○白馬村開発行為の調整等に関する条例
令和4年9月30日
条例第19号
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 事前協議等(第8条―第10条)
第3章 開発行為の計画(第11条)
第4章 開発の指導基準(第12条・第13条)
第5章 白馬村開発審議会(第14条―第21条)
第6章 雑則(第22条―第27条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、開発行為が地域の都市環境に及ぼす影響の重要性に鑑み、村、村民等及び開発事業者の責務を明らかにするとともに、開発事業者に対し村が行う指導及び調整に関し、都市計画法(昭和43年法律第100号)、都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)、長野県自然環境保全条例(昭和46年長野県条例第35号)、建築基準法(昭和25年法律第201号)、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)、景観法(平成16年法律第110号)、白馬村景観条例(令和4年白馬村条例第18号)及び白馬村環境基本条例(平成11年白馬村条例第25号)に定めるもののほか、必要な事項を定めることにより、将来の村民等の健康で文化的な生活の確保及び都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(1) 建築物等 建築基準法第2条第1号に規定する建築物及び建築基準法施行令第138条各号に定める工作物をいう。
(2) 建築 建築物等を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。
(3) 開発行為 第6条第1項各号に掲げる行為をいう。
(4) 土地の区画形質の変更 区画(建築物等の敷地)、形(切土、盛土等の造成、公共施設等の整備)又は質(宅地以外の土地を宅地や公共施設等とすること)の変更をいう。
(5) 地域 開発行為又は事業活動を行おうとする場所の属する行政区(集落)並びに当該行政区を含む地理的及び環境的に共通性のある範囲をいう。
(6) 村民等 村に住所を有する者、村の区域に一時滞在する者等をいう。
(7) 開発事業者 第6条1項各号に掲げる行為を行うもののうち、事業主体となる者、費用負担をする者、開発行為の設計及び施工監理にあたる者、開発行為の施工に携わる者等をいう。
(8) 事業主 前号に定める、事業主体となる者をいう。
(9) 公共施設等 都市計画法第4条第14項に規定する公共施設及び上下水道施設、ごみ集積場、集会施設、学校教育施設、その他開発行為に伴い公益上必要となる施設をいう。
(村の責務)
第3条 村は、地域における良好な都市環境の保全及び形成が村域全体の都市環境の向上につながるとの認識に立ち、開発行為における適切な指導及び調整を行うとともに、開発行為に関連して公共施設等の基盤の整備その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 村は第1条の規定に則り、開発事業者に対して別に定める要綱等により指導を行うものとする。なお、開発事業者が適正な理由なく指導に従わない場合は、公共施設等の適正管理の観点から都市計画法第32条第1項における同意を拒み、必要に応じてその開発区域が接続する村道の区域等について変更を行うことができる。
3 前項の規定は、建築基準法施行細則(昭和35年長野県規則第63号)第19条による申請書の受理及び意見書の交付についても準用する。
(村民等の責務)
第4条 村民等は、開発行為に対し関心と理解を深めるとともに、積極的かつ主体的に協力し、もって良好な都市環境の形成に努めるとともに、土地又は建築物等の利用に対して不当な制限等を要求してはならない。
(開発事業者の責務)
第5条 開発事業者は、開発行為により地域の自然環境及び良好な都市環境が損なわれることのないよう必要な措置を講ずるとともに、当該自然環境及び都市環境を保全し、又は形成するための村の施策に協力しなければならない。
2 開発事業者は、開発行為を行う区域又は当該区域周辺に公共施設等の計画が定められているときは、当該計画の早期実現に協力するとともに、当該計画と整合のとれた整備を行うよう努めなければならない。
3 開発事業者は公共施設等の適正な管理のため、都市計画法第32条における同意及び協議において村の指導に従うものとする。
(適用範囲等)
第6条 この条例は、次のいずれかに該当する開発行為に適用する。
(1) 都市計画法第29条第1項に規定する許可申請を要する事業
(2) 森林法(昭和26年法律第249号)第10条の2に規定する許可申請を要する事業
(3) 長野県自然環境保全条例に規定する許可及び届出を要する事業
