○雲南市職員のVDT作業労働衛生管理基準
平成19年3月27日
訓令第9号
(基準設定の趣旨)
第1条 この訓令は、VDT作業に従事する雲南市職員(非常勤嘱託職員及び臨時職員を含む。以下「職員」という。)の安全と健康を確保し、適切な作業条件や快適な職場環境を保持することを目的として、VDT作業の労働衛生管理の基準を定めるものとする。
(定義)
第2条 この訓令において、VDT作業とは、ディスプレイ、キーボード等により構成されるVDT(Visual Display Terminal)機器を使用して、データの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集等及びプログラミング・監視等を行う作業をいう。
(作業環境管理)
第3条 総括安全衛生管理者は、職員の心身の負担を軽減し、職員が支障なく作業を行うことができるよう、次の各号によりVDT作業に適した作業環境の管理を行わなければならない。
(1) 照明及び採光
ア 室内は、できるだけ明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせないようにすること。
イ ディスプレイを用いる場合のディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下、書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上とすること。
また、ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキーボード面における明るさと周辺の明るさの差はなるべく小さくすること。
ウ ディスプレイ画面に直接又は間接的に太陽光等が入射する場合は、必要に応じて窓にブラインド又はカーテン等を設け、適切な明るさとなるようにすること。
(2) グレアの防止 ディスプレイについては、必要に応じ、次に掲げる措置を講ずること等により、グレアの防止を図ること。
ア ディスプレイ画面の位置、前後の傾き、左右の向き等を調整させること。
イ 反射防止型ディスプレイを用いること。
ウ 間接照明等のグレア防止用照明器具を用いること。
エ その他グレアを防止するための有効な措置を講じること。
(3) 騒音の低減措置 VDT機器及び周辺機器から不快な騒音が発生する場合には、騒音の軽減措置を講じること。
(4) その他 換気、温度及び湿度の調整、空気調和、静電気除去、休憩等のための設備について事務所衛生基準規則(昭和40年労働省令第43号)に定める措置等を講じること。
(作業管理)
第4条 連続してVDT作業に従事する場合は、ディスプレイ画面を注視する時間やキーボードを操作する時間ができるだけ短くなるよう配慮するとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 作業時間等
ア 視覚負担をはじめとする心身の負担を軽減するため、ディスプレイ画面を注視する時間やキーを操作する時間をできるだけ短くすることが望ましく、他の作業を組み込むこと又は他の作業とのローテーションを実施するなどにより、1日の連続VDT作業時間が短くなるように配慮すること。
イ 一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けること。
ウ 時間外勤務、休日勤務におけるVDT作業は行わないこと。ただし、業務の都合によりやむを得ずVDT作業を行うときは、当該課長等の承認を得た場合は、この限りではない。
エ 妊娠中の職員のVDT作業及び健康や安全に配慮し、業務分担の見直しを行うこと。
(2) VDT機器等
ア VDT機器の選択 VDT機器を事業場に導入する際には、職員への健康影響を考慮し、職員が行う作業に最も適した機器を選択し導入すること。
イ デスクトップ型機器
(ア) ディスプレイ ディスプレイは、次の要件を満たすものを用いること。
a 目的とするVDT作業を負担なく遂行できる画面サイズであること。
b フリッカーは、知覚されないものであること。
c ディスプレイ画面上の輝度又はコントラストは作業者が容易に調整できるものであることが望ましい。
(イ) 入力機器(キーボード、マウス等)
a 入力機器は、次の要件を満たすものを用いること。
(a) キーボードは、ディスプレイから分離して、その位置が職員によって調整できることが望ましい。
(b) キーボードのキーの大きさ及びキーの数がキー操作を行うために適切であること。
(c) マウスは、使用する者の手に適した形状及び大きさで、持ちやすく操作がしやすいこと。
(d) キーボードのキー及びマウスのボタンは、ストローク及び押下力が適当であり、操作したことを職員が知覚し得ることが望ましい。
b 目的とするVDT作業に適した入力機器を使用できるようにすること。
c 必要に応じ、パームレスト(リストレスト)を利用できるようにすること。
ウ ノート型機器
(ア) 適した機器の使用 目的とするVDT作業に適したノート型機器を適した状態で使用させること。
(イ) ディスプレイ ディスプレイは、上記イの(ア)の要件に適合したものを用いること。
(ウ) 入力機器(キーボード、マウス等) 入力機器は、上記イの(ア)の要件に適合したものを用いること。ただし、ノート型機器は、通常、ディスプレイとキーボードを分離できないので、小型のノート型機器で長時間のVDT作業を行う場合については、外付けキーボードを使用することが望ましい。
(エ) マウス等の使用 必要に応じて、マウス等を利用できるようにすることが望ましい。
(オ) テンキー入力機器の使用 数字を入力する作業が多い場合は、テンキー入力機器を利用できるようにすることが望ましい。
エ ソフトウェア ソフトウェアは、次の要件を満たすものを用いることが望ましい。
(ア) 目的とするVDT作業の内容、職員の技能、能力等に適合したものであること。
(イ) 職員の求めに応じて、職員に対して、適切な説明が与えられるものであること。
(ウ) 作業上の必要性、職員の技能、好み等に応じて、インターフェイス用のソフトウェアの設定が容易に変更可能なものであること。
(エ) 操作ミス等によりデータ等が消去された場合に容易に復元可能なものであること。
オ 椅子 椅子は、次の要件を満たすものを用いること。
