○うるま市消防地理及び水利に関する規程

平成29年5月25日

消防本部訓令第2号

(趣旨)

第1条 この訓令は、消防地理及び消防水利(以下「地水利」という。)の調査並びに消防水利の整備及び管理について、必要な事項を定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 消防地理 地形、道路、橋梁、河川、運河、港湾、建築物、工作物その他消防上の対象となるものをいう。

(2) 消防水利 消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第20条第2項に規定する消防に必要な水利施設及び同法第21条第1項の規定により指定した消防水利をいう。

(3) 公設水利 消防水利施設のうち、公的の水道配水管に設置されている消火栓及び市で設置した防火水槽をいう。

(4) 私設水利 前号以外の工場、事業所等に敷設された給水管に取付けられた消火栓をいう。

(5) 消防水利情報 消防水利の種別、位置、配管口径、貯水容量その他水利に関する属性情報をいう。

(6) 所有者等 所有者、管理者又は占有者をいう。

(消防水利の区分及び種別)

第3条 消防水利の区分及び種別は、次の各号に掲げる水利をいう。

(1) 消火栓

(2) 私設消火栓

(3) 防火水槽

(4) プール

(5) 河川、溝等

(6) 濠、池等

(7) 

(8) 井戸

(9) その他消防水利として使用できるもの

(消防水利の適合条件)

第4条 消防水利の適合条件は、法第20条第1項の規定により、消防庁の勧告する消防に必要な水利の基準(昭和39年消防庁告示第7号。以下「消防水利の基準」という。)に定めるもののほか、次によるものとする。

(1) 取水量が毎分1立方メートル以上で、かつ、連続40分以上給水が可能なものであること。

(2) 地盤面からの落差が4.5メートル以下であること。

(3) 取水部分の水深が0.5メートル以上であること。

(4) 消防ポンプ自動車又は小型動力ポンプが容易に部署できること。

(5) 吸管投入孔のある場合は、その一辺又は直径が0.6メートル以上であること。

(6) 消火栓は、呼称65の口径を有するもので、直径150ミリメートル以上の管に取り付けられていなければならない。ただし、管網の1辺が180メートル以下となるように配管されている場合は、75ミリメートル以上とすることができる。

(7) 私設消火栓の水源は、5個の私設消火栓を同時に開弁したとき、第1号に規定する給水能力を有するものでなければならない。

(消防水利の整備方針)

第5条 消防長は、消防水利の整備に関する基本方針を示すとともに、消防署長(以下「署長」という。)が行う水利事務の円滑な執行に対し、必要な措置を講ずるものとする。

(署長の責務)

第6条 署長は、管内の地域特性を考慮した消防水利の整備を推進するとともに、消防水利の適正な維持管理を図るため、次の各号に掲げる水利事務を行うものとする。

(1) 消防水利及び地理調査の実施に関すること。

(2) 管内の消防水利の整備状況の調査及び整備計画の樹立に関すること。

(3) 消防水利の指定に関すること。

(4) 管内の消防水利情報の管理に関すること。

(5) 管内の水利図の作成及び管理に関すること。

(6) その他水利に関すること。

2 署長は、各小隊において前項の事務を行わせるため、地水利等事務担当者を指名するものとする。

(消防水利の整備基準)

第7条 消防水利の整備は、原則として消防水利の基準のとおりとする。この場合において、防火対象物からの1つの消防水利に至る距離が次の表に掲げる距離以下となるように配置するものとする。

用途地域

配置の基準(年間平均風速4m/s以上)

市街地及び準市街地

近隣商業地域

商業地域

工業地域

工業専用地域

半径80m以下

その他の地域

半径100m以下

市街地又は準市街地以外の地域でこれに準ずる地域

半径140m以下

備考

1 用途地域区分は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号に規定するところによる。

2 消防水利の配置は、消火栓のみに偏ることのないように考慮しなければならない。

2 消防長は、法第17条の規定により整備された施設を兼用してはならない。ただし、同一場所に設置し、それぞれ規定水量を加えた施設である場合はその限りでない。

(公設消火栓の整備)

第8条 消防長は、水道部長と協議し、次のとおり公設消火栓の適正な配置に努めるものとする。

(1) 公設消火栓を新設又は移設する場合は、その位置を図上指示及び現地指示するものとする。

(2) 公設消火栓を新設又は移設完成後、現地確認及び計測を実施するものとする。

2 消防長は、前項の協議により公設消火栓の配置を要望する場合、公設水利要望書(様式第1号)を水道部長に提出して行うものとする。この場合において、配置要望を行うときは、予算編成を十分に考慮して行うものとする。

