○宇城市政治倫理条例〔総務課〕

平成17年9月27日

条例第219号

(目的)

第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その受託者たる市長、副市長、教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)が市民全体の奉仕者として、人格と倫理の向上に努め、いやしくもその地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、市民が市政に対する正しい認識と自覚を持ち、もって公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(市長等、議員及び市民の責務)

第2条 市長等及び議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、市民に対し自らすすんでその高潔性を明らかにしなければならない。

2 市民は、主権者として自らも市政を担い、公共の利益を実現する自覚を持ち、市長等及び議員に対し、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(政治倫理基準)

第3条 市長等及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。ただし、第6号の規定については、市長等を除く。

(1) (市が設立した公社、市が資本金、基本金その他これらに準ずるものを出資し、又は拠出している公益法人、株式会社、有限会社を含む。第15条第1項において同じ。)が行う許可、認可又は請負(下請負を含む。)その他の契約に関し、特定の企業、団体等のために有利な取り計らいをしないこと。

(2) 政治活動に関し、企業、団体等から、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄付等を受けないものとし、その後援団体についても同様に措置すること。

(3) その地位、肩書きを利用し、又はその地位に伴う影響力の行使によって金品その他のいかなる財産上の利益を求め、又は収受しないこと。

(4) 市民全体の代表者として、その品位と名誉を害するような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと。

(5) 市職員の公正な職務執行を妨げ、その権限若しくはその地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。

(6) 市職員(臨時的任用職員及び会計年度任用職員を含む。)の採用、昇格その他人事異動に関し、推薦又は紹介をしないこと。

(市民の調査請求権)

第4条 有権者は、市長等及び議員が前条に規定する政治倫理基準に違反する疑いがあると認められるときは、規則で定めるところにより、これを証する資料を添えて、市長等に係るものについては市長に、議員に係るものについては議長に、文書で調査を請求することができる。

2 議長は、前項の規定により議員に対する調査の請求を受けたときは、その書面の写しを市長に送付するものとする。

(政治倫理審査会の設置)

第5条 市長は、前条第1項の規定により調査請求を受けたとき又は前条第2項の規定による送付を受けたときは、直ちに地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、宇城市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、審査を付託しなければならない。

2 審査会は、委員10人を以って組織する。

3 審査会の委員は、社会的信望があり、地方行政に関し識見を有する者及び地方自治法第18条に定める選挙権を有する者(以下「有権者」という。)のうちから、市長が議会の同意を得て委嘱する。

4 審査会の委員の任期は、市長及び請求者に対し当該事案の審査結果の報告を終了したときまでとする。

5 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、特別な事情がある場合において出席委員の3分の2以上の同意を得たときは、非公開とすることができる。

(守秘義務等)

第6条 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

2 審査会の委員は、特定の政党、候補者、市長等又は議員を支持し、若しくは反対し、若しくはこれらの者に利益若しくは不利益を与える目的のため又は市政に影響を及ぼす目的のために、その職務を利用してはならない。

3 審査会の委員は、公平かつ適正にその職務を遂行しなければならない。

(審査会の審査・公表)

第7条 審査会は、第5条の規定による審査の付託があったときは、当該事案の適否又は存否の審査を行う。

2 審査会は、前項の審査を行うため、事情聴取等必要な調査を行うことができる。

3 審査会は、審査の付託を受けた日から起算して120日以内に審査結果を市長及び請求者に文書で報告し、併せて審査結果の要旨を公表しなければならない。

4 議員に係る審査結果については、市長は、その写しを議長に送付しなければならない。

(資産等報告書の提出)

第8条 審査会は、事案の解明のため必要があるときは、規則で定めるところにより、資産等報告書の提出を求めることができる。

(市長等及び議員の協力義務)

第9条 市長等及び議員は、審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して意見を述べなければならない。

(照会)

第10条 審査会は、必要があると認められるときは、公務所又は公私の団体に照会して事案の実態を明らかにすることができる。

(虚偽報告等の公表)

第11条 審査会は、市長等及び議員が第8条による資産等報告書の提出をせず、若しくは虚偽の報告をしたとき又は調査に協力しなかったときは、その旨を公表するものとする。

(審査会の措置)

第12条 審査会は、審査の結果、第3条に反する事実があると認められる市長等又は議員に対し、必要と認める措置を勧告することができる。

2 前項の規定による勧告は、文書を以って行い、かつ、理由を付さなければならない。

(贈収賄罪容疑による起訴後の説明会)

第13条 市長等又は議員が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条並びに公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)第1条に定める犯罪により起訴され、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等については市長が、議員については議長が、市民に対する説明会を開くことができる。

2 市長等及び議員は、起訴された日から50日以内に前項の説明会の開催を、市長等については市長に、議員については議長に対して求めることができる。この場合において、市長又は議長は、説明会を開かなければならない。

3 前2項の説明会において、市長等又は議員は、事件について釈明し、市民は市長等又は当該議員に質問することができる。

(贈収賄罪確定後の措置)

第14条 市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、議会又は市長は、市民全体の代表者としての品位と名誉を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 議会は、前項の当該議員に議会の名誉と品位を損なう重大な行為があると認めるときは、地方自治法第134条及び第135条の規定に基づき懲罰を科することができる。

(市工事等に関する遵守事項)

第15条 市長等及び議員の配偶者、2親等以内又は同居の親族、市長等及び議員が役員をしている企業並びに市長等及び議員が実質的に経営に携わる企業(以下「関係企業」という。)は、地方自治法第92条の2、第142条及び第166条第2項の規定の趣旨を尊重し、市が行う工事等の請負契約、下請工事、業務委託契約及び一般物品納入契約(以下「市工事等の契約」という。)を辞退し、市民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。

2 市長等及び議員の関係企業が、前項の規定の趣旨を尊重し、自ら市工事等の契約を辞退するときは、市長等の関係企業にあっては市長に、議員の関係企業にあっては議長に辞退届を提出するものとする。

3 議員に係る辞退届については、議長は、その写しを市長に送付しなければならない。

4 市長又は議長は、前項の規定により辞退届が提出されたときは、これを公表することができる。

(規則への委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成17年12月1日から施行する。

(平成19年3月5日条例第3号)

この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(平成19年3月14日条例第18号)

この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(令和元年9月25日条例第8号)

この条例は、令和2年4月1日から施行する。

宇城市政治倫理条例

平成17年9月27日 条例第219号

(令和2年4月1日施行)