○東白川村水道水源保護条例
平成10年12月21日
条例第33号
(目的)
第1条 この条例は、水道法(昭和32年法律第177号。以下「法」という。)第2条第1項の規定に基づき、村の水道の水源に係る水質の汚濁を防止し、清浄な水を確保するため、その水源を保護し、もって村民の生命及び健康を守ることを目的とする。
(1) 水源 法第3条第8項に規定する取水施設及び貯水施設の周辺地域で、水道の原水の取水区域をいう。
(2) 水源保護地域 村の水道の取水に係る水源地域で、村長が指定する区域をいう。
(3) 特別水源保護区域 村の水道の取水に係る河川の、中心部から30メートル以内の区域をいう。
(4) 規制対象事業 水源保護地域及び特別水源保護区域において水道に係る水質を汚濁し、又は汚濁するおそれのある事業及び水量が著しく減少するおそれのある次の事業をいう。
ア 砕石事業
イ 砂利採取事業
ウ 廃棄物処理事業
エ 建物等建築事業
オ 土地造成事業
カ 道路整備事業
キ 森林皆伐事業
(5) 奨励対象事業 水源保護地域及び特別水源保護区域において、自然環境を保全し水質の維持と水量の確保を図ると思われる次の事業をいう。
ア 広葉樹等天然林育成事業
イ 間伐等優良材撫育事業
ウ 治山治水等水源保全事業
エ 複層林整備事業
(村の責務)
第3条 村は、第1条の目的を達成するため、水源の保護に係る施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。
2 村は、水道の水質保護の思想を高揚し、知識の普及を図るとともに、村民の行う水源保護に関する自主的活動の助長に務めなければならない。
(事業者の責務)
第4条 水源保護地域内で事業を行う個人、企業、団体等(以下「事業者」という。)は、その事業活動を行うに当たっては、水源の汚濁や自然環境を損なうこととならないよう、自然の変改を最小限にとどめるとともに、水質の保全、植生の回復、その他自然環境を保全するために必要な処置を講ずるほか、村が実施する水源保護に係る施策に協力する責務を有する。
(村民の責務)
第5条 村民及び村内に滞在する者又は旅行中の者は、水源保護地域内にあっては、すすんで水質の保全、動植物の保護、植樹緑化の促進、自然環境の汚染防止及び美化等に、自ら不断の努力をするとともに、村が実施する水源保護に係る施策に協力する責務を有する。
(水道水源保護委員会の設置)
第6条 水源の保護を図り、簡易水道事業の運営を円滑に推進するため、東白川村水道水源保護委員会(以下「保護委員会」という。)を置く。
2 保護委員会は、水道に係る水源の保護に関する事項について、村長に意見を述べるほか、村長から諮問があった場合は、保護委員会としての意見を答申するものとする。
3 前2項に定めるもののほか、保護委員会に関し必要な事項は、規則で定める。
(水源保護地域及び特別水源保護区域の指定)
第7条 村長は、水源の水質を保全するため、水源保護地域及び特別水源保護区域を指定することができる。
2 村長は、水源保護地域及び特別水源保護区域を指定しようとするときは、あらかじめ保護委員会の意見を聴かなければならない。
3 村長は、水源保護地域及び特別水源保護区域を指定しようとする場合は、あらかじめ、土地所有者又は土地占有者の同意を得るものとする。
4 水源保護地域及び特別水源保護区域の指定を受ける土地所有者又は土地占有者は、前項に定める同意を、正当な理由のない限り、拒み、又は妨げてはならない。
5 前3項の規定は、村長が水源保護地域及び特別水源保護区域を変更し、又は解除しようとする場合についても準用する。
(水源保護地域内の規制)
第8条 何人も、水源保護地域内において、林業経営に関連する建物以外の建物等建築事業及び廃棄物処理事業を実施し、又は設置してはならない。ただし、その他の規制対象事業にあっては、水源の汚濁や自然環境を損なうことのないと認めたものに限って、許可することができる。
(特別水源保護区域内の規制)
第9条 何人も、特別水源保護区域内において、第2条第4号に規定する事業を実施し、又は設置してはならない。ただし、公共団体が事業主体で実施する事業及びこれに準ずる事業は、水源の汚濁や自然環境を損なうことがないと認めたものに限って、許可することができる。
(事前の協議)
第10条 水源保護地域内において、規制対象事業及び奨励対象事業を行おうとする事業者は、あらかじめ、村長に協議しなければならない。
(対象事業の許可)
第11条 村長は、あらかじめ事業者から協議の申出のあった規制対象事業及び奨励対象事業について、水源の汚濁や自然環境を損なうことのないよう、自然の変改を最小限にとどめる条件を付して許可することができる。
2 許可を受けた事業者は、許可の条件を遵守して事業を実施し、終了後速やかに村の検査を受けなければならない。また、事業実施中、水源の汚濁や自然環境を損なうおそれがあるときは、事業を中止しなければならない。
3 村長は、事業者から協議の申出のあった規制対象事業について、著しく水源の汚濁や、自然環境を損なうと思われる事業は、保護委員会の意見を聴いて、許可しないことができる。
(奨励対象事業の推進)
第13条 村長は、届出のあった奨励対象事業に対して、水源の保護に効果があると認めた事業には、規則で定めるところにより、予算の範囲内で補助することができる。
(監視等の整備)
第14条 村長は、水源保護地域内の水源保全の状況を把握し、水源保護のための規制の適正を期するために、必要な監視等の体制の整備に務めなければならない。
2 前項の規定による監視等には、自然環境保全条例第16条に規定する東白川村環境保全監視員を充てることができる。
(立入調査)
第15条 村長は、水道水源の保全のため、水源保護地域内の他人の占有する土地に立ち入って調査を行う必要があると認めるときは、その必要の限度において、職員を当該土地に立ち入らせ、その状況を調査させることができる。
2 前項の規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り、第1項の規定による立入りを拒み、妨げ、又は忌避してはならない。
(土地の権利移転の届出)
第16条 水源保護地域内の土地所有者は、水源保護地域内の土地について土地売買等の契約を締結しようとする場合は、あらかじめ村長に届け出なければならない。
(準用)
第17条 水源保護地域内における開発行為等で、この条例に該当しない事項は、自然環境保全条例を準用する。
(委任)
第18条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成11年4月1日から施行する。
附則(令和2年条例第1号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和5年条例第3号)
この条例は、令和5年4月1日から施行する。