(公設防火水槽の整備)

第9条 消防長は、防火水槽を適正に配置するために、公設防火水槽の設置候補地を選定するとともに、設置の条件等所要の措置を講じなければならない。

(1) 公設防火水槽を新設又は移設する場合は、その位置を図上指示及び現地指示するものとする。

(2) 公設防火水槽を新設又は移設完成後、現地確認及び計測を実施するものとする。

(民間事業者等に対する指導による消防水利の確保)

第10条 消防長は、開発行為等の協議の申請があったときは、うるま市消防本部開発行為等に関する指導要綱(平成27年うるま市消防本部告示第1号)に基づき、申請者と協議し、消防水利の確保に努めるものとする。

2 消防長は、市営住宅その他公共施設の建設計画がある場合は、積極的に関係者と協議し消防水利の確保に努めるものとする。

(消防水利の指定)

第11条 消防長は、法第21条の規定に基づき消防水利に指定しようとするときは、あらかじめ調査を実施し、消防用指定水利承諾依頼書(様式第2号)により、所有者等と使用方法及び期限等について協議を行い、消防用指定水利承諾書(様式第3号)により承諾を得るものとする。

2 消防長は、前項の規定により消防水利を指定した場合、法第21条第2項に定めるとおり、標識を掲げなければならない。

3 消防長は、前2項により消防水利の指定及び標識の設置を行った場合、所有者等と法第30条第2項により、消防水利の使用及び維持管理に関する協定書(様式第4号)を交わしておくものとする。

4 消防長は、指定した消防水利が第4条に規定する適合条件を欠くことになったとき、又は所有者等から指定解除の申出があったときは、速やかに消防用水利指定解除通知書(様式第5号)により、当該所有者等に通知するものとする。

(消防水利施設の構造等)

第12条 公設の消防水利施設を設置する場合の構造等は、水利基準に定めるほか、消防水利施設の構造等(別表第1)のとおりとする。

(消防水利の標識)

第13条 消防長は、消防水利施設の位置を明示するため、次のとおり標識を設置するものとする。ただし、車両及び人の往来に支障を来たす可能性があると認めるときは、標識を設置しないことができる。

水利の種類

標識の種類

消火栓

消火栓標識

消防水利の標識について(昭和45年8月19日付消防防第442号消防庁防災救急課長通達)による575型(600)及び400型の2種とし、その設置は別表第2のとおりとする。

防火水槽

防火水槽標識

指定水利

消防水利標識

消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第34条の2に定める標識

2 署長は、調査等により標識に掲出された看板などについては、これを禁止し、撤去するものとする。

(路上標示)

第14条 消防長は、消防水利の位置を明示する必要があるときは、次のとおり防火水そうの吸管投入孔蓋及び消火栓蓋の周囲に位置標示(マーキング)、又は鉄蓋に着色標示を行うものとする。

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(仕様:黄色、焼き付け塗装、塗装膜1.5ミリ程度)

(占用許可等)

第15条 消防長は、前2条の規定により標識の設置又は路上標示を行う場合は、道路、河川、公園等に係る当該敷地の管理者等から占有、使用若しくは変更の許可又は廃止の承諾を得なければならない。

(地水利の維持管理及び調査)

第16条 署長は、管轄区域内の地水利について、次のとおり調査を行い、常に消防水利が有効に使用できるよう維持管理を行い、地理及び消防対象物の状況把握に努めなければならない。

(1) 通常調査 担当区域内の地水利の状況熟知及び維持管理のため、定期的に行う調査をいう。

(2) 特別調査 署長が特に必要と認めたときに行う調査をいう。

2 署員は、常に管内の地水利に精通しておかなければならない。

(調査報告)

第17条 調査員は、前条により調査した結果を消防水利調査報告書(様式第6号)により署長に報告するものとする。

2 調査員は、調査の結果、警防活動上支障があり緊急を要するときは、直ちに署長に口頭報告し、後に書類報告するものとする。

(故障等の措置)

第18条 署長は、水利調査又は消防活動の実施若しくは市民等からの通報により、公設水利又は消防水利標識の異常を知ったときは、直ちに次に掲げる必要な措置をとらなければならない。

