○大阪公立大学バイオリスク管理規程

令和4年3月31日

規程第128号

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)その他関係法令及び「大学等における研究用病原体の安全管理について(平成10年1月20日学術審議会特定研究領域推進分科バイオサイエンス部会報告)」に基づき、大阪公立大学(以下「本学」という。)において取り扱う病原体等の安全管理に関し必要な事項を定め、病原体等への曝露及び病原体等による事故を未然に防止することを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 「バイオリスク管理」とは、バイオセーフティ及びバイオセキュリティに関わるリスクの管理をいう。

(2) 「病原体等」とは、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫、プリオン及び病原体の産生する毒素で、生物体に危害を及ぼす要因となるものをいう。

(3) 「バイオセーフティーレベル(以下「BSL」という。)」とは、病原体等の人体又は動物へ危害を及ぼす危険性の程度に応じて定める病原体等の取扱いに関する安全対策の区分をいい、1から4までの区分に分類する。

(4) 「動物実験バイオセーフティーレベル(以下「ABSL」という。)」とは、病原体等を用いた動物実験において、人又は実験動物への危害を及ぼす危険性の程度に応じて定める病原体等の取扱いに関する安全対策の区分をいい、1から4までの区分に分類する。

(5) 「特定病原体等」とは、感染症法で規定する特定一種病原体等、二種病原体等、三種病原体等及び四種病原体等をいう。

(6) 「部局」とはバイオリスク管理を安全かつ遵法に遂行するために設ける、学部、キャンパス等の統括単位をいう。

(7) 「研究者等」とは、本学の施設内において研究及び実習を行うことを許可され、かつ、当施設内において病原体等を取扱う者並びに第7条規定する管理区域へ立ち入る者その他の病原体等に係わる業務等に従事する者(学生を含む。)をいう。

(8) 「研究グループ主任」とは、研究グループの代表者たる教員又は第4条規定する安全主任者をいう。

(9) 「病原体等安全管理区域」(以下「管理区域」という。)とは、BSL2実験室、BSL3実験室及びその他病原体等の安全管理に必要な区域をいう。なお、管理区域には、BSL2実験室及びBSL3実験室の空調及び排水等に関わる設備区域、病原体等を保管又は滅菌する区域が含まれる。

(学長の責務)

第3条 大阪公立大学長(以下、学長という)は、本学において取扱う病原体等の安全管理を統括する。

(安全主任者)

第4条 病原体等の安全管理に関して、学長を補佐するため、病原体等を取扱う部局に、バイオリスク安全主任者(以下「安全主任者」という。)を置く。

2 安全主任者は、病原体等の安全管理に関する知識及び技術を有する教員のうちから、部局の推薦により学長が任命する。

3 安全主任者は、病原体等の取扱いについて次に掲げる職務を行う。

(1) 関係法令及びこの規程にもとづき適正に処理されていることを確認すること。

(2) 学長に対して必要な助言又は勧告をすること。

(3) 教員及び研究者等に対して必要な指導又は助言を行うこと。

(4) その他病原体等の安全管理に関し必要な事項を処理すること。

(バイオリスク管理委員会)

第5条 学長は、第1条の目的を達成するため、本学にバイオリスク管理委員会(以下、「委員会」という」)を設置する。

2 委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。

(1) 各部局の安全主任者

(2) 各部局より選出された、病原体等の取扱い、遺伝子組換え実験又は動物実験等に学識経験を有する教員

(3) その他学長が必要と認めた者

(4) 第1号から第3号の委員は、学長が任命する。

3 委員の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。また、委員が任期中に辞任した場合の後任の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員会に委員長及び委員会運営に必要な人数の副委員長を置き、委員の互選によって定める。

