○結城市土地開発事業の適正化に関する指導要綱
平成22年9月29日
告示第148号
(目的)
第1条 この告示は、土地開発事業の施行に関し、必要な基準等を定めて、その適正な施行を確保することにより、開発区域及びその周辺の地域における災害を防止するとともに、自然の保護と環境の保全を図り、もって本市の土地利用の合理化及び市民の福祉の増進に資することを目的とする。
(1) 土地開発事業 一団の土地の区画形質の変更に関する事業をいう。
(2) 開発区域 土地開発事業を行う土地の区域をいう。
(3) 事業主 土地開発事業に係る工事(以下「工事」という。)の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自ら工事を施行する者をいう。
(4) 工事施行者 土地開発事業の工事の請負人又は請負契約によらないで自ら工事を施行する者をいう。
(1) 国、地方公共団体その他別に定める公共的団体が事業主となって行う土地開発事業
(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第29条第1項に規定する開発行為に係る土地開発事業(前号に該当するもの及びゴルフ場に係るものを除く。)
(3) 鉱業法(昭和25年法律第289号)に規定する鉱業に係る土地開発事業
(4) 採石法(昭和25年法律第291号)に規定する採石に係る土地開発事業
(5) 砂利採取法(昭和43年法律第74号)第2条に規定する砂利採取に係る土地開発事業
(6) 農業、林業又は漁業の用に供する土地開発事業で別に定めるもの
(7) 非常災害のため必要な応急措置として行う土地開発事業
(8) 結城市生活環境等と太陽光発電設備設置事業との調和及び運営事業の適正管理に関する条例(平成29年結城市条例第4号)に規定する太陽光発電設備の設置に係る土地開発事業
(9) その他公益の用に供する土地開発事業で別に定めるもの
(事業主の責務)
第4条 土地開発事業を行おうとする者は、土地開発事業の計画を策定しようとするときは、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 県及び本市の定める土地利用に関する計画その他の施策と調和すること。
(2) 地域住民の意見を尊重し、その理解と協力が得られること。
(設計の基準)
第5条 事業主は、工事の設計(以下「設計」という。)を定めるに当たっては、別表に定める設計の基準(以下「基準」という。)に適合するようにしなければならない。
(設計の承認等)
第6条 事業主は、土地開発事業を行おうとするときは、結城市宅地開発指導要綱(平成22年結城市告示第146号)第5条の事前協議を行わなければならない。
2 事業主は、前項の事前協議を終えた後、工事に着手する前に、その設計が基準に適合するものであることについて、市長の承認を受けなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 開発区域(開発区域を工区に分けたときは、開発区域及び工区)の位置、区域及び面積
(3) 工事の着手及び完了の時期
(4) 請負契約によって工事を施行しようとする場合は、当該工事の請負人の氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
4 市長は、前項の規定による承認申請書を受理した場合において、設計が基準に適合することを認めたときはその旨を、適合しないことを認めたときはその理由を明らかにしてその旨を、当該承認申請書を提出した者に通知しなければならない。
第7条 削除
(設計の変更)
第8条 事業主は、第6条第2項の規定による承認を受けた設計を変更しようとするときは、当該変更に係る部分の工事に着手する前に、当該変更に係る部分の設計が基準に適合するものであることについて、市長の承認を受けなければならない。ただし、別に定める軽微な変更をしようとする場合は、この限りでない。
(協定の締結)
第9条 事業主は、土地開発事業の施行について市長と協定を締結しなければならない。
(防災等の措置)
第10条 事業主又は工事施行者は、工事の施行に当たっては、当該工事に係る開発区域及びその周辺の地域において、次の各号に掲げる事態を生じさせないように、適切な措置を講じなければならない。
(1) 土砂くずれ、出水等による災害が生ずること。
(2) 河川及び水路の利水又は排水に支障を及ぼすこと。
(3) 排水路その他の排水施設の使用に支障を及ぼすこと。
(4) 交通に支障を及ぼすこと。
2 事業主又は工事施行者は、工事を廃止し、又は中止しようとするときは、当該工事に係る開発区域及びその周辺の地域において、前項各号に掲げる事態を防止するため、必要な措置を講じなければならない。