(1) 職員への周知及び応急処置

(2) 関係機関への故障の連絡及び修理の手続

(3) その他署長が必要と認める措置

2 前項第2号の手続は、消防水利修繕依頼書(様式第7号)により行うものとする。

3 異常の原因が交通事故又は故意によると判明したときには、その状況を確認のうえ、原因者の弁償により修繕を依頼するものとする。

(断減水及び故障)

第19条 消防長は、所有者等から水道の断減水、故障その他の理由により一時的に消防水利の使用ができなくなる旨の通知があったときは、これを受理し、署員に周知し対策を計画するものとする。

(公設水利使用の届出)

第20条 署長は、私設消火栓を消防演習に供するため使用する場合、うるま市水道事業給水条例(平成17年うるま市条例第157号。以下「給水条例」という。)第16条第1項第3号の規定に基づき、水道管理者に届出るよう所有者等に指導するものとする。

(使用水量の報告)

第21条 署長は、警防活動又は警防訓練に使用した水量を毎月3日までに消防水利使用申告書(様式第8号)により、警防課長に申告するものとする。

2 警防課長は、前項による申告をとりまとめ、給水条例第16条第2項第3号の規定により、毎月5日までに水道管理者に消防用水使用届(様式第9号)により届出なければならない。

(管理台帳)

第22条 署長は、各消防水利について、地水利管理台帳(様式第10号)を作成し保管するとともに、その写しを情報指令担当及び各消防署に送付する。

(地水利図)

第23条 署長は、地水利担当者に消防水利及び消防地理その他災害防ぎょ上、必要な事項を記載した地水利図を作成させ、署員に周知しなければならない。また、記載事項に変更のあった場合も同様とする。

(簿冊及び水利図)

第24条 地水利に関する簿冊及び水利図は、次のとおり整備しておかなければならない。

(1) 簿冊

 公設水利要望書

 消防用指定水利承諾依頼書

 消防用指定水利承諾書

 消防用水利指定解除通知書

 消防地理水利調査報告書

 消防水利修理依頼書

 消防水利使用報告書

 地水利管理台帳

(2) 水利図

 消防水利配置箇所平面図

 消火栓配管図

 消火栓配置図

 その他必要な書類

(書類の整備等)

第25条 署長は、前条の地水利管理台帳の内容に変更が生じたときは、その都度修正し、正しく現状を把握しておかなければならない。

(雑則)

第26条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は消防長が別に定める。

この訓令は、平成29年6月1日から施行する。

別表第1(第12条関係)

消防水利施設の構造等

1 消火栓の基準

(1) 消火栓を設置する場合には、原則として公道上(道路・歩道)の地下式とし、消火栓の構造は、次のとおりとする。

ア 地下式消火栓の場合、枠は鉄筋コンクリート製、鋼鉄製、鋳鉄製又はこれらと同等以上のものであること。

イ 消火栓蓋及び放口並びに開閉バルブの離隔は、原則として0.3m以内とすること。ただし、地上式にあっては、この限りでない。

ウ 地下式消火栓の深度は、着離脱が容易に操作できる深さとする。

エ 文化財の存する敷地内に設置する場合には、所有者等から要望のある塗装を行うことができる。

(2) 地上式消火栓とする場合には、本体に赤色の塗装を行うこととし、必要があるときは、衝突防止策を設置するものとする。

(3) 消火栓が設置されたときは、次の事項について確認を行うものとする。

ア 消火栓のスピンドルキャップと鉄蓋との間隔が0.15m以上0.2m以下となるように設けられていること。

イ 地下式消火栓は、吐水口を鉄蓋下面より深さ0.3mから0.5m以内となるように設置すること。

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ウ 本体が栓室の中央に取付けられ、吸管の結合が容易にできる状態であること。

エ 消火栓の口金、押し輪、開閉栓及び口金キャップが正しく取付けられていること。

オ 通水の状況が良好なこと。

カ 開閉栓の回転は円滑で、止水が完全であること。

キ 栓室が垂直に取付けられ、槽枠の継ぎ目にずれ等がないこと。

ク 鉄蓋が正しく据付けられ、かつ、路面との段差がないこと。

2 防火水槽の基準

ア 防火水槽の種類は、次のとおりとする。

(ア) 現場打ち鉄筋コンクリート水槽

(イ) 二次製品防火水槽(財団法人日本消防設備安全センター認定品)

