○山口市子ども・子育て条例

平成29年12月15日

条例第46号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 関係者の責務・役割(第4条―第10条)

第3章 施策の基本となる事項(第11条―第13条)

第4章 施策の推進(第14条―第16条)

第5章 雑則(第17条)

附則

全ての子どもは次代を担うかけがえのない宝です。

四季折々の豊かな自然に囲まれ、古くから我が国の歩みを牽引してきた歴史と文化の中で、山口市で生きる全ての子どもが、家庭や地域の愛情に包まれながら、のびのびと学び、安心して夢と希望を育みながら健やかに成長し、地域社会の一員としてしっかりと育っていくことは、私たち市民全ての願いです。

しかしながら、急速な少子化や核家族化の進行、地域とのつながりや人間関係の希薄化などが進む中、待機児童やいじめ、児童虐待、子どもの貧困などが社会問題化するなど、子どもや子育てを取り巻く環境は厳しさを増しています。

こうした中、子どもが心身ともに健やかに成長できる環境を作り上げていくことは、本市においても、地域社会全体で取り組むべき最重要課題です。

あらゆる環境下において、等しく子どもたちが学び、成長することが出来るよう、社会全体がその役割と責任を自覚し、全ての子どもの健やかな成長や学びに対する支援、そして、それを支える子育て環境の充実をより一層図っていく必要があります。

全ての子どもが主体的な一人の人間として生きるためには、一人ひとりが創造性や自尊心を磨き、ふるさとへの愛着を持って成長することが大切です。また、次代を担う子どもたちが、結婚、出産、子育てに希望を持ち、安心して産み育てていくことのできる山口市であり続けなければなりません。

ここに、全ての子どもが笑顔で喜びに満ち、希望にあふれる山口市の実現を目指し、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、子ども・子育て支援の推進に関する基本理念を定め、市、保護者、学校等、市民、地域コミュニティ、子ども・子育て支援団体及び事業者の責務又は役割を明らかにするとともに、市が取り組むべき施策の基本となる事項を定めることによって、子ども・子育て支援を総合的、かつ、計画的に推進し、もって、全ての子どもが健やかに育つことのできる地域社会の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 子ども おおむね18歳未満の者をいう。

(2) 子ども・子育て支援 全ての子どもの健やかな成長のために適切な環境が等しく確保されるよう、国若しくは地方公共団体又は地域における子育ての支援を行う者が実施する子ども及び子どもの保護者に対する支援をいう。

(3) 保護者 親権を行う者、未成年後見人、里親その他の者であって、子どもを現に監護するものをいう。

(4) 学校等 幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校その他の教育機関並びに保育所及び児童館その他の児童福祉施設、放課後児童健全育成事業を行う施設その他の子育て支援事業を実施する施設並びにその他これらに類する施設をいう。

(5) 市民 市内に居住する者のほか、市内で働く者、学ぶ者及び公共的な活動を行う団体を含めたものをいう。

(6) 地域コミュニティ 地域住民が自主的に参加し、その総意及び協力により住み良い地域社会をつくることを目的として構成された集団をいう。

(7) 子ども・子育て支援団体 ボランティア団体、特定非営利活動法人、福祉関係団体その他子どもの健やかな育成を目的として市内で活動する団体をいう。

(8) 事業者 市内で事業活動を営む個人又は法人をいう。

(9) 協働 市民と市又は市民同士が相互に相手の特性を理解及び尊重し、共通の目的に向かい、責任及び役割分担を明確にし、共に取り組むことをいう。

(基本理念)

第3条 全ての子どもが健やかに育つことのできる地域社会の実現に向けた取組は、次に掲げる事項を基本理念として行うものとする。

(1) 子どもの権利及び自主性を尊重するとともに、子どもの最善の利益を第一に考慮して取り組むこと。

(2) 子どもが心身ともに健やかに育ち、自立することができるよう、市、保護者、学校等、市民、地域コミュニティ、子ども・子育て支援団体及び事業者がそれぞれの責務又は役割に応じて、協働して取り組むこと。

第2章 関係者の責務・役割

(市の責務)

第4条 市は、子ども・子育て支援に係る施策を総合的、かつ、計画的に推進するものとする。

(保護者の責務)