5 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。

6 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代行する。

7 委員会は、次に掲げる事項について調査・審議するとともに、病原体等の安全管理に必要な事項を処理する。

(1) 内部規則の制定及び改廃に関すること。

(2) 病原体等のBSL及びABSLの分類に関すること。

(3) 施設設備の立ち入り調査及び安全管理に関すること。

(4) 病原体等の保管、分与、輸送及び取扱いに関すること。

(5) 教育訓練の実施及び健康診断に関すること。

(6) 曝露、事故又は災害が発生した場合は、その原因の調査及び事後処理の確認に関すること。

(7) 前各号に掲げるもののほか、病原体等の安全管理に関すること。

8 委員会は、委員の過半数の出席をもって成立し、議事は、出席委員の過半数をもって決する。可否同数のときは議長の決するところによる。

9 委員長は、必要に応じて委員以外の者に委員会への出席を求め、説明又は意見を聴取することができる。

10 委員会の庶務は研究推進課において行う。

11 前各項に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員会が別に定める。

第2章 安全管理及び運用

(取扱い基準)

第6条 病原体等の取扱いについては、病原体等のリスク群分類を基準としてリスクを評価し、病原体等のBSLの分類を定め、これに対応する実験手技と安全機器及び実験室設備を適用することで、教員及び研究者等の安全を確保するものとする。また、実験動物における病原体病原体等の取扱いについても同様とする。

2 本学における病原体等の取扱いに関わる基準、病原体等のBSLの分類及びABSLの分類は、委員会が別に定める。また、病原体等のBSL分類及びABSL分類を変更する必要が生じた場合も同様とする。

(管理区域)

第7条 学長は、病原体等の安全管理を図るため、本学のBSL2実験室、BSL3実験室その他の必要な施設に管理区域を設定する。

2 委員会は、研究グループ主任に対して、教員及び研究者等の登録を指示し、これをもってそれぞれの管理区域の立ち入りの制限を行う。

3 立ち入りを許可された教員及び研究者等は、常に身分証明書を携帯し、表示しなければならない。

4 第1項の管理区域の安全性を確保するための、立ち入りの制限、病原体等の保管、使用、運搬及び滅菌、記帳の義務及び関連情報等に関し必要な事項は、委員会が別に定める。

(実験室等の安全設備及び運営)

第8条 病原体等を取扱う実験室は、委員会が別に定める基準に従って必要な設備を備え、運営されなければならない。また、特定病原体等の保管、使用、運搬又は滅菌等を行う実験室等については、厚生労働省令で定める施設の基準を満たし、かつ保管等の基準に従って運営されなければならない。

(施設の認定)

第9条 病原体等を取扱う教員が、実験室をBSL実験室として使用するときは、委員会が別に定める様式により、申請書を学長に提出し、施設の認定を受けなければならない。

2 学長は、前項の申請があったときは、委員会に諮ったうえで、承認を与えるか否かの決定を行う。この場合において、学長は、申請内容の一部を変更して承認することができる。

3 学長は、前項の決定を行ったときは、別に定める様式により通知する。

4 第2項の承認の有効期間は、BSL2以上の実験室の場合は1年、BSL1の実験室の場合は3年以内とし、年度途中の場合は当該年度の3月31日までとする。

5 病原体等を取扱う教員は、第1項により認定を受けたBSL実験室の使用を終了するときは、委員会が別に定める様式により、終了届を学長に提出しなければならない。

(取扱い手続き)

第10条 病原体等を取扱う教員は、次に掲げる事項について、委員会が別に定める届出及び申請様式により手続きを行わなければならない。

(1) BSL1病原体等若しくはBSL2病原体等を保管しようとするとき、又はこれらの病原体若しくは病原体等を用いて実験をしようとするとき。

(2) 非特定BSL3病原体等若しくは特定病原体等を保管しようとするとき、又はこれらの病原体等を用いて実験をしようとするとき。

(3) BSL2若しくはBSL3病原体等又は特定病原体等を学外の機関から受け入れるとき。

(4) 特定病原体等以外のBSL2病原体等を本学のキャンパス間で移動させるとき。

(5) 特定病原体等以外のBSL2又はBSL3病原体等を廃棄するとき。

(6) BSL2若しくはBSL3病原体等又は特定病原体等を学外の機関に分与するとき。

(7) ランダムスクリーニング実験をしようとするとき。

(取扱い病原体等の滅菌等の処置)