(ウ) 地中ばり防火水槽

イ 防火水槽の構造は、次のとおりとする。

(ア) 防火水槽の蓋は、鋼製とし、必要な荷重に耐えられるものであること。

(イ) 道路縦断勾配10%以下の公道に面していること。

(ウ) 公園に設置する場合は、公園管理者の占用許可が得られる構造とすること。

(エ) 地上式防火水槽を設置するときは、安全対策を十分に行うこと。

消防活動上支障となるフェンス等がないこと。ただし、使用に際し支障がないような措置が施されている場合は、この限りでない。

(カ) 地中ばり防火水槽の構造は、別表1のとおりとする。

3 地中ばり防火水槽の構造等は、次のとおりとする。

(1) 貯水槽が地中ばりで区画されている場合は、各区画に通気口、通水口及び人通口が次の要件を満たし設けられていること。

ア 通気口は、口径100mm以上とし、梁の上部に2か所以上とすること。

イ 通水口は、口径150mm以上で梁の下部に2か所以上とし、底板に接するようにすること。(半割の場合は4か所)

ウ 人通口は、口径600mm以上とし、その下端は底版からおおむね50cm以下とすること。ただし、構造上設置することが困難であり、点検口を設けるなど各区画が点検できるようにした場合は、この限りでない。

(2) 導水装置を設置する場合は、次の要件を満たし設けられていること。

ア 採水口の取付け高さは、地盤面から結合部の中心まで0.5m以上1.0m以下とし、採水口の設置は、次のとおりとする。

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図1

地中ばり防火水槽を設置するときは、おおむね図1のとおりに建物外部に取水口を設置すること。ただし、取水口が建物外部に設置することができない場合は、次に掲げる導水装置を設置すること。

(ア) 2系統の採水口(呼称75mm吸管への接続口)

(イ) 通気管(直径100mm以上)

(ウ) 点検用マンホール蓋

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図2

地中ばり防火水槽が複数に区画されている場合は、図2のとおりに通気口(直径100mm)及び通水口(直径150mm)をそれぞれ2箇所以上設けるとともに、各層の点検用に人通口(直径500mm以上)を設置すること。

イ 導水管は次によること。

(ア) 導水管は、採水口1口ごとの単独配管(口径100mm以上)とすること。

(イ) 導水管の長さの許容範囲は、10m以内とする。

(ウ) 吸水口は、取水ピット内とし、取水ピット床面より20cm程度離すこと。

(エ) 材質はJISB2302[水道用硬質塩化ビニールライニング鋼管(LP―VD)]に適合するもの、又はこれと同等以上のものとすること。

ウ 通気管は、次によること。

(ア) 口径は、100mm以上とすること。

(イ) 立上げの高さは地盤面より1m程度で、「防火水槽通気管」と標示し先端は180度曲げ、防虫網を設けること。

(ウ) 材質は、JISK6741[硬質塩化ビニール管(VP)]に適するもの、又はこれと同等以上のものとすること。

別表第2(第13条関係)

消火栓標識等設置基準

1 標識の規格及び図案等は、次の各号に掲げるとおり標識を掲げるものとする。

(1) 標識は、原則として575型(600)を支柱により両面又は片面掲出用とし、400型については、支柱以外の掲出も可とする。

(2) 標識は、消火栓等の直近又は消防水利施設の取水口から5m以内の消防活動に支障がなく、かつ、消防水利施設であることが容易に確認できる位置に設置するものとする。ただし、消火栓の設置位置、道路状況等設置上特に困難な条件がある場合はこの限りでない。

(3) 掲出方法は、設置場所の状況に応じて直柱、曲柱及びクランク柱その他地物(電柱等)を利用する等消火栓の所在が明確に確認できるよう掲出すること。

(4) 標識の高さは、道路に設置するものについては2.5m以上とし、その他の場所については2m以上とすること。

(5) 標識版の文字及び縁線を白色、地を赤色とし、原則として反射塗料を用いること。

(6) 他市との境界線付近の標識には、「消火栓」文字の下部に「うるま市」と表示すること。

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575型

400型

2 支柱設置

(1) 支柱は白色とし、支柱中央部に駐車禁止テープ及び反射テープを貼ること。

(2) 支柱の埋設は、原則図のとおり埋設して設置すること。

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3 取付け

標識裏面に専用の金具を使用して、支柱に強固に取付けること。

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標識裏面

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うるま市消防地理及び水利に関する規程

平成29年5月25日 消防本部訓令第2号

(平成29年6月1日施行)