○宇土市環境基本条例
平成14年3月7日
条例第1号
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策等
第1節 施策の策定等に係る基本方針(第8条)
第2節 基本的施策の重点事項(第9条)
第3節 基本計画(第10条―第12条)
第4節 市民等参加(第13条―第15条)
第3章 環境行政の総合的調整(第16条―第18条)
第4章 環境審議会(第19条―第21条)
第5章 補則(第22条―第29条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,本市における環境創造都市づくりの基本理念について定め,市,事業者及び市民の役割を明らかにするとともに,環境の保全及び創造に関する基本的事項を定めることにより,豊かな自然,歴史及び文化を育む都市づくり並びに省資源,省エネルギー,循環及びリサイクル型の環境への負荷の少ない都市づくりを総合的かつ計画的に推進し,もって市民の健康で安全かつ文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(1) 環境の創造 人の生活及び生存環境の構築並びに持続的発展可能な循環及びリサイクル型社会の構築に関わる人の営為をいう。
(2) 環境の保全 人の活動による地球の温暖化又はオゾン層の破壊の進行,海洋の汚染その他の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって,人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で安全かつ文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって,環境保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(4) 公害 環境の保全上の支障のうち,事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。),土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって,人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(5) エコライフ 情報とサービスがあふれる社会において,日々環境への負荷の低減に努め,限りある資源を有効に活用し,環境にやさしい生活を行うことをいう。
(基本理念)
第3条 環境創造都市づくりは,市,事業者及び市民がそれぞれの責務を自覚し,相互に協力して,豊かで快適な環境を保全するとともに,持続的に発展することができる社会を構築することを目的として行わなければならない。
2 市の環境政策は,市民が健康で安全かつ文化的な環境を享受する権利の実現を図るとともに,生活を営む上で必要とする豊かで快適な環境を確保し,将来の世代へ引き継いで行くことを目的として行わなければならない。
3 市の施策は,環境政策を基底として,これを最大限に尊重して行うものとする。
(市の役割)
第4条 市は,前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり,環境創造都市づくりに関する基本的かつ総合的な施策を策定し,及び実施する役割を有する。
2 市は,施策の立案及びその推進に当たっては,市民及び事業者の意見聴取及び情報提供に十分配慮しなければならない。
3 市は,施策の実施に当たっては,市民の意識啓発並びに事業者の指導及び助言に努めなければならない。
(市民の役割)
第5条 市民は,基本理念にのっとり,その日常生活に伴う環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に自ら積極的に努めるとともに,市が実施する施策に協力する役割を有する。
2 市民は,地域において環境の保全及び創造に係る紛争が生じたときは,その解決に積極的に努めなければならない。
(事業者の役割)
第6条 事業者は,基本理念にのっとり,その事業活動を行うに当たっては,これに伴って生ずる公害を防止し,又は環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる役割を有する。
2 事業者は,基本理念にのっとり,環境の保全上の支障を防止するため,物の製造,加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって,その事業活動に係る製品その他の物が使用され,又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資する措置を講ずるとともに,再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料,役務等を利用するよう努めなければならない。
3 事業者は,基本理念にのっとり,自らの責任において,その環境への負荷の低減に資する必要な措置を講ずるとともに,市が行う施策に積極的に協力する役割を有する。
4 事業者は,豊かで快適な近隣関係が形成できるように配慮するとともに,地域において環境の保全及び創造に係る紛争が生じたときは,その解決に積極的に努めなければならない。
(環境保全の日)
第7条 本市は,環境創造都市づくりへの関心と理解を深めるため,毎月第1水曜日を「環境保全の日」と定める。
2 市は,前項に定める環境保全の日には,その趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。
