○浦添市環境基本条例

平成23年6月29日

条例第15号

目次

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策(第9条―第26条)

第3章 推進体制(第27条―第30条)

第4章 環境審議会(第31条)

第5章 雑則(第32条)

附則

私たちの住む「てだこの都市まち・浦添」は、亜熱帯気候にある沖縄本島の南側に位置し、東シナ海に面する緩やかな傾斜にあって、琉球王統発祥の地として自然と調和した政治・経済や歴史文化が栄えた地である。

しかし、先の大戦はこの地を壊滅的に破壊した。終戦後、米国統治の下に進められた基地建設は、農業主体の産業構造を変化させ土地利用の在り方に変化をもたらした。また、日本復帰後もこの産業構造の変化に連動した開発等が行われ、これらの環境の改変がさらに進められた。

一方、私たちの生活に根ざした経済活動は、大量生産・大量消費・大量廃棄社会を形成したことにより環境への負荷を増大させ、地域環境の阻害のみならず地球温暖化等をもたらし、生物種全体の生存を脅かす地球規模の環境問題を引き起こしている。

「てだこの都市まち・浦添」の環境そして地球環境は、先人達が残してきた貴重な財産である。私たちは、この良好な環境の恩恵を受ける権利を有するとともに、先人達と同様にこの貴重な財産を将来の世代に引き継いでいく責務がある。この認識の下、市、市民、市民団体、事業者及び来訪者がそれぞれの責務と役割を自覚し、協働して環境の保全及び創造に関する活動に取り組まなければならない。

ここに、私たちは地球市民として環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の実現を目指し、本市全体の環境に関する総合的かつ長期的な施策の基本となる条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全及び創造について基本理念を定め、市、市民、市民団体、事業者及び来訪者がそれぞれ果たすべき責務と役割を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本事項を定め推進することにより、現在及び将来の市民が自然と共生しながら健康で文化的な生活を営むことができる良好な環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 環境の保全及び創造 大気、水、樹林、土壌等からなる環境の保護及び整備を図ることにより、人を始めとする生物にとって良好な環境を維持し、及び形成することをいう。

(2) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(3) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(4) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 この条例において、環境の保全及び創造は、地球市民として大きな視野に立ち、次に掲げる事項を基本理念として推進するものとする。

(1) 環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の形成に向けた活動に取り組むこと。

(2) 自然環境や生物多様性に配慮し、人と自然との共生を図ること。

(3) 良好な環境の中で生活を営む権利を有することを認識し、及び互いに配慮すること。

(4) 先人達が残してきた貴重な財産である良好な環境を次世代に継承すること。

(5) 全ての者が、それぞれ果たすべき責務の下に公平な役割を有する自覚を持って、協働して自主的かつ積極的に取り組むこと。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、市域の自然的社会的条件に応じた環境の保全及び創造に関する施策を策定し、実施しなければならない。

2 市は、自ら行う施策の実施に当たって環境への負荷の低減に積極的に取り組まなければならない。

3 市は、環境の保全及び創造のための広域的な取組を必要とする施策においては、国、県その他の地方公共団体と協力して、積極的に推進しなければならない。

4 前3項に定めるもののほか、市は、市民、市民団体、事業者及び来訪者と協働して、環境の保全及び創造に関する活動に取り組まなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、住み良い生活環境を築くため、自らの行動によって、環境を損なうことのないよう互いに配慮するとともに、日常生活において、資源及びエネルギーの使用並びに廃棄物の排出等による環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市民は、市、市民団体、事業者及び来訪者と協働して、環境の保全及び創造に関する活動に努めるものとする。

(市民団体の責務)

第6条 市民団体は、基本理念にのっとり、市民の先導的な役割を担うべく市民が参画できる体制の整備、情報の提供及び活動機会の充実等を図り、環境の保全及び創造に関する活動を推進するものとする。

2 前項に定めるもののほか、市民団体は、市、市民、事業者及び来訪者と協働して、環境の保全及び創造に関する活動に努めるものとする。

(事業者の責務)

