○吉岡町自然環境、景観等と太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例

令和4年9月14日

条例第24号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 保全地区(第8条―第10条)

第3章 保全地区内等における事業の許可(第11条―第22条)

第4章 雑則(第23条―第29条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、自然環境、景観等と調和のとれた太陽光発電事業について必要な事項を定めることにより、美しい自然環境及び魅力ある景観の維持を図り、もって吉岡町民(以下「町民」という。)の生活環境の保全に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 吉岡町(以下「町」という。)の美しい自然環境、魅力ある景観及び良好な生活環境は、町民の長年にわたる努力により形成されてきたものであることに鑑み、町民共通のかけがえのない財産として、現在及び将来の町民がその恵沢を享受することができるよう、その保全及び活用が図られなければならない。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 太陽光発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第2項に規定する再生可能エネルギー発電設備(送電に係る電柱等を除く。)であって、同条第3項第1号の太陽光を再生可能エネルギー源とするものをいう。

(2) 事業者 太陽光発電設備を設置し、及び当該太陽光発電設備を利用して発電を行う事業(木竹の伐採、盛土、切土、埋土等の造成工事を含む。以下これらを「事業」という。)を計画し、並びにこれを実施する者をいう。

(3) 事業区域 事業を行う土地(太陽光発電設備に附属する管理施設、変電設備、緩衝帯等に係る土地を含む。)であって、柵等の工作物の設置その他の方法により当該土地以外の土地と区別された区域をいう。

(4) 土地所有者等 事業区域に係る土地の所有者、占有者又は管理者をいう。

(5) 工事施行者 事業に関する工事を請け負った者及び請負契約によらないで自らその工事を行う者をいう。

(6) 近隣住民 事業区域の境界から50メートル以内の区域に居住する者及び土地又は建物を所有する者をいう。

(7) 該当自治会 地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2に規定する地縁による団体その他これに類する団体で、事業区域の境界から50メートル以内の区域を含む自治会をいう。

(町の責務)

第4条 町は、第2条の基本理念にのっとり、自然環境、景観等と太陽光発電設備の設置との調和が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。

(町民の責務)

第5条 町民は、第2条の基本理念にのっとり、町の施策及びこの条例に定める手続の実施に協力するよう努めなければならない。

(土地所有者等の責務)

第6条 土地所有者等は、事業により、自然環境若しくは景観を損ない、又は災害若しくは生活環境への被害等が発生することのないよう、当該土地を適正に管理しなければならない。

(事業者の責務)

第7条 事業者は、関係法令及びこの条例を遵守し、自然環境若しくは景観を損ない、又は災害若しくは生活環境への被害等が発生することのないよう十分に配慮し、並びに近隣住民及び該当自治会との良好な関係を保たなければならない。

第2章 保全地区

(保全地区の指定)

第8条 吉岡町長(以下「町長」という。)は、自然環境、景観等と太陽光発電設備の設置との調和が必要な区域を保全地区として指定するものとする。

(保全地区)

第9条 前条に規定する保全地区は、次のとおりとする。

(1) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第12条の4第1項の規定により定めた同項第1号の地区計画のうち、良好な商業集積地形成を目指す区域

(2) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第7条第1項の規定により指定された土砂災害警戒区域及び同法第9条第1項の規定により指定された土砂災害特別警戒区域

(3) 前2号に掲げるもののほか、次に掲げる地区のいずれかに該当するものとして町長が指定する区域

 河川、森林等の所在する自然環境が良好な地区のうち、その地区の周辺の自然的社会的諸条件からみて、その地区における自然環境を保全することが特に必要と認められる区域

 土砂崩れ、溢水等の災害のおそれのある地区のうち、特に災害の危険性が高く、木竹の伐採、盛土、切土等の造成行為を制限する必要があると認められる区域

2 町長は、前項第3号に規定する地区の指定を行うときは、吉岡町土地開発事業審議会(吉岡町土地開発事業審議会設置条例(平成17年吉岡町条例第34号)第1条の規定に基づき設置する吉岡町土地開発事業審議会をいう。)の意見を聴かなければならない。