第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策
第1節 施策の策定等に係る基本方針
第8条 市は,環境の保全及び創造に関する施策の策定及び実施に関しては,基本理念にのっとり,次に掲げる事項を基本として,事業者,市民及びこれらの者の組織する団体(以下「市民等」という。)との協働により,各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ,総合的かつ計画的に推進するものとする。
(1) 市民の健康が保護され,及び生活環境が保全され,並びに自然環境が適正に保全されるよう,大気,水,土壌その他の環境の自然的構成要素が豊かで快適な状態に保持されること。
(2) 生態系の多様性の確保,野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに,森林,農地,水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。
(3) 自然との豊かなふれあいを確保すること。
第2節 基本的施策の重点事項
第9条 市は,基本理念の実現を図るため,概ね次に掲げる事項に重点をおいた施策を策定し,及び実施するものとする。
(1) 排気ガスの抑制,ばい煙及び粉じん等の発生防止,悪臭の発生防止等大気汚染の防止等に関すること。
(2) 工業用排水及び生活排水の適性処理,水の循環構造の保全等水質汚濁の防止等に関すること。
(3) 有害化学物質の発生等土壌汚染防止等に関すること。
(4) 道路交通,営業活動,建設作業等による騒音及び振動の防止等に関すること。
(5) 地下水の採取による地盤沈下の防止等に関すること。
(6) 動植物の保護,生息環境の保全等自然環境の保全に関すること。
(7) 緑化の推進,親水空間の創造等人と自然が共生できる環境の創造に関すること。
(8) 利用者に優しい公共施設等の整備,水とみどりを生かした都市空間の整備,豊かで快適な都市景観の創出,歴史的文化的遺産の保全及び活用等うるおいとやすらぎのある環境の創造に関すること。
(9) エネルギーの効率的利用,再生資源の利用促進等自然環境の循環機能に即した資源の保全及び活用に関すること。
(10) 地球温暖化の防止,オゾン層の破壊防止,海洋汚染防止等環境保全に関すること。
(11) 人づくりの推進,市民団体の環境保全活動の推進,環境教育の充実等市民の環境保全意識の啓発に関すること。
第3節 基本計画
(環境基本計画)
第10条 市長は,豊かで快適な環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため,市の基本構想を踏まえ,環境行政の指針となる宇土市環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画には,次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 環境の保全及び創造に関する目標
(2) 環境の保全及び創造に関する基本的施策
(3) 環境の保全及び創造に関する環境配慮のための指針
(4) 前3号に定めるもののほか,環境の保全及び創造に関する重要な事項
3 環境基本計画の対象地域は,全市域とし,広域的な観点から策定するものとする。
4 環境基本計画の目標期間は,社会情勢の進展を勘案して定めるものとし,必要に応じて見直しを行うものとする。
(エコライフ計画)
第11条 市長は,環境にやさしい都市づくりを推進するため,環境基本計画を踏まえ,市民の生活スタイルの指針となる宇土市エコライフ計画(以下「エコライフ計画」という。)を定めなければならない。
2 エコライフ計画には,次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) エコライフ実現のための目標
(2) エコライフ実現のための基本的施策
(3) 前2号に定めるもののほか,エコライフ実現に関する重要な事項
3 エコライフ計画の対象者は,市内に居住する全ての者とする。
4 エコライフ計画の目標期間は,社会情勢の進展を勘案して定めるものとし,必要に応じて見直しを行うものとする。
(計画の策定)
第12条 市長は,環境基本計画及びエコライフ計画(以下「基本計画等」という。)を定める場合においては,あらかじめ,宇土市環境審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は,基本計画等を定めたときは,速やかにこれを公表しなければならない。
3 前2項の規定は,基本計画等を変更する場合に準用する。
第4節 市民等参加
(市民の意見の反映)
第13条 市は,環境の保全及び創造に関する施策に市民等の意見を反映させるため,市民等から提言を受けるための措置その他必要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全及び創造に関する学習の推進)
第14条 市は,市民等が環境の保全及び創造についての理解を深め,及びこれらの者の環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲が増進されるよう学習の機会の提供,広報活動の充実その他必要な措置を講じ,環境の保全及び創造に関する市民等の学習の推進を図るものとする。
(環境保全上の支障を防止するための経済的措置)
第15条 市は,市民等が自ら環境への負荷を低減するための施設整備その他の適切な措置をとるよう助長することにより,環境の保全上の支障を防止するため必要と認めるときは,適正な助成その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