第7条 事業者は、基本理念にのっとり、自らの責任と負担において、その事業活動に伴って生ずる公害を防止するための必要な措置を講ずるとともに、積極的に環境の保全及び創造に関する活動に取り組まなければならない。

2 事業者は、公害その他潤いある豊かな環境の保全及び創造に支障を及ぼす行為に係る紛争が生じたときは、誠意をもってその解決に当たるものとする。

3 事業者は、資源及びエネルギーの有効利用並びに廃棄物の発生抑制等により、環境への負荷を低減するものとする。

4 事業者は、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合に、適正に循環的な利用が促進されるよう必要な措置を講じなければならない。

5 前各項に定めるもののほか、事業者は、市、市民、市民団体及び来訪者と協働して、環境の保全及び創造に関する活動に努めるものとする。

(来訪者の責務)

第8条 来訪者は、環境の保全及び創造に関する活動に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力し、又は協働するものとする。

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策

(施策の策定等に係る基本方針)

第9条 市は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本として、潤いある豊かな環境の保全及び創造に関する施策を策定し実施するものとする。

(1) 健全な水循環の回復、維持及び有効利用

(2) 生態系及び自然環境の保全及び回復

(3) 緑地の保全及び施設整備

(4) 公害の防止及び予防

(5) 快適環境の創造

(6) 循環型社会の構築

(7) 地球環境保全

(8) 環境教育及び環境学習の充実

(9) 協働

(環境基本計画)

第10条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めるものとする。

2 環境基本計画は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第4項の規定による基本構想に即し、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な目標と施策の内容

(2) 市、市民、市民団体、事業者及び来訪者が環境の保全及び創造のために行動する上において配慮すべき指針(以下「環境行動指針」という。)

(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、市民、市民団体、事業者及び来訪者の意見を反映させるための必要な措置を講ずるとともに、浦添市環境審議会の意見を聴くものとする。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表するものとする。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(環境基本計画との整合)

第11条 市長は、環境に影響を及ぼすと認められる施策の計画の策定及び実施に当たっては、環境基本計画との整合を図らなければならない。

2 市は、環境基本計画の実施に当たっては、その効果的な推進及び総合的な調整を行うために必要な措置を講ずるものとする。

(年次報告書の作成)

第12条 市長は、環境の状況及び環境の保全及び創造に関して講じた施策の結果を明らかにした報告書を作成し、これを公表するものとする。

(水循環に関わる樹林の保全)

第13条 市は、健全な水循環を回復し維持するためには、樹林の持つ水源のかん養機能及び水の浄化作用が重要であるとの認識の下、水源のかん養機能及び水の浄化能力を高めるべく樹林を保全するために必要な措置を講ずるものとする。

(生活排水の適正処理)

第14条 市は、健全な水循環を回復し維持するため、公共下水道及びコミュニティ・プラントの事業を推進するとともに、浄化槽の普及促進を図り、生活排水の浄化に努めるものとする。

2 市は、生活排水による水質汚濁の防止に関する知識の普及及び啓発に努めるものとする。

(開発事業等に係る環境への配慮)

第15条 市は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者の策定する計画が、環境に適正に配慮されたものとなるよう必要な措置を講ずるものとする。

(施設の整備)

第16条 市は、公共下水道、廃棄物処理施設等の環境の保全に資する公共的施設の整備を推進するものとする。

2 市は、公園、緑地その他の自然環境の適正な整備並びに人と自然との豊かなふれあいの場の保全及び創造のための事業を推進するものとする。

(規制の措置)

第17条 市は、環境を保全するため、公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるよう努めるものとする。

(都市景観の形成)

第18条 市は、快適環境の創造のために、歴史文化遺産の発掘、保存及び活用を通じて個性あふれる街なみを形成するとともに、自然環境と調和のとれた魅力ある景観の保全に努めるものとする。

(廃棄物の減量及び資源化の促進)

