○公立大学法人大阪知的財産権取扱規程

令和4年3月31日

規程第87号

(趣旨及び総則)

第1条 この規程は、公立大学法人大阪(以下「法人」という。)が設置する大阪公立大学及び大阪公立大学工業高等専門学校(以下「大学等」という。)における学術研究の振興とその成果の社会的活用を図るために、大学等の役職員の知的財産権の取扱いに関し必要な事項を定める。

(定義)

第2条 この規程において、「知的財産」とは、知的創造の結果生み出された知的創作物のうち、次に掲げるものとする。

(1) 特許法(昭和34年法律第121号)に規定する特許権の対象となる発明、実用新案法(昭和34年法律第123号)に規定する実用新案権の対象となる考案及び意匠法(昭和34年法律第125号)に規定する意匠権の対象となる意匠並びに商標法(昭和34年法律第127号)に規定する商標権の対象となる商標をいう。

(2) 半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する回路配置利用権の対象となる回路配置

(3) 種苗法(平成10年法律第83号)に規定する育成者権の対象となる種苗

(4) 著作権法(昭和45年法律第48号)第2条第1項第10号の2に掲げるプログラムの著作物及び同項第10号の3、同法第12条の2に掲げるデータベースの著作物(以下「プログラム等の著作物」という。)

(5) ノウハウ(技術情報のうち秘匿することが可能なものであってかつ財産的価値のあるものをいう。)

2 この規程において、「知的財産権」とは前項の知的財産に係る一切の権利(特許を受ける権利等の出願等以前の権利を含む。)をいう。

3 この規程において、「発明等」とは知的財産のうち、商標を除くものをいう。

4 この規程において、「役職員」とは法人の役員及び法人と雇用関係にある者をいう。

5 この規程において、「学生」とは大学等に在籍し、役職員に研究の指導を受ける者をいう。

6 この規程において、「在籍研究者」とは、大学等に在籍する、役職員及び学生以外の者であって、大阪公立大学及び大阪公立大学工業高等専門学校客員研究員規程に定める客員研究員を含み、法人の研究活動に従事する者をいう。

7 この規程において、「発明者」とは発明等をした者をいう。

8 この規程において、「職務発明」とは、役職員がした発明等であり、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

(1) 法人が管理する研究費又は施設等を用いて行った研究の結果生じた発明等

(2) 発明等を創作するに至った行為が法人における役職員の過去又は現在の職務に属するもの

(権利の帰属)

第3条 役職員の職務発明に係る知的財産権は、原則として法人が承継するものとする。

2 発明者が在籍研究者である場合は、予め締結する在籍研究者又はその所属機関(以下「本籍機関」という。)との契約等に基づいて、その帰属を決定するものとし、在籍研究者又は本籍機関から法人への譲渡の申出があった場合は第8条に従うものとする。

3 発明者が学生である場合において、当該発明等が役職員の指導により創出された場合は、原則として法人に帰属するものとし、役職員による発明等と同様に扱うものする。ただし、当該発明等が役職員等の指導によらず、学生の独創による場合は、当該発明に係る知的財産権は当該学生に帰属するものとし、学生から法人への譲渡の申出があった場合は第8条に従うものとする。

(第三者との共同研究の場合の取扱い)

第4条 役職員と他の法人又は個人との共同による知的財産権については、当該出願又は登録(以下「出願等」という。)に係る契約等に記載された持分をこの規程に基づき、原則として法人が承継するものとする。

(国からの資金又は第三者からの受託研究の場合の取扱い)

第5条 国からの資金による研究又は民間企業等からの受託研究に基づく権利等については、当該受託研究に係る契約等に従い、この規程に基づき、原則として法人が承継するものとする。

(発明等の届出)

第6条 役職員は、その職務に関して発明等(プログラム等の著作物及びノウハウを除く。)をしたときは、速やかに理事長に書面で届け出なければならない。

2 役職員は、創作したプログラム等の著作物又はノウハウが次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに理事長に書面で届け出なければならない。

(1) 有償又は無償を問わず法人の役職員以外に利用させる場合

(2) 財産的価値が顕在化した場合

(3) その他必要と認める場合

3 複数の発明者が共同で発明等をした場合は、発明者の中から代表者(以下「代表発明者」という。)を定め、代表発明者が前項の届出を行うものとする。なお、その場合、共同発明者ごとの貢献度を届出書に記載するものとする。

(職務発明の認定及び権利の承継の決定)

第7条 理事長は、発明等の届出があったときは、第19条に定める知的財産・発明委員会(以下「委員会」という。)を招集して、当該発明等が職務発明に該当するか否かを認定し、職務発明に該当すると認定したときは、当該発明等に係る知的財産権の法人への承継当否を決定する。

2 理事長は、当該発明等に関する前項の認定及び決定が行なわれたときは、当該発明等をした発明者に対し、速やかに書面で通知する。なお、複数の発明者が共同でした発明については、代表発明者に対し、通知を行うものとする。

(任意譲渡による承継)

第8条 理事長は、発明等(前条の規定により職務発明であると認定したものを除く。)の譲渡の申出があったときは、第19条に定める委員会を招集して、当該発明等の法人への承継当否を決定するものとする。

2 前条第2項は本条の発明等に準用する。この場合において、「当該発明等に関する前項の認定及び決定が行われたときは」とあるのは「当該発明等に関する譲渡の申出があったときは」とする。

(知的財産権の出願又は登録)

第9条 理事長は、前2条の規定により発明等を法人に承継すると決定した場合において、速やかにその後の取扱いについて決定し、必要な手続を行うものとする。

(発明者による出願又は登録の制限)