第11条 BSL1と2の病原体等(これらに汚染されたと思われる物を含む。次項において同じ。)の廃棄にあたっては、別に定める滅菌等の基準に従い、当該病原体等に最も有効な消毒滅菌の方法に従い処置しなければならない。

2 BSL3の病原体等若しくは特定病原体等(これらに汚染されたと思われる物を含む。)の廃棄にあたっては、委員会が別に定める申請方法及び様式により学長に申請し、承認を得た消毒滅菌の方法に従い処置しなければならない。

(教育訓練)

第12条 学長は、教員及び研究者等を対象として、病原体等の安全管理に必要な知識及び技術の向上を図り、さらに安全管理には社会的責任を伴うことを周知させるために、講習会を開催しなければならない。

(曝露と対応)

第13条 次に揚げる場合は、これを曝露として取り扱うものとする。

(1) 外傷、吸入、粘膜曝露等により、病原体等が教員及び研究者等の体内に入った可能性がある場合

(2) 実験室内の安全設備の機能に重大な異常が発見された場合

(3) 病原体等により、実験室内が広範に汚染された場合

(4) 教員及び研究者等の健康診断の結果、病原体等によると疑われる異常が認められた場合

2 前項第1号から第3号の曝露があった場合は、速やかに委員会が別に定める措置を講じなければならない。

3 第1項第4号の曝露があった場合は、安全主任者は必要に応じて、医師の診断及び治療を受けさせるよう指示し、学長に報告する。

第3章 事故及び災害時の措置

(事故と対応)

第14条 教員及び研究者等は、病原体等の使用に係る記帳を実施する際に、使用した病原体等の保管数等の確認及び保管庫の施錠の確認等を実施し、保管する病原体等の異常の有無を確認しなければならない。

2 病原体等の盗取、所在不明その他の事故を発見した者は、委員会が別に定める措置を行うとともに、直ちに安全主任者に報告しなければならない。

3 事故の報告を受けた安全主任者は、直ちに、発見者氏名、事故発生日時及び事故の概要等の事項について確認の上、学長に報告しなければならない。

(災害時の応急措置)

第15条 学長は、地震又は火災等による災害が発生したときは、委員会が別に定める災害時の応急措置にもとづき、必要な処置を講じなければならない。

2 研究グループ主任は、緊急事態に即応した所要の措置を講じるとともに、速やかに緊急事態の内容及び範囲並びに講じた緊急措置の内容等を安全主任者及び学長に報告しなければならない。

第4章 健康管理

(健康診断)

第16条 学長は、病原体等を取扱う教員及び研究者等の健康管理について、健康診断を実施し、病原体等を取扱う教員及び研究者等はこれを受診しなければならない。

(日常の健康管理)

第17条 BSL2及びBSL3の病原体等を取扱う教員及び研究者等は、日常においても、当該病原体等による感染が疑われる場合は、直ちに研究グループ主任を通じて安全主任者にその旨を届け出なければならない。

2 前項の届出があったときは、安全主任者は、直ちに当該病原体等による感染の有無について詳細な調査をしなければならない。調査の結果、当該病原体等に感染したと認められる場合又は医学的に不明瞭である場合は、直ちに学長に報告しなければならない。

3 学長は、前項の報告を受けた場合、直ちに適切な措置を講じなければならない。

第5章 遵守義務及び罰則

(遵守義務)

第18条 教員及び研究者等は、病原体等の取扱いについて、安全管理の重要性を十分理解し、この規程を遵守するとともに、感染症法、家畜伝染病予防法、輸出貿易管理令、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律及び動物の愛護及び管理に関する法律等関連法令を遵守しなければならない。

2 教員及び研究者等は、この規程のほか本学の安全管理に関する諸規程を遵守しなければならない。

(罰則)

第19条 学長は、この規程に違反した教員及び研究者等に対し、管理区域への立ち入り及び実験室の使用等について禁止又は制限等の措置をとることができる。

(その他)

第20条 この規程に定めるもののほか、病原体等の取扱いに関し必要な事項は別に定める。

この規程は、令和4年4月1日から施行する。

大阪公立大学バイオリスク管理規程

令和4年3月31日 規程第128号

(令和4年4月1日施行)