○宇都宮市男女共同参画推進条例

平成15年6月27日

条例第29号

我が国においては,日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ,男女平等の実現に向けた様々な取組が,女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約をはじめとした国際的な取組と連動して進められ,男女共同参画社会基本法などの法律や制度が整備されてきた。

宇都宮市においては,国内外の動向を考慮しつつ,本市の実情に応じた男女共同参画に関する様々な施策を積極的に展開してきた。

しかしながら,社会的又は文化的に形成された性別によって役割分担を固定的にとらえる考え方が依然として存在し,多くの市民が社会における男女間の不平等を感じている状況があり,さらに,配偶者等への暴力的行為など解決しなければならない課題が未だに残されている。

このような状況の中,少子高齢社会の到来,国際化及び高度情報化の急速な進展等社会経済情勢の急激な変化に的確に対応し,誰もが生き生きと安心して暮らすことのできる豊かで活力に満ちた宇都宮市を築いていくためには,男女が,その違いを画一的に否定することなく,互いに人権を尊重しつつ,喜びも責任も分かち合い,その個性と能力を十分に発揮することのできる男女共同参画社会の実現が緊要である。

ここに,宇都宮市は,男女共同参画社会の実現を21世紀における市政の重要課題と位置付け,次世代を担う子どもたちに夢と誇りをもって引き継げる都市を築くため,市民,事業者,市が相互に協力し,及び連携し,豊かで活力のある男女共同参画社会の実現を目指すことを決意し,この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,男女共同参画の推進について,その基本理念を定め,市民,事業者,市等の責務を明らかにするとともに,男女共同参画の推進に関する基本的な事項を定めることにより,男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し,もって男女共同参画社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「男女共同参画」とは,男女が,社会の対等な構成員として,自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されることにより,男女が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,共に責任を担うことをいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は,次に掲げる事項を基本として行われなければならない。

(1) 男女が,個人としての尊厳が重んじられ,性別による差別的取扱いを受けることなく,個人として能力を発揮する機会が確保されること。

(2) 男女が,性別による固定的な役割分担を反映した慣行にとらわれることなく,社会のあらゆる分野における活動を自由に選択できるようにすること。

(3) 男女が,社会の対等な構成員として,社会のあらゆる分野における方針の立案及び決定に参画する機会が確保されること。

(4) 男女が,相互の協力及び社会の支援の下,子の養育,家族の介護その他の家庭生活における活動と当該活動以外の活動とを両立して行うことができるようにすること。

(5) 男女が,互いの身体的特徴及び性について理解を深め,尊重し合うことにより,生涯にわたり健康な生活を営むことができるようにすること。

(6) 男女共同参画の推進と密接な関係を有する国際社会の動向に留意し,協調して行われること。

(市民の責務)

第4条 市民は,前条各号に規定する事項(以下「基本理念」という。)にのっとり,社会のあらゆる分野において,それぞれが相互に協力し,男女共同参画を主体的かつ積極的に推進するとともに,市がこの条例に基づき実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は,基本理念にのっとり,その事業活動において,男女共同参画を主体的かつ積極的に推進するとともに,市がこの条例に基づき実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(市の責務)

第6条 市は,基本理念にのっとり,男女共同参画の推進に関する施策を策定する責務を有する。

2 市は,前項の施策について,市民及び事業者と相互に協力し,及び連携し,一体となって実施する責務を有する。

(教育関係者の責務)

第7条 学校教育,社会教育その他の教育に携わる者(以下「教育関係者」という。)は,基本理念にのっとり,その教育を行う過程において,男女共同参画を推進するよう努めなければならない。

第2章 基本的施策

(行動計画)

第8条 市長は,男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための行動計画(以下「行動計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は,行動計画を策定するに当たっては,あらかじめ,市民の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるとともに,宇都宮市男女共同参画審議会(第23条第1項を除き,以下「審議会」という。)の意見を聴くものとする。

3 市長は,行動計画を策定したときは,これを公表するものとする。

4 前2項の規定は,行動計画の変更について準用する。

(意識の啓発)

第9条 市は,男女共同参画の推進についての意識の啓発を図るため,家庭,職場,学校,地域等における広報活動の実施,学習の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

(人材の育成)

第10条 市は,男女共同参画の推進を率先して行う人材を育成するため,研修の実施,講座の開設その他の必要な措置を講ずるものとする。

(活動の支援)

第11条 市は,市民,事業者又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体」という。)による男女共同参画の推進についての自主的な活動を支援するため,情報の提供,助言その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(体制の整備等)

第12条 市は,男女共同参画の推進に関する施策を総合的に企画し,調整し,及び実施するため,必要な体制の整備に努めるものとする。

2 市は,男女共同参画の推進に関する施策を実施し,市民,事業者又は民間団体による男女共同参画の推進に関する活動を支援するため,拠点となる施設の整備に努めるものとする。