(4) 前3号に規定されない、樹木の伐採又は土地の形質変更が、3,000平方メートルを超える事業
(5) 建築物の延床面積が3,000平方メートル以上の事業
(6) 延床面積3,000平方メートル以上又は10戸以上の分譲マンション
(7) 施行区域が500平方メートルを超え、かつ、建築基準法第42条第1項第5号に該当する道路(以下「位置指定道路」という。)の築造を伴う開発行為(以下「小規模宅地開発」という。)
(8) 建築物等の建築で白馬村景観計画に定める高さの最高限度を超える事業
(9) 都市計画法第42条第1項に規定する許可申請を要する事業のうち、村長が必要と認める事業
2 建築物等の高さの基準となる地盤面は、建築物等が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が3メートルを超える場合においては、その高低差3メートル以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。
(適用除外)
第7条 前条第1項の規定にかかわらず、次に掲げる開発行為については、適用しない。
(1) 国又は地方公共団体が行う開発行為
(2) 都市計画法等による計画事業その他の事業で計画的な土地利用が行われるものであるとして村長が認める開発行為
(3) 上位関係法令等による許認可、届出等を得て行う行為について、村長が認める開発行為
(4) 私道等を位置指定道路に築造改修のみを行う事業
第2章 事前協議等
(事前協議)
第8条 事業主は、第6条第1項各号に掲げる行為を行おうとする場合、当該開発行為への着手又は都市計画法、建築基準法、農地法(昭和27年法律第229号)その他開発行為等に関係する法令(以下「関係法令」という。)に基づく許可若しくは認可(以下「許可等」という。)の申請若しくは届出を行う3か月前までに、規則で定めるところにより、当該開発行為の計画について村長と協議しなければならない。なお、当該計画を変更する場合も同様とする。
2 村長は、前項に定める開発行為の計画について、白馬村開発審議会の意見を聴くものとする。
3 開発事業者は、開発行為について紛争の生じることのないよう、原則として施行区域の周辺住民及び利害関係者に対して、当該開発行為の計画の内容、施工方法等を周知するための説明会等(以下「住民説明会」という。)を行わなければならない。
(協定の締結)
第9条 第6条第1項各号に掲げる行為を行おうとする開発事業者は、周辺環境の保全を進めるために遵守すべき事項について、村長と協定を締結しなければならない。
2 開発事業者は、協定を遵守し、協定内容を誠実に履行しなければならない。
3 開発事業者は、協定の締結の後(関係法令に基づく許可等を受けたものにあっては、当該許可等の後)2年以内に開発行為に着手しなかった場合において、当該開発行為に着手しようとするときは、改めて事前協議をしなければならない。
4 開発事業者は、協定の締結の後に当該開発事行為に係る当該開発事業者の地位の全部又は一部を他の者に承継させるときは、当該承継させる者に当協定の内容を承継させるとともに、その旨を村長に届け出なければならない。
(計画の公開等)
第10条 事業主は、前条による協定の締結後、速やかに規則で定めるところにより当該開発行為の計画についての概要を記載した標識を設置しなければならない。
2 前項の標識は、施行区域の道路に面した箇所その他公衆の見やすい位置に、規則で定める期間、設置しなければならない。
第3章 開発行為の計画
(遵守すべき基本事項)
第11条 開発事業者は、開発行為の計画を策定するに当たっては、次に掲げる基本事項を遵守しなければならない。
(1) 施行区域の選定に当たっては、地域の自然環境及び都市環境に客観的悪影響が生じないよう配慮すること。
(2) 計画の内容は、総合計画等の村が定める計画に即したものとすること。
(3) 開発行為を行うに当たっては、環境の状況の把握、希少野生生物の保護、及び環境の保全に関する施策を推進するため、必要な調査、監視、測定、検査等を行うこと。
(4) 施行区域に文化財が存する場合又は希少動植物が生息若しくは生育している場合には、その保護に努めること。
(5) 施行区域の緑化に努めるとともに、当該施行区域に天然樹林等が生育する土地等がある場合には、できる限りその保全等に必要な措置を講ずること。
(6) 住宅の建築及び戸建て形式の簡易宿所等の建築を目的とする開発行為にあっては、良好な住環境を確保すること。
(7) 主として店舗、事務所、工場等の建築を目的とする開発行為にあっては、当該業務の形態、規模等を勘案して、建築物等及び公共施設等を適切に設置するとともに、当該開発行為の施行区域が住宅地等に隣接し、又は近接するものは、その環境に配慮すること。
(8) 街区の構成に当たっては、地形、地盤の性質、日照、採光、通風、人や車等の動線、埋設物に対する便宜、予定建築物等を総合的に勘案して定めること。