3 町長は、前条に規定する保全地区の指定を行ったときは、その旨を告示するものとする。この場合において、当該指定は、当該告示によってその効力を生ずるものとする。

(保全地区の変更及び解除)

第10条 町長は、必要があると認めるときは、速やかに保全地区の指定を変更し、又は解除するものとする。

2 前条第2項及び第3項の規定は、前項に規定する保全地区の指定の変更又は解除について準用する。この場合において、同条第2項及び第3項中「指定」とあるのは「指定の変更又は解除」と読み替えるものとする。

第3章 保全地区内等における事業の許可

(届出)

第11条 事業者は、第13条第1項の規定による許可(以下「事業計画の許可」という。)又は第15条第1項の規定による変更の許可(以下「事業計画の変更許可」という。)を申請しようとするときは、事業に関する計画(以下「事業計画」という。)を、あらかじめ町長に届け出なければならない。

(事前協議等)

第12条 事業者は、前条の規定により届け出た事業計画について、町長と協議しなければならない。

2 事業者は、前項の規定による町長との協議が終了したときは、近隣住民及び該当自治会の区域に居住する者(以下これらを「近隣住民等」という。)に対し事業計画の周知を図るため、当該事業計画に係る土地に標識を設置するとともに、当該標識を設置した日から起算して14日以内に近隣住民等に対して当該事業計画についての説明会を開催しなければならない。

3 近隣住民等は、前項の説明会を開催した事業者に対し、事業計画について意見を申し出ることができる。

4 前項の規定による意見の申出を受けた事業者は、当該申出をした近隣住民等と協議しなければならない。

5 事業者は、第2項の規定により標識を設置したとき、同項の規定により近隣住民等への説明会を開催したとき、第3項の規定による意見の申出があったとき及び前項の規定により協議を行ったときは、町長に報告しなければならない。

(事業計画の許可)

第13条 事業者は、保全地区内において事業を行おうとするとき又は事業区域の面積が500平方メートルを超える事業を行おうとするときは、事業区域ごとに事業計画を定め、当該事業計画に係る事業区域を示す図面その他規則で定める書類を添えて町長に申請し、その許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる事業については、この限りでない。

(1) 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋根又は屋上に太陽光発電設備を設置する事業

(2) 工場立地法(昭和34年法律第24号)第4条第1項第1号の規定に基づく環境施設として太陽光発電施設を設置する事業

2 前項の事業計画には、次に掲げる事項を定めなければならない。

(1) 事業者の氏名及び住所(法人にあっては、名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名。以下同じ。)

(2) 事業区域の所在及び面積

(3) 工事施行者の氏名及び住所

(4) 設置工事の完了時における土地の形状

(5) 太陽光発電設備を設置する位置

(6) 設置工事の期間及び工程

(7) 自然環境の保全のための方策

(8) 排水施設その他土砂等の流出及び崩壊を防止する施設の計画

(9) 太陽光の反射等による生活環境に対する被害を防止するための措置

(10) 前2号に掲げるもののほか、災害、事故等の発生を防止するための措置

(11) 事業の実施に関し必要となる法令その他条例等の許認可の取得に関する計画

(12) 工事の完了後における太陽光発電設備の維持管理の計画

(13) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項

(許可の基準)

第14条 町長は、前条第1項の規定による申請を受けたときは、その内容を審査し、次の各号のいずれにも該当すると認めたときは、事業計画の許可をするものとする。

(1) 事業区域の周辺地域(以下この項において「周辺地域」という。)における自然環境を害するおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。

(2) 周辺地域の景観を阻害するおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。

(3) 周辺地域において土砂崩れ、溢水等を発生させるおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。

(4) 設置工事の完了時における事業区域の高さ、法面の勾配、造成を行う面積等の造成計画が宅地造成及び特定盛土等規制法(昭和36年法律第191号)、都市計画法その他関係法令(次号及び第6号においてこれらを「関係法令」という。)及び規則で定める基準に適合していること。