第19条 市は、循環型社会の構築を図るため、廃棄物の減量及び資源化が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理に当たっては、資源及びエネルギーの有効利用並びに廃棄物の減量が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(地球温暖化対策の推進)

第20条 市は、地球環境保全において、特に地球温暖化が地球全体の環境に深刻な影響を及ぼすものとの認識の下、市民、市民団体、事業者及び来訪者と協働して地球温暖化対策に関する施策を推進するものとする。

2 前項の場合において、市は、自ら率先して温室効果ガスの排出の抑制に努めるものとする。

(地球環境保全のための行動の促進)

第21条 市は、市民、市民団体、事業者及び来訪者との協働により、それぞれの役割に応じて地球環境保全に資する環境行動指針を定め、その普及に努めるとともに、環境行動指針に従い地球環境保全に向けた行動を促進するよう必要な措置を講ずるものとする。

(環境教育及び環境学習の推進)

第22条 市は、環境教育及び環境学習の充実を図るため、次に掲げる事項を総合的かつ計画的に実施するものとする。

(1) 学校教育における環境教育の推進のための施策

(2) 環境の保全及び創造に関する生涯学習の支援のための施策

(3) 環境の保全及び創造に関する広報啓発活動

(4) その他環境教育及び環境学習の推進のための必要な施策

2 市民及び市民団体は、環境の保全及び創造のために環境教育及び環境学習が重要な役割を果たすことを認識し、環境に配慮した活動を自ら実践できるよう環境教育及び環境学習に主体的に取り組むものとする。

3 事業者は、環境の保全及び創造のために環境教育及び環境学習が重要な役割を果たすことを認識し、環境教育及び環境学習を通じて事業所の従業員の環境への意識を高めるよう努めるものとする。

(自発的な活動の促進)

第23条 市は、市民、市民団体、事業者及び来訪者の環境の保全及び創造に関する活動が促進されるよう指導、助言、助成その他必要な措置を講ずるものとする。

(環境情報の収集及び提供)

第24条 市は、環境の状況及び環境の保全及び創造に役立つ情報の収集に努めるとともに、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、第22条に定める環境教育及び環境学習の推進並びに前条に規定する市民、市民団体、事業者及び来訪者の自発的な活動の促進に必要な情報を適切に提供するよう努めるものとする。

(意見の反映)

第25条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するため、市民、市民団体、事業者及び来訪者の意見を反映するよう努めるものとする。

(財政上の措置)

第26条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるものとする。

第3章 推進体制

(推進体制の整備)

第27条 市は、市民、市民団体、事業者及び来訪者と協働し、環境の保全及び創造に関する施策を積極的に推進するために必要な体制を整備するものとする。

(環境監視体制の整備)

第28条 市は、環境の状況を的確に把握し、環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定及び検査等の体制を整備するものとする。

(調査及び研究の実施)

第29条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を適正に推進するため、情報の収集に努めるとともに、調査及び研究の実施その他必要な措置を講じるものとする。

(関係団体との協力等)

第30条 市は、環境の保全及び創造のため、国、県その他の地方公共団体及び民間の関係団体(以下「国等」という。)と連携を行う必要のある施策を実施するときは、積極的に推進するものとする。

2 市は、環境の保全及び創造を図るため必要があると認めるときは、国等に対し必要な措置を講ずるよう要請するものとする。

第4章 環境審議会

(環境審議会の役割)

第31条 浦添市附属機関設置に関する条例(昭和47年条例第4号)第2条別表に規定する浦添市環境審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる環境の保全及び創造に関する基本的事項を調査審議し、市長に意見を述べるものとする。

(1) 環境基本計画に関する事項

(2) その他環境の保全及び創造に関する重要事項

第5章 雑則

(委任)

第32条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

浦添市環境基本条例

平成23年6月29日 条例第15号

(平成23年6月29日施行)

体系情報
第8類 生/第2章 保健衛生
沿革情報
平成23年6月29日 条例第15号