○小谷村景観条例
令和4年12月19日
条例第29号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 景観計画の策定等(第5条―第9条)
第3章 行為の規制等(第10条―第21条)
第4章 景観重要建造物及び景観重要樹木の指定等(第22条―第26条)
第5章 自主的活動の支援(第27条―第29条)
第6章 小谷村景観審議会(第30条―第36条)
第7章 雑則(第37条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づき、景観計画の策定、行為の規制、その他景観づくりに関する施策の基本となる事項を定めることにより、彩り豊かな四季と「塩の道」がつなぐ、ふるさと「小谷」の景観づくりを推進するとともに、人と自然が共生する美しい郷土を次世代に伝えることを目的とする。
(1) 工作物 土地又は建築物に定着し、若しくは継続して設置されるもののうち、建築物以外のもので、規則で定めるものをいう。
(2) 事業者 村内で商業、工業、建設業、観光業その他の事業活動を行うものをいう。
(村の責務)
第3条 村は、法第2条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、小谷村ならではの良好な景観の育成を推進しなければならない。
2 村は、景観計画の策定及び実施に当たっては、住民及び事業者の意見が反映されるよう努めなければならない。
3 村は、建築物の建築等及び工作物の建設等又は公共施設の整備等に当たっては、良好な景観の育成に先導的な役割を果たすよう努めなければならない。
4 村は、住民及び事業者の良好な景観に関する意識の高揚を図るため、知識の普及その他必要な措置を講ずるとともに、住民及び事業者の良好な景観の育成に資する活動を支援するよう努めなければならない。
(住民及び事業者の責務)
第4条 住民及び事業者は、自らが景観を育成する役割を担うものであることを認識し、それぞれの立場から積極的に良好な景観の育成に努めるとともに、村が実施する良好な景観の育成に関する施策に協力しなければならない。
第2章 景観計画の策定等
(景観計画の策定)
第5条 村長は、良好な景観の育成を総合的、かつ、計画的に推進するため、法第8条第1項の規定に基づき景観計画を策定するものとする。
(策定の手続)
第6条 村長は、景観計画を策定し、又は変更(規則に定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、法第9条の規定によるほか、あらかじめ、小谷村景観審議会(第30条を除き、以下「審議会」という。)の意見を聴くものとする。
(計画提案を行うことのできる団体等)
第7条 法第11条第2項の規定により条例で定める団体は、法第81条の規定による景観協定の認可を受けた団体及び第27条第1項の規定により認定された景観育成住民協定の認定を受けた団体とする。
(計画提案に対する判断等)
第8条 村長は、法第11条第1項又は第2項の規定による提案があった場合において、法第12条の規定による判断をするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
2 前項の提案を行った者は、審議会の会議に出席し、当該提案に関する意見を述べることができる。
(景観育成重点地区)
第9条 村長は、法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域内において、次に掲げる地区のうち、特に重点的に景観の育成を図る必要がある地区(以下「景観育成重点地区」という。)として定めることができる。
(1) 自然と調和した景観を有する地区
(2) 優れた眺望景観を有する地区
(3) 道路、河川に沿って特徴ある景観を有する地区
(4) 歴史的特徴のある景観を有する地区
(5) その他景観の育成上必要と認める地区
第3章 行為の規制等
(景観計画への適合)
第10条 景観計画区域内において、法第16条第1項各号に掲げる行為をしようとする者は、当該行為を景観計画における景観育成基準に適合するよう努めなければならない。ただし、村長が認める場合はこの限りでない。
(届出を要する行為)
第11条 法第16条第1項の条例で定める事項は、行為をしようとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)並びに当該行為の完了予定日とする。
2 法第16条第1項の届出は、規則で定めるところにより行うものとする。
3 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、景観法施行令(平成16年政令第398号)第4条第1号、第2号(木竹の植栽を除く。)及び第4号に規定する行為とする。
(届出を要しない行為)
第12条 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 仮設の建築物又は仮設の工作物の新築、増築、改築、移転、外観を変更することとなる修繕、模様替え若しくは色彩の変更
(2) 農業、林業又は漁業(以下「農業等」という。)を営むために行う土地の形質の変更
(3) 屋外における土石、廃棄物又は再生資源その他の物件の堆積で、次に掲げるもの
ア 堆積の期間が30日を超えて継続しないもの
イ 農業等を営むために行うもの
(4) 法第16条第1項の届出を要する行為のうち、規則で定める規模以下のもの
(5) 法令の規定に基づき、許可若しくは認可を受け、又は届け出て行う行為のうち、景観育成のための措置が講じられているものとして規則で定めるもの
(助言及び指導等)
第13条 村長は、良好な景観の育成のために必要があると認められるときは、法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者に対し、必要な措置を講ずるよう助言若しくは指導をし、又は当該届出に係る行為の現況について報告を求めることができる。
2 村長は、前項の規定により報告を求める又は助言や指導をしようとする場合において必要と認めるときは、審議会の意見を聴くことができる。
(勧告)
第14条 村長は、法第16条第3項の規定による勧告をしようとする場合において必要があると認めるときは、審議会の意見を聴くことができる。
(勧告に従わなかった旨の公表)
第15条 村長は、前条の勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
2 村長は、前項の規定による公表に当たっては、当該勧告を受けた者に意見陳述の機会を与えた上で、審議会の意見を聴かなければならない。
(特定届出対象行為)
第16条 法第17条第1項の条例で定める行為は、法第16条第1項第1号及び第2号に掲げるものとする。
(変更命令に係る手続)
第17条 村長は、法第17条第1項又は第5項の規定による変更命令等をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
(行為の着手日の短縮)
第18条 村長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為が景観計画に定められた景観育成基準に照らし支障がないと認めるときは、速やかに、当該届出をした者に対し法第18条第2項の規定により期間を短縮する旨の通知をしなければならない。
(事前協議)