(5) 排水施設、擁壁その他の施設が関係法令及び規則で定める基準に適合していること。

(6) 地形、地質及び周囲の状況に応じ配慮すべき事項又は講ずべき措置が関係法令及び規則で定める基準に適合していること。

(7) 周辺地域における道路、河川、水路その他公共施設の構造等に支障を来すおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。

(8) 太陽光の反射、騒音等による生活環境に対する被害を防止するための措置その他の近隣住民等の生活環境を保全すべき措置が講じられていることとして規則で定める基準に適合していること。

(9) 設置する太陽光発電設備が電気事業法(昭和39年法律第170号)、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法その他関係法令の基準に適合していること。

(10) 町の総合計画その他将来計画に適合したものであること。

2 前項の規定にかかわらず、町長は、事業計画の許可の申請をした者又は当該申請に係る工事施行者が次の各号のいずれかに該当する場合は、事業計画の許可をしない。

(1) 第23条の規定により事業計画の許可の取消しを受けた場合であって、当該取消しを受けた日から起算して5年を経過しないとき。

(2) 吉岡町暴力団排除条例(平成24年吉岡町条例第15号)第2条第1号に規定する暴力団又は同条第2号に規定する暴力団員若しくは当該暴力団員と密接な関係を有する者がその事業活動を支配するとき。

3 町長は、事業計画の許可をする場合においては、あらかじめ吉岡町土地開発事業審議会の意見を聴かなければならない。

4 町長は、事業計画の許可をしたときは、自然環境若しくは景観の維持又は災害若しくは生活環境への被害等の発生の防止のために必要な条件を付することができる。

(変更の許可)

第15条 事業計画の許可を受けた事業者(以下「許可事業者」という。)は、当該許可を受けた事業計画のうち第13条第2項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、町長の許可を受けなければならない。

2 前条の規定は、事業計画の変更許可について準用する。この場合において、同条中「事業計画の許可」とあるのは「事業計画の変更許可」と読み替えるものとする。

(標識の掲示)

第16条 許可事業者は、事業計画の許可を受けた事業(事業計画の変更許可を受けた事業を含む。以下これらを「許可事業」という。)に係る太陽光発電設備による発電を行っている間は、当該許可事業を行う事業区域内の公衆の見やすい場所に、規則で定める標識を掲示しなければならない。

(太陽光発電設備の搬入車両への表示)

第17条 許可事業者は、許可事業を行う事業区域に太陽光発電設備を搬入しようとするとき(当該搬入を他の者に請け負わせて行おうとするときを含む。)は、当該太陽光発電設備の搬入の用に供する車両である旨その他規則で定める事項を当該車両の見やすい箇所に表示しなければならない。

(着手の届出)

第18条 許可事業者は、許可事業に着手するときは、あらかじめ町長に届け出なければならない。

(完了の届出)

第19条 許可事業者は、許可事業に係る工事を完了したときは、完了した日から起算して10日以内に、その旨を町長に届け出なければならない。

2 町長は、前項の規定による届出があったときは、速やかに事業計画の許可の内容に適合していることを検査し、その結果を許可事業者に通知するものとする。

3 町長は、前項の規定による検査の結果、事業計画の許可の内容に適合しないと認めるときは、許可事業者に対し、相当の期限を定めて、太陽光発電設備の除却、事業区域の原状回復その他必要な措置を命ずることができる。

(廃止の届出)

第20条 事業者は、事業を廃止しようとするときは、廃止しようとする日の30日前までにその旨を町長に届け出なければならない。

2 事業者は、事業の廃止後において行う措置を適切に行うとともに、事業の廃止が完了したときは、その完了の日から起算して30日以内に町長に届け出なければならない。

3 事業者は、事業を廃止しようとするときは、太陽光発電設備の解体、撤去、廃棄その他規則で定める措置を講じなければならない。

(維持管理)

第21条 事業者は、許可事業を実施する間は、災害又は生活環境等の保全上に支障が生じないよう、太陽光発電設備及び事業区域内を常時安全かつ良好な状態となるよう維持管理しなければならない。

(関係書類の保存及び閲覧)