第10条 第7条又は第8条が適用される(準用する場合を含む。)発明等をした発明者は、その規定に基づき、その発明等を法人が承継しない旨の通知を受けた後でなければ、自ら出願等をし、又は発明等若しくはそれに係る知的財産権を第三者に譲渡してはならない。

(知的財産権の譲渡)

第11条 届出又は申出のあった発明等について、理事長が第7条又は第8条の規定により法人が承継することを決定したときは、当該承継に係る発明者は、当該発明等を法人に譲渡しなければならない。

(外国への出願又は登録)

第12条 法人は、この規程に基づき法人が承継した知的財産権に関し、外国における権利を取得する必要があると認めたときは、当該外国における出願及び権利化のための手続きをすることができる。

(プログラム等の著作物及びノウハウの管理)

第13条 役職員は、プログラム等の著作物又はノウハウを創作したときは、当該プログラム等の著作物及びノウハウを適正に管理しなければならない。

(商標の取扱い)

第14条 役職員は、必要と認める場合、理事長に商標の譲渡を申し出ることができる。

2 前項に規定する商標の譲渡の申出があった場合、第8条乃至第11条を準用する。この場合及び第8条で準用する第7条において、「発明等」とあるのは「商標」と、「発明者」とあるのは「申出人」とする。

(適正管理)

第15条 理事長は、法人が第7条及び第8条の規定若しくはそれらを準用した規定により承継した知的財産権を常に良好な状態において管理し、適正かつ効率的に運用しなければならない。

(承継補償金等)

第16条 法人は、法人が承継した知的財産権について、当該知的財産権等を譲渡した発明者に補償金を支払う。

2 前項の補償金の区分は、次に掲げるとおりとする。

(1) 知的財産権の承継の際に支払う承継補償金

(2) 知的財産権の実施により法人が収入を得た場合の実施補償金

(3) 知的財産権の譲渡により法人が得た場合に支払う譲渡補償金

3 前項の補償金の額及び配分比率は、別に定めるものとする。

(共同発明者に対する補償)

第17条 前条に規定する補償金を受ける権利を有する発明者が2人以上あるときは、それぞれの補償金は、当該知的財産権への各発明者の貢献度に応じた額とする。

(退職又は死亡したときの補償)

第18条 前2条に規定する補償金を受ける権利は、当該権利を有する発明者が法人における身分又は学籍を喪失した後も存続するものとする。

2 前項の権利を有する発明者が死亡したときは、その相続人が当該権利を承継するものとする。

(委員会の設置)

第19条 法人に委員会を置く。

(審議事項)

第20条 委員会は、理事長の諮問に応じ、次に掲げる業務を行う。

(1) 第7条第1項に規定する職務発明の認定に係る審議

(2) 発明等に係る知的財産権の法人への承継の当否に係る審議

(3) 共同発明の場合の各発明者の貢献度に関する審議

(4) 法人が承継した知的財産権に係る審査請求の当否、権利の維持又は放棄、権利の譲渡又は譲受等の審議

(5) 発明者及び申出人の異議申し立てに関すること。

(6) この規程の改正及び運用に関すること。

(7) 前6号に掲げるもののほか、理事長が必要と認める事項の審議

(組織)

第21条 委員会は、次の各号に掲げる者をもって構成する。

(1) 産学官協創・知財担当副学長

(2) 知的財産マネジメントオフィスの構成員のうち技術評価を行う者

(3) URAセンターの構成員のうちシニアURAまたはそれに相当する者

(4) 研究推進課長・担当課長

2 委員会に委員長を置き、産学官協創・知財担当副学長をもって充てる。

3 委員会に、中百舌鳥キャンパスと杉本キャンパスに各1名の副委員長を置き、知財担当副学長が指名する者をもって充てる。

4 委員長に事故があったとき又は委員長が欠けたときは、委員長の指名、または副委員長間の協議により、いずれかの副委員長が委員長の職務を代行する。

5 委員会は毎月1回、定期的に開催するものとする。委員長は委員会の結果を含めて定例会議後に理事長に報告して承認を得るものとする。

6 委員長は、意見聴取のために必要に応じて、発明者その他当該発明等に係る分野の有識者を委員会に出席させ意見を徴することができる。

7 委員会の事務は、知的財産マネジメントオフィスの事務担当者が行う。

(会議)

第22条 委員会の会議は、委員長が招集し、委員長がその議長となる。

2 委員会は、委員の3分の2以上が出席しなければ会議を開くことができない。

3 委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 委員長及び委員は、自己に関する事項については、議事に加わることができない。ただし、委員会の同意を得たときは、この限りではない。

(異議申立て)

第23条 発明者は、第7条又は第8条、及びそれらを準用する規定による認定又は決定に対して異議があるときは、通知を受けた日から30日以内に理事長に対し書面で異議を申し立てることができる。

2 理事長は、前項の規定により異議の申立てがあったときは、委員会の意見を徴したうえで、異議申立ての当否を決定しなければならない。

3 理事長が前項の決定をしたときは、当該発明者に速やかに書面で通知しなければならない。

(秘密の保持)

第24条 発明者、委員会及び知的財産に係る関係者は、創出された知的財産又は本規程の手続きに基づき取り扱う知的財産に関連する情報を、外部に漏洩し又は開示してはならない。法人の役職員の身分を失った場合も同様とする。

(施行の細則)

第25条 この規程に定めるもののほか、知的財産権の取扱いに関し必要な事項は別に定める。

この規程は、令和4年4月1日から施行する。

公立大学法人大阪知的財産権取扱規程

令和4年3月31日 規程第87号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第6章 大阪公立大学/第8節 産学官連携・知的財産・地域貢献
沿革情報
令和4年3月31日 規程第87号