(変更等の届出)
第11条 事業主は、次の各号に掲げる場合において、速やかに別に定めるところによりその旨を市長に届け出なければならない。
(1) 第8条第1項ただし書の規定による軽微な設計の変更をしたとき。
(2) 工事施行者を変更したとき。
(3) 工事の着手又は完了の時期を変更しようとするとき。
(4) 工事を2月以上中止し、又はその工事を再開しようとするとき。
(5) 工事を廃止しようとするとき。
(工事の完了検査)
第13条 事業主は、開発区域(開発区域を工区に分けたときは、その工区)の全部について工事が完了したときは、速やかに別に定めるところによりその旨を市長に届け出なければならない。
(1) 当該土地開発事業に関する工事用の仮設建築物を建築するとき、その他市長が支障がないと認めたとき。
(2) 当該開発区域内の土地につき当該開発区域に係る土地開発事業の施行又は土地開発事業に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者(当該土地開発事業の施行又は土地開発事業に関する工事の実施について、事業主に対し、同意を与えた者を除く。)がその権利の行使として建築物を建築するとき。
(3) 都市計画法第37条第1号の規定により建築物の建築又は特定工作物の建設について市長の承認を受けたとき。
(勧告)
第15条 市長は、工事がこの告示の規定に違反して施行されたときは、当該土地開発事業の事業主、工事施行者又は工事管理者に対して、適正な手続により、当該工事の停止又はその違反を是正するために必要な措置をとることを勧告することができる。
(調査)
第16条 市長は、必要があると認めるときは、関係職員をして土地開発事業の施行状況について調査させることができる。
(報告)
第17条 市長は、この告示の施行に必要な限度において事業主又は工事施行者に対し工事に関する報告又は資料の提出を求めることができる。
(1) この告示の規定に違反した事実の内容を公表すること。
(2) 当該土地開発事業の施行に関連する道路の工事又は占有の許可を行わず、必要があるときは、他の道路管理者及び関係官庁に対し、同様の措置をとるよう要請すること。
(3) 当該土地開発事業に係る法令等の規定による許可等を行わないよう関係官庁に要請すること。
(4) 市の工事入札指名業者から除外すること。
(5) 水道、電気等の供給事業者に対し、水道、電気等の供給をしない旨を要請すること。
(地位の承継)
第19条 第6条第2項の規定による承認を受けた者の相続人、その他の一般承継人は、被承継人が有していた当該承認に基づく地位を承継する。
2 第6条第2項の規定による承認を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権その他当該土地開発事業に関する工事を施行する権原を取得した者は、市長の承認を受けて、当該承認を受けた者が有していた当該承認に基づく地位を承継することができる。
(補則)
第20条 この告示の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
付則
この告示は、平成22年10月1日から施行する。
付則(平成29年3月30日告示第38号)
この告示は、平成29年4月1日から施行する。
別表(第5条関係)
設計の基準
(1) 土採取に係る土地開発事業以外のもの
区分 | 設計の基準 | |||||
1 森林 | (1) 保全 | ア 森林の伐採は、最小限に留めるよう設計及び施行するものとし、開発区域内に40パーセント以上の樹林地帯を保存すること。 | ||||
イ ゴルフ場のコースの造成に当たっては、コース間に約20メートル以上の樹林帯を保存すること。 | ||||||
(2) 植樹 | 開発区域内の自然環境の保全及び植生の回復等を図るため積極的に植樹すること。 | |||||
2 防災 | (1) 切盛土 | ア 事業の施行については、自然の景観を損なわないよう努めるとともに自然の保全に努めること。 | ||||
イ 土砂移動量(切土及び盛土の合計量)は、当該開発行為の目的実施のための必要最小限度とし、ゴルフ場に係る土地開発事業についての土砂移動量は、18ホール当たりおおむね250万立方メートルとする。 | ||||||
ウ 切土をする場合において、切土をした後の地盤にすべりやすい土質の層があるとき又はがけ面が生ずるときは、安全な措置を講ずること。 | ||||||
エ 盛土をする場合には、盛土をした後の地盤に雨水その他の地表水の浸透によるゆるみ、沈下又は崩壊が生じないように締固めその他の措置を講ずること。 | ||||||