3 市は,男女共同参画の推進に関する施策の実施に当たっては,常に関係行政機関及び関係団体と緊密に連携し,及び協力するよう努めるものとする。

(施策に関する意見の申出への対応)

第13条 市長は,市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策について,意見の申出を受けたときは,適切に対応するよう努めるものとする。

2 市長は,必要があると認めるときは,前項の申出への対応に当たり,審議会の意見を聴くものとする。

(積極的改善措置)

第14条 市は,市における政策の立案若しくは決定又は施策の実施に当たって,参画の機会に係る男女間の格差の改善を図る必要があると認めるときは,必要な範囲内において,男女いずれか一方に対し,当該機会を積極的に提供する措置(以下「積極的改善措置」という。)を講ずるよう努めるものとする。

2 市長その他の執行機関は,附属機関の委員等を任命し,又は委嘱するときは,積極的改善措置を講ずるよう努めるものとする。

(年次報告)

第15条 市長は,毎年,男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について,報告書を作成し,これを公表するものとする。

(調査研究)

第16条 市長は,男女共同参画の推進に関する施策を策定し,及び実施するため,必要な調査及び研究を行うものとする。

第3章 各分野での取組等

(家庭での取組等)

第17条 家族を構成する者は,相互の理解の下に,性別による固定的な役割分担にとらわれることなく,家庭生活における活動と当該活動以外の活動とを円滑に行うことができるよう努めるものとする。

2 市は,前項に規定する家庭生活における活動と当該活動以外の活動とを円滑に行うことができるようにするため,必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

(職場での取組等)

第18条 事業者は,事業活動において男女が対等に参画できる機会を確保するよう努めるものとする。

2 事業者は,男女が,職業生活における活動と家庭生活における活動その他の活動とを両立して行うことができる職場環境を整備するよう努めるものとする。

3 市は,第1項の規定に基づき機会の確保が図られ,及び前項の規定に基づき職場環境の整備が促進されるよう,情報の提供その他の必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

4 市は,必要があると認めるときは,事業者に対して,男女共同参画の推進に関する広報及び男女共同参画の状況等の把握について協力を求めるものとする。

(教育分野での取組等)

第19条 教育関係者は,自ら男女共同参画の推進について研さんし,男女共同参画の推進に関する教育,学習その他の活動を通じて,その教育を受ける者の男女共同参画の推進についての関心及び理解が増進するよう努めるものとする。

2 市は,前項の男女共同参画の推進に関する教育,学習その他の活動の振興を図るため,必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

(地域での取組等)

第20条 地域住民の組織である公共的団体の構成員は,自主的な啓発活動を通じて,男女共同参画の推進に努めるものとする。

2 市は,前項の構成員と連携を図りながら,同項の自主的な啓発活動の実施に協力するよう努めるものとする。

第4章 性別による権利侵害の禁止等

(性別による権利侵害の禁止)

第21条 何人も,家庭,職場,学校,地域その他の社会のあらゆる分野において,性別による差別的な取扱いを行ってはならない。

2 何人も,家庭,職場,学校,地域その他の社会のあらゆる分野において,セクシュアル・ハラスメント(性的な言動に対する相手方の対応によって不利益を与え,又は性的な言動により相手方の生活環境を害することをいう。)を行ってはならない。

3 何人も,その配偶者(婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)に対し,身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的行為を行ってはならない。

(性別による権利侵害等に関する相談への対応)

第22条 市長は,前条各項の規定に違反する行為その他の男女共同参画の推進を阻害する行為について相談を受けたときは,関係機関等と連携して,適切に対応するよう努めるものとする。

第5章 宇都宮市男女共同参画審議会

第23条 市に,宇都宮市男女共同参画審議会を置く。

2 審議会は,市長の諮問に応じ,次に掲げる事項を所掌する。

(1) 行動計画の策定又は変更について,第8条第2項(同条第4項において準用する場合を含む。)の規定に基づき意見を述べること。

(2) 意見の申出への対応について,第13条第2項の規定に基づき意見を述べること。

(3) 前2号に掲げるもののほか,男女共同参画の推進について必要な事項を調査審議すること。

3 審議会は,委員20人以内をもって組織する。

4 審議会の委員のうち,男女のいずれか一方の委員の数は,委員の総数の10分の4未満とならないものとする。ただし,市長がやむを得ない事情があると認めたときは,この限りでない。

5 前2項に定めるもののほか,審議会の組織及び運営について必要な事項は,規則で定める。

第6章 委任

第24条 この条例の施行について必要な事項は,市長が定める。

附 則

この条例は,平成15年7月1日から施行する。

宇都宮市男女共同参画推進条例

平成15年6月27日 条例第29号

(平成15年7月1日施行)