第19条 届出を要する行為をしようとする者は、あらかじめ規則で定めるところにより、当該行為の計画について村長と協議しなければならない。
(事前協議に対する指導等)
第20条 村長は、前条の規定による協議があったときは、当該協議をした者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。
2 村長は、同条の規定による協議があったときは、審議会の意見を聴くことができる。
3 村長は、良好な景観を育成するために必要があると認められるときは、同条に掲げる行為をしようとする者に対し、必要な報告を求めることができる。
(空地等に係る助言、指導及び勧告)
第21条 村長は、良好な景観を著しく阻害している空地、建築物又は工作物について、その所有者、占有者又は管理者に対し、良好な景観育成に配慮した利用又は管理を図るよう助言、指導及び勧告をすることができる。
第4章 景観重要建造物及び景観重要樹木の指定等
(景観重要建造物及び景観重要樹木の指定の手続)
第22条 村長は、法第19条第1項の規定による景観重要建造物の指定又は法第28条第1項の規定による景観重要樹木の指定をしようとするときは、あらかじめ、その所有者及び権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得るとともに、審議会の意見を聴かなければならない。
(景観重要建造物及び景観重要樹木の管理の方法の基準)
第23条 法第25条第2項の規定による管理の方法の基準は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 景観重要建造物の修繕は、原則として当該修繕前の外観を変更することのないようにすること。
(2) 消火器の設置その他の景観重要建造物の防災上の措置を講ずること。
(3) 景観重要建造物の滅失を防ぐため、その敷地、構造及び建築設備の状況を定期的に点検すること。
(4) 前各号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のため必要な管理の方法の基準として規則で定めるもの
2 法第33条第2項に規定により定める管理の方法の基準は、各号に掲げるものとする。
(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、剪定その他の必要な管理を行うこと。
(2) 景観重要樹木の滅失、枯死等を防ぐため、病害虫の駆除その他の必要な措置を講ずること。
(3) 前各号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のため必要な管理の方法の基準として規則で定めるもの
(原状回復命令等の手続)
第24条 村長は、法第23条第1項(法第32条第1項において準用する場合を含む。)の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置を命じようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
(管理に関する命令又は勧告の手続)
第25条 村長は、法第26条又は法第34条の規定により必要な措置を命じ、又は勧告しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
(指定の解除の手続)
第26条 村長は、法第27条第2項の規定による景観重要建造物又は法第35条第2項の規定による景観重要樹木の指定の解除をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
第5章 自主的活動の支援
(景観育成住民協定の認定)
第27条 村長は、一定の区域内に存在する土地又は建築物等の所有者等が、規則で定める事項を規定し、規則で定める要件を満たして当該区域における景観育成に関する協定を締結した場合は、当該協定を景観育成住民協定として認定することができる。
2 前項に規定する景観育成住民協定の認定を受けようとする者は、規則で定めるところにより、村長に申請しなければならない。
3 村長は、第1項の規定により景観育成住民協定を認定したときは、その概要を公表するものとする。
4 第1項の規定により認定された景観育成住民協定を締結した者は、当該景観育成住民協定を変更し、又は廃止したときは、速やかにその内容を村長に届け出なければならない。
(表彰)
第28条 村長は、良好な景観の育成に著しく寄与していると認められる建築物、工作物、屋外広告物その他の物件について、その所有者、設計者、施工者、その他の関係者を表彰することができる。
2 村長は、前項に定める者のほか、良好な景観の育成に著しく貢献したと認められる個人又は団体を表彰することができる。
3 村長は、前2項の規定により表彰をしようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。
(景観育成に係る助成等)
第29条 村長は、良好な景観の育成に著しく寄与すると認められる行為をしようとする者に対し、専門家の派遣若しくは技術的な援助又はその活動に要する経費の一部を助成することができる。
第6章 小谷村景観審議会
(設置)
第30条 良好な景観の保全及び育成に関し、必要な事項を調査及び審議するため、小谷村景観審議会を設置する。
(任務)
第31条 審議会は、この条例に定めるもののほか、村長の諮問に応じ、良好な景観の保全及び育成に関する事項について調査及び審議する。
(組織)
第32条 審議会は、委員20人以内で組織する。
2 委員は、次の各号に掲げる者のうちから村長が委嘱する。
(1) 識見を有する者
(2) 関係事業者並びに関係機関及び団体の代表者
(3) 公募による者
(4) 前各号に掲げるもののほか、村長が必要と認める者
(任期)
第33条 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
2 前項の委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長及び副会長)
第34条 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
(会議)
第35条 審議会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。
2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
4 審議会は、その任務を遂行するため必要があると認めるときは、委員でない者を会議に出席させ、意見を述べさせることができる。
(専門部会)
第36条 審議会に、必要に応じて専門部会を置くことができる。
第7章 雑則
(補則)
第37条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、村長が別に定める。
附則
(経過措置)
2 この条例の施行の際、現に長野県景観条例(平成4年長野県条例第22号)第32条第1項の規定により長野県知事の認定を受けている景観育成住民協定は、第27条第1項の規定により認定を受けたものとみなす。
3 施行日前に、長野県景観条例(平成4年長野県条例第22号。以下「県条例」という。)に基づく法第16条第1項又は第2項の規定による届出を行った行為については、その届出に係る処分等において県条例の規定を適用するものとする。