2 市は,市民等が自ら環境への負荷の低減に努めるよう誘導することにより,環境の保全上の支障を防止するため適正な経済的負担を求める必要があるときは,十分な調査及び研究を行い,市民の理解の下に,その負担を求める措置を講ずるものとする。
第3章 環境行政の総合的調整
(総合的調整)
第16条 市は,環境行政の実効的かつ体系的な推進を図るため,この章に定めるところに従い,次に掲げる事項について必要な総合的調整を行う。
(1) 基本計画等の策定及び変更に関すること。
(2) 環境施策に関すること。
(3) その他環境行政の総合的推進に関すること。
(環境調整会議)
第17条 前条に規定する総合的調整を行うため,宇土市環境行政調整会議(以下「調整会議」という。)を置く。
2 調整会議は,副市長及び環境施策に関わる市の関係部局の長をもって組織する。
3 前項に定めるもののほか,調整会議について必要な事項は,市長が定める。
2 市長は,環境調査を行うために必要な指針を,宇土市環境審議会の意見を聴いて作成しなければならない。
第4章 環境審議会
(宇土市環境審議会)
第19条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定により,宇土市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は,市長の諮問に応じ次に掲げる事項を調査審議する。
(1) 基本計画等の策定及び変更に関すること。
(2) 前条第2項に規定する指針に関すること。
(3) 年次報告書に関すること。
(4) その他環境行政の総合的推進に関する重要事項
3 審議会は,委員5人以内をもって組織する。
4 委員は,環境に関し優れた見識を有する者のうちから,市長が委嘱する。
5 委員の任期は2年とし,補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし,再任を妨げない。
6 委員は,職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(審議会の権限)
第20条 審議会は,前条第2項各号に掲げる事項を調査審議する場合において必要があると認めるときは,関係者の出席を求め,又は環境に関する情報その他必要な資料の提出を市長その他関係機関に求めることができる。
2 審議会は,環境行政に関する重要事項について必要があると認めるときは,市長その他関係機関に助言又は勧告をすることができる。
(規則への委任)
第21条 この章に定めるもののほか,審議会の組織及び運営に関し必要な事項は,市長が定める。
第5章 補則
(年次報告)
第22条 市長は,基本計画等の適正な進行管理を図るため,環境の状況,環境の保全及び創造に関して講じた施策等について年次報告書を作成し,これを公表しなければならない。
(環境影響評価)
第23条 市は,環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行う事業者が,あらかじめその事業に係る環境への影響について自ら調査,予測及び評価を行い,その結果に基づき環境の保全について配慮することができるように必要な措置を講ずるものとする。
(規制等の措置)
第24条 市は,公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し,必要な規制の措置を講ずるものとする。
2 前項に定めるもののほか,市は,環境の保全上の支障を防止するため,指導,助言その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(協定の締結)
第25条 市は,環境の保全上の支障を防止するため必要と認めるときは,事業者と環境の保全に関する協定を締結するものとする。
(監視等の体制の整備)
第26条 市は,環境の状況を的確に把握し,及び環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視,測定,試験及び検査の体制の整備に努めるものとする。
(国等との協力)
第27条 市は,市の区域外に及ぶ環境への負荷の低減に努めるとともに,環境の保全及び創造のために広域的な取組みを必要とする施策については,国及び他の地方公共団体と協力してその推進に努めるものとする。
(財政措置)
第28条 市は,豊かで快適な環境の保全及び創造の推進のために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(委任)
第29条 この条例に定めるもののほか必要な事項は,規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は,平成14年4月1日から施行する。
(宇土市公害防止対策審議会設置条例の一部改正)
2 宇土市公害防止対策審議会設置条例(昭和45年条例第23号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
(特別職の職員で非常勤の者の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
3 特別職の職員で非常勤の者の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和50年条例第6号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附 則(平成18年条例第41号)
この条例は,平成19年4月1日から施行する。
附 則(平成23年条例第26号)
この条例は,公布の日から施行する。