オ 著しく傾斜している土地において盛土をする場合には盛土をする前の地盤と盛土とが接する面がすべり面とならないように段切りその他の措置を講ずること。 | ||||||
(2) 防災施設 | 開発区域内の造成に伴い利水若しくは排水に支障を及ぼし又は土砂の流出、出水等の被害を及ぼすことのないよう、水文資料、地質、地形等を勘案して別に定める設計基準により適切な防災ダム及び防災施設等を設置し、防災に万全を期すこと。 | |||||
(3) 防火施設 | 消火栓、防火水槽等を設置し、隣接地との間に防火樹の植栽又は防火帯を設けるなど火災の予防に十分配慮すること。 | |||||
3 排水施設 | (1) 設置 | ア 雨水(処理された汚水及びその他の汚水でこれと同程度以上に清浄されたものを含む。)を放流する場合、その放流先の排水能力に支障あるときは、当該開発区域内において一時雨水を貯留する調整池の設置又は河道改修を行うこと。 | ||||
イ 排水施設は、放流先の排水能力、利水の状況その他の状況を勘案して、当該開発区域内の下水(雨水、処理された汚水等)を有効かつ適切に排出できるように、下水道、排水路その他の排水施設又は河川その他の公共の水域若しくは海域に接続していること。 | ||||||
ウ 調整池の設置については、「茨城県の大規模宅地開発に伴う調整池技術基準」によること。 | ||||||
(2) 構造 | ア 排水施設は、堅固で耐久力を有する構造であること。 | |||||
イ 排水施設は、コンクリート、れんがその他の耐水性の材料で造り、かつ、漏水を最小限度のものとする措置が講じられていること。 | ||||||
ウ 排水施設は、道路及び他の排水施設の維持管理上支障がない場所に設けられていること。 | ||||||
4 用水 |
| ア 用水は原則として公共水道を使用し、やむを得ず地下水又は表流水を使用する場合は、開発区域外の農耕用のかんがい用水及び水道用水等に支障のないよう安全揚水又は安全取水をすること。 | ||||
イ 水質は、水道法(昭和32年法律第177号)第4条に定める水質基準に合致したものであること。 | ||||||
5 擁壁 | (1) 設置 | 開発区域内にがけ面があるとき又は切土若しくは盛土をした土地の部分にがけ面が生ずるときは、当該がけ面が擁壁で覆われていること。ただし、切土をした土地の部分に生ずることとなるがけ若しくはがけの部分で、次の規定により、擁壁を要さない勾配の上限に、崩壊崩落の危険のないよう石張り、芝張り等の処置によりそのがけ面が保護されていること。 | ||||
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| 土質 | 擁壁を要しない勾配の上限 | 擁壁を要する勾配の下限 |
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軟岩(風化の著しいものを除く。) | 60度 | 80度 | ||||
風化の著しい岩 | 40度 | 50度 | ||||
砂利、真砂土、関東ローム、硬質粘土、その他これらに類するもの | 35度 | 45度 | ||||
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(2) 構造 | ア 高さが2メートルを超える擁壁の構造は、鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造、間知石練積み造その他の練積み造であること。 | |||||
イ 擁壁は、壁面の面積3立方メートル以内ごとに1個の耐水材料を用いた水抜穴(内径7.5センチメートル以上)が設けられ、かつ、擁壁の裏面で水抜穴の周辺その他必要な部分には、砂利等の透水層が設けられていること。 | ||||||
(3) 地表水の処理 | 切土又は盛土をした土地の部分に生ずるがけ面の上端に続く地盤面は、特別の事情のない限り、そのがけの反対方向に雨水その他の地表水が流れるように勾配が設けられていること。 | |||||
6 道路 |
| ア 開発区域の主要な道路と開発区域外の道路との取り付け道路(以下「取り付け道路」という。)は、道路構造令(昭和45年政令第320号)の規定に準拠して建設すること。 | ||||
イ 取り付け道路は、開発区域外の平均車道幅員5.5メートル以上の道路(開発区域の周辺の道路の状況によりやむを得ないと認められるときは、車両の通行に支障がない道路)に接続していること。 | ||||||
(2) 土採取に係る土地開発事業
区分 | 設計の基準 | |||||
1 掘削 | (1) 採取工法 | ア 採取工法は、通常「階段式工法」、「傾斜式工法」又は「平面式工法」で行い、いわゆる「エグリ掘り」は行わないこと。 | ||||