第22条 許可事業者は、許可事業を行っている間は、この章の規定により町長に提出した書類の写しを保存し、近隣住民その他事業に関し生活環境の保全上利害関係を有する者の求めに応じ、閲覧させなければならない。

第4章 雑則

(事業計画の許可の取消し)

第23条 町長は、許可事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、事業計画の許可を取り消すことができる。

(1) 不正な手段により、事業計画の許可又は事業計画の変更許可を受けたとき。

(2) 事業計画の許可を受けた日(事業計画の変更許可を受けた場合にあっては、当該事業計画の変更許可を受けた日)から起算して1年を経過する日までに許可事業に着手しなかったとき。

(3) 許可事業に着手した日後1年を超える期間引き続き当該許可事業を行っていないとき。

(4) 第14条第1項に規定する要件を満たさない事業を行ったとき。

(5) 第14条第4項(第15条第2項において準用する場合を含む。)の規定による条件に違反したとき。

(6) 事業計画の変更許可を受けないで事業計画の変更を行ったとき。

(7) 次条第1項の規定による命令に違反したとき。

(措置命令)

第24条 町長は、許可事業者が事業計画に従って許可事業を行っていないと認めるときは、当該許可事業者に対し、工事その他の行為の停止を命じ、又は相当の期限を定めて太陽光発電設備の除却、事業区域の原状回復その他違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができる。

2 町長は、第13条第1項に規定する許可を受けずに事業を行った事業者又は前条第6号の規定に該当することにより事業計画の許可の取消しを受けた事業者に対し、事業の中止を命じ、又は相当の期限を定めて太陽光発電設備の除却、事業区域の原状回復その他違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができる。

(違反事実の公表)

第25条 町長は、第19条第3項若しくは前条に規定する命令(以下この項において「命令」という。)をしたとき又は第23条の規定により事業計画の許可を取り消したときは、次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 命令又は事業計画の許可の取消しを受けた事業者の氏名及び住所

(2) 命令又は事業計画の許可の取消しの内容

2 町長は、事業者がこの条例に基づく届出、申請、報告等において、虚偽記載等の不正行為を行ったと認めるときは、次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 当該事業者の氏名及び住所

(2) 当該事業者が行った不正行為の内容

3 町長は、前2項の規定による公表を行うときは、あらかじめ事業者に対してその理由を通知し意見を述べる機会を与えなければならない。

(報告の徴収)

第26条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、保全地区内の事業又は事業区域の面積が500平方メートルを超える事業に係る事業者、工事施行者、土地所有者等その他の関係者に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。

(立入検査等)

第27条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、町の職員に保全地区内の事業又は事業区域の面積が500平方メートルを超える事業に係る事業者、工事施行者の事務所若しくは事業所又は事業区域に立ち入り、事業の状況若しくは施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入検査等を行う職員は、その身分を証明する書類を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査等の権限は、これを犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(手数料)

第28条 事業計画の許可又は事業計画の変更許可を受けようとする者は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める額の手数料を納付しなければならない。

(1) 事業計画の許可の申請 1件につき3万円

(2) 事業計画の変更許可の申請 1件につき2万円

2 前項の規定により納付した手数料は、返還しない。

(委任)

第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

第1条 この条例は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める日から施行する。

(1) 第1章及び第2章並びに第29条の規定 令和4年10月1日

(2) 第3章及び第4章(第29条を除く。)並びに次条の規定 令和5年4月1日

(経過措置)

第2条 前条第2号の規定による施行の際、現に次に掲げる事由に該当する者については、この条例を適用しない。

(1) 太陽光発電設備の設置に係る工事を開始している者

(2) 太陽光発電設備の設置に係る工事を開始していない者であって、次のいずれかに該当するもの

 森林法(昭和26年法律第249号)第10条の2に規定する許可を受け、又は受ける見込みがある者

 農地法(昭和27年法律第229号)第4条第1項本文又は第5条第1項本文に規定する許可を受けている者

(令和5年条例第15号)

この条例は、令和5年5月26日から施行する。

吉岡町自然環境、景観等と太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例

令和4年9月14日 条例第24号

(令和5年5月26日施行)