(ア) 安定しており、かつ、容易に移動できること。
(イ) 床からの座面の高さは、職員の体型に合わせて、適切な状態に調整できること。
(ウ) 複数の職員が交替で同一の椅子を使用する場合には、高さの調整が容易であり、調整中に座面が落下しない構造であること。
(エ) 適当な背もたれを有していること。また、背もたれは、傾きを調整できることが望ましい。
(オ) 必要に応じて適当な長さのひじ掛けを有していること。
カ 机又は作業台
(ア) 作業面は、キーボード、書類、マウスその他VDT作業に必要なものが適切に配置できる広さであること。
(イ) 職員の脚の周囲の空間は、VDT作業中に脚が窮屈でない大きさのものであること。
(ウ) 机又は作業台の高さについては、次によること。
a 高さの調整ができない机又は作業台を使用する場合、床からの高さは職員の体形にあった高さとすること。
b 高さの調整が可能な机又は作業台を使用する場合、床からの高さは職員の体形にあった高さに調整できること。
(3) 調整 職員に自然で無理のない姿勢でVDT作業を行わせるため、次の事項を職員に留意させ、椅子の座面の高さ、キーボード、マウス、ディスプレイの位置等を総合的に調整させること。
ア 作業姿勢
(ア) 椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること。また、十分な広さをもち、かつ、すべりにくい足台を必要に応じて備えること。
(イ) 椅子と大腿部膝側背面との間には手指が押し入る程度のゆとりがあり、大腿部に無理な圧力が加わらないようにすること。
イ ディスプレイ
(ア) おおむね40cm以上の視距離が確保できるようにし、この距離で見やすいように必要に応じて適切な眼鏡による矯正を行うこと。
(イ) ディスプレイには、その画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましい。
(ウ) ディスプレイ画面とキーボード又は書類との視距離の差が極端に大きくなく、かつ、適切な視野範囲になるようにすること。
(エ) ディスプレイは、作業者にとって好ましい位置、角度、明るさ等に調整すること。
(オ) ディスプレイに表示する文字の大きさは、小さすぎないように配慮し、文字高さが概ね3mm以上とするのが望ましい。
ウ 入力機器 マウス等のポインティングデバイスにおけるポインタの速度、カーソルの移動速度等は、職員の技能、好み等に応じて適切な速度に調整すること。
エ ソフトウェア 表示容量、表示色数、文字等の大きさ及び形状、背景、文字間隔、行間隔等は、作業の内容、作業者の技能等に応じて、個別に適切なレベルに調整すること。
(VDT機器等及び作業環境の維持管理)
第5条 作業環境を常に良好な状態に維持し、VDT作業に適したVDT機器等の状況を確保するため、次により点検及び清掃を行い、必要に応じ、改善措置を講じること。
(1) 日常の点検 作業者には、日常の業務の一環として、作業開始前又は一日の適当な時間帯に、採光、グレアの防止、換気、静電気除去等について点検させるほか、ディスプレイ、キーボード、マウス、椅子、机又は作業台等の点検を行わせること。
(2) 定期点検 照明及び採光、グレアの防止騒音の低減、換気、温度及び湿度の調整、空気調和、静電気除去等の措置状況及びディスプレイ、キーボード、マウス、椅子、机又は作業台等の調整状況について定期に点検すること。
(3) 清掃 日常及び定期に作業場所、VDT機器等の清掃を行わせ、常に適正な状態に保持すること。
(健康管理)
第6条 任命権者は、職員の健康を守るため、VDT作業に従事する職員に対し、次に掲げる健康診断を実施するものとする。
(1) 断続的VDT作業に従事する職員のうち、特別な健康診断を必要とする職場又は業務へ配置となった者には、特別な健康診断を実施すること。
(2) 前号に規定する職員が、その後において断続的VDT作業に従事する場合は、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第44条に規定する定期健康診断のほか、安全衛生委員会及び産業医の意見を踏まえ特別な健康診断を実施すること。
2 健康診断の結果、必要に応じ医療上及び就業上の適切な措置を講ずること。
(労働衛生教育)
第7条 任命権者は、VDT作業に従事する職員に対し、当該職員が自主的に健康を維持管理し、かつ、増進していくために必要な知識についての教育を行うとともに必要に応じ、VDT作業に従事する職員を直接管理監督する職員にも適切な教育を行うものとする。
(配慮事項等)
第8条 高齢者及び障害者等に対する配慮は、次のとおりとする。
(1) 高齢者に対する配慮事項 高年齢の作業者については、照明条件やディスプレイに表示する文字の大きさ等を作業者ごとに見やすいように設定するとともに、過度の負担にならないように作業時間や作業密度に対する配慮を行うことが望ましい。
(2) 障害等を有する作業者に対する配慮事項 VDT作業の入力装置であるキーボードとマウスなどが使用しにくい障害等を有する者には、必要な音声入力装置等を使用できるようにするなどの必要な対策を講じること。
(その他)
第9条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は総括安全衛生管理者が別に定める。
附 則
この訓令は、平成18年4月1日から施行する。
別表第1(第6条関係)
健康診断実施項目 | ||
1 業務歴の調査 | ||
2 既往歴及び自覚症状の有無の調査 | ||
3 眼科学的検査 | (1) 視力検査 | ア 5メートル視力の検査 イ 近方視力の検査 |
(2) 眼位検査 | ||
(3) 調節機能検査 | ア 近点距離の測点 イ 調節時間の測点 | |
(4) 眼圧検査 | ||
(5) その他医師が必要と認める検査 | ||
4 筋骨格系に関する他覚的検査 | (1) 視診 | |
(2) 触診 | ||
(3) 握力検査 | ||
(4) タッピングテスト | ||
(5) その他医師が必要と認める検査 | ||
5 その他医師が必要と認める者についての必要な検査 |
別表第2(第6条関係)
区分 | 職場又は業務名 |
健康診断を必要とする職場 | 総務部情報システム課 |
健康診断を必要とする業務 | 安全衛生委員会で特に必要と認めたもの |