イ 隣地との保安距離は、最小限度2メートル以上を残し、隣地に人家又は公共施設等がある場合は、土質及び地形を勘案して保安上必要な距離をとること。なお、擁壁等の堅固な建造物を設ける場合は、この限りでない。 | ||||||
ウ 採取途中の災害防止のため、極力「切り下げ方式」を採用すること。 | ||||||
(2) 最終法面 | ア 最終法面は、極力階段を設けること。 | |||||
イ 階段を設ける場合は、切土高5メートル以下で、階段幅は2メートル以上とすること。 | ||||||
(3) 深さ | 掘削の深さは、掘削する場所の周辺の土地のうち最も低い部分よりも低くしないものとすること。 | |||||
(4) 切土の標準勾配 | 土質及び切土高に応じ、次に示す角度以下とすること。 | |||||
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| 土質 | 切土高5メートル以上の場合 | 切土高5メートル未満の場合 |
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軟岩(風化の著しいものを除く。) | 60度 | 70度 | ||||
風化の著しいもの | 40度 | 50度 | ||||
砂利、真砂土、粘土、その他これらに類するもの | 35度 | 45度 | ||||
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2 災害防止 | (1) 崩壊防止対策 | ア 地山の亀裂、陥没等の異常の有無及び含水、ゆう水の状態を絶えず監視するとともに、計画的採取に努めること。 | ||||
イ 1日の作業終了時に、落石、倒木のおそれのある浮石や立木がある場合は、その日のうちに除去すること。 | ||||||
ウ 気象状態に絶えず留意し、気象状態の悪化が予想される場合は、作業の中止、危険個所の保全処置等適切な措置を講ずること。 | ||||||
(2) 土砂流出対策 | 採取中、集中豪雨その他の原因で土砂が付近に流出しないよう土俵積・土盛堤・柵等の仮設工事を行い、完了後も土砂流出のおそれがある場合は、擁壁、堰堤その他これに代わり得る施設を築造し、土砂の流出に対処すること。 | |||||
(3) 排水施設 | ア 採取中、表水面によって法面が洗掘され、又は崩壊するおそれのある場合は、法肩に接する地山に法肩に沿って素掘側溝、コンクリートラフ等による排水溝を設置し、地山からの流水が法面に流れ込まないよう処置すること。また、完了後は、法肩線又は小段に集排水施設を設け、縦排水溝、斜排水溝及びその接合点には集水桝等も考慮して円滑に排水すること。 | |||||
イ ゆう水によって法面が洗掘され、又は崩壊するおそれのある場合は、水抜きのための水平孔、盲渠等を設置してゆう水の排除措置を講ずること。 | ||||||
(4) 採取跡地の保全、利用 | ア 採取行為を完了し、又は廃止したときは、跡地の崩壊を防止するため法面には、保護工を施行すること。 | |||||
イ 採取跡地の利用計画は、周辺の環境と調和するよう配慮すること。また、採取しようとする土地が農地の場合は農地に復元すること。 | ||||||
3 公害、保安対策 | (1) 立入禁止柵 | 採取場内は、一般の立入りを禁じ、周囲は有刺鉄線柵、トタン塀、板塀等によって囲い、出入口には扉を設け、標識を付けること。 | ||||
(2) 騒音対策 | 始業、終業の時間を明確にし、騒音公害になるような早朝、深夜作業は行わないこと。 | |||||
(3) 粉じん対策 | 採取場からの粉じん、運搬路から生ずるホコリ等が周辺の生活環境を阻害しないよう散水、防じん材散布、運搬車両の洗い場を設置する等適切な措置をとること。 | |||||
(4) 交通対策 | ア 運搬車の公道への出入口等必要な個所には、交通整理員を配置し、安全上の配慮をすること。 | |||||
イ 積込場所において規定積載量を超えないよう留意するとともに、車両には必ず全面シートを装置し、路面を汚損したときは速やかに清掃すること。 | ||||||
4 緑の保護と緑化対策 |
| ア 樹林のうち、景観上その他の見地から重要と思われるものについては、極力その全部又は一部の保存を図ること。 | ||||
イ 採取跡地の法面については、原則として緑化することとし、周辺の状況、掘削前の状態を考慮して次のとおり植樹、植草等を行うこと。 (ア) 採取に当たり、山林の一部を伐採し、付近の景観を悪化させた場合は、植樹、植草を併用して行い、緑の復元を図るものとすること。 (イ) 前記以外の場合は、植草、種子吹付けを行うものとすること。 | ||||||