第5条 保護者は、家庭が子どもの育つ基盤であり、自らが子育てについての第一義的責任を有することを自覚し、子どもが心身ともに健やかに育つよう努めるものとする。

(学校等の責務)

第6条 学校等は、子どもが個及び集団での様々な活動を通じて、豊かな人間性とたくましく生きる力を備え、成長していけるよう、子ども・子育て支援に積極的に取り組むとともに、市、市民、地域コミュニティ、子ども・子育て支援団体及び事業者等が実施する取組に協力するよう努めるものとする。

(市民の役割)

第7条 市民は、子ども・子育て支援への関心と理解を深め、その取組を積極的に行うよう努めるものとする。

2 市民は、地域が子どもの社会性及び豊かな人間性を育む場であることを認識し、市、市民、地域コミュニティ、子ども・子育て支援団体及び事業者等が実施する取組に協力するよう努めるものとする。

(地域コミュニティの役割)

第8条 地域コミュニティは、地域が子どもの社会性及び豊かな人間性を育む場であることを認識し、地域全体で子ども・子育て支援に取り組んでいくための意識づくりや環境づくりに努めるものとする。

(子ども・子育て支援団体の役割)

第9条 子ども・子育て支援団体は、子ども・子育て支援の取組を積極的に行うとともに、その活動を通じて、広く子ども・子育て支援への関心と理解が深まるよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第10条 事業者は、自ら雇用する労働者が子育てと仕事の両立を図ることができるよう必要な雇用環境の整備に努めるとともに、子ども・子育て支援の取組を積極的に支援し、協力するよう努めるものとする。

第3章 施策の基本となる事項

(施策の基本となる事項)

第11条 市は、子ども・子育て支援の推進に関する施策を実施するに当たっては、次の各号に掲げる事項を基本として取り組むものとする。

(1) 全ての子どもの健やかな成長を支援すること。

 保育及び教育環境の充実に関すること。

 保健・医療体制等の充実に関すること。

 多様な人との交流及び様々な体験をすることができる機会の提供に関すること。

 子どもの居場所づくりに関すること。

 いじめや虐待など子どもの悩みや不安等に対する相談及び支援に関すること。

(2) 様々な環境にある子育て家庭を支援すること。

 子育てに必要な情報の提供等に関すること。

 保護者の悩みや不安等に対する相談及び支援に関すること。

 子育てと仕事の両立の推進に関すること。

(3) 社会全体で子どもと子育て家庭を支援すること。

 地域の子ども・子育て環境の整備に関すること。

 子どもの安全・安心の確保に関すること。

(相談体制の充実)

第12条 市は、子どもやその保護者等が、自分自身に関すること、家庭及び学校に関すること、暴力、虐待及びいじめに関すること等のどのような内容についても、安心して容易に相談することができる窓口の体制整備に取り組むとともに、その相談窓口の周知を図るものとする。

(社会生活を円滑に営む上で困難を有する子ども等への支援)

第13条 市は、社会生活を円滑に営む上で困難を有する子どもやその保護者等に対し、状況に応じた適切な支援を行うものとする。

2 市は、学校等、市民、地域コミュニティ、子ども・子育て支援団体等と連携して社会生活を円滑に営む上で困難を有する子どもやその保護者等の早期発見に努めるものとする。

第4章 施策の推進

(基本計画の策定)

第14条 市は、子ども・子育て支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 市は、基本計画の策定に当たっては、市民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。

3 市は、基本計画を策定したときは、遅滞なくこれを公表するものとする。

4 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。

(推進体制の整備)

第15条 市は、保護者、学校等、市民、地域コミュニティ、子ども・子育て支援団体及び事業者と連携し、かつ、協働して、子ども・子育てに関する切れ目のない支援を包括的に推進するための体制を整備するものとする。

(啓発及び広報)

第16条 市は、子ども・子育て支援に対する市民の理解及び関心を深めるための啓発及び広報その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

第5章 雑則

(財政上の措置)

第17条 市は、子ども・子育て支援に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

附 則

この条例は、平成30年4月1日から施行する。

山口市子ども・子育て条例

平成29年12月15日 条例第46号

(平成30年4月1日施行)