審査の打切)
第十条 公平委員会は、審査請求人の所在不明等により審査を継続することができなくなったと認める場合又は処分者による処分の取消、修正等により審査を継続する必要がなくなったと認める場合においては、審査を打ち切り、審査請求を棄却することができる。
第四節 審査の結果執るべき措置
(裁決)
第十一条 公平委員会は、審査を終了したときは、その結果に基づいて、すみやかに裁決を行い、裁決書を作成しなければならない。
2 裁決書には、次の各号に掲げる事項を記載し、委員各員が記名押印しなければならない。
一 裁決
二 理由
三 裁決の日付
3 公平委員会は、裁決書の写しを当事者に送達しなければならない。この場合においては、当事者に裁決に対する審査(以下「再審」という。)の請求権利がある旨を併せて通知するものとする。
(指示)
第十二条 公平委員会は、審査の結果、必要があると認める場合においては、任命権者に対し、書面で審査請求人がその処分によって受けた不当な取扱を是正するための指示をしなければならない。
第五節 再審
第十三条 当事者は、次の各号の一に該当する場合においては、公平委員会に対し、再審を請求することができる。
一 裁決の基礎となった証拠が虚偽のものであることが判明した場合
二 事案の審査の際提出されなかった新たな、かつ、重大な証拠が発見された場合
三 裁決に影響を及ぼすような事実について、判断の遺漏が認められた場合
2 再審の請求は、裁決のあった日の翌日から起算して三月以内に行わなければならない。
3 再審の請求は、書面で行わなければならない。
一 再審を請求する者の氏名、住所及び生年月日
二 裁決の内容及び時期
三 再審を請求する事由
(再審の請求の受理及び却下)
第十四条 公平委員会は、再審請求書が提出されたときは、その記載事項並びに再審を請求する者の資格、再審の請求期限及び再審の請求の事由等について調査し、再審の請求を受理すべきかどうかを決定しなければならない。
2 公平委員会は、再審の請求を受理すべきものと決定したときは、その旨を当事者に通知するものとともに、当事者の一方に再審請求書の副本を送付しなければならない。再審の請求を却下すべきものと決定したときは、その旨を再審を請求した者に通知しなければならない。
(職権による再審)
第十五条 公平委員会は、第十三条第一項各号に掲げる再審の事由があると認めるときは、職権により再審を行うことができる。
(審査の結果執るべき措置)
第十七条 公平委員会は、審査の結果に基づいて、最初の裁決を正当であると認める場合には、これを確認し、不当であると認める場合には、最初の裁決を修正し、又はこれにかえて新たに裁決を行わなければならない。
第六節 審査及び再審の費用
(審査及び再審の費用)
第十八条 審査及び再審の費用は、次の各号に掲げるものを除くほか、それぞれ当事者の負担とする。
二 公平委員会が行った証拠調に関する費用
三 公平委員会が文書の送達に要した費用
第七節 雑則
(雑則)
第十九条 この規則に定めるものを除くほか、処分についての審査請求の手続及び審査の結果執るべき措置に関し必要な事項は、公平委員会が定める。
附則
1 この規則は、公布の日から施行する。
2 行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和三十七年法律第六十一号。以下「整理法」という。)の施行前に提起された審査の請求については、なお従前の例による。
附則(昭和四二年九月一〇日公平委規則第一号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成一九年三月三〇日公平委規則第一号)
この規則は、平成十九年四月一日から施行する。
附則(平成一九年九月二七日公平委規則第二号)
この規則は、平成十九年十月一日から施行する。
附則(平成二九年二月二二日公平委規則第二号)
この規則は、公布の日から施行する。