○和光市議会議員政治倫理条例

平成14年12月9日

条例第36号

(目的)

第1条 この条例は、和光市議会議員(以下「議員」という。)が市民の厳粛な信託を受けた全体の奉仕者としての自覚に立ち、自らの人格と倫理の向上に努め、自己の地位による影響力を行使して、自己又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼にこたえ、清潔かつ公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(議員の責務)

第2条 議員は、市民全体の代表者として、市政に関わる権能と責務を深く自覚し、地方自治の本旨に従って、その使命の達成に努めなければならない。

(政治倫理基準)

第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の奉仕者としての人格と倫理の向上に努め、品位を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 政治活動に関し、企業及び団体等からの政治的又は道義的な批判を受けるおそれのある寄付行為等を受けてはならないこと。その後援団体についても同様とすること。

(3) 市が行う公共工事、業務委託、物品納入及び使用資材の購入に関し、特定の業者の推薦、又は紹介をするなど有利な取り計らいをしないこと。

(4) 市職員の公正な職務執行を妨げ、その権限又は地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。

(5) 市職員の採用、その他人事に関して、特定の者の推薦又は紹介をしないこと。

2 議員は、前項の政治倫理基準に違反する事実があるとして疑惑を持たれ、道義的な批判を受けたときは、誠実に疑惑の解明に当たり、その責任を明らかにしなければならない。

(市民の責務)

第4条 市民は、自らも主権者として市政を担い、公共の利益を実現する義務を負うものであるとの自覚を持ち、議員に対し、次に掲げる働きかけを行ってはならない。

(1) 第3条第1項第3号に規定する公共工事、業務委託等の推薦又は紹介の依頼

(2) 市職員の採用に関しての推薦又は紹介の依頼

(3) 道義的批判を受けるおそれのある寄付行為

(4) 飲食の供与その他社会通念上疑惑を持たれるおそれのある行為

(関係企業に対する議員の措置)

第5条 議員は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、市民に疑惑の念を生じさせないよう市が行う公共事業等の請負契約、下請契約、業務委託契約及び一般物品納入契約等の契約行為について、議員の配偶者、議員の2親等以内の親族若しくは議員と同居の親族が経営する企業又は議員が実質的に経営に関与する企業がその契約を辞退するよう努めなければならない。

2 前項に規定する「実質的に経営に関与する企業」とは、次の各号のいずれかに該当する企業をいう。

(1) 議員が、その経営方針に関与している企業

(2) 議員が、資本金その他これに準ずるものの5分の1以上を出資している企業

(3) 議員が、報酬を定期的に受領している企業

(誓約書の提出)

第6条 議員は、この条例を遵守する旨の誓約書を議員の任期開始の日から30日以内に、議長に提出しなければならない。

(市民の調査請求権)

第7条 市民(法第18条に定める選挙権を有する者に限る。以下この条において同じ。)は、議員が第3条の規定に違反する疑いがあると認めるときは、これを証する書面に、議員3人以上の調査の請求に同意する旨の書面又は市民の総数の100分の1以上の市民の連署とともに、文書で議長に調査を請求することができる。

(審査会の設置)

第8条 議長は、前条の規定による市民の調査の請求を受けたときは、10日以内に和光市議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、これにその審査を付託しなければならない。

2 審査会の委員は、7人とし、議員の中から議長が任命する。

3 委員の任期は、付託された事案の審査結果を議長に報告した日までとする。

4 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、公開することに支障があると認めるときは、出席委員の3分の2以上の同意を得て公開しないことができる。

5 委員は、その職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

6 委員は、その職務を政治的目的のために利用してはならない。

(審査会の調査)

第9条 審査会は、第8条第1項の規定により調査を付託されたときは、当該事案の存否の調査を行い、当該調査を付託された日の翌日から起算して60日以内に調査結果の報告書を議長に提出しなければならない。ただし、審査会は、やむを得ない理由により、その期間内に報告書を作成できないと判断したときは、その期間を延長することができる。

2 審査会は、前項の調査を行うため当該議員その他関係者に対し、事情聴取することができる。

(請求内容の通知及び公表)

第10条 議長は、前条第1項の報告書の提出を受けたときは、速やかにその請求内容を請求者に通知し、併せてこれを公表しなければならない。

(審査結果の尊重)

第11条 議会は、審査会から報告を受けた事項を尊重し、政治倫理基準に違反したと認められる議員に対して、議会の名誉と品位を守り、市民の信頼を回復するため、必要な措置を講ずるものとする。

(議員の協力義務)

第12条 議員は、審査会の要請があるときは、その会議に出席して意見を述べ、又は関係資料を提出しなければならない。

(委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成15年1月1日(以下「施行日」という。)から施行する。

(経過措置)

2 この条例施行の際、現に議員である者の誓約書の提出については、第6条中「議員の任期開始の日から30日以内に」とあるのは、「この条例の施行日以後速やかに」と読み替えて適用する。

3 第7条の規定は、この条例の施行日以後になされた議員の行為について適用し、施行日前になされた議員の行為については、適用しない。

和光市議会議員政治倫理条例

平成14年12月9日 条例第36号

(平成15年1月1日施行)