第4章 開発の指導基準
(指導基準)
第12条 村長は、適切な開発計画を誘導し地域の環境保全を図るため、開発の指導基準(以下「指導基準」という。)を策定するものとする。
2 村長は、指導基準を策定、変更又は廃止しようとするときは、白馬村開発審議会の意見を聴くものとする。
3 村長は、指導基準を策定又は変更したときは、これを公表するものとする。
(指導基準の遵守)
第13条 開発事業者は、開発行為を行うに当たっては、指導基準を遵守し必要な措置を講じなければならない。
第5章 白馬村開発審議会
(設置)
第14条 都市の健全な発展と秩序ある整備に関し、必要な事項を調査し、及び審議するため、白馬村開発審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
(任務)
第15条 審議会は、この条例に定めるもののほか、村長の諮問に応じ、都市の健全な発展と秩序ある整備に関する事項について調査及び審議をする。
(組織)
第16条 審議会は、委員16人以内で組織し、その3分の2以上は白馬村に住所を有する者とする。
2 委員は、次に掲げる者のうちから村長が委嘱する。
(1) 村議会議員
(2) 識見を有する者
(3) 関係事業者並びに関係機関及び団体の代表者
(4) 前3号に掲げるもののほか、村長が必要と認める者
(任期)
第17条 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
2 前項の委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長及び副会長)
第18条 審議会に、会長及び副会長を置き、第16条第2項第2号の規定により委嘱された委員のうち、互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
(会議)
第19条 審議会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。
2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(専門部会)
第20条 審議会に必要に応じて専門部会を置くことができる。
(報酬等)
第21条 委員の報酬及び費用弁償については、白馬村特別職の職員で非常勤のものの報酬に関する条例(昭和34年白馬村条例第3号)及び特別職の職員等の旅費又は費用弁償に関する条例(昭和32年白馬村条例第16号)の定めるところにより支給する。
第6章 雑則
(立入調査等)
第22条 村長は、この条例の施行に際し、必要な限度において、職員に施行区域又は建築物内に立ち入り、必要な事項を調査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
(工事完了の届出)
第23条 事業主は、開発行為の工事が完了したときは、速やかにその旨を村長に届け出なければならない。
(検査)
第24条 村長は、前条の規定による届出があった場合は、当該開発行為がこの条例に規定する事項及び都市計画法第32条第1項において同意し、又は同条第2項において協議した事項に適合して施行されているかどうかを検査するものとする。
2 村長は、開発行為の進捗状況に応じ必要があると認めるときは、中間検査を行うことができる。
3 村長は、前2項の規定により検査を行った場合は、その結果を事業主に通知するものとする。
4 村長は、小規模宅地開発において、検査結果が不合格だった場合、新たに築造された位置指定道路が接続する既存道路の区域を変更することができる。
(指導、勧告及び命令)
第25条 村長は、この条例の規定に違反し、又は指導基準を遵守しない開発事業者に対し、改善措置を指導し、勧告し、又は命ずることができる。
2 開発事業者が、前項の措置に従わない場合、村長は開発区域に接続する既存道路の区域を変更することができる。
(公表)
第26条 村長は、開発事業者が前条の規定による勧告又は命令に従わなかったときは、当該開発事業者の氏名又は名称、勧告又は命令の内容その他村長が必要と認める事項を公表することができる。
2 村長は、第8条第2項により審議会に意見を聴いた場合、その開発行為の完了後、事業効果等について事後評価を行うものとする。
3 前項に定める事後評価の方法及び公表の方法については別に定める。
(委任)
第27条 この条例の施行に関し必要な事項は、村長が定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和5年1月1日から施行する。
(招集の特例)
2 第19条第1項の規定にかかわらず、最初に開かれる審議会は、村長が招集する。
附則(令和4年12月15日条例第39号)
この条例は、令和5年